食肉・ハム・ソーセージ業界の世界市場シェアの分析

食肉・ハム・ソーセージ業界の世界市場シェア、市場規模や再編について分析しています。タイソンフーズ、JBS、万洲国際、日本ハム、伊藤ハム米久といった食肉・ハム・ソーセージの世界大手メーカーの概要や動向も掲載しています。

市場シェア

食肉会社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、後述する市場規模を分母にして、2020年の食肉業界の世界市場シェアを簡易に算出すると、1位はブラジルのJBS、2位は米国のタイソンフーズ、3位は中国の万洲国際となります。

2020年食肉会社の世界シェア

  • 1位 JBS 8.11%
  • 2位 タイソンフーズ 7.20%
  • 3位 万洲国際 4.27%
  • 4位 日本ハム 1.84%
  • 5位 チャロンポカパン 1.79%
  • 6位 ホーメルフーズ 1.60%
  • 7位 マルフリグ 1.47%
  • 8位 伊藤ハム米久 1.32%
  • 9位 ブラジル フーズ 1.19%
  • 10位 ヴィオンフード 0.98%
  • 11位 ダニッシュクラウン 0.59%
  • 12位 シーボード 0.32%

食肉会社の世界シェア(2020年)
食肉会社の世界シェア(2020年)

1位のブラジルのJBSとなりました。ブロイラーのピルグリム・プライドも含め豚・牛・鶏の全範囲をカバーしており、ついにタイソンフーズを逆転です。2位は米国のタイソンフーズです。2020年に工場における新型コロナウイルスが発生し売上が落ち込みました。3位である中国のWHグループは米国のスミスフィールズと双匯国際が経営して誕生したグループですが、米中の貿易摩擦による影響が引続き懸念材料です。4位には日本から日本ハムがランクインしています。5位は鶏肉に強いタイのチャロンポカパンです。6位はspamで有名なホーメルフーズとなっています。

1位 タイソンフーズ
2位 JBS
3位 WH Group(万洲国際)
4位 チャロンポカパン
5位 日本ハム
6位 ホーメルフーズ
7位 マルフリグ
8位 ダニッシュクラウン
9位 伊藤ハム米久
10位 シーボード
11位 ブラジル フーズ
12位 ヴィオンフード

市場規模

当サイトでは、2020年の食肉・ハム・ソーセージ加工業界の規模として6000億ドルを採用しています。参考にした情報は以下の通りです。調査会社の360マーケットアップデーツによると、2021年の同業界の市場規模は3590億ドルです。2026年にかけて年平均3.4%での成長が見込まれます。調査会社のフォーチュンビジネスインサイトによると、2019年の同市場規模は5194億ドルです。2017年にかけて年平均6.24%での成長を見込みます。調査会社のリサーチアンドマーケッツによれば2019年の同市場規模は6650億ドルです。⇒参照したデータの詳細情報

生産数量ベースだと、豚肉と鶏肉の年間生産数量は、おおむね1億~1億2,000万トン程度、牛肉は約7,000万トン程度と言われています。食肉加工のバリューチェーンは、畜産→屠畜→加工→販売という流れになります。

業界の再編

大手食肉会社が肉の種類(豚、鶏、牛)といった製品カテゴリの拡充を目指した買収が続きます。JBSによるVivera買収にように代替タンパク質分野も注目のエリアとなっています。

2001年 タイソンフーズが米国の牛肉加工会社であるBPIを買収
2007年 JBSが米国のスウィフト・アンド・カンパニーを買収
2008年 JBSがブラジルの食肉メーカーGrupo Bertinを買収
2009年 ブラジル鶏肉首位のSadia(サジア)とPerdigao(ペルジゴン)が経営統合し、ブラジルフーズ(BRF)が誕生
2009年 JBSがブロイラー世界最大手のPilgrims Pride(ピルグリム・プライド)を買収
2013年 WH Group(万洲国際、旧Shuanghui International(双匯国際))が米国大手豚肉加工会社のSmithfield Foods(スミスフィールド・フーズ)を買収
2013年 ホーメルフーズがユニリーバのピーナツ事業を買収
2013年 JBSがマルフリグからのSeara Alimentosを買収
2014年 タイソンフーズがHillshire Brands(ヒルシャー・ブランズ)を買収
2014年 日本ハムがトルコ養鶏最大手のエゲータブを買収
2014年 ホーメルフーズがサイトスポットを買収
2015年 JBSがカーギルからのカーギル・ポークの買収
2015年 ホーメルフーズがアップルゲートを買収
2015年 JBSがマルフリグからのMoy Pork Groupを買収
2017年 日本ハムがウルグアイの食肉大手ブリダーズ&パッカーズを買収
2017年 タイソンフーズが調理済み食品大手のアドバンスピエール・フーズを買収
2017年 カーギルがコロンビアのブカネロを買収
2017年 丸紅がクリークストーンを買収
2017年 ホーメルがコロンバス・クラフト・ミーツを買収
2018年 マルフリグがナショナル・ビーフを買収
2021年 JBSが代替タンパク質メーカーのViveraを買収

世界の主要な食肉・ハム・ソーセージメーカーの動向

Tyson Foods(タイソンフーズ、米国)

世界最大手の食肉加工会社です。鶏肉、牛肉、豚肉をまんべんなく手掛けています。2001年に当時世界最大手だった牛肉加工会社のIBS(アイビーエス、米国)を買収しています。また、2017年には調理済み食品大手のアドバンスピエール・フーズを買収しています。

JBS(ジェイビーエス、ブラジル)

Tyson Foodsと並ぶ食肉加工会社大手です。2007年にスウィフト・アンド・カンパニー(Swift & Company、米国)、2008年はブラジルのGrupo Bertin、2009年にブロイラー世界最大手のPilgrims Pride(ピルグリム・プライド、米国)を買収し業容を拡大しています。2021年に代替タンパク質のオランダViveraを買収しています。

WHグループ(万洲国際、旧Shuanghui International(双匯国際)、中国)

2013年に米国大手豚肉加工会社のSmithfield Foods(スミスフィールド・フーズ) を買収し、グローバル展開を加速しています。2014年に香港証券取引所に上場しました。WHグループの筆頭株主は、Rise Grand Group(運興泰集団)となっており、同社は主に香港で業務用の食品加工を行い、航空会社、レストラン等へ販売しています。中国内ではWHグループ傘下の河南省双匯投資開発有限公司(Henan Shuanghui Investment and Development)が展開し、特にソーセージに強みを持ちます。

双匯国際のスミスフィールド・フーズ買収について

  • 2013年、中国の大手食肉加工メーカーの双匯国際(Shuanghui International、現WH Group(万洲国際))が、米国の大手食肉加工メーカーのスミスフィールド・フーズを買収
  • 買収総額は47億ドル。株価終値に対して約31%のプレミアム
  • 双匯国際は筆頭株主がシンガポールのソブリンファンドのテマセクやその他投資ファンドが投資するCDH Investment
  • 双匯国際の買収におけるシナジーは以下の通り
    • スミスフィールドの高品質な食肉の中国での流通拡大
    • スミスフィールドの品質管理ノウハウ獲得による米国・中国以外の国際展開
  • スミスフィールドの買収直前の業績は売上高132億ドル、営業利益5億ドルと堅調でしたが、営業利益は前年比で30%減少

Marfrig Global Foods(マルフリグ、ブラジル)

ブラジル2位の食肉加工会社です。2012年に米食肉加工大手のキーストーン社を買収して足場固めをしています。

Brasil Foods(ブラジルフーズ、ブラジル)

2009年にブラジル鶏肉首位のSadia(サジア)とPerdigao(ペルジゴン)が経営統合して誕生しました。売上に占めるブラジル国内の割合が高いことを特徴としています。

Vion Food Group(ヴィオン、蘭)

オランダに本拠を置く総合食肉加工会社です。農業協同組合(ZLTO (Zuidelijke Landen Tuinbouworganisati))によって所有されている非公開会社です。

日本ハム(Nippon Meat Packers)

日本国内で最大手の食肉加工会社です。2017年にはウルグアイの食肉大手ブリダーズ&パッカーズを買収しています。
国内の競合では、2015年に三菱商商事系の伊藤ハムと米久が経営統合を発表し、業界首位の日本ハムを追い上げています。丸紅は、2017年に北米の高級牛肉加工会社のCreekstone Farmers(クリークストーン・ファーマーズ)を買収し、豪州のRanger Valley社との二極体制で展開しています。

Danish Crown(ダニッシュクラウン、蘭)

欧州最大級の大手食肉加工会社です。2010年に株式会社化しました。

Hormel Foods(ホーメルフーズ、米)

spamブランドで著名な米大手食肉加工会社です。

Charoen Pokphand Foods(チャロンポカパン、タイ)

タイ最大級のコングロマリットです。農業、食肉加工、金融、通信等幅広い分野で事業を展開しています。2014年に伊藤忠商事と戦略的な提携をしました。

Seaboard Corporation(シーボード)

米国に本拠を置く、食肉、海運や発電等を手掛けるコングロマリットです。食肉加工では豚肉に強みを持ちます。ニューヨーク証券取引所に上場しています。

参照したデータの詳細情報について


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