再保険会社の世界市場シェアの分析

再保険会社の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。ミュンヘンリ、スイスリ、バークシャーハザウエイ、ハノーバーリ等の世界大手の再保険会社概要も掲載しています。

世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第5巻に記載の再保険会社各社の総収入再保険料を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はミュンヘンリ、2位はスイスリ、3位はハノーバーリとなります。

1位 ミュンヘンリ 14%
2位 スイスリ 13%
3位 ハノーバーリ 9%
4位 スコール 7%
5位 バークシャーハザウエイ 6%
6位 ロイズ 5%
7位 エベレストリ 3.3%
8位 パートナーリ 2.7%
9位 トランスリ 2%

市場規模

調査会社のバリュエート社によれば、2018年の世界の再保険市場の規模は2549億ドルです。2018年以降の5年間は年平均3.3%で成長し、2025年には3189億ドルの規模になると見込んでいます。調査会社のマーケットウォッチによれば、2019年の同市場の規模は2727億ドルです。その後年平均3.3%で成長し、2026年には3432億ドルまで市場規模が拡大すると見込んでいます。これらの情報から、当サイトでは再保険(損保+生保)市場の規模を2727億ドルとして、市場シェアを計算しております。

再保険会社のビジネスモデル
再保険会社は、保険会社が引き受けた保険の一部を再度引き受ける保険会社のことです。「保険の保険」を引き受ける会社とも言えます。上位の再保険会社が寡占的な市場構造です。

  • 再保険とは
  • 再保険とは、保険会社が引き受けた保険契約を、別の保険会社(再保険会社)に引き受けてもらうこと。
  • 保険契約者→保険会社→再保険会社という流れ
  • 再保険会社がさらに別の再保険会社に再々保険(Retrocession)をかける場合もある。
  • 再保険のメリット
  • 保険会社には、引き受けた保険(リスク)に応じて資本を積み増す規制(ソルベンシー規制)がある。
  • その結果、保険会社1社で引き受けることができるリスクには限界がある。
  • 再保険を活用することで、保険会社1社では引き受けられない巨額の負担(地震等の大規模災害のリスク)を複数の保険会社に分散し、引き受けることを可能にする。
  • 再保険市場の構造
  • 再保険会社はリスクを引き受けられる資本力が求められるため、損害保険会社や生命保険会社より、寡占度の高い業界構造となっている。
  • 再保険会社上位10社の寡占度は損害保険と生命保険でそれぞれ50%、90%程度。

主要な再保険会社

Munich Re(ミュンヘンリ、独)
1880年に設立された世界最大級の再保険会社です。子会社のERGO(エルゴ)を通じて損害保険と生命保険事業も展開しています。

Swiss Re(スイスリ、スイス)
1863年に設立された世界最大級の再保険会社です。

Berkshire Hathaway(バークシャー ハザウエイ、米)

バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)は、オマハの賢人ウォーレン・バフェット氏率いるコングロマリットです。元々は1888年に設立された綿紡績業の会社でした。1960年代にウォーレン・バフェット氏が支配権を獲得、現在は保険(GEICO)・再保険事業(ジェネラル・リー )、鉄道、ガス電力、各種製造業等を幅広く展開しています。同社の株式は、ウォーレン・バフェット氏が議決権の30%程度を保有しています。
保険事業は、1996年に買収をしたGEICO(Government Employees Insurance Company、公務員保険会社)を軸に損害保険を展開しています。保険業界の世界シェアでは世界最大級の規模を誇ります。再保険事業は1998年に買収をしたジェネラル・リー を軸に損害再保険、生命再保険の事業を展開しています。再保険業界の世界シェアでは上位に位置づけられています。鉄道事業は2009年に買収をしたBNSF鉄道(バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)にて、米国大陸横断鉄道事業を展開しています。米国最大の鉄道会社であるUnion Pacific(ユニオン・パシフィック)と競合をしていますが、鉄道業界の世界シェアランキングでみると、BNSF鉄道は上位には位置しておりません。同分野では、貨車リース大手のユニオン・タンク・カー(Union Tank Car)も傘下に保有し、世界市場シェアでは上位に位置します。建材事業は2001年に買収したJohns Manville(ジョンズ・マンビル)を中心に建材事業を展開しています。特に不織布業界では世界シェアランキングの上位に位置します。食品事業は2013年に3Gキャピタルと共同買収をしたケチャップ・缶詰大手の現クラフト・ハインツを軸に展開しています。2015年に流転の運命を背負ったクラフトフーズと経営統合は、食品業界の世界シェアランキング、調味料業界の世界シェアランキング、スープ業界の世界シェアランキング、缶詰業界の世界シェアランキングでは上位メーカーです。
超硬工具・タングステン事業では、旧東芝タンガロイを傘下に持つIMCインターナショナルが世界シェアランキングの上位に位置します。バークシャー・ハサウェイはその他に、エネルギー事業、繊維事業、運送業、小売業等を展開する会社を傘下に持ちます。

1996年 損害保険会社のGEICOを買収
1996年 飛行機及び船舶の操縦者の訓練学校のFlightSafety Internationalを買収
1998年 再保険会社のジェネラル・リーを買収
2001年 カーペット世界大手のShaw Industriesを買収
2001年 輸送機器のリース・レンタルのXTRAを買収
2003年 住宅メーカーのクレイトン・ホームズを買収

Hannover Re(ハノーバーリ、ドイツ)
独大手再保険会社です。独保険大手のTALANX(タランクス)の関係会社です。フランクフルト証券取引所に上場しています。

LLloyd’s(ロイズ、英)
英にある保険引受市場の総称です。ロイズに属する複数のアンダーライター((保険引受業者)がロイズを通じて再保険の引受を行なっています。アンダーライターではアイルランドのXL Catlin社が引受保険料の上位となっております。

SCOR(スコール、仏)
ユーロネクト市場に上場する仏大手再保険会社です。2015年に損保ジャパン日本興亜と資本提携を発表したが、その後解消しています。

PartnerRe(パートナーリ、バミューダ)
NYSE市場に上場する大手再保険会社です。

Everest Re Group(エベレストリ、バミューダ)
米プルデンシャル保険会社のグループ再保険会社として設立され、1995年にNYSE市場に上場を果たした。

RGA再保険会社
米国に本拠をおく生命保険に特化した再保険会社です。RGAはReinsurance Group of Americaの略です。

Transatlantic Re(USA)(トランスアトランティックリ、米)
投資会社のAlleghany Corporation(アリゲイニーコーポレーション)傘下の米再保険大手です。TransReと総称されています。NYSE市場に上場しています。

MS Amlin(MSアムリン)
英国に本拠を置く中堅再保険会社です。三井住友海上が2015年に買収しました。

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