TOYOTA MOTOR CORPORATION(トヨタ自動車株式会社)の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

トヨタ自動車の歴史的ルーツは1918年に設立された豊田紡織株式会社にあります。1929年の世界恐慌で業績不振に陥ってしまったことを教訓に、事業の多角化を始め、1933年にトヨタ自動車の直接の起源となる自動車製作部門が豊田自動織機製作所内に設置されました。自動車部門が設置された当初はトラックやバスを中心に生産を行いました。1936年には、日本初の量産乗用車である「トヨダAA型」を発売しましたが、第二次世界大戦の影響で、生産は中断を余儀なくされました。戦後、トヨタ自動車は、生産設備の再建と新製品の開発に取り組みました。1955年には、日本初の量産小型乗用車である「トヨペット・クラウン」を発売し、国内市場でシェアを拡大しました。1960年代以降、トヨタ自動車は、海外市場への展開を積極的に進めました。1965年には、アメリカに現地法人を設立し、北米市場に進出しました。また、1970年代には、日本車の輸出拡大に伴い、アジアやヨーロッパなどの新興市場にも進出しました。2000年代以降、トヨタ自動車は、グローバル企業として、世界規模での事業展開を進めています。2012年には、世界販売台数で初めて1000万台を突破し、世界最大の自動車メーカーとなりました。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は前年度比1%減の29,929,992百万円になりました。営業利益は前年度比1%減の2,442,869百万円になりました。営業利益率は8%となりました。自動車事業の営業利益においては、0.7%の増益となりました。これは、原価改善 の努力および諸経費の減少・低減努力などによるものです。

2020年度
売上高は前年度比9%減の27,214,594百万円になりました。営業利益は前年度比10%減の2,197,748百万円になりました。営業利益率は8%となりました。営業利益の減益は、生産お よび販売台数の減少などによるものです。

2021年度
売上高は前年度比15%増の31,379,507百万円になりました。営業利益は前年度比36%増の2,995,697百万円になりました。営業利益率は10%となりました。営業利益の増益は、営業面の努力および為替変動の影響などによるものです。

2022年度
売上高は前年度比18%増の37,154,298百万円になりました。営業利益は前年度比9%減の2,725,025百万円になりました。営業利益率は7%となりました。営業利益の減益は、資材高騰の影響などによるものです。

2023年度
売上高は前年度比21%増の45,095,325百万円になりました。営業利益は前年度比96%増の5,352,934百万円になりました。営業利益率は12%となりました。営業利益の増益は、営業面の努力などによるものです。

トヨタ自動車の業績推移

トヨタ自動車の業績推移

 

業績推移(四半期)


2023年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比23%増の12,041,103百万円になりました。営業利益は1,680,944百万円、営業利益率は14.%となりました。HEV(+37.9%)を中心に全地域で販売台数が増加しました。これは営業面の努力(台数増、構成の改善、価格改定など)によるものです。

2023年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比14.%増の11,072,605百万円になりました。営業利益は1,112,696百万円、営業利益率は10%となりました。

2024年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比12%増の11,837,879百万円になりました。営業利益は1,308,462百万円、営業利益率は11%となりました。営業利益は18.2%の増益となりました。これは、為替変動の影響などによるものです。

2024年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期とほぼ同額の11,444,571百万円になりました。営業利益は1,155,755百万円、営業利益率は10%となりました。累計期間の営業利益は8.0%の減益となりました。これは、諸経費の増加などによるものです。

2024年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比3%増の12,391,095百万円になりました。営業利益は1,215,274百万円、営業利益率は10%となりました。累計期間の営業利益は17.4%の減益となりました。これは、諸経費の増加などによるものです。

トヨタ自動車の四半期業績推移

トヨタ自動車の四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比104%増の365.94円になりました。1株当たりの配当は前年度比25%増の75円になりました。配当性向は20%になりました。

トヨタ自動車のEPS・1株配当・配当性向の推移

トヨタ自動車のEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2025年2月
2024年度第三四半期の決算短信において、2024年度通期の売上は47,000,000百万円、営業利益は4,700,000百万円を予定していると掲載されています。

売上構成


セグメントは、自動車、金融に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

トヨタ自動車の売上構成(2023年度)

トヨタ自動車の売上構成(2023年度)

自動車事業
セダン、ミニバン、コンパクト、SUV、トラック等の自動車とその関連部品・用品の 設計、製造および販売を行っています。自動車は、トヨタ自動車、日野自動車㈱およびダイハツ工業㈱が主に製造 していますが、一部については、トヨタ車体㈱等に生産委託しており、海外においては、トヨタ モータ ー マニュファクチャリング ケンタッキー㈱等が製造しています。自動車部品は、当社および㈱デンソ ー等が製造しています。これらの製品は、国内では、トヨタモビリティ東京㈱等の全国の販売店を通じて 顧客に販売するとともに、一部大口顧客に対しては当社が直接販売を行っています。一方、海外において は、米国トヨタ自動車販売㈱等の販売会社を通じて販売しています。

金融事業
金融
主としてトヨタ自動車およびトヨタ自動車の関係会社が製造する自動車および他の製品の販売を補完するための金融ならびに車両のリース事業を行っています。国内では、トヨタファイナンス㈱等が、海外 では、トヨタ モーター クレジット㈱等が、これらの販売金融サービスを提供しています。

その他の事業
その他の事業では、情報通信事業等を行っています。

M&A情報

乗用車以外の分野、自動車バリューチェーンの強化及び今後のCASEなどへの対応を図るために積極的にM&Aを行っています。

1998年 ダイハツ工業を子会社化
2001年 日野自動車を子会社化
2016年 ダイハツ工業を株式交換完全子会社とする株式交換の実施を決定し、両社間で株式交換契約を締結
2017年 マツダと業務資本提携
2021年 トヨタ自動車株式会社の子会社ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社(東京都)が、Lyft, Inc.(アメリカ)のリフト自動運転部門であるLevel 5を買収
2021年 トヨタ自動車株式会社の子会社であるウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社(東京都)が、自動運転モビリティのための高精度地図を中心とした次世代道路情報解析を行っているCARMERA, Inc.(アメリカ)を買収
2021年 トヨタ自動車株式会社の子会社であるウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社(東京都)が、自動車向けオペレーティングシステムを開発するソフトウェア企業Renovo Motors, Inc.(米国)を買収 
2023年 トヨタ自動車株式会社はモビリティ技術開発のウーブン・バイ・トヨタを完全子会社化
2023年 トヨタ自動車株式会社が新会社を設立し、富士スピードウェイを新会社の傘下へ
2024年 トヨタ自動車株式会社は車載用電池の量産体制を強化するためプライムアースEVエナジーを完全子会社化

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