シートベルト業界の世界市場シェアと市場規模について分析しています。オートリブ、ZF、ジョイソン・セイフティ・システムズ、東海理化といったシートベルトメーカーの概要や動向も掲載しています。

【シートベルトとは】

シートベルトは自動車安全の重要な要素で、交通事故時に乗員の安全性を大幅に向上させる役割を果たしています。シートベルトを着用しないと、着用している時に比べて致死率が約14倍になるというデータもあり、全世界でシートベルト着用の重要性への認識が高まっています。特に発展途上国でシートベルト着用が広まりつつあり、シートベルト市場の成長を促進しています。

最近では、シートベルトのデザインや材料が進化し、さらに安全性や快適性が向上しています。例えば、プリテンショナー機能や、衝突時のエネルギー吸収能力が高い素材の使用などが挙げられます。

シートベルト製造はパッシブセーフティ事業の一部として行われるのが一般的です。パッシブセーフティは安全整備の中でも、事故が起きた時に被害が最小限になるように設置されるもので、エアバッグ等も該当します。

【市場シェア】

シートベルトメーカー各社の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のシートベルト業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はZF、2位は東海理化、3位はオートリブとなります。

シートベルトの世界シェア1位はドイツ・米国系のZFです。非公開企業ながら全方位での自動車部品事業を展開します。

2位は日本の東海理化です。

3位はスウェーデンのオートリブ社となります。エアバッグと併せパッシブセーフティ分野で強固な地位を築きます。

4位は旧タカタのエアバッグとシートベルト事業を承継したジョイソン・セイフティ・システムズです。

【市場規模】

本サイトでは、2023年のシートベルト業界の市場規模を194億ドルとしています。参照した市場規模の情報は次の通りです。

調査会社のGMインサイツによると、2023年の同業界の市場規模は194億ドルです。2024年から2032年にかけて年平均5.2%での成長を見込み、同年には306億ドルに達すると予測されています。

さらに詳しく業界を理解するためのお薦め書籍と関連サイト

モビリティーサプライヤー進化論
自動車の製造と材料の話
自動車部品業界の世界市場シェアの分析
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【会社の概要】

ZF

ZF（ZFフリードリヒスハーフェン）は、1915年にフリードリッヒスハーフェン伯爵によって設立された飛行船用のトランスミッションを製造会社（ツァーンラート・ファブリーク、Zahnradfabrik＝歯車工場）を起源とするドイツに本拠を置く自動車部品メーカーです。ツァーンラート・ファブリークの頭文字であるZFが現在の社名となっています。フリードリヒスハーフェン市が管理する飛行船で有名なZeppelin財団（ツェッペリン財団）が93.8％、レムフェルデ市のユルゲン＆イルムガルト・ウルデルップ博士財団が6.2％の株式を保有する非公開会社でもあります。

トランスミッション、シートベルトといった予防安全技術、サスペンションやシャシー等のパワートレイン関連分野に強みを持ちます。2014年に米国の自動車部品メーカー大手でパワートレインやブレーキに強いTRWを買収しました。2019年に米国のワブコホールディングスを買収し、ブレーキなどの衝突安全技術分野の強化も果たしました。

2024年にはエアバッグ・シートベルトなどのパッシブセーフティ事業をZF LIFETECとして独立させています。

ZFによるTRW買収ハイライト

2014年ドイツの大手自動車部品メーカーのZFフリードリヒスハーフェン社が米国の大手自動車部品会社TRW社を買収
TRW社は自動車のエアバッグ等のセーフティ分野に強みを持つ独立系自動車部品会社
ZF社はシャシーや変速機が主力製品
買収金額は約117億ドル。終値に対して1.7%のプレミアム
ZFは本件買収によって、北米地域における事業強化と、特にセーフティ分野の補完をすることができた
TRW社を買収することで、規模では自動車部品業界のトップ３に入る
TRW社の直近の業績は堅調。2013年の売上、営業利益はそれぞれ174億ドル、12億ドルであった

東海理化

トヨタ自動車グループ系の自動車部品会社です。ステアリングホイール、シートベルト、シフトレバー等の分野に強みを持ちます。

オートリブ(Autoliv)

Autoliv（オートリブ）はスウェーデンに本拠を置く自動車パーツメーカーです。1953年にLindblads Autoserviceとして設立されました。エアバッグ、シートベルト、チャイルドディート等の安全性部品に強みを持ちます。欧州系の自動車メーカーであるルノー、VWに、フィアットクライスラー（FCA）、ダイムラー加え、ヒュンダイ、フォード、ホンダなどとも幅広く取引があります。2018年にADASや自動走行に必要となるセンサー、ブレーキなどのエレクトロニクス関連事業をVeoneer（ベオニアもしくはヴィオニア）として分社化し、オートリブはパッシブセーフティに特化した会社となりました。さらに詳しく

ジョイソン・セイフティ・システム（Joyson Safety System)

前身は日本を代表するエアバッグやシートベルトメーカーであったタカタです。同社は、エアバックのリコール問題から寧波均勝電子（Ningbo Joyson Electronic）の傘下にある米国の自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズ社（KSS）へ事業を譲渡し、2018年にジェイソン・セイフティ・システムズが設立されました。

旧タカタの再生タイムライン

2017年　民事再生法の適用を申請
2018年　中国の寧波均勝電子の米子会社現JSSがエアバッグ事業以外を買収し、エアバッグ基幹事業は清算へ

参照したデータの詳細情報について

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