保険(生保・損保)業界の世界市場シェアの分析

保険(生保・損保)業界の世界市場シェアと市場規模について分析。アクサ、アリアンツ、プルデンシャル、かんぽ、日本生命、第一生命、東京海上HD、MS&ADといった大手保険会社の概要も掲載。日本の保険会社による買収攻勢やチューリッヒ保険によるRSAインシュランスの買収といった業界再編が続く。

保険会社の世界市場シェア

保険会社各社の2021年度の保険料収入(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2021年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアリアンツ、2位は中国平安保険、3位はアクサとなります。

保険会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位アリアンツ2.44%
2位中国平安保険2.33%
3位中国人寿保険2.03%
4位アクサ1.70%
5位ゼネラリ1.32%
6位中国人民保険会社1.30%
7位バークシャー・ハサウェイ0.84%
8位AIG0.74%
9位日本生命保険0.72%
10位第一生命0.71%
11位ステートファーム保険0.65%
12位メットライフ0.65%
13位東京海上0.62%
14位プルデンシャル0.54%
15位三井住友海上(MS&AD)0.48%
16位損保ジャパン0.43%
17位明治安田生命0.38%
18位かんぽ生命0.32%
保険会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)©ディールラボ

保険会社の世界市場シェア(2021年)
保険会社の世界市場シェア(2021年)

ドイツのアリアンツが1位を堅持しました。中国の平安保険が2位となりました。3位は、フランスのアクサをかわして、中国人寿です。6位は中国人民保険となり、銀行業界と同様に中国が上位を占める構図が近くなりつつあります。5位はハプスブルグ家をバックに創業した歴史を持つイタリアのゼネラリです。7位はバフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイです。かつてザ・セイホと世界を震撼させた日本生命は9位、第一生命は10位につけ、トップ10入りを維持しています。日本の損保では、東京海上HDが13位、MS&ADが15位となっています。

生命保険会社の世界市場シェア

保険会社各社の2021年度の生命保険料収入(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する生命保険の市場規模を分母にして、生命保険会社だけの市場シェアを計算しますと、2021年の1位は中国人寿保険、2位はアリアンツ。3位は平安保険となります。中国の保険市場が如何に大きいかが分かります。日本のかんぽ生命は4位です。

生命保険会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位中国人寿保険4.37%
2位中国平安保険3.67%
3位アリアンツ3.06%
4位ゼネラリ2.02%
5位アクサ1.89%
6位日本生命保険1.62%
7位第一生命1.59%
8位中国人民保険会社0.70%
生命保険会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)©ディールラボ

生命保険会社の市場シェア(2021年)
生命保険会社の市場シェア(2021年)

損害保険会社の世界市場シェア

保険会社各社の2021年度の損害保険料収入を分子に、また後述する損害保険の市場規模を分母にして、損害保険会社のみの保険料で市場シェアを計算しますと、2021年の1位はアリアンツ、2位は中国人民保険会社、3位はアクサとなります。日本最大手の東京海上は7位です。⇒参照したデータの詳細情報

損害保険会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位アリアンツ1.95%
2位中国人民保険会社1.77%
3位アクサ1.55%
4位バークシャー・ハサウェイ1.52%
5位中国平安保険1.25%
6位ステートファーム保険1.17%
7位東京海上0.95%
8位三井住友海上0.87%
9位AIG0.79%
10位損保ジャパン0.78%
11位ゼネラリ0.76%
損害保険会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

損害保険会社の市場シェア(2021年)
損害保険会社の市場シェア(2021年)

競合比較

業界トップのポジションにいる東京海上HD、アリアンツ、アクサ、AIGの4社について、売上高成長率(過去5年平均)、配当性向、ROE(直前期)について比較をしました。

売上高成長率では東京海上HD、配当性向ではアリアンツ、ROEはAIGが競合他社を上回っています。

保険会社大手4社の指標比較(2021年)
保険会社大手4社の指標比較(2021年)
*配当性向は直前期の配当額と当期利益から計算しています。
**ROEは直前期の当期利益と期初と期末の自己資本額の平均値から計算をしています。
***売上高とEBITDA成長率は直前期を基準に過去5年間の年平均成長率(CAGR)を計算しています。

市場規模

当サイトでは、2021年の保険業界の市場規模を6兆5007億ドルとしております。参照にしたデータは次の通りです。
再保険会社のスイスリによると、2021年の損害保険市場は2020年比3.3%の成長、生命保険は、同3.5%の成長、保険業界全体では3.4%の成長を見込んでいます。
なお同社によると、2020年の生命保険+医療保険の市場規模は4兆4774億ドル、損害保険の市場規模は1兆8000億ドル、保険業界全体は6兆2870億ドルです。個人向け損害保険が9700億ドル、法人向けが8300億ドルです。2019年の同市場規模は6兆3000億ドルです。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模前年比成長率
2021年65007億ドル3.4%
2020年62870億ドル0.21%
2019年63000億ドル
保険業界の市場規模 ©ディールラボ

業界の主なM&A

  • 2021年 アリアンツがAvivaのポーランド事業を買収
  • 2021年 ゼネラリがSocieta Cattolica di Assicurazioneを買収
  • 2021年 AIGが米国のライフ&リタイヤメント事業をブラックストーンに売却
  • 2020年 ゼネラリがSeguradoras Unidasを買収
  • 2019年 AIGが再保険会社のFortitude Reinsuranceをカーライルなどへ売却
  • 2019年 RenaissanceReがTokio Millennium Reを東京海上から買収
  • 2018年 アクサがバミューダに本拠を置くXL Groupを買収
  • 2017年 アリアンツがフランスの信用保険会社であるEuler Hermes Groupを買収
  • 2015年 日本生命が大樹生命を買収
  • 2015年 東京海上がHCC保険を買収
  • 2013年 AIGが航空機リースのIFLCをエアキャップへ売却
  • 2012年 東京海上がDelphi Financialを買収
  • 2010年 メットライフがAIGからアリコを買収
  • 2009年 アリアンツがドレスナー銀行をコメルツ銀行へ売却

さらに業界に詳しくなるためのおすすめ書籍と関連サイト

世界大手保険会社の一覧

バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)

バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)は、オマハの賢人ウォーレン・バフェット氏率いるコングロマリットです。元々は1888年に設立された綿紡績業の会社でした。1960年代にウォーレン・バフェット氏が支配権を獲得、現在は保険(GEICO)・再保険事業(ジェネラル・リー )、鉄道、ガス電力、各種製造業等を幅広く展開しています。同社の株式は、ウォーレン・バフェット氏が議決権の30%程度を保有しています。さらに詳しく

AXA(アクサ)

1816年に前身の会社が設立されたフランスに本拠を置く世界最大級の保険会社です。生命保険、損害保険の両方を手掛けます。

United Healthcare(ユナイテッド・ヘルスケア)

1974年にRichard Taylor Burke(リチャードテイラーバーク)氏によって設立された米の民間向け医療保険大手です。マネッジドケア型のサービスを提供しています。

Allianz(アリアンツ)

1880年に設立されたドイツに本拠を置く世界最大級の保険会社です。生命保険と損害保険を手がけます。資産運用分野では債券投資に強いピムコを傘下に持ちます。ドイツの大手銀行であったドレスナー銀行を買収しましたが、その後売却をしております。

かんぽ生命

日本郵政傘下の生命保険会社です。資産規模では日本生命を凌駕しています。

Generali Assicurazioni(アシキュラチオニ・ゼネラリ)

イタリアに本拠を置く世界最大級の保険会社です。

Prudential PLC(プルデンシャル)

英国に本拠を置く世界最大級の保険会社です。

Zurich financial services(チューリッヒ保険)

スイスに本拠をおく保険大手です。損害保険に強みがあるが生命保険も手掛けています。

MassMutual(マス・ミューチュアル)

米国マサチューセッツ州に本拠を置く大手生命保険会社です。株主会社でなく相互会社形態をとっています。

ERGO(エルゴ)

再保険世界最大級のMunich Re(ミュンヘン再保険、独)傘下のドイツの元受保険会社です。

Aviva PLC(アビバ)

英国に本拠を置く保険大手です。

Standard Life plc(スタンダードライフ)

英大手生命保険会社です。

MetLife(メットライフ)

米最大級の保険会社です。2010年にアメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー(Alico、アリコ)をAIGグループから買収しました。

American International Group(アメリカンインターナショナルグループ、AIG)

1919年にCornelius Vander Starr氏によって設立された保険会社です。リーマンショック前までは世界最大の保険会社でしたが、サブプライムローン関連の損失を計上しFRBが金融支援を行いました。生命保険事業からは撤退し、現在は損保事業に注力をしています。日本でもAIGスター生命とAIGエジソン生命をプルデンシャルフィナンシャルへ、AIG富士生命を香港のFWDグループへ売却しました。

China Life Insurance (中国人寿保険)

2003年に設立された中国最大級の国営生命保険会社です。中国の4大保険会社(中国人民財産保険・中国人寿保険・中国平安保険・中国太平洋保険)の筆頭格です。

日本生命

1889年に設立された日本を代表する生命保険会社です。日本がバブルで沸いた1989年には保険料収入で世界最大手の保険会社第一生命と双璧をなします。

JA共済(National Mutual Insurance Federation of Agricultural Cooperatives)

全国共済農業協同組合連合会とも呼ばれます。農業協同組合(JA)が母体となって相互扶助の理念に基づき運用されている非営利団体です。

Pin An Insurance(中国平安保険)

1988年に馬明哲氏によって設立された保険会社です。中国4大保険会社の一角です。生命保険、損害保険に加え、銀行、資産運用、証券といった分野でも幅広く事業を展開しています。タイの食品大手であるチャロンポカパンの創業家(チラヴァノンファミリー、Chearavanont family)が筆頭株主になっています。

Aegon NV(イーゴン)

オランダに本拠を置く保険大手です。

NN Group

ING Group(アイエヌジー)から分社化独立した保険会社です。

ING Group(アイエヌジー)について
オランダ最大手の保険会社Nationale-Nederlanden(ナショナル・ネーデルランデン、蘭)とNMB Postbank Groep(NMBポストバンクグループ、蘭)が1991年に経営統合をして誕生しました。親銀行が公的資金を受け入れた関係で保険部門はとして分社化しました。

Achmea(アクメア)

大手保険会社です。オランダの農業銀行大手のRabo Bank(ラボバンク)が大手株主です。

Manulife(マニュライフ)

カナダの大手生命保険会社です。

サンライフ

カナダの大手生命保険会社です。

Mapfre(マフレ)

スペイン最大の保険会社。南米、欧州を中心に事業を展開。損害保険事業に強みを持ちます。

Ageas (アジアス)

ベルギー最大手の保険会社。旧フォルティスの保険部門です。フォルティスが解体された後に社名をアジアスへと変更しました。

AMP(エーアムピー、オーストラリア)

オーストラリア最大の保険会社です。Australian Mutual Provident Societyが前身です。

日本の保険会社による海外の保険会社の買収

2014年の第一生命による米プロテクティブ買収(約6000億円)、2015年の東京海上による米HCCの買収(約9400億円)、明治生命による米スタンコープ買収、住友生命による米シメトラの買収、三井住友海上による英アムリンの買収、2016年の損保ジャパンによる米エンデュランスの買収、2017年の三井住友海上によるファーストキャピタルの買収、日本生命による米TCWへの出資等、成長を求めて海外市場への進出を行っています。

2001年 三井海上と住友海上が合併して三井住友海上が誕生。
2001年 大東京火災海上保険と千代田火災海上保険が合併してあいおい損害保険が誕生。
2001年 同和火災海上保険とニッセイ損害保険が合併してニッセイ同和損害保険が誕生。
2001年 東京海上と日動火災が合併してミレアグループが誕生。
2001年 興亜火災と日本火災が合併して日本興亜が誕生。
2002年 安田火災と大成火災、日産火災が経営統合をして損保ジャパンが誕生。
2002年 太陽火災が日本興亜に合流。
2006年 東京海上日動へ日新火災が合流し、後の東京海上HDが誕生。
2010年 あいおい損害保険とニッセイ同和損害保険が経営統合してあいおいニッセイ同和損保が誕生。
2010年 あいおいニッセイ同和損保と三井住友海上が経営統合してMS&ADホールディングスが誕生。
2010年 日本興亜と損保ジャパンが経営統合をして、NKSJホールディングス、後の損保ホールディングが誕生。

生命保険会社の価値評価
生命保険会社の企業価値評価(バリュエーション)を行うためには、市場整合的エンベディッド・バリュー (Market Consistent Embedded Value、MCEV)を計算する必要があります。

参照したデータの詳細情報について


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