NECの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

NECは、1889年にウェスタン・エレクトリック(現ノキアネットワークス)と岩垂邦彦氏によって設立された電話交換機や通信機器の製造を祖業とするITサービス会社です。1932年に住友財閥との関係が深まり、現在も住友グループの中核の会社です。1980年代に半導体分野で世界のトッププレイヤーとなりました。その後、事業構造をハードからソフト・ITサービスへと変化させ、現在はハードとソフトを組み合わせたソリューションプロバイダーに強みを持ちます。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は前年度比0.67%増の3,014,095百万円になりました。営業利益は-8.29%の141,007百万円になりました。営業利益率は4.68%になりました。5G基地局の出荷拡大などで増収となりましたが、部材不足や不採算案件からの損失もあり、減益となりました。

2020年度
売上高は前年同期比1,012億円(3.3%)減の2兆9,940億円、営業利益は同262億円増の1,538億円と減収増益となりました。新型コロナウィルスの影響があり、売上高は減収となりましたが、不採算プロジェクト抑制により利益率は改善しました。

NECの業績推移

NECの業績推移

業績推移(四半期)

2022年度第2四半期(7~9月)
売上高は前年同期比8.87%増の795,702百万円になりました。営業利益は36.55%増の30,139百万円になりました。営業利益率は3.79%になりました。ITサービスやエンタープライズ事業が好調に推移し、前年同期増収増益になりました。

2022年度第1四半期(4~6月)
売上高は前年同期比1.19%増の659,669百万円になりました。営業利益は-11,658百万円になりました。営業利益率は-1.77%になりました。部材不足などの影響もあり、社会公共とネットワークサービス事業の業績が悪化し、増収減益になりました。

2021年度第4四半期(1~3月)
売上高は前年同期比-3.35%増の917,739百万円になりました。営業利益は19.44%増の85,263百万円になりました。営業利益率は9.29%になりました。

2021年度第2四半期(7~9月)
前年同期比増収減益となりました。減益要因としては、不採算案件の増加、半導体の部材不足の影響などが挙げられます。

NECの四半期業績推移

NECの四半期業績推移
出所:リフィニティブ、会社資料

EPS・1株配当・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比-6.93%の518.54円になりました。1株当たりの配当は前年度比11.11%増の100.00円になりました。配当性向は19.28%になりました。

NECのEPS・1株配当・配当性向の推移

NECのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

今期の売上高は3,130,000百万円、営業利益は185,000百万円、営業利益率は5.91%、1株配当は110円を見込みます。増収増益増配の予想です。

2022年度第2四半期(7~9月)
売上高の業績予想に対するの進捗率は46.50%です。営業利益の業績予想に対する進捗率は9.99%です。営業利益率は予想より-4.64%上回っています。

売上構成

システムインテグレ―ション、アウトソーシング、クラウドサービス、ネットワークインフラ、システム機器製造販売を、政府や行政、国内外の企業(通信・金融・製造)などへ提供をしています。

NECの売上構成

NECの売上構成

社会公共
消防指令システム、消防デジタル無線、防災システム、交通管制システム、鉄道ネットワークシステム、地方公共団体向けシステム、エネルギー管理システム、電子カルテシステム、地域医療連携ネットワーク、基幹業務システムを子会社のNECネクサソリューションズとともに提供しています。

社会基盤
税・社会保障システム、指紋認証システム、航空管制システム、衛星通信・地球観測、野外通信システム、学校教育システム、郵便追跡システム、テレビ番組制作・報道・送出システム、デジタルテレビ送信機をNECネットワーク・センサ、NECスペーステクノロジー、日本航空電子工業とともに提供しています。

エンタープライズ事業
グローバルSCMシステム、設計管理システム、生産管理システム、販売管理システム、小売本部・店舗システム、物流管理システム、銀行勘定系システム、営業店システム、保険・証券基幹系システム、保険・証券チャネルシステムをNECファシリティーズとともに提供しています。

ネットワークサービス
コアネットワーク、携帯電話基地局、光伝送システム、ルータ/スイッチ、OSS1 /BSS2をNECネッツエスアイとともに提供しています。

グローバル
デジタル・ガバメント、デジタル・ファイナンス、海洋システム(海底ケーブル、海洋観測システム)、ワイヤレスバックホールをOCC、Netcracker Technology、NEC Software Solutions、KMD Holding、Avaloq Groupとともに提供しています。

その他
ビジネスコンサルティング、パッケージソリューションサービスをアビームコンサルティング、NECプラットフォームズ、NECフィールディング、NECエンベデッドプロダクツとともに提供しています。

直近のM&A(合併買収)

ソリューションサービスやITサービスの強化を目指したM&Aを積極的に行っています。

2005年 アビームコンサルティングを買収
2008年 Netcrakerを買収
2010年 NECエレクトロニクスを持分法化
2011年 コンシューマーPC事業を分社化
2012年 米国Convergysの事業支援システム事業を買収
2013年 NECモバイリングを売却
2014年 NECビッグローブを売却
2017年 Nothgate Public Servicesを買収
2018年 ITサービス会社の英ノースゲートを買収
2019年 デンマークのKMDホールディングスを買収
2019年 日本アビオニクスの株式を売却
2020年 スイスの金融ソフト会社アバロクを買収

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