エアバッグ業界の世界市場シェアの分析

エアバッグ業界の世界シェアや市場規模の情報を分析しています。世界大手のエアバッグメーカーのオートリブ、ZF、タカタの動向も掲載しています。

世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第3巻」に記載のエアバッグメーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

  • 1位    オートリブ    28%
  • 2位    豊田合成    11%
  • 3位    ZF    8%
  • 4位    ジョイソンエレクトロニック      7%

エアバッグの世界シェアランキング1位は、スウェーデンのオートリブ社です。2位はトヨタ向けに強い豊田合成、3位はZF、4位はジェイソンエレクトロニックとなります。

市場規模

2019年のエアバッグ業界の市場規模は595億ドルです。2020年〜2026年にかけて年平均5.1%での成長を見込みます。(調査会社グローバルマーケットインサイツ)2018年の同業界の市場規模は125億ドルです。2025年にかけて年平均8.2%で成長し、同年の規模は225億ドルになると見込まれます。(調査会社フォーチュンビジネスインサイツ)本サイトでは、エアバッグ業界の市場規模を200億ドルとして市場シェアを計算しております。

エアバック業界の構造

エアバック業界は、エアバックの生地の原糸製造メーカー(東洋紡、米インビスタ、旭化成が大手)、生地製造メーカー(タカタ、東レ、東洋紡、帝人)、縫製メーカー(タカタ、オートリブ)、インフレーターメーカー、コントローラーなどのエアバック製造メーカー(オートリブ、タカタ、ZF、コンチネンタル、デンソー)等に大きく分かれます。

エアバッグ業界の主要企業の動向

オートリブ(Autoliv)

Autoliv(オートリブ)はスウェーデンに本拠を置く自動車パーツメーカーです。エアバッグ、シートベルト、チャイルドディート等の安全性部品に強みを持ちます。欧州系の自動車メーカーであるルノー、VWに、フィアットクライスラー(FCA)、ダイムラー加え、ヒュンダイ、フォード、ホンダなどとも幅広く取引があります。2018年にADASや自動走行に必要となるセンサー、ブレーキなどのエレクトロニクス関連事業をVeoneer(ベオニア)として分社化し、オートリブはパッシブセーフティに特化した会社となりました。

分社化前後の営業利益率の変化
2016年 8.8%
2017年 8.6%
2018年 10.5% ← ベオニア分社化によって利益率が改善しています
2019年 9.1%

ZF

1915年にフリードリッヒスハーフェン伯爵よって設立された飛行船用のトランスミッションを製造会社(ツァーンラート・ファブリーク、Zahnradfabrik=歯車工場)を起源とするドイツに本拠を置く自動車部品メーカーです。ツァーンラート・ファブリークの頭文字であるZFが現在の社名となっています。飛行船で有名なZeppelin財団(ツェッペリン財団)が支配株主の非公開会社でもあります。トランスミッション、シートベルトやシャシー等のパワートレイン関連分野に強みを持ちます。2014年に米国の自動車部品メーカー大手でパワートレインやブレーキに強いTRWを買収しました。

ZFによるTRW買収ハイライト

  • 2014年ドイツの大手自動車部品メーカーのZFフリードリヒスハーフェン社が米国の大手自動車部品会社TRW社を買収
  • TRW社は自動車のエアバッグ等のセーフティ分野に強みを持つ独立系自動車部品会社
  • ZF社はシャシーや変速機が主力製品
  • 買収金額は約117億ドル。終値に対して1.7%のプレミアム
  • ZFは本件買収によって、北米地域における事業強化と、特にセーフティ分野の補完をすることができた
  • TRW社を買収することで、規模では自動車部品業界のトップ3に入る
  • TRW社の直近の業績は堅調。2013年の売上、営業利益はそれぞれ174億ドル、12億ドルであった

ジョイソン・セイフティ・システム(Joyson Safety System)

前身は日本を代表するエアバッグやシートベルトメーカーであったタカタです。同社は、エアバックのリコール問題から寧波均勝電子の傘下にある米国の自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズ社(KSS)へ事業を譲渡し、2018年にジェイソン・セイフティ・システムズが設立されました。

旧タカタの再生タイムライン
2017年 民事再生法の適用を申請
2018年 中国の寧波均勝電子の米子会社現JSSがエアバッグ事業以外を買収
エアバッグ基幹事業は清算へ。

豊田合成

トヨタグループにおける非金属部門の中核企業です。合成ゴムや合成樹脂から成型する自動車部品などを得意とします。セーフティ事業として、エアバッグも手掛けています。

コンチネンタル

Continental(コンチネンタル)は、1871年に創業されたドイツのハノーヴァーに本拠を置くタイヤ・ブレーキ等の自動車部品メーカーです。シーメンスやモトローラより自動車制御関連の事業も積極的に買収しています。2008年にドイツのベアリング大手のシェフラ―を傘下にもつシェフラー家が支配株主となりました。大きくタイヤ事業と自動車部品事業に分かれます。タイヤ事業の世界シェアではミシュラン、ブリジストン、グッドイヤーのトップ3に次ぐ規模を誇っています。自動車部品メーカーにおける規模でも、ボッシュやデンソー等に匹敵する世界最大級の自動車部品メーカーです。自動車部品の中でも、ブレーキ、パワートレイン、シャーシ、インパネ、カーオーディオ、ディスプレイといった分野の世界シェアでは上位に位置しています。

シェフラ―家とシェフラ―/コンチネンタルの関係

シェフラ―グループの組織図

シェフラ―グループの組織図

主要M&A
1998年 ITTのブレーキ及びシャーシ事業の買収
2001年 ダイムラークライスラーの電装品事業を手掛けるTemicの買収
2004年 ドイツのゴム・プラスチックメーカーのフェニックスの買収
2006年 モトローラの自動車制御関連の事業の買収
2007年 シーメンスのVDO事業の買収
2008年 シェフラーによるコンチネンタルへの買収提案

 

エアバックのメーカーとしては、他に芦森工業があります。

業界関連図書

  • 自動車 解剖マニュアル (まなびのずかん) [大型本]
  • 不具合連鎖 [単行本]

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