パワートレイン業界の世界市場シェアの分析

パワートレイン業界の世界市場シェアや市場規模の情報について分析をしています。デンソー、コンチネンタル、アイシン精機、ジェイテクト、ボッシュ、ZF等の世界大手のパワートレインメーカーの動向も掲載しています。

パワートレイン業界の世界市場シェア(2019年)

最新業界別売上高世界ランキング第9巻」に記載のパワートレインメーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年のパワートレイン業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアイシン精機、2位はボッシュ、3位 はデンソーとなります。

1位 アイシン精機 3.8%
2位 ボッシュ 3.1%
3位 デンソー 2.4%
4位 マグナ 2.3%
5位 コンチネンタル 1.7%
6位 ジェイテクト 1.63%
7位 ZF 1.59%
8位 ヴァレオ 1.1%
9位 イートン 0.3%

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、パワートレイン業界の2019年の世界市場規模を5000億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。
調査会社のマーケットインサイトソリューションズによると、2019年の同業界の市場規模は6508億ドルです。コンサルティング会社のマッキンゼーによると、2018年の同市場規模は3160億ドルです。数量ベースでは、新規のパワートレインは自動車の生産台数にほぼ連動しています。⇒参照したデータの詳細情報

パワートレインについて

自動車の動力を伝えるシステムの総称をパワートレインといいます。トランスミッション(オートマチック車やマニュアル車にも使われる変速機のこと)、ステアリング(下記参照)、シャフト(トランスミッションとタイヤを結ぶ部品)、クラッチ(動力と変速機をつなげる役割があります)があります。今後EV(電気自動車)の増加が予想され、電動パワートレインが成長領域と目されています。

ステアリングについて

ステアリングとは、自動車等のかじ取りをする際に利用される機器の総称です。通常はハンドルとつながっています。自動車のステアリングは、小さな力で操作できるような操作性を向上させるためにアシスト機能がついており、そのアシスト機能には電動式と油圧式に分かれます。
自動車のステアリングは、モーターを使う電動パワーステアリングと、油圧を用いる油圧式パワーステアリングに分かれます。電動パワーステアリングは、油圧式に比べて燃料を必要とせず、省スペース性という利点があり、軽自動車や中小型自動車で多く採用されています。油圧式は大型車に多く使用されています。一方、今後の自動車の電気自動車(EV)化や自動運転技術が進展すると、そもそもハンドルで運転する必要がなくなる可能性もあり、ステアリング機器も必要がなくなる可能性があります。

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍

主要パワートレインメーカーの動向

アイシン精機

1949年に設立されたトヨタグループ系の自動車部品会社です。パワートレイン、ブレーキシステム、カーナビゲーションといった分野に強みがあります。自動変速機(オートマチック・トランスミッション、AT)は特に強みがあります。

ジェイテクト

光洋精工と豊田工機の経営統合によって誕生したトヨタ系の大手自動車部品メーカーです。パワ―ステアリング、工作機械、軸受けの分野を手掛けています。

Continental(コンチネンタル)

Continental(コンチネンタル)は、1871年に創業されたドイツのハノーヴァーに本拠を置くタイヤ・ブレーキ等の自動車部品メーカーです。シーメンスやモトローラより自動車制御関連の事業も積極的に買収しています。2008年にドイツのベアリング大手のシェフラ―を傘下にもつシェフラー家が支配株主となりました。大きくタイヤ事業と自動車部品事業に分かれます。タイヤ事業の世界シェアではミシュラン、ブリジストン、グッドイヤーのトップ3に次ぐ規模を誇っています。自動車部品メーカーにおける規模でも、ボッシュやデンソー等に匹敵する世界最大級の自動車部品メーカーです。自動車部品の中でも、ブレーキ、パワートレイン、シャーシ、インパネ、カーオーディオ、ディスプレイといった分野の世界シェアでは上位に位置しています。

シェフラ―家とシェフラ―/コンチネンタルの関係

シェフラ―グループの組織図

シェフラ―グループの組織図

主要M&A
1998年 ITTのブレーキ及びシャーシ事業の買収
2001年 ダイムラークライスラーの電装品事業を手掛けるTemicの買収
2004年 独ゴム・プラスチックメーカーのフェニックスを買収
2006年 モトローラの自動車制御関連事業を買収
2007年 シーメンスのVDO事業の買収
2008年 シェフラーによるコンチネンタルへの買収提案

Bosch(ボッシュ)

1886年にロバート・ボッシュ氏によってシュトゥットガルトに設立された精密機械と電気技術作業場を起源とするドイツを代表する総合電機メーカーです。産業用機器や車載用機器が主力事業ですが、電動工具事業も伝統的に強みを持ちます。他に住宅向けの家電やエネルギー関連機器等を手掛けています。ボッシュ一族が支配する非上場会社です。独VW社と関係が深いとされます。さらに詳しく

ZF

ZF(ZFフリードリヒスハーフェン)は、1915年にフリードリッヒスハーフェン伯爵よって設立された飛行船用のトランスミッションを製造会社(ツァーンラート・ファブリーク、Zahnradfabrik=歯車工場)を起源とするドイツに本拠を置く自動車部品メーカーです。ツァーンラート・ファブリークの頭文字であるZFが現在の社名となっています。フリードリヒスハーフェン市が管理する飛行船で有名なZeppelin財団(ツェッペリン財団)が93.8%、レムフェルデ市のユルゲン&イルムガルト・ウルデルップ博士財団が6.2%の株式を保有する非公開会社でもあります。
トランスミッション、シートベルトといった予防安全技術、サスペンションやシャシー等のパワートレイン関連分野に強みを持ちます。2014年に米国の自動車部品メーカー大手でパワートレインやブレーキに強いTRWを買収しました。2019年に米国のワブコホールディングスを買収し、ブレーキなどの衝突安全技術分野の強化も果たしました。

2014年ドイツの大手自動車部品メーカーのZFフリードリヒスハーフェン社が米国の大手自動車部品会社TRW社を買収
TRW社は自動車のエアバッグ等のセーフティ分野に強みを持つ独立系自動車部品会社
ZF社はシャシーや変速機が主力製品
買収金額は約117億ドル。終値に対して1.7%のプレミアム
ZFは本件買収によって、北米地域における事業強化と、特にセーフティ分野の補完をすることができた
TRW社を買収することで、規模では自動車部品業界のトップ3に入る
TRW社の直近の業績は堅調。2013年の売上、営業利益はそれぞれ174億ドル、12億ドルであった

Valeo(ヴァレオ)

1923年に設立されたフランスに本拠を置く大手自動車用部品メーカーです。パワートレイン、空調・電装等の分野で強みを持ちます。日本の市光工業と照明・ランプ分野で資本提携しています。2019年にLED照明のCreeとの自動車照明分野での合弁会社を設立しました。

Magna International(マグナインターナショナル)

1957年に創業のカナダに本拠を置く自動車部品メーカーです。ボディ外装や構造、自動車シート、パワートレイン、自動車用電装品に強みを持ちます。自動車(完成車)製造受託の子会社も保有しています。2016年に変速機大手のドイツのゲトラグを、2021年に自動運転技術に強いスウェーデンのヴェオニアを買収しました。さらに詳しく

Eaton(イートン)

Eaton(イートン)は、米国に本拠を置く油圧機器、自動車部品、無停電電源、避雷針、エンジン制御機器、火災報知器等を手がけるメーカーです。自動車部品分野ではトランスミッション等を手掛けています。低電圧機器事業にも強みを持ちます。

ネクスティア(Nexteer Automotive、耐世特汽車)

米国に本拠を置くパワ―ステアリング大手です。GM系部品会社のデルファイのパワーステアリング事業を源流とします。1999年にデルファイより分社化後、中国のパシフィック・センチュリー・モーターズが買収しました。2011年にパシフィック・センチュリー・モーターズには中国政府系の航空・防衛関連の中国航空工業集団公司(Aviation Industry Corporation of China (AVIC))が資本参加しています。

マンド(万都、Mando)

韓国の自動車部品大手企業です。韓国の中堅財閥である漢拏 (ハルラ) 建設傘下です。韓国企業として初めてABS(アンチロックブレーキシステム)を開発しています。ステアリング、ブレーキ、サスペンションに強みを持ちます。

CAAS(チャイナ・オートモーティブ・システムズ)

中国に本拠を置く自動車部品メーカーです。パワーステアリングに強みを持ちます。ナスダック証券取引所に上場をしています。

参照したデータの詳細情報について


このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。
会員の方はログイン下さい。
会員登録はこちらです。