飼料業界の世界市場シェアの分析

飼料業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。チャロンポカパン、新希望集団(ニューホープ)、カーギル、ランドオレイクス、JA全農といった世界の主要な肥料会社の概要や動向も掲載しています。

市場シェア

調査会社フィードストラテジーによる飼料各社の年間生産量(2019年)を分子に、後述する飼料の数量ベースの市場規模を分母にして、飼料業界の世界市場シェアを算定すると、2019年の1位はチャロンポカパンの2.8%、2位はニューホープの2.0%、3位はカーギルの2.0%となります。

飼料会社の世界市場シェアと業界ランキング(2019年)

  • 1位    チャロンポカパン    2.77%
  • 2位    ニューホープ    2.00%
  • 3位    カーギル    1.96%
  • 4位    ランドオレイクス    1.35%
  • 5位    ウェンズ・フード    1.28%
  • 6位    海大集団    1.23%
  • 7位    BRF    1.05%
  • 8位    フォーファーマーズ    1.01%
  • 9位    タイソンフード    1.00%
  • 10位    ニュートレコ    0.90%
  • 11位    De Heus    0.80%
  • 12位    双胞胎集団    0.74%
  • 13位    JA全農    0.72%

飼料業界の世界シェア(2019年)
飼料業界の世界シェア(2019年)

飼料業界の世界1位は、タイのチャロンポカパンです。鳥、豚、牛、魚向けの飼料を総合的に供給します。2位は、中国のニューホープです。民間飼料会社です。魚向けの飼料は手掛けていません。3位は、米国の穀物商社大手のカーギルです。鳥、豚、牛、魚にくわえ、馬の飼料も手掛けています。4位は、ピュリーナアニマルニュートリションを、2017年に買収した、ランドオレイクスです。
5位は、中国のウェンズ・フードです。食肉加工大手としても有名です。6位は、海大集団は中国の上場企業で、豚飼育大手です。飼料製造も行っています。7位は、ブラジルのBRF、8位はオランダのフォーファーマーズ、9位は、米国のタイソンフーズです。日本からは13位に、JA全農がランクインしています。
上位5社でも占有率は10%以下であり、業界再編を通じて市場シェアを拡大するプレーヤーが今後生まれる可能性があります。

市場規模

調査会社のナレッジソーシングインテリジェンスによれば、2020年の家畜向け飼料の規模は3454億ドルです。2026年にかけて年平均4.9%で成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

IFIFによれば2018年の飼料の生産量は10.85億トンです。生産量では中国が最も大きくなっています。肥料の用途では、家禽(鳥)が約40%、豚と牛がそれぞれ25%です。当サイトでは10億トンを市場シェア算定の分母としています。

国別の肥料生産量
国別の肥料生産量

FAO(Food and Agriculture Organization、国際連合食糧農業機関)の調べによれば、1990年以降現在までの世界の人口の年平均増加率が概ね1.3%であるのに対して、魚の消費量は7.4%、家禽は4.3%、卵は2.8%、豚は2.0%の年平均増加率となっています。こうした、人口を上回る旺盛な消費量を賄うために、飼料の供給は今後ますます重要となるものと思われます。

業界のM&A

肥料会社同士のM&Aがメインとなります。

2014年 SHVホールディングスによるニュートレコの買収
2017年 ランドオレイクスがピュリーナアニマルニュートリションを買収

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍

世界大手の飼料会社の動向

Charoen Pokphand Group(チャロンポカパン、CP)

1921年に設立されたタイに本拠をコングロマリット企業で、農業、飼料、食肉加工、金融、通信等幅広い分野に強みを持ちます。1969年にCEOとなった創業オーナーの一族である謝国民(タニン・チャラワノン)氏の下で大きく飛躍しました。日本の伊藤忠と2014年に戦略的な資本関係を構築しました。2016年に米国の冷凍食品大手ベリッシオ・ペアレンツを買収しています。中国では正大集団として展開しています。セブンイレブン、明治乳業、ロート製薬など多くの日本企業と合弁事業を展開しています。

Cargill(カーギル)

カーギルは、米国に本拠を置く1865年の食糧関連以外にも金融や製造業を営むコングロマリット企業です。穀物メジャー筆頭格でもあり、肥料、食肉、製塩、ココア等の分野でも圧倒的存在感を示します。売上高は食品業界最大級の10兆円を優に超える規模ではあるものの、カーギル家とマクミラン家が所有する非公開会社です。

  • 穀物取引事業:
    大豆や小麦等の集荷・輸送・販売を行う穀物取引分野では世界市場シェアは最大級の規模です。穀物メジャーと言われるADM、ブンゲ(バンジ)、ルイドレフュスとともにABCDの一角を担っています。
  • 製塩事業:
    工業用の塩を製造販売しています。道路向けの凍結防止塩も手掛けています。製塩業界の世界シェアではK+Sや中国国家塩産業とともに世界トップ3の一角です。
  • 飼料事業:
    EWOSブランドで養殖向け飼料、Purina、Nutrena、Provimiで動物向け飼料を手掛けています。飼料業界の世界シェアでは、タイのチャロンポカパンや中国の新希望集団と上位の座を競っています。
  • カカオ・ココア事業:
    カカオの集荷、加工、ココアパウダー、チョコレートバターの販売までを手掛けています。カカオ・ココア業界の世界シェアでは、スイスのバリーカレボーやシンガポールのオラムインターナショナルと並ぶ業界最大手の一角です。
  • パーム油・製油事業:
    パーム油を含む油種の加工・販売を行っています。パーム油・製油業界の世界シェアでは、パーム油大手のウィルマ―インターナショナル、ADM、ブンゲ(バンジ)等と世界首位の座を競っています。
  • その他、カーギルはパスタソース(Pomarolaブランドを展開)、食肉分野、木綿取引、スターチ等の食品成分の分野でも事業を展開しています。

New Hope(新希望集団)

中国に本拠を置くLiu Yonghao氏率いる民間農業関連大手です。飼料では国営COFCOを上回る最大手となりました。Liu氏は民生銀行(Minsheng Bank)の設立も支援しています。

COFCO(コフコ、中糧集団)について

コフコ(COFCO)は1949年に設立された中国政府傘下の国有の食糧・穀物商社です。各種穀物や食糧の集荷、備蓄、運搬、輸出入、加工等を手掛け、最近では、食品・飲料分野でも成長を志向しています。2009年の売上高は1782億元でしたが、中国の成長に伴い、2020年には4711億元へと急成長を遂げています。総資産は5606億元です。続きを読む

Brasil Foods(ブラジルフーズ)

2009年にブラジル鶏肉首位のSadia(サジア)とPerdigao(ペルジゴン)が経営統合をして誕生しました。飼料分野に強みを持ち、売上に占めるブラジル国内の割合が高いことが特徴です。

Tyson Foods(タイソン・フーズ)

世界最大手の食肉加工会社です。鶏肉、牛肉、豚肉を万遍なく手掛けています。2001年に当時世界最大手の牛肉加工会社のIBS(アイビーエス、米国)を買収しました。飼料分野も大手級です。

JA全農

日本の農業協同組合で、飼料分野では傘下の農協を通じて日本国内では圧倒的な存在感を示します。日本では、三井物産の持分法適用会社のフィード・ワン、伊藤忠飼料、丸紅と日清製粉の合弁の日清丸紅飼料、三菱商事系の日本農産工業、中部飼料、昭和産業が大手飼料メーカーとしてあります。

Nutreco(ニュートレコ)

オランダに本拠を置く動物飼料大手メーカーです。石油ガス開発大手であるBPの飼料および栄養部門がMBOして分社化独立し、現在はオランダのFentener van Vlissingen(フェンテナーフォンフリシンゲン)家が運営するコングロマリットであるSHVホールディングス傘下の企業です。子会社に水産飼料の大手でもあるSkretting(スクレッティング)を有しています。

Purina Animal Nutrition(ピュリーナアニマルニュートリション)

米国に本拠を置く農協グループLand O’Lakes(ランドオレイクス)傘下企業です。

Wen’s Foodstuffs Group(温氏股份)

1983年に設立された食肉加工会社です。飼料等の製造も行っています。

ForFarmers(フォーファーマーズ)

オランダに本拠を置く飼料会社で、欧州を中心に事業を展開しています。

Twins Group(双胞胎集団)

鮑洪星氏率いる中国の南京に本拠を置く飼料大手です。養豚用飼料で成長しています。

Haid Group (海大集団)

広東省に本拠を置く中国の大手飼料メーカーです。家畜および水産飼料を製造し、主に中国国内で販売しています。

East Hope Group(東方希望)

中国の上海に本拠を置く飼料大手です。

参照したデータの詳細情報について


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