ZFの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ドイツの自動車部品メーカーです。1915年にドイツで設立され、航空機、自動車、モーター ボート用のギアとトランスミッションの開発と製造を開始しました。戦後、ZFは企業買収を進めて事業拡大をしました。例えば、1984 年には Lemförder グループを買収し、乗用車と商用車用のシャシー コンポーネント、その後はシャシー システムの世界的なビジネスに参入しました。現在は、電動モビリティや自動運転技術への投資を強化しています。

業績推移(年次)


2019年度
売上高は前年度比1%減の36,518百万ユーロになりました。営業利益は前年度比33%減の901百万ユーロになりました。営業利益率は2%となりました。営業利益の減少は、研究開発費の増加、特にE-モビリティ向けの新工場の立ち上げ費用によるものです。

2020年度
売上高は前年度比11%減の32,611百万ユーロになりました。営業利益は前年度比92%減の75百万ユーロになりました。営業利益率はほぼ0%となりました。COVID-19パンデミックの影響を強く受け、上半期の売上は約26%減少しましたが、下半期の売上は再び安定し、下半期の数字は前年同期と同等となりました。

2021年度
売上高は前年度比17%増の38,313百万ユーロになりました。営業利益は前年度比1239%増の1,002百万ユーロになりました。営業利益率は3%となりました。売上高は上半期の需要増加により大幅な成長を示しました。2021年上半期の売上高は約43%増加しましたが、需要が高いにもかかわらず、特に半導体に関するサプライチェーンのボトルネックにより販売量は減少しました。

2022年度
売上高は前年度比14%増の43,801百万ユーロになりました。営業利益は前年度比1%減の992百万ユーロになりました。営業利益率は2%となりました。市場の回復が続く中、アクティブセーフティシステムセグメントの売上高は約22%増となりました。電動モビリティの生産能力拡大に伴う調達コストと生産開始関連コストの急激な増加は、営業利益率に大きな影響を及ぼしました。

2023年度
売上高は前年度比6%増の46,627百万ユーロになりました。営業利益は前年度比31%増の1,304百万ユーロになりました。営業利益率は3%となりました。すべてのセグメントが売上増に貢献しました。アクティブセーフティシステムセグメントの売上は 6.3% 増加しました。グローバルステアリングおよびファウンデーションブレーキセグメントも売上増に大きく貢献しました。このセグメントは北米での売上が多く、米ドルの影響をより強く受けました。為替変動の影響を調整すると、前年比で約 9% の成長となりました。

ZFの業績推移

ZFの業績推移

業績推移(四半期)


2022年第上半期(1ー6月)
売上高は前年同期比10%増の21,221百万ユーロになりました。営業利益は302百万ユーロ、営業利益率は1%となりました。売上増加分の約半分は為替変動による影響です。アジア地域以外の全ての地域で売上が増加しました。全てのセグメントで売上が増加しました。

2022年第下半期(7ー12月)
売上高は前年同期比19%増の22,580百万ユーロになりました。営業利益は690百万ユーロ、営業利益率は3%となりました。

2023年第上半期(1ー6月)
売上高は前年同期比10%増の23,292百万ユーロになりました。営業利益は570百万ユーロ、営業利益率は2%となりました。為替の変動は、前年同期比で売上を1%減少させました。全てのセグメント、全ての地域で売上高が増加しました。

2023年第下半期(7ー12月)
売上高は前年同期比3%増の23,335百万ユーロになりました。営業利益は734百万ユーロ、営業利益率は3%となりました。

2024年第上半期(1ー6月)
売上高は前年同期比6%減の21,993百万ユーロになりました。営業利益は243百万ユーロ、営業利益率は1%となりました。受動的安全装置セグメント以外は全て、前年同期比で売上高が減少しました。地域別に見れば、売上高が大きい欧州と北アメリカで売上が減少しました。それ以外の地域では売上は増加しました。

ZFの四半期業績推移

ZFの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移


1株当たりの配当は前年度と同額の0.08ユーロになりました。

ZFのEPS・1株配当・配当性向の推移

ZFのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2024年8月
2024年度上半期のプレゼンテーションレポートにて、2024年度通期の売上は42,500百万から43,500百万ユーロ(当初の予定である45,000百万ユーロから下方修正)、EBIT率は4.9から5.4%(当初の予定通り)を予定していると掲載されています。

売上構成

セグメントは、能動的安全装置、自動車シャーシ技術、電動パワートレイン技術、エレクトロニクス、受動的安全装置、商用車技術、産業技術、アフターマーケットに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

ZFの売上構成(2023年度)

ZFの売上構成(2023年度)

能動的安全装置
このセグメントの内容に関する具体的な内容はコーポレートサイトには掲載されていませんが、事故を防止して車両の安全性を高める技術に重点を置いていると推察します。

自動車シャーシ技術
このセグメントの内容に関する具体的な内容はコーポレートサイトには掲載されていませんが、車両の安定性、操作性、快適性を確保するさまざまなコンポーネントが含まれていると推察します。

電動パワートレイン技術
このセグメントの内容に関する具体的な内容はコーポレートサイトには掲載されていませんが、パワー エレクトロニクス、電動モーター、ドライブトレインに重点を置いて、電気自動車とハイブリッド自動車のコンポーネントを開発していると推察します。

エレクトロニクス
このセグメントの内容に関する具体的な内容はコーポレートサイトには掲載されていませんが、自動緊急ブレーキや車線逸脱警報をはじめとする先進運転支援システム(ADAS)など、さまざまな車両機能をサポートする電子システムを製造していると推察します。

受動的安全装置
このセグメントの内容に関する具体的な内容はコーポレートサイトには掲載されていませんが、エアバッグやシートベルトなど、衝突時のエネルギーを吸収するコンポーネントがこのセグメントに含まれていると推察します。

商用車技術
このセグメントの内容に関する具体的な内容はコーポレートサイトには掲載されていませんが、商用車のニーズに応え、安全性、効率性、性能を向上させるソリューションを提供していると推察します。

産業技術
このセグメントの内容に関する具体的な内容はコーポレートサイトには掲載されていませんが、自動車以外のさまざまな産業用途向けのコンポーネントを供給していると推察します。

アフターマーケット
このセグメントの内容に関する具体的な内容はコーポレートサイトには掲載されていませんが、車両のメンテナンスと修理のための部品とサービスを提供していると推察します。

M&A情報


2019年 自動運転交通ソリューションを専門とする2getthereを買収
2020年 商用車の安全性、効率性、接続性の向上を目的としたテクノロジーとサービスのグローバルサプライヤーWABCOを買収
2021年 クラウドベースの配車管理プラットフォーム通じてモビリティサービスの最適化を専門とするテクノロジー企業Bestmileを買収
2021年 Rane Groupとの合弁事業であり、ステアリングおよび乗員安全システムに関連する自動車部品の製造に注力するRane TRW Steering Systemsの株式を増やし、51%の過半数株主となる。
2023年 ドライビング運行記録計を開発・製造するIntellicを買収

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