2023年、世界のデジタルカメラ市場規模は約223億4000万ドルとなりました。この市場規模は、スマートフォンからの競争圧力にもかかわらず、デジタル画像ソリューションに対する継続的な需要を示しています。特にミラーレス、一眼レフカメラなどのプロ指向のカメラに対する需要が見られます。
【デジタルカメラとビデオカメラについて】
小型で軽量なミラーレスカメラは、電子ビューファインダーなどの最新機能により人気を集めています。一方、デジタル一眼レフカメラ(DSLR)は、光学ビューファインダーと豊富なレンズオプションにより、プロや愛好者に支持されています。
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【市場シェア】
デジタルカメラとビデオカメラ業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のデジタルカメラとビデオカメラ業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はキャノン、2位はソニー、3位は富士フィルムとなります。⇒参照したデータの詳細情報
デジタルカメラとビデオカメラメーカーの世界市場シェアと業界ラキング(2023年)
順位 | Company name(English) | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|---|
1位 | Canon | キヤノン | 29.3% |
2位 | Sony | ソニー | 21.9% |
3位 | Fuji Film | 富士フィルム | 16.0% |
4位 | Nicon | ニコン | 9.5% |
5位 | Panasonic | ゴープロ | 8.3% |
2023年のデジタルカメラおよびビデオ市場では、キヤノン(29.3%)とソニー(21.9%)が市場シェアの過半数を占め、業界をリードしています。続いて富士フィルム(16.0%)とニコン(9.5%)が中堅ポジションを確保し、日本企業が市場の主要部分を支配しています。一方、パナソニック(8.3%)やゴープロ(4.5%)などが特定のニッチ市場で存在感を示しています。ライカ(2.63%)やリコー(1.55%)などはシェアが小さいものの、プレミアムや専門的な分野で競争力を持っています。全体的に市場は多様化が進みつつあるものの、トップ数社による寡占的な構造が引き続き維持されています。
【市場規模】
当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、デジタルカメラ業界の2023年の世界市場規模を223.4億ドルとして市場調査シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。
調査会社テックサイリサーチによると、2023年のデジタルカメラの市場規模は約223.4億ドルと推定されています。2024年以降、2029年にかけて年平均成長率4.87%で拡大し、2029年には約299.8億ドルに達すると予測されています。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 推定市場規模 | 前年成長率 |
---|---|---|
2023年 | 223億ドル | – |
2024年 | 234億ドル | 4.87%/年 |
2029年 | 298億ドル | 4.87%/年 |
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【M&Aの動向】
2022年 キヤノンプロダクションプリンティング、イーデール社の株式を取得し、完全子会社化
2022年 ソニーとホンダ、EV販売・モビリティ向けサービス提供を行う新会社設立へ
2022年 富士フイルムビジネスイノベーション、豪州のIT企業MicroChannel社を買収
2023年 ニコン、ドイツのNikon SLM Solutions Group AGの全株式を取得し、完全子会社化を完了
2023年 ニコンの子会社Nikon Americas Inc.が、米国Avonix社を子会社化へ
2024年 ニコン、業務用シネマカメラの米RED社を買収
【会社の概要】
GoPro(ゴープロ)
米国に本社を置くウェアラブル・ビデオカメラの世界大手。創業は2004年。縮小が続くビデオカメラ市場でアクションカメラという分野を開拓して成長を続けています。
ソニー
ソニーは、日本を代表する総合電機メーカーです。ソフトウェアとハードウェアが融合したエコシステム構築を目指しています。ゲーム機器、音楽、金融、映画、音響やテレビ等のエレクトロニクス、イメージセンサーで事業を展開しています。
イメージセンサー分野では、ルネサンスの山形工場を買収する等圧倒的な強みを持ちます。2015年には東芝の大分工場の一部を買収しました。競合他社を引き離すために、2019年以降3年間で約6000億円の設備投資を実施し、現状強みを発揮するスマホ更なる需要(複眼化)に対応しつつ、今後の主戦場になると考えられる車載や産業機器向けの分野を伸ばす予定です。日米欧の3極での拠点構築に積極的です。
テレビでは、ブラウン管の時代からテレビ事業の競争力を保っております。液晶パネルの製造はしておらず、EMSの台湾ホンハイ(Hon Hai Precision)へのOEM比率を高めています。
ゲーム機では、プレイステーション・シリーズを展開し、ハードと課金の両面で成長しております。
ビデオカメラでは、ハンディカムで一世風靡しました。スマホでのビデオ利用に押され同市場も縮小しているなか、デジタルカメラはミノルタの一眼レフを買収しています。ミラーレスやプロ向けの機種に注力をしています。さらに詳しく
iON(アイオン)
米国に本社を置く音楽機器関連メーカーです。レコーダーやターンテーブル等に強みを持ちます。ウェアラブル・カメラでビデオカメラ市場でも成長しています。
キヤノン
キヤノンは1937年に創業された日本を代表する光学・OA機器メーカーです。カメラ、複写機、プリンター等の分野で業界首位級です。近年はM&Aを駆使して新規領域への展開を図っています。OA機器、イメージング、産業機器等の分野で業界首位級の競争力のある商品群を展開しています。
OA機器のコピー機及び複写機では、ゼロックスやHPと並ぶ業界大手となっています。イメージングであるデジタルカメラ分野では、一眼レフとミラーレスカメラを強化しています。一眼レフやビデオカメラ等の分野にも強みを発揮しています。インクジェットプリンターでは、HPやエプソンと業界首位の座を競います。監視カメラではスウェーデンのアクシスコミュニケーションを買収し、業界トップクラスとなりました。半導体露光装置では、オランダのASML社に差をつけられつつあるものの、ニコンと並び露光装置大手のメーカーです。医療機器業界では、東芝メディカルを買収し、CTやMRIの分野で上位に入ります。さらに詳しく
ニコン
デジタルカメラはキャノンと双璧です。
富士フイルム
富士フイルムは、1934年に大日本セルロイドの写真フイルム事業がスピンオフして誕生した会社です。写真フイルムでは長らく世界最大級の会社でしたが、カメラのデジタル化やスマホ化が加速度的に進展した結果、フイルム技術を転用することが可能な医薬品・医療機器・ドキュメンテーションといった分野へ事業転換を進めています。デジタルカメラはコンパクトカメラやインスタントカメラに注力しています。
かつての世界を席巻した写真フイルムという成功の罠にはまらず、事業構造の転換を果たしつつあることは、大企業の成長戦略の成功事例として数多くケーススタディ化されています。さらに詳しく
ライカカメラAG
ライカは2023-2024年度で過去最高の売上高を記録し、主力製品「ライカQ3」や「M11-P」の成功が大きく寄与しました。また、スマートフォン向けアプリ「Leica LUX」やシャオミとの協業により、モバイル分野にも進出しています。2025年には初の量産型カメラ「ライカI型」の100周年記念イベントを予定しており、ブランド価値の維持と進化に注力しています。
リコー
リコーは、産業用途を中心にカメラ事業を再編しており、主に産業用カメラや360度カメラ「Theta」シリーズに注力しています。また、オフィス機器やデジタルサービスを中心とした事業の多角化を進め、カメラ市場ではニッチ分野に特化する方向性を示しています。
シグマ
シグマはLマウントアライアンスの一員として、ライカやパナソニックとの協力を通じて高性能レンズとカメラの開発に注力しています。同社は特に高解像度カメラや独自の「Foveonセンサー」搭載モデルで評価を受けており、プロ・ハイアマチュア市場で地位を築いています。
OMデジタルソリューションズ
オリンパスの映像事業を引き継いだOMデジタルソリューションズは、マイクロフォーサーズ規格のカメラ開発に注力し、最新モデル「OM SYSTEM OM-1」などで市場に貢献しています。同社は軽量かつ高性能な製品で競争力を維持しつつ、自然撮影や動画撮影のニーズに対応しています。
イーストマン・コダック・カンパニー
コダックは伝統的なフィルム事業を縮小し、現在は商業印刷や産業向け材料技術に注力しています。同時に、映像や印刷技術の分野でデジタルシフトを進めており、特に商業用途のイメージング技術で一定の成功を収めています。
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