太陽光パネル業界の世界市場シェアの分析

本レポートでは、太陽光パネル業界の世界シェアや市場規模について分析しています。

ロンジ、JAソーラー、トリナ、カナディアンソーラー、ジンコソーラー、ファーストソーラーといった主要メーカーの概要や動向に加え、2025年の最新データに基づく世界出荷量ランキングも掲載しています。

今回の分析では、自社ブランドの太陽光パネル(PVモジュール)を製造・販売する企業 を対象とし、世界市場における競争力を比較しています。太陽光パネル業界は、売上高・出荷量・技術別シェアなど複数の指標で評価されますが、本レポートでは 国際的に広く用いられている「年間出荷量(GW)」 を基準としています。

出荷量は価格変動の影響を受けにくく、企業の生産能力や供給力を把握するうえで有効な指標とされています。そのため、本分析では2025年の太陽光パネル出荷量に関する最新の国際データを踏まえ、主要メーカーの供給規模を整理しています。

【太陽光パネル業界とは】

太陽光パネル業界とは、太陽光を電力に変換する太陽電池モジュール(PVモジュール)を製造・販売する企業を中心とした産業です。

太陽光発電技術の進歩により急速に発展しており、モジュールの製造だけでなく、太陽光発電システムの設計、販売、設置、保守、さらには高効率化に向けた研究開発など、多岐にわたる活動が含まれます。

【太陽光パネル業界の世界市場シェア+ランキング】

太陽光パネル業界の2025年度の出荷量(GW)⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2025年の太陽光パネル業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はジンコソーラー、2位はロンジ、3位はトリナソーラーとなります。

太陽光パネル業界の市場シェア(2025年) ©2026 Deallab

順位 Company name
(English)
企業名(日本語) 市場シェア
1 JinkoSolar ジンコソーラー 15.86%
1 LONGi ロンジ 15.86%
3 Trina Solar トリナソーラー 12.13%
3 JA Solar JAソーラー 12.13%
5 Tongwei トンウェイソーラー 8.40%
6 Astronergy (CHINT) アストロエナジー 8.40%
7 GCL Technology GCLテクノロジー 4.66%
8 DMEGC DMEGCソーラー 4.66%
8 Canadian Solar カナディアンソーラー 4.66%
10 TCL Solar TCLソーラー 3.73%
10 Yingli Solar インリーソーラー 3.73%
10 DAS Solar ダスソーラー 3.73%
太陽光パネルの世界市場シェアと業界ランキング(2025年) ©2026 Deallab

2025年の出荷量ランキングでは、上位陣の出荷ボリュームが極めて僅差となったため、1位・2位グループ、および3位・4位グループがそれぞれ「同着」として扱われる激戦となりました。

1位(同着首位)は、JinkoSolar(ジンコソーラー)です。
太陽光業界を牽引する絶対的リーダーです。競合に先駆けて「N型TOPCon技術」への移行を一早く成功させ、高い発電効率と優れたコスト競争力を両立しました。米国や欧州、中東を含む強固なグローバル供給網が最大の強みです。

1位(同着首位)は、LONGi Green Energy(ロンジ)です。
JinkoSolarと並ぶ世界2強の一角です。
他社が注力するTOPConとは一線を画し、独自のバックコンタクト技術「HPBC」の社会実装を推進しています。米国内工場の稼働など、迅速な海外生産シフトで出荷量を大きく伸ばしました。

3位(同着3位)は、Trina Solar(トリナ・ソーラー)です。
大型プロジェクトで圧倒的な支持を集めるメガサプライヤーです。
210mmの大型ウェハを用いた高出力プラットフォームの先駆者であり、次世代技術への対応とともに、スマートエネルギー全体のソリューション展開に強みを持っています。

3位(同着3位):JA Solar(ジェーエーソーラー)です。
Trina Solarと僅差で並び、世界のトップ4(巨頭層)を構成する重要メーカーです。
同社はシリコンウェハ、セル、モジュールまでを一貫して内製化する高い垂直統合比率を持っており、安定したコスト管理と品質の高さに定評があります。日本市場においても長年非常に高いシェアを誇り、住宅用から産業用までバランスの取れた製品ポートフォリオと、手厚いアフターサポートで強い信頼を獲得しています。

3位(同着3位)は、JA Solar(ジェーエーソーラー)です。
世界のトップ4を構成する、高い垂直統合比率を誇る最重要メーカーです。
部材の内製化による徹底したコスト管理と高品質に定評があります。日本市場でも住宅用から産業用まで根強いシェアと高い信頼を獲得しています。

【太陽光パネル業界の世界市場規模】

本データベースにおける2025年の太陽光パネル(モジュール)の世界市場規模は、主要サプライヤーの総出荷量ベースで536 GW(ギガワット)として算出しています。これは売上金額ではなく、年間で世界に供給された太陽光パネルの「合計発電容量」を示す業界標準の指標です。

売上高の点からみると、調査会社プレセデンツリサーチによる調査では、2025年の同業界の市場規模は2,862億ドルです。2034年にかけて年平均6.21%で成長し、規模は5,227億ドルへと拡大することを見込んでいます。

市場規模 成長率見込み
2025 2,862億ドル
2026 3,043億ドル
2034 5,227億ドル 年平均6.21%

太陽光パネル業界の市場規模の予想成長推移 ©2026 Deallab

【M&Aの動向】

2015年 カナディアン・ソーラー社は、シャープ株式会社から北米の大手太陽光発電事業者であるRecurrent Energy, LLCの買収を完了
2016年 ジンコソーラーは、JinkoSolar Engineering Co., Ltd.の持ち分55%全てをShangrao Kangsheng Technology Co., Ltd.に売却
2016年 タタ・パワー社は、Welspun Energy Pvt Ltdを再生可能資産を1万ルピーで買収
2016年 GCL-SIは、オーストラリアONE STOP WAREHOUSE PTY LTDの51%の株式を保有する契約を締結
2018年 JAソーラーホールディングスは2017年に締結した合併計画に基づきJASO Acquisition Limitedと合併
2020年トリナ・ソーラーはスペインに拠点を置くTrina Solar Co., Ltd.を完全子会社化に成功
2020年 ロンジがNingbo Jiangbei Yize New Energyを2億5300万ドルで買収
2020年 ライセンエナジーは子会社のRisen Orientを通じてDunan PVのポリシリコン企業の株式を100%取得
2020年 ライセンエナジーは子会社のDunan PVを通じてJuguang Silicon Industryの株式100%を取得
2021年 ファーストソーラーはLeeward Renewable Energy Development, LLCが約10ギガワットACの実用規模の太陽光プロジェクトプラットフォームをファーストソーラーから取得するという売買契約を締結
2021年 ハンファ・ソリューションズはフランスの自然エネルギー開発会社RES Méditerranée SASの持分100%を取得する契約を締結
2021年 サンパワー社がBlue Raven Solarを買収
2022年 カナディアン・ソーラー社は、子会社のRecurrent Energy, LLCが、バージニア州ピッツィルバニア郡のリカレント・ファイアフライ・エナジー太陽光発電プロジェクトについて、アパラチアン電力と売買契約を締結
2022年 カナディアン・ソーラー社は、ブラジルの大手発電会社であるSPIC Brasilと、カナディアン・ソーラー社が保有する738MWpの太陽光発電プロジェクト「Marangatu」「Panati-Sitia」の株式の70%を売却する契約を締結
2022年 ワリーエナジーはIndosolarの買収にNCLTの承認を取得
2023年 ファーストソーラーは、ペロブスカイト技術の欧州のリーダーであるEvolar ABを買収

【会社の概要】

JinkoSolar(ジンコソーラー)

2006年に創業された、中国の上海および江西省に拠点を置く世界最大級の大手太陽光モジュールメーカーです。シリコンインゴット、ウェハ、セルからモジュールまでの一貫生産を行っており、累計モジュール出荷量は世界で初めて300GWを突破しています [引用1.2.4]。次世代技術である「N型TOPCon」の市場拡大を世界規模で牽引する、業界の絶対的リーダーです [引用1.2.2]。

LONGi Green Energy(ロンジ)

2000年に設立された太陽光大手メーカーです(旧称:Longi Solar)。
単結晶ウエハの生産において世界トップクラスのシェアを誇り、ウエハからセル、モジュール製造まで垂直統合型で展開しています。他社と一線を画す独自のバックコンタクト(BC)技術である「HPBC」に注力し、高効率な次世代製品の普及を進めています。

Trina Solar(トリナソーラー、天合光能)

1997年に高紀凡(Jifan Gao)氏によって設立された、中国の江蘇省常州市に本拠を置く中国大手太陽光モジュールメーカーです。210mmの大型ウェハ技術をいち早く標準化し、高出力モジュール市場をリードしています。製品供給だけでなく、大型蓄電池システムやスマートエネルギーの包括的なデジタルソリューションにも強みを持っています。

JA Solar(JAソーラー)

2005年に創業された、中国の河北省に登記、北京に本社を置く大手モジュールメーカーです。太陽光のセルの生産でも大手です。太陽光向けウエハ、セル、モジュール、そしてソーラー発電所の運営まで一貫して行っています。日本市場においても極めて高いシェアと手厚いサポート体制で強い信頼を獲得しています。

Tongwei Solar(トンウェイソーラー、通威太陽能)

中国の四川省成都に本拠を置くメーカーです。元々は太陽光セルの「世界最大手製造ベンダー(外部供給専門)」として圧倒的な地位を誇っていましたが、近年モジュール製造(垂直統合)に本格参入し、一気に出荷量トップ5へと躍進しました。原材料のポリシリコンからウエハ、セル、モジュールまでをグループ内で完結させる圧倒的なコスト競争力が強みです。

Astronergy(アストロエナジー、正泰新能)

中国の大手電気機器・再エネ財閥であるCHINTグループ(正泰集団)傘下の太陽光モジュールメーカーです。2006年に設立され、浙江省海寧市に本拠を置いています。いち早くN型TOPCon技術の量産ラインを大規模構築し、グローバル市場(欧州、アジア、中東など)への輸出比率を急速に伸ばしています。

GCL System Integration Technology(GCLシステムインテグレーション、協鑫集成)

2003年に設立された、中国の蘇州に本拠を置くGCLグループ傘下の太陽光モジュールメーカーです。ウエハからモジュール、さらにはシステムインテグレーションやEPC(設計・調達・建設)までを手がけています。グループ全体で太陽光の主要原材料(シリコン素材)のトップサプライヤーでもあり、低炭素製造(カーボンフットプリント削減)に注力したモジュール展開が特徴です。

DMEGC Solar(DMEGCソーラー、東磁新能源)

中国の浙江省東陽市に本拠を置く、大手上場企業「横店東磁(Hengdian DMEGC)」の太陽光事業部門です。元々はフェライト磁性材料などの電子部品大手ですが、太陽光分野でも20年近くの歴史を持ちます。特に欧州の住宅用・商業用市場において、デザイン性の高い「オールブラックモジュール」などの高付加価値製品で非常に高いシェアと信頼を誇っています。

Canadian Solar(カナディアン・ソーラー)

2001年にショーン・クゥ(Shawn Qu)博士によって設立された、カナダのオンタリオ州に本社を置くグローバル太陽光モジュールメーカーです。中国をはじめ世界各地に大規模な生産拠点を持ち、モジュール製造のみならず、世界最大級の太陽光・蓄電プロジェクトの開発(Recurrent Energy等を通じて展開)や運営までをグローバルに行っています。

TCL Solar(TCLソーラー / TCL中環)

中国の大手家電・ディスプレイ巨人であるTCLグループ傘下の太陽光メーカーです。主にシリコンウエハの大手製造企業である「TCL中環(TCL Zhonghuan)」の強力なサプライチェーンをバックボーンに持ち、近年モジュール事業を急速に拡大させています。大型ウエハ(210mm)を用いた高出力モジュールの製造に強みを持っています。

Yingli Solar(インリーソーラー、英利緑色能源)

中国の河北省保定市に本拠を置く、かつて世界首位を誇った中国大手太陽光モジュールメーカーです。2020年に法的整理(破産再編)に入りましたが、その後「インリー・スマートエネルギー(Yingli Smart Energy)」として再スタートを切り、N型TOPCon製品を中心にグローバル市場への供給を継続してトップ12の地位を維持しています。

DAS Solar(ダスソーラー、一道新能源)

2018年に設立された、中国の浙江省衢州市に本拠を置く新興の大手太陽光モジュールメーカーです。国営企業などの強力な資本背景を持ち、設立からわずか数年でトップ10前後に急成長しました。「N型TOPCon技術」に特化した高度な研究開発力を持ち、軽量モジュールなど特定の設置環境に合わせた製品展開でも注目されています。

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