飼料業界の世界市場シェアの分析

飼料業界のランキングと世界市場シェアと市場規模について分析をしています。チャロンポカパン、新希望集団、ピュリーナアニマルニュートリション、JA全農等の世界の主要な肥料会社の動向も掲載しています。

市場シェア

調査会社のWATT Global Mediaによる飼料各社の年間生産量(2017年)を分子に2018年の飼料の数量ベースの市場規模(下記「市場規模」の項目参照)を分母にして、飼料業界の市場シェアを算定すると、1位はチャロンポカパンの2.8%、2位はニューホープの2.0%、3位はカーギルの2.0%となります。

  • 1位 チャロンポカパン 2.8%
  • 2位 ニューホープ 2.0%
  • 3位 カーギル 2.0%
  • 4位 ランドオレイクス 1.4%
  • 5位 ウェンズ・フード 1.2%
  • 6位 ムーユエン・フーズ 1.1%
  • 7位 BRF 1.1%
  • 8位 フォーファーマーズ 1.0%
  • 9位 タイソンフード 1.0%
  • 10位 ニュートレコ 0.9%
  • 11位 De Heus 0.8%
  • 12位 東方希望 0.8%
  • 13位 JA全農 0.7%

飼料業界の世界1位は、タイのチャロンポカパンです。鳥、豚、牛、魚向けの飼料を総合的に供給します。2位は、中国のニューホープです。民間飼料会社です。魚向けの飼料は手掛けていません。3位は、米国の穀物商社大手のカーギルです。鳥、豚、牛、魚にくわえ、馬の飼料も手掛けています。4位は、ピュリーナアニマルニュートリションを、2017年に買収した、ランドオレイクスです。

5位は、中国のウェンズ・フードです。食肉加工大手としても有名です。6位は、ムーユエン・フーズ(牧原食品)は中国の上場企業で、豚飼育大手です。飼料製造も行っています。7位は、ブラジルのBRF,8位はオランダのフォーファーマーズ、9位は、米国のタイソンフーズです。日本からは13位に、JA全農がランクインしています。

上位5社でも占有率は10%以下であり、業界再編を通じて市場シェアを拡大するプレーヤーが今後生まれる可能性があります。

市場規模

調査会社のグランドビューリサーチによれば、2018年の家畜向け飼料の規模は1759億ドルです。2019年から2025年に年平均4.5%で成長を見込みます。

IFIFによれば2018年の飼料の生産量は10億トンです。生産量では中国が最も大きくなっています。肥料の用途では、家禽(鳥)が約40%、豚と牛がそれぞれ25%です。当サイトでは10億トンを市場シェア算定の分母としています。

FAO(Food and Agriculture Organization、国際連合食糧農業機関)の調べによれば、1990年以降現在までの世界の人口の年平均増加率が概ね1.3%であるのに対して、魚の消費量は7.4%、家禽は4.3%、卵は2.8%、豚は2.0%の年平均増加率となっています。こうした、人口を上回る旺盛な消費量を賄うために、飼料の供給は今後ますます重要となるものと思われます。

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世界大手の飼料会社の動向

Charoen Pokphand Group(チャロンポカパン、CP)

タイに本拠をコングロマリット企業で、飼料を含めた食品分野に強みも持ちます。日本の伊藤忠と戦略的な資本関係を構築しました。2016年に米国の冷凍食品大手ベリッシオ・ペアレンツを買収しています。

Cargill(カーギル)

カーギルは、米国に本拠を置く1865年の食糧関連以外にも金融や製造業を営むコングロマリット企業です。穀物メジャー筆頭格でもあり、肥料、食肉、製塩、ココア等の分野でも圧倒的存在感を示します。売上高は食品業界最大級の10兆円を優に超える規模ではあるものの、カーギル家とマクミラン家が所有する非公開会社です。

  • 穀物取引事業:
    大豆や小麦等の集荷・輸送・販売を行う穀物取引分野では世界市場シェアは最大級の規模です。穀物メジャーと言われるADM、ブンゲ(バンジ)、ルイドレファスとともにABCDの一角を担っています。
  • 製塩事業:
    工業用の塩を製造販売しています。道路向けの凍結防止塩も手掛けています。製塩業界の世界シェアではK+Sや中国国家塩産業とともに世界トップ3の一角です。
  • 飼料事業:
    EWOSブランドで養殖向け飼料、Purina、Nutrena、Provimiで動物向け飼料を手掛けています。飼料業界の世界シェアでは、タイのチャロンポカパンや中国の新希望集団と上位の座を競っています。
  • カカオ・ココア事業:
    カカオの集荷、加工、ココアパウダー、チョコレートバターの販売までを手掛けています。カカオ・ココア業界の世界シェアでは、スイスのバリーカレボーやシンガポールのオラムインターナショナルと並ぶ業界最大手の一角です。
  • パーム油・製油事業:
    パーム油を含む油種の加工・販売を行っています。パーム油・製油業界の世界シェアでは、パーム油大手のウィルマ―インターナショナル、ADM、ブンゲ(バンジ)等と世界首位の座を競っています。
  • その他、カーギルはパスタソース(Pomarolaブランドを展開)、食肉分野、木綿取引、スターチ等の食品成分の分野でも事業を展開しています。

New Hope(新希望集団)

中国に本拠を置くLiu Yonghao氏率いる民間農業関連大手です。飼料では国営COFCOを上回る最大手となりました。Liu氏は民生銀行(Minsheng Bank)の設立も支援しています。

Brasil Foods(ブラジルフーズ)

2009年にブラジル鶏肉首位のSadia(サジア)とPerdigao(ペルジゴン)が経営統合をして誕生しました。飼料分野に強みを持ち、売上に占めるブラジル国内の割合が高いことが特徴です。

Tyson Foods(タイソン・フーズ)

世界最大手の食肉加工会社です。鶏肉、牛肉、豚肉を万遍なく手掛けています。2001年に当時世界最大手の牛肉加工会社のIBS(アイビーエス、米国)を買収しました。飼料分野も大手級です。

JA全農

日本の農業協同組合で、飼料分野では傘下の農協を通じて日本国内では圧倒的な存在感を示します。日本では、三井物産の持分法適用会社のフィード・ワン、伊藤忠飼料、丸紅と日清製粉の合弁の日清丸紅飼料、三菱商事系の日本農産工業、中部飼料、昭和産業が大手飼料メーカーとしてあります。

Nutreco(ニュートレコ)

オランダに本拠を置く動物飼料大手メーカーです。石油ガス開発大手であるBPの飼料および栄養部門がMBOして分社化独立し、現在はオランダのFentener van Vlissingen(フェンテナーフォンフリシンゲン)家が運営するコングロマリットであるSHVホールディングス傘下の企業です。子会社に水産飼料の大手でもあるSkretting(スクレッティング)を有しています。

Purina Animal Nutrition(ピュリーナアニマルニュートリション)

米国に本拠を置く農協グループLand O’Lakes(ランドオレイクス)傘下企業です。

COFCO(コフコ、中糧集団)

コフコ(COFCO)は1949年に設立された中国政府傘下の国有の食糧・穀物商社です。各種穀物や食糧の集荷、備蓄、運搬、輸出入、加工等を手掛け、最近では、食品・飲料分野でも成長を志向しています。2009年の売上高は約2兆2100億円(1782億元)でしたが、中国の成長に伴い、2017年には7兆5千億円(4420億元)へと急成長を遂げています。総資産は約8兆7千億円です。

コフコは、傘下に約19の事業会社・子会社を保有しています。うち上場子会社は13社で、9社は香港に上場、4社は上海で上場しています。穀物分野の世界市場シェアでは上位に位置します。
COFCOインターナショナルは、グローバルで各種穀物の集荷、貯蔵、運搬を行っています。オランダの穀物商社のニデラを2017年に完全子会社化しています。2013年に買収したシンガポールのノーブルの農作物部門はコフコアグリへと社名変更しました。
COFCOトレーディングは中国国内の穀物の集荷、貯蔵、運搬を担っています。101のエレベーターを有して、22百万トンの貯蔵容量、18百万トン/年の穀物取り扱い能力、1日6万7千トンの乾燥能力を誇ります。6つの出荷港、穀物運搬船、貨物列車も保有しています。
COFCO油&油料種子(オイル&オイルシーズ)は、大豆油、菜種油、ピーナツオイル、パーム油の加工、貯蔵、流通、販売を行っています。最終製品も手掛け、Fourseas、Xiyhgying, Fortuneなどのブランドで販売を行っています。年間加工能力は22百万トンです。製油・食用油業界では、カーギルやADM等の4大穀物メジャー、ウィルマ―・インターナショナル、IOI等に次ぐ規模を保有しています。
COFCOグレインズ&シリアルズ(コフコ穀物)は、お米、小麦、麺、パン、麦芽等を取り扱っています。4百万トンの精米能力、FORTUNEブランドのお米、350万トンの製粉能力、22万トンの製麺能力、3600トンの製パン能力、74万トンの発酵醸造能力が強みです。
COFCOバイオケミカルはスターチ、フルクトース(果糖)、エタノール、グルタミン酸、乳酸、クエン酸、糖アルコールなどを取り扱っています。トウモロコシの加工能力年間6百万トンです。
COFCO飼料は年間5.7百万トンの生産能力を持つ飼料部門です。配合飼料や粗飼料を販売しています。飼料業界でも大手です。
COFCO製糖は年間2百万トンの製糖能力を持ちます。中国の砂糖輸入量のほぼ半分をCOFCO製糖が担っています。製糖分野では、ズットツッカー、テレオス、ミトポン、ウィルマ―に並ぶ大手です。
コフコは食糧分野に加え食品分野にも参入をしています。COFCOワイン&スピリッツは14のワイナリーを保有しており、Greatwall(長城)、Jiugui、Kong Yiji、Huangzhonghaung等のブランドで展開しています。フランスのボルドーのワイナリーであるシャトー・ヴィオーやチリのワイナリーであるビスケルト社を買収しました。
COFCOコカコーラはコカコーラのボトリング事業を行い、中国のほぼ全土をカバーしています。
COFCOミートは、主に豚の畜産や加工を行っています。約2.3百万頭の豚の畜産、1万7千トンの加工処理能力を有しています。
乳製品分野では、コフコは蒙牛乳業(Mengniu Dairy)を擁しています。同じく中国のYili(伊利集団)と競っています。
そのほかにも、食品スーパー、中国茶製品、食品用容器製造、食品成分、不動産開発、金融サービスを提供しています。
2010年にチリのワイナリー、ビスケルト社の買収
2011年にフランスのシャトー・ヴィオーの買収
2013年にオランダの穀物商社ニデラの株式51%を1200億円超で買収
2013年にシンガポールの商品取引会社ノーブル・グループの農産物部門であるノーブル・アグリの株式51%を買収

 

アメリカの穀物輸出と穀物メジャーの発展 [単行本]
中国の食糧・農業 [単行本]

Wen’s Foodstuffs Group(温氏股份)

1983年に設立された食肉加工会社です。飼料等の製造も行っています。

ForFarmers(フォーファーマーズ)

オランダに本拠を置く飼料会社で、欧州を中心に事業を展開しています。

Twins Group(双胞胎(集团))

中国の南京に本拠を置く飼料大手です。

East Hope Group(東方希望)

中国の上海に本拠を置く飼料大手です。

業界再編

2014年 SHVホールディングスによるニュートレコの買収
2017年 ランドオレイクスがピュリーナアニマルニュートリションを買収