アリババの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

社名 アリババ・グループ・ホールディング(阿里巴巴集団控股)
CEO 張勇(Daniel Yong Zhang)
設立 1999年
創業者 馬雲
概略 アリババ(阿里巴巴、Alibaba)は、馬雲(ジャックマー)氏によって設立された中国のeコマース最大手です。C2Cのタオバオ(淘宝網)はB2CのTモール(天猫)などを展開しています。クラウド分野ではアリクラウドを展開しています。アリババピクチャーズやアリヘルスなどの子会社上場にも積極的です。アリペイ等の決済分野は別法人で展開していまします。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は376,844百万人民元で、前年度比51%増となりました。営業利益は57,084百万人民元になりました。営業利益率は15%になりました。

2020年度
売上高は509,711百万人民元で、前年度比35%増となりました。全ての事業セグメントで増収となりました。セグメントの売上構成比率は前年度と大きな変化はありません。営業利益は91,430百万人民元になりました。営業利益率は18%で、前年度を3ポイント上回りました。これは、広告宣伝費が1ポイント減少したことと販管費が1ポイント減少したことに加え、研究開発費も1ポイント減少したためです。

2021年度
売上高は717,289百万人民元で、前年度比41%増となりました。全ての事業セグメントで増収となりました。セグメントの売上構成比率は前年度と大きな変化はありません。営業利益は89,678百万人民元になりました。営業利益率は13%で、前年度を5ポイント下回りました。粗利率が4ポイント上昇したことと、販管費が3ポイント上昇したことが要因としてあげられます。

2022年度
売上高は853,062百万人民元で、前年度比19%増となりました。7つの事業セグメント全てにおいて増収となりました。営業利益は69,638百万人民元になりました。営業利益率は8%で、前年度の13%を下回りました。粗利率が4ポイント上昇したことが主な要因です。

2023年度
売上高は868,687百万人民元で、前年度比2%増となりました。営業利益は100,351百万人民元になりました。営業利益率は12%になりました。粗利率は前年度とほぼ同じでしたが、広告費が対売上比で2ポイント減少したことで、営業利益率が向上しました。

アリババの業績推移

アリババの業績推移

業績推移(四半期)


2022年第3四半期(7ー9月)
売上高は207,176百万人民元になりました。営業利益は25,137百万人民元、営業利益率は12%になりました。

2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は247,756百万人民元になりました。営業利益は35,031百万人民元、営業利益率は14%になりました。

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は208,200百万人民元になりました。営業利益は15,240百万人民元、営業利益率は7%になりました。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は234,156百万人民元になりました。営業利益は42,490百万人民元、営業利益率は18%になりました。

2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は224,790百万人民元になりました。営業利益は33,584百万人民元、営業利益率は15%になりました。

アリババの四半期業績推移

アリババの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比21%増の3.43人民元になりました。また、アリババは無配当企業であるため配当性向は0%となります。なお、アリババは2019年7月30日に株式分割(1株が8株となる分割)を行っております。

アリババのEPS・配当額・配当性向の推移

アリババのEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想

2023年09月
2023年第三四半期の報告書で、2023年度における全体の業績予想は掲載されていません。

売上構成

セグメントは、国内販売事業、国外販売事業、ローカル消費者サービス、ツァイニャオ物流、クラウド、デジタルメディア及びエンターテインメント、イノベーションその他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

アリババの売上構成

アリババの売上構成

国内販売事業
中国国内における小売電子商取引および関連マーケティングサービスを実施。Taobao、TMALL天猫、SUN ART、FRESHIPPOなどのブランドがこのセグメントに属します。

国外販売事業
小売業および卸売業のほか、中国国外での広告事業を実施。AliExpress、Lazada、trendyol、Darazなどのブランドがこのセグメントに属します。

ローカル消費者サービス
食品配達や店内消費など、消費者にローカルサービスを提供。Ele.me、Taoxianda、Amap、Fliggyなどのブランドがこのセグメントに属します。

ツァイニャオ物流
Alibaba の物流プラットフォーム。サプライチェーンソリューションの提供も実施。

クラウド
エラスティック コンピューティング、データベース、ストレージ、ネットワーキング サービスなど、さまざまなクラウド サービスを提供。Alibaba Cloud、Ding Talkなどのブランドがこのセグメントに属します。

デジタルメディア及びエンターテインメント
コンテンツのサブスクリプション、ソフトウェアのサブスクリプション、および販売者の広告サービスを提供。YOUKU、Quark、Alibaba Pictures、UC、LINGXIGAMES、Damaiなどのブランドがこのセグメントに属します。

イノベーションその他
新規事業への取り組みや他のセグメントに分類されないその他の事業が含まれます。DAMO、TMALL GENIEなどのブランドがこのセグメントに属します。

M&A情報

商品サービスを補完するM&Aを積極的に行っています。


2009年 中国最大のドメイン登録サービスおよび Web ホスティング サービス会社である HiChina を買収
2014年 ブランザー開発の優視(UC Browser)を買収
2014年 オートナビ(高徳軟件、AutoNavi)を買収
2014年 ブラウザ、検索エンジン、アプリ ストア、ゲーム プラットフォームを含む一連のスマートフォン サービスを提供する中国のモバイル インターネット企業である UCWeb を買収
2016年 動画配信の優酷土豆(Youku Tudou)を買収
2016年 香港を拠点とする英字新聞で、香港を中心とした中華圏とアジアに関するニュースと分析を提供するSouth China Morning Postを買収
2017年 中国で65店舗を運営する中国の百貨店チェーンで、衣料品、アクセサリー、化粧品、家庭用品など幅広い商品を提供している Intime Department Store を買収
2017年 菜鳥網絡(Cainiao)を買収
2018年 ネット出前サービスの餓了麼(ウーラマ)を買収
2018年 ラザダ(Lazada)を買収
2018年 アイカン・ヘルスケア・グループ(愛康国賓集団、iKang Healthcare Group)を買収
2019年 越境ECサイトの網易考拉(コアラ、Kaola)を買収
2020年 中国でハイパーマーケットおよびオンライン ビジネスを展開する大手小売業者の Sun Art Retail を買収

株主構成

ソフトバンクが創業者のジャックマー(馬雲)を抜いて筆頭株主です。2022年8月にアリババ株を用いた資金調達を行っていたソフトバンクが、現物決済をしたため、持分比率が低下しました。

アリババの株主構成(直近期末時点)

アリババの株主構成(直近期末時点) 出所:マーケットスクリーナー

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