住友電工は、1897年に設立された前身の住友伸銅場を引き継ぐ日本の大手電線、ケーブル及び自動車部品メーカーです。創業より電力用ケーブルや通信用ケーブルを手掛けています。ワイヤーハーネスや光ファイバーの分野でも世界大手です。2001年日立電線(日立金属)と電力用ケーブルのジェイ・パワーシステムズを設立し、その後2014年に住友電気工業が完全子会社化しています。光ケーブルは同社の横浜製作所が主力工場です。
セグメントは大きく、同社の製品がカバーしているセクター毎に自動車、環境エネルギー、産業素材、エレクトロニクス、情報通信に分かれます。さらにセグメントを製品ごとのサブセグメントで売上構成を見てみると以下の通りとなります。
2018年度
売上高は3,177,985百万円で、前年度比3%増となりました。営業利益は166,260百万円になりました。営業利益率は5.2%になりました。
2019年度
売上高は3,107,027百万円で、前年度比2%減となりました。営業利益は127,216百万円になりました。営業利益率は4.1%になりました。自動車生産やスマートフォン販売の減少、光ファイバ・ケーブルの価格低下や円高・銅価格下落の影響、また、第4四半期には新型コロナウイルス感染症による経済活動の急減速も加わり、非常に厳しい状況となりました。このような環境のもと、当連結会計年度の連結決算は、売上高は、前連結会計年度比で減収となりました。
2020年度
売上高は2,918,580百万円で、前年度比6%減となりました。営業利益は113,926百万円になりました。営業利益率は3.9%になりました。新型コロナウイルス感染症の影響による自動車生産の減少や通信・電力関連工事の遅延のほか、光ファイバの価格低下もあり、上半期を中心に厳しいものとなりました。このような環境のもと、当連結会計年度の連結決算は、売上高は前連結会計年度比で減収となりました。
2021年度
売上高は3,367,863百万円で、前年度比15%増となりました。営業利益は122,195百万円になりました。営業利益率は3.6%になりました。自動車関連事業は、銅価格上昇や円安の影響により、売上高は1,754,195百万円と152,153百万円(前連結会計年度比9.5%)の増収となりました。情報通信関連事業は、データセンター用の光配線機器や海底ケーブル用の光ファイバ、アクセス系ネットワーク機器などで拡販を進め、売上高は239,150百万円と14,574百万円(6.5%)の増収となりました。エレクトロニクス関連事業は、電子ワイヤー製品や照射チューブで需要の捕捉を進めたほか、㈱テクノアソシエにおける拡販もあり、売上高は292,509百万円と39,891百万円(15.8%)の増収となりました。環境エネルギー関連事業は、電力ケーブルや電動車用の平角巻線などの拡販や、住友電設㈱における電気工事の増加、日新電機㈱における受変電設備等の需要増加に加え、銅価格上昇の影響もあり、売上高は833,425百万円と199,234百万円(31.4%)の増収となりりました。
2022年度
売上高は4,005,561百万円で、前年度比19%増となりました。営業利益は177,443百万円になりました。営業利益率は4.4%になりました。中国での都市封鎖や半導体等の部品供給不足などによる自動車生産の減産のほか、資材価格・エネルギー価格の高騰もあり、厳しいものとなりました。このような環境のもと、当連結会計年度の連結決算は、売上高は、ワイヤーハーネス、電力ケーブル、超硬工具などの拡販に努め、また円安の影響もあり、前連結会計年度に比べ増収となりました。利益面では、徹底したコスト低減と売値改善に努め、営業利益は前連結会計年度比で45.2%増となりました。
2022年度第2四半期(07ー09月)
売上高は1,013,955百万円になりました。営業利益は30,738百万円、営業利益率は3%になりました。
2022年度第3四半期(10ー12月)
売上高は1,020,897百万円になりました。営業利益は45,086百万円、営業利益率は4.4%になりました。
2022年度第4四半期(01ー03月)
売上高は1,093,588百万円になりました。営業利益は82,618百万円、営業利益率は7.6%になりました。
2023年度第1四半期(04ー06月)
売上高は994,123百万円になりました。営業利益は18,936百万円、営業利益率は1.9%になりました。
2023年度第2四半期(07ー09月)
売上高は1,077,980百万円になりました。営業利益は48,393百万円、営業利益率は4.5%になりました。
希薄化後EPSは前年度比17%増の144.45円になりました。1株当たりの配当は前年度と同額で50円でした。配当性向は35%になりました。
2023年11月
2023年度第二四半期の決算短信において、2023年度通期の売上高は4,300,000百万円、営業利益は200,000百万円を予定していると掲載されています。
セグメントは、自動車、情報通信、エレクトロニクス、環境エネルギー、産業素材他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
自動車
ワイヤーハーネス、防振ゴム、自動車用ホース、自動車電装部品を製造。営業利益率は3%で、このセグメントの利益は全体の31%を占めます。
情報通信
光ファイバ・ケーブル、通信用ケーブル・機器、光融着接続機、光データリンク・無線通信用デバイスなどの光・電子デバイス製品、アクセス系ネットワーク機器(GE-PON・セットトップボックス・CATV関連製品等)を製造。営業利益率は9%で、このセグメントの利益は全体の12%を占めます。
エレクトロニクス
電子ワイヤー、電子線照射製品、フレキシブルプリント回路、ふっ素樹脂製品、鋲螺、金属部品、化成品を製造。営業利益率は10%で、このセグメントの利益は全体の22%を占めます。
環境エネルギー
導電製品、送配電用電線・ケーブル・機器、巻線、空気ばね、受変電設備・制御システムなどの電力機器、ビーム・真空応用装置、電気・電力工事及びエンジニアリング、金属多孔体を製造。営業利益率は4%で、このセグメントの利益は全体の21%を占めます。
産業素材他
PC鋼材、精密ばね用鋼線、スチールコード、超硬工具、ダイヤ・CBN工具、レーザ用光学部品、焼結部品、半導体放熱基板を製造。営業利益率は7%で、このセグメントの利益は全体の13%を占めます。
2019年 欧州の焼結部品メーカーであるSinterwerke Herne GmbH(ドイツ)とSinterwerke Grenchen AG(スイス)を買収した。
2023年 子会社の日新電機とテクノアソシエに対するTOB(株式公開買い付け)を終了。日新電機はコンデンサーなど電力関連機器の技術に強みがあり、テクノアソシエはスマートフォンといった情報通信機器の部品などを手掛ける。