シリコーン業界の世界市場シェアの分析

シリコーン業界の世界市場シェアと市場規模の情報について分析をしています。ダウ・シリコーン、ワッカーケミー、信越化学、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ、ブルースター等のシリコーン業界大手企業の動向も掲載しています。

世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第5巻に記載のシリコーンメーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はダウシリコーン、2位はモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ、3位はワッカーケミーとなります。

1位 ダウシリコーン 26%
2位 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ 19%
3位 ワッカーケミー 18%
4位 信越化学 15%
5位 エルケム 8%

シリコーン業界の世界シェアランキング1位は米国のダウケミカル傘下のダウシリコーン社です。2位は旧GEのシリコーン事業であるモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズと3位のドイツのワッカーケミーが僅差で追います。日本では信越化学が大手となります。

市場規模

調査会社のマーケッツアンドマーケッツによれば、2020年のシリコーン業界の市場規模は140億ドルです。2025年までに年平均10.7%での成長を見込みます。調査会社のグランビューリサーチによれば、2019年の同業界の市場規模は147億ドルです。2020年から2027年にかけて年平均3.7%での成長を見込みます。当サイトでは、シリコーンの市場シェアを計算するにあたり、同業界の規模を145億ドルを市場規模としています。

シリコーンとシリコンの違い
シリコン( silicon)とは、ケイ素(Si)の事を指す。半導体の主原料です。酸化シリコン(シリカ)は、土中に大量にある(珪砂・珪石といった砂の主成分)です。石英(水晶)の主成分もシリカです。シリコーン(silicone)は、天然には存在しない合成された有機化合物(ケイ素樹脂)です。接着剤やコーティング・塗料の主原料となっています。

シリコーンの用途
シリコーンは、水槽の水漏れ防止用のシーラント、建築用ガスケット、コーティング剤、シール材、電気絶縁樹脂ワニス、ウレタンフォーム、自動車のワックス、化粧品、ラジエーターホース、接着剤、眼鏡用プラスチックス・レンズ等に使われています。

シリコーン業界の動向

ワッカーケミー(Wacker Chemie)

1914年に創業したドイツに本拠を置く化学メーカーです。アセトアルデヒドの合成においてワッカー法を生み出しています。シリコーンの分野以外にも多結晶シリコンに強みを持ちます。日本では旭化成と旭化成ワッカ-シリコーンで事業を展開しています。

Dow (ダウシリコーン)

米国に本拠を置くシリコーン技術に強みを持つ化学メーカーです。米国の化学大手ダウケミカルとガラス材メーカーのコーニング社による合弁企業(ダウコーニング)でしたが、集団訴訟により1995年に破産しました。その後2016年にダウが合弁会社の持ち分をコーニングより買収し、現在はダウケミカルの完全子会社となりました。

ダウについて

1897年にHerbert Henry Dow氏によって設立された米国に本拠を置く世界最大級の総合化学メーカーです。祖業は漂白剤と臭化カリウムです。その後、ユニオンカーバイド(Union Carbide)やローム・アンド・ハースの買収を通じて事業を成長しました。2015年に米同業のデュポンと経営統合しましたが、2019年に素材事業を担う新生ダウ、特殊産業材のデュポン、農薬のコルテバアグリサイエンスへと分社化されました。シリコーンはダウシリコーンが展開しています。アクリル樹脂原料・メチルメタクリレートにも強みを持ちます。さらに詳しく

モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(Momentive Performance Materials)

GEのシリコーン事業GE Advanced Materialsが分社化して誕生しました。2014年にチャプター11を申請後、アポロマネジメントが蘇生したMPM Holdings傘下となりましたが、2018年に韓国系のコンソーシアムであるWonik QNC、KCC Corporation、SJL Partnersが31億ドルで買収しました。

信越化学

信越化学は1926年に創業された日本を代表する化学メーカーです。旭化成、積水化学、積水ハウスと同じ源流である日本窒素肥料(現チッソ)の関連会社として誕生しました。同社のアニュアルレポートによれば、塩化ビニル樹脂、シリコンウエハ、先端品フォトマスクブランクス、フェロモン製剤では世界1位です。セルロース、シリコーンでも世界大手となっています。半導体ウエハはSUMCOと二強体制となっています。さらに詳しく

Elkem

ノルウェーに本拠をおくシリコン大手Elkem傘下のシリコーン会社です。中国の政府系大手化学メーカーのケムチャイナ(China National Chemical Corporation)グループのBluestar(ブルースター)傘下に入っています。

ケムチャイナ

中国化工集団(ケムチャイナ、ChemChina、China National Chemical Corporation )はRen Jianxin(任建新)氏によって設立されたChina National Blue Star Corp(藍星) と China Haohua Chemical Industrial Corp(昊華)が2004年に経営統合して誕生した中国政府系の化学メーカーです。中国政府が100%株式を保有しています。農薬、ゴム、シリコーンや機能性化学等の分野で事業展開しています。2016年から寧高寧氏がシノケムとケムチャイナのCEOとなり、2021年に国営化学会社のシノケムと経営統合、中国中化(シノケム)ホールディングス傘下になりました。続きを読む