大衆薬・市販薬業界の業界の世界シェア・売上高ランキング・市場規模・M&A(合併買収)について分析しています。グラクソ・スミスクライン、ジョンソン&ジョンソン、バイエル、サノフィ、ペリゴ、大正製薬といった大衆薬メーカーの概要も掲載しています。
【医薬品の区分】
大衆薬は、薬店や薬局にて自分で選んで買うことができる薬のことをいいます。市販薬、OTC医薬品、一般用医薬品とも呼ば医薬品の区分れています。医師が診断した上で発行する処方箋に基づき処方される医薬用医薬品とは異なります。大衆薬は、さらに副作用やリスクに応じて、第1〜第3類医薬品へ分類されます。育毛剤や入浴剤、健康ドリンクの一部といった人に対する作用が緩やかである製品は、医薬部外品とされています。
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【市場シェア】
大衆薬・市販薬メーカーの2022年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、後述する市場規模を分母にして、2022年の 大衆薬・市販薬業界の世界市場シェアを簡易に計算すると、1位はグラクソ・スミスクライン、2位はレキットベンキーザ、3位はバイエルとなります。
大衆薬・市販薬メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2022年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | グラクソ・スミスクライン | 7.48% |
2位 | レキットベンキーザ | 4.44% |
3位 | バイエル | 3.98% |
4位 | ジョンソン&ジョンソン | 3.72% |
5位 | サノフィ | 3.34% |
6位 | P&G | 2.97% |
7位 | ペリゴ | 2.75% |
8位 | 大正製薬 | 1.24% |
9位 | シプラ | 0.07% |
10位 | アイトゥ・バイオファーマ | 0,02% |
【市場規模】
当データベースでは、2022年の大衆薬・市販薬業界の世界市場規模を1620億ドルとしております。参照した各種統計データは次の通りです。
調査会社グローバルマーケットインサイツによると、2022年の同業界の市場規模は1,620億ドルです。2023年〜2032年にかけて年平均5%で成長し、同年には2660億ドルに達することを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2022年 | 1620億ドル | – |
2032年 | 2660億ドル | 5% |
【売上高ランキング】
2022年度10-12月四半期売上高をベースとした大衆薬・市販薬メーカーのランキングでは、2021年と同様1位はグラクソ・スミスクライン、2位は昨年3位だったレキットベンキーザ、3位はバイエルとなっています。⇒参照したデータの詳細情報
【M&Aの動向】
2014年 レキット・ベンキーザーがジョンソン&ジョンソンからK-Yブランドを買収
2014年 ペリゴがベルギーのオメガ・ファーマを買収
2014年 ノバルティスとGSKが大衆薬事業を統合
2015年 サノフィの動物薬事業とベーリンガーインゲルハイムの大衆薬事業の事業スワップ
2017年 レキットベンキーザはミード・ジョンソン・ニュートリション・カンパニーを買収
2018年 大正製薬HD、仏大衆薬UPSAを買収
2018年 シプラ社、南アフリカの医薬品開発会社ミレン社を買収
2018年 GSKが大衆薬事業の持分をノバルティスから買収
2018年 P&Gがメルクの大衆薬事業を買収
2018年 ファイザーが大衆薬事業をGSKと統合
2019年 バイエルはカレンタのMIRA社への売却を完了
2019年 アユタス・バイオサイエンスはイノヴァス・ファーマシューティカルズ買収に合意
2019年 ジョンソン&ジョンソンはヴァーブ・サージカルの残存株式を取得することで合意
2020年 バイエルは米国のアスクレピオス・バイオファーマシューティカル社(アスクバイオ社)を買収
2020年 武田薬品工業が武田コンシューマーヘルスケアをブラックストーンへ売却
2020年 ジョンソン&ジョンソンはモメンタ・ファーマシューティカルズの買収を完了
2021年 バイエルはビビディオン・セラピューティクスを買収
2021年 ジョンソン&ジョンソンがコンシューマーヘルスケア部門のスピンオフを発表
2022年 ペリゴ、HRAファーマの買収を完了
2022年 シプラヘルスがメディンベル・エルバルケア社からエンデュラ・マスを買収
2022年 グラクソ・スミスクライン(GSK)はアフィニバックス社の買収を完了
2022年 グラクソ・スミスクライン(GSK)はシエラオンコロジーを19億ドルで買収
2022年 ジョンソン&ジョンソンはアビオメッドを買収を完了
2023年 サノフィは米国ブランドQunol®を買収
2023年 サノフィがプロベンション・バイオ社の買収を完了
2023年 グラクソ・スミスクライン(GSK)はカナダのベラス・ヘルスを買収に合意
【会社の概要】
GlaxoSmithKline(グラクソ・スミスクライン)
1999年にスミスクライン・ビーチャムとグラクソ・ウエルカムが経営統合して誕生した英国に本拠を置く大手製薬メーカーです。中枢系の医薬品に強みを持ちます。医薬品、ワクチンとコンシューマヘルスケアが事業の柱となっています。コンシューマヘルスケアの歯磨き粉では、アクアフレッシュ(Aquafresh)センソダイン(Sensodyne、日本名シュミテクト)や抗炎症剤「ボルタレン」などが主力製品です。2018年に米ファイザーと一般用医薬品(大衆薬)事業の統合を発表、GSKコンシューマヘルスケアが誕生しました。飲料事業(ルコゼード、ライビーナ)をサントリー食品に、抗がん剤事業をノバルティスに160億ドルで売却しました。さらに詳しく
ノバルティスについて
Novartis(ノバルティス)は、スイスに本拠を置く世界最大級の製薬メーカーです。後発医薬品メーカー大手のSandoz(サンド)を傘下に保有しています。2014年に英グラクソ・スミスクラインの抗がん剤事業を160億ドルで、2017年にフランスの放射性医薬品会社アドバンスト・アクセレーター・アプリケーションズを39億ドルで、2018年に米国のがん治療薬メーカーであるエンドサイトを21億ドルで買収すると発表する一方で、コンタクトレンズ会社のアルコンは分社化、大衆薬事業は合弁相手のグラクソ・スミスクラインに売却し、先端医薬品分野を強化しています。さらに詳しく
Reckitt Benckiser Group Plc(レキットベンキーザ)
イギリス・ロンドン郊外のバークシャー州・スラウに本社を置き、トイレタリー分野を中心とした日用品・医薬品・食品を製造販売している会社です。レキットベンキーザー・グループとして、ロンドン証券取引所に上場しています。続きを読む
【取扱ブランド一覧】
出所:Reckitt Benckiser Group Plc
Bayer(バイエル)
Bayer AG(バイエル)は、1863年にフリードリヒ・バイエル氏によって設立されたドイツに本拠を置く世界的な医薬品・化学品メーカーです。アスピリンの発明で有名です。第二次世界大戦中には、BASF、ヘキストとともにIG・ファルベンを形成しました。戦後にバイエルとして独立し、数々の買収や事業の売却を行っています。農薬・種子事業、ファーマスーティカル事業、コンシューマーヘルス事業が3本柱です。2015年にはマテリアルサイエンス部門をコベストロ(Covestro)として分社化・独立させています。農薬・種子事業においては、2016年にモンサントを買収し、農薬ビッグ4を一歩引き離す存在となりました。種子分野でも上位に入っています。なお、香料大手であるシムライズは、2002年に同社の子会社の出会ったHaamann & Reimer社とDragoco社が経営統合をし、誕生した経緯があります。
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Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)
Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)は1887年にジョンソン三兄弟によって創設された米国に本拠を置く世界最大級の日用品・医療機器メーカーです。医療・衛生用品のバンドエイドや綿棒、スキンケア用のベビーローション、オーラルケアのリステリン、一般医薬品、外科関連の手術器具では圧倒的な強みを有しています。続きを読む
Sanofi(サノフィ)
サノフィは、1973年に設立されたフランスに本拠を置く大手製薬メーカーです。サノフィの発祥は、仏石油大手のTOTALの医薬品部門とヘキスト・ローヌ・プーラン・ローラー系の製薬事業です。ワクチン系の医薬品に強いとされます。2018年に抗体医薬を手掛けるベルギーのアブリンクスを買収しています。さらに詳しく
P&G
P&G(プロクター&ギャンブル)は、アメリカ合衆国オハイオ州に本拠を置く世界最大の一般消費財メーカーです。1837年にウィリアム・プロクター氏とジェームズ・ギャンブル氏によって設立されました。米国で26種類以上の医薬品を製造、販売および流通させている大手の会社です。さらに詳しく
【取扱ブランド一覧】
引用:Procter & Gamble Personal Health Care
Perrigo(ペリゴ)
1887年に米国で設立され、現在はアイルランドに本拠を置く大衆薬メーカーです。ジェネリック医薬用医薬品、医薬品原体などの事業も展開しています。2013年にアイルランドのElan(エラン)を買収しました。
大正製薬
1912年に設立された日本を代表する大衆薬メーカーです。健康ドリンクのリポビタンDや育毛剤のリアップなどのロングセラーを多数抱えます。
Cipla(シプラ)
インドマハーラーシュトラ州ムンバイに本社を置く製薬会社です。インド国内ではジェネリック医薬品の筆頭格メーカーとして、国外では発展途上国向けHIV陽性患者のための低コスト治療薬の製造でも知られています。
Aytu Biopharma Inc(アイトゥ・バイオファーマ)
ADHDやその他の一般的な疾患を中心に、複雑な疾患に対応する医療用医薬品の商業的ポートフォリオを拡大しているダイナミックな専門製薬企業です。
2002年8月9日に設立され、コロラド州エングルウッドに本社を置いています。
参照したデータの詳細情報について
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