エアバッグ業界の世界市場シェアの分析

エアバッグ業界の世界シェアや市場規模について分析を行っています。世界大手のエアバッグメーカーのオートリブ、ZF、ジョイソン・セイフティ・システムズ、豊田合成の概要や動向も掲載しています。

世界市場シェア

エアバッグメーカー各社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年のエアバッグ業界の世界シェアを簡易に試算しますと、1位はオートリブ、2位はジョイソン・セイフティ・システムズとなります。

エアバッグメーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2020年)

  • 1位 オートリブ 42.3%
  • 2位 ジョイソン・セイフティ・システムズ 25.9%
  • 3位 豊田合成 16.4%
  • 4位 ZF 15.7%

エアバッグ業界の世界市場シェア(2020年)
エアバッグ業界の世界市場シェア(2020年)

世界1位は、2019年に続きスウェーデンのオートリブ社です。2位は旧タカタを買収したジョイソン・セイフティ・システムズ、3位はトヨタ向けに強い豊田合成、4位はZFとなります。

市場規模

当データベースでは、2020年のエアバッグ業界の市場規模を134億ドルとしております。参照にした各種統計データは次の通りです。調査会社のキューワイリサーチによると、2020年度の同業界の市場規模は133.5億ドルです。2027年には159.8億ドルに拡大し、その間の年平均成長率は2.8%を見込みます。調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると、2019年の同市場規模は96.7億です。2027年には201.3億ドルへ拡大し、その間の年平均成長率は9.6%を見込みます。調査会社のオーエムアールグローバルによると、2018年の同市場規模は98.9億ドルです。2025年にかけて年平均7.3%の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

エアバッグ推定市場規模成長率見込み
2020年133.5億ドル2.8%
2019年96.7億ドル9.6%
2018年98.9億ドル7.3%
エアバッグ業界の推定市場規模の推移
©業界再編の動向

エアバッグ業界の構造

エアバッグ業界は、エアバックの生地の原糸製造メーカー(東洋紡、米インビスタ、旭化成が大手)、生地メーカー(タカタ、東レ、東洋紡、帝人)、縫製メーカー(タカタ、オートリブ)、インフレーターメーカー、コントローラーなどのエアバックメーカー(オートリブ、ジョイソン・セイフティ・システムズ、ZF、コンチネンタル、デンソー)等に大きく分かれます。

エアバッグの設置場所

下図の通り、運転席と助手席以外にも多くのエアバッグが設置されています。

エアバッグの装着場所
エアバッグの装着場所

運転席・助手席用エアバッグ
車両の乗員とステアリングホイール、インストルメントパネル、フロントガラスの間にエネルギーを吸収するクッションを提供します。

フロントセンターエアバッグ
側面衝突時に前列の乗員同士の衝突を防ぐことができます。運転席と助手席の間のスペースに展開し、遠方からの衝突を保護します。

サイドエアバッグ
乗員とドアの間で膨らみます。このエアバッグは、胸部傷害のリスクを約25%低減します。

サイドカーテンエアバッグ
サイドウインドー上部のルーフラインから展開し、乗員の頭部とウインドーや飛来する硬い物体との間に緩衝材を供給します。

ニーエアバッグ
乗員の足にかかる衝撃を分散させ、足や膝の負傷を軽減します。

歩行者用エアバッグ
歩行者と車両の事故の際に、頭部への衝撃を緩和し、その程度を軽減することを目的としています。フロントガラスとAピラーに沿って車外に展開されます。

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エアバッグ業界の主要企業の動向

オートリブ(Autoliv)

Autoliv(オートリブ)はスウェーデンに本拠を置く自動車パーツメーカーです。1953年にLindblads Autoserviceとして設立されました。エアバッグ、シートベルト、チャイルドディート等の安全性部品に強みを持ちます。欧州系の自動車メーカーであるルノー、VWに、フィアットクライスラー(FCA)、ダイムラー加え、ヒュンダイ、フォード、ホンダなどとも幅広く取引があります。2018年にADASや自動走行に必要となるセンサー、ブレーキなどのエレクトロニクス関連事業をVeoneer(ベオニアもしくはヴィオニア)として分社化し、オートリブはパッシブセーフティに特化した会社となりました。さらに詳しく

ZF

ZF(ZFフリードリヒスハーフェン)は、1915年にフリードリッヒスハーフェン伯爵よって設立された飛行船用のトランスミッションを製造会社(ツァーンラート・ファブリーク、Zahnradfabrik=歯車工場)を起源とするドイツに本拠を置く自動車部品メーカーです。ツァーンラート・ファブリークの頭文字であるZFが現在の社名となっています。フリードリヒスハーフェン市が管理する飛行船で有名なZeppelin財団(ツェッペリン財団)が93.8%、レムフェルデ市のユルゲン&イルムガルト・ウルデルップ博士財団が6.2%の株式を保有する非公開会社でもあります。
トランスミッション、シートベルトといった予防安全技術、サスペンションやシャシー等のパワートレイン関連分野に強みを持ちます。2014年に米国の自動車部品メーカー大手でパワートレインやブレーキに強いTRWを買収しました。2019年に米国のワブコホールディングスを買収し、ブレーキなどの衝突安全技術分野の強化も果たしました。

2014年ドイツの大手自動車部品メーカーのZFフリードリヒスハーフェン社が米国の大手自動車部品会社TRW社を買収
TRW社は自動車のエアバッグ等のセーフティ分野に強みを持つ独立系自動車部品会社
ZF社はシャシーや変速機が主力製品
買収金額は約117億ドル。終値に対して1.7%のプレミアム
ZFは本件買収によって、北米地域における事業強化と、特にセーフティ分野の補完をすることができた
TRW社を買収することで、規模では自動車部品業界のトップ3に入る
TRW社の直近の業績は堅調。2013年の売上、営業利益はそれぞれ174億ドル、12億ドルであった

ジョイソン・セイフティ・システム(Joyson Safety System)

前身は日本を代表するエアバッグやシートベルトメーカーであったタカタです。同社は、エアバックのリコール問題から寧波均勝電子(Ningbo Joyson Electronic)の傘下にある米国の自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズ社(KSS)へ事業を譲渡し、2018年にジェイソン・セイフティ・システムズが設立されました。

旧タカタの再生タイムライン
2017年 民事再生法の適用を申請
2018年 中国の寧波均勝電子の米子会社現JSSがエアバッグ事業以外を買収し、エアバッグ基幹事業は清算へ

豊田合成

トヨタグループにおける非金属部門の中核企業です。合成ゴムや合成樹脂から成型する自動車部品などを得意とします。セーフティ事業として、エアバッグも手掛けています。

現代モービス

1977年に設立された韓国に本拠を置く現代自動車の系列部品メーカーです。シャシーモジュール、コックピットモジュール、フロントエンドモジュール、サイドレーダー、ステアリングホイール、マウントディスプレイ、ボディ、内装、エアバック等幅広い分野を手掛けています。主に現代自動車および起亜自動車に販売をしています。

コンチネンタル

Continental(コンチネンタル)は、1871年に創業されたドイツのハノーヴァーに本拠を置くタイヤ・ブレーキ等の自動車部品メーカーです。シーメンスやモトローラより自動車制御関連の事業も積極的に買収しています。2008年にドイツのベアリング大手のシェフラ―を傘下にもつシェフラー家が支配株主となりました。大きくタイヤ事業と自動車部品事業に分かれます。タイヤ事業の世界シェアではミシュラン、ブリジストン、グッドイヤーのトップ3に次ぐ規模を誇っています。自動車部品メーカーにおける規模でも、ボッシュやデンソー等に匹敵する世界最大級の自動車部品メーカーです。自動車部品の中でも、ブレーキ、パワートレイン、シャーシ、インパネ、カーオーディオ、ディスプレイといった分野の世界シェアでは上位に位置しています。

シェフラ―家とシェフラ―/コンチネンタルの関係

シェフラ―グループの組織図

シェフラ―グループの組織図

主要M&A
1998年 ITTのブレーキ及びシャーシ事業の買収
2001年 ダイムラークライスラーの電装品事業を手掛けるTemicの買収
2004年 独ゴム・プラスチックメーカーのフェニックスを買収
2006年 モトローラの自動車制御関連事業を買収
2007年 シーメンスのVDO事業の買収
2008年 シェフラーによるコンチネンタルへの買収提案

エアバックのメーカーとしては、他に芦森工業があります。

参照したデータの詳細情報について


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