保険(生保・損保)業界の世界市場シェアの分析

保険(生保・損保)業界の世界市場シェアと市場規模について分析を行っています。アクサ、アリアンツ、プルデンシャル、かんぽ、日本生命等世界大手保険会社概要も掲載しています。日本の保険会社による買収攻勢やチューリッヒ保険によるRSAインシュランスの買収発表等業界再編が続いています。

保険会社の世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第6巻」に記載の保険会社各社の保険料収入を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアリアンツ、2位はアクサ、3位は中国平安保険となります。

1位 アリアンツ 2.3%
2位 アクサ 1.7%
3位 中国平安保険 1.4%
4位 中国人寿保険 1.3%
5位 中国人民保険会社 1.2%
6位 ゼネラリ 1.2%
7位 メットライフ 1.1%
8位 バークシャー・ハサウェイ 1.1%
9位 日本郵政 1.1%
10位 プルデンシャル 0.9%
11位 日本生命保険 0.8%
12位 東京海上 0.7%
13位 ステートファーム保険 0.7%
14位 AIG 0.5%

ドイツとフランスの欧州系保険会社2社が首位となりました。3から5位は中国の保険会社となり、銀行業界と同様に中国が上位を占める構図となっております。

生命保険会社の世界市場シェア

生命保険会社だけの市場シェアを計算しますと、2019年は1位は平安保険、2位はアリアンツ。3位は人寿保険となります。中国の保険市場が如何に大きいかが分かります。日本のかんぽ生命は5位です。

1位 中国平安保険 3.0%
2位 アリアンツ 2.9%
3位 中国人寿保険 2.7%
4位 メットライフ 2.4%
5位 かんぽ生命 2.3%
6位 アクサ 2.0%
7位 日本生命保険 1.8%
8位 ゼネラリ 1.8%

損害保険会社の世界市場シェア

同様に損害保険会社のみの保険料で市場シェアを計算しますと、2019年は1位はバークシャー・ハサウェイ、2位はアリアンツ、3位は中国人民保険会社となります。日本最大手の東京海上は6位です。

1位 バークシャー・ハサウェイ 2.0%
2位 アリアンツ 1.9%
3位 中国人民保険会社 1.8%
4位 アクサ 1.6%
5位 ステートファーム保険 1.2%
6位 東京海上 1.0%
7位 ゼネラリ 0.7%
8位 AIG 0.4%

市場規模

当サイトでは、各種資料等を参考にして、保険業界の市場シェア算定にあたり、保険業界の保険料ベースの市場規模を6兆3000億ドル(損保3兆4000億ドル、生保2兆9000億ドル)としております。なお再保険会社であるスイスリーによれば2019年の損害保険業界の保険料規模は3兆3760億ドルです。過去10年間で年平均3.2%成長しております。生命保険業界の市場規模は2兆9160億ドルです。

世界大手保険会社の一覧

バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)

バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)は、オマハの賢人ウォーレン・バフェット氏率いるコングロマリットです。元々は1888年に設立された綿紡績業の会社でした。1960年代にウォーレン・バフェット氏が支配権を獲得、現在は保険(GEICO)・再保険事業(ジェネラル・リー )、鉄道、ガス電力、各種製造業等を幅広く展開しています。同社の株式は、ウォーレン・バフェット氏が議決権の30%程度を保有しています。
保険事業は、1996年に買収をしたGEICO(Government Employees Insurance Company、公務員保険会社)を軸に損害保険を展開しています。保険業界の世界シェアでは世界最大級の規模を誇ります。再保険事業は1998年に買収をしたジェネラル・リー を軸に損害再保険、生命再保険の事業を展開しています。再保険業界の世界シェアでは上位に位置づけられています。鉄道事業は2009年に買収をしたBNSF鉄道(バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)にて、米国大陸横断鉄道事業を展開しています。米国最大の鉄道会社であるUnion Pacific(ユニオン・パシフィック)と競合をしていますが、鉄道業界の世界シェアランキングでみると、BNSF鉄道は上位には位置しておりません。同分野では、貨車リース大手のユニオン・タンク・カー(Union Tank Car)も傘下に保有し、世界市場シェアでは上位に位置します。建材事業は2001年に買収したJohns Manville(ジョンズ・マンビル)を中心に建材事業を展開しています。特に不織布業界では世界シェアランキングの上位に位置します。食品事業は2013年に3Gキャピタルと共同買収をしたケチャップ・缶詰大手の現クラフト・ハインツを軸に展開しています。2015年に流転の運命を背負ったクラフトフーズと経営統合は、食品業界の世界シェアランキング、調味料業界の世界シェアランキング、スープ業界の世界シェアランキング、缶詰業界の世界シェアランキングでは上位メーカーです。
超硬工具・タングステン事業では、旧東芝タンガロイを傘下に持つIMCインターナショナルが世界シェアランキングの上位に位置します。バークシャー・ハサウェイはその他に、エネルギー事業、繊維事業、運送業、小売業等を展開する会社を傘下に持ちます。

1996年 損害保険会社のGEICOを買収
1996年 飛行機及び船舶の操縦者の訓練学校のFlightSafety Internationalを買収
1998年 再保険会社のジェネラル・リーを買収
2001年 カーペット世界大手のShaw Industriesを買収
2001年 輸送機器のリース・レンタルのXTRAを買収
2003年 住宅メーカーのクレイトン・ホームズを買収

AXA(アクサ、仏)
フランスに本拠を置く世界最大級の保険会社です。

United Healthcare(ユナイテッド・ヘルスケア、米)
米の民間向け健康保険大手です。

Allianz(アリアンツ、独)
ドイツに本拠を置く世界最大級の保険会社です。

かんぽ生命
日本郵政傘下の生命保険会社です。資産規模では日本生命を凌駕しています。

Generali Assicurazioni(アシキュラチオニ・ゼネラリ、伊)
イタリアに本拠を置く世界最大級の保険会社です。

Prudential PLC(プルデンシャル、英)
英国に本拠を置く世界最大級の保険会社です。

Zurich financial services(チューリッヒ保険)
スイスに本拠をおく保険大手です。損害保険に強みがあるが生命保険も手掛けています。

MassMutual(マス・ミューチュアル、米)
米国マサチューセッツ州に本拠を置く大手生命保険会社です。株主会社でなく相互会社形態をとっています。

ERGO(エルゴ)
再保険世界最大級のMunich Re(ミュンヘン再保険、独)傘下のドイツの元受保険会社です。

Aviva PLC(アビバ、英)
英国に本拠を置く保険大手です。

Standard Life plc(スタンダードライフ、英)
英大手生命保険会社です。

MetLife(メットライフ、米)
米最大級の保険会社です。2010年にアメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー(Alico、アリコ)をAIGグループから買収しました。

American International Group(アメリカンインターナショナルグループ、AIG、米)
リーマンショック前までは世界最大の保険会社でした。

China Life Insurance (中国人寿保険、中国)
中国最大級の生命保険会社です。

日本生命
日本を代表する生命保険会社です。第一生命と双璧をなします。

JA共済(National Mutual Insurance Federation of Agricultural Cooperatives)
全国共済農業協同組合連合会とも呼ばれます。農業協同組合(JA)が母体となって相互扶助の理念に基づき運用されている非営利団体です。

Pin An Insurance(中国平安保険、中国)
中国4大保険会社の一角です。

Aegon NV(イーゴン、蘭)
オランダに本拠を置く保険大手です。

NN Group
ING Group(アイエヌジー)から分社化独立した保険会社です。

ING Group(アイエヌジー)
オランダ最大手の保険会社Nationale-Nederlanden(ナショナル・ネーデルランデン、蘭)とNMB Postbank Groep(NMBポストバンクグループ、蘭)が1991年に経営統合をして誕生しました。親銀行が公的資金を受け入れた関係で保険部門はとして分社化しました。

Achmea(アクメア、蘭)
大手保険会社です。オランダの農業銀行大手ののRabo Bank(ラボバンク)が大手株主です。

Manulife(マニュライフ、カナダ)
カナダの大手生命保険会社です。

サンライフ
カナダの大手生命保険会社です。

Mapfre(マフレ、スペイン)
スペイン最大の保険会社。南米、欧州を中心に事業を展開。損害保険事業に強みを持ちます。

Ageas (アジアス、ベルギー)
ベルギー最大手の保険会社。旧フォルティスの保険部門です。フォルティスが解体された後に社名をアジアスへと変更しました。

AMP(エーアムピー、オーストラリア)
オーストラリア最大の保険会社です。Australian Mutual Provident Societyが前身です。

日本の保険会社による海外の保険会社の買収
2014年の第一生命による米プロテクティブ買収(約6000億円)、2015年の東京海上による米HCCの買収(約9400億円)、明治生命による米スタンコープ買収、住友生命による米シメトラの買収、三井住友海上による英アムリンの買収、2016年の損保ジャパンによる米エンデュランスの買収、2017年の三井住友海上によるファーストキャピタルの買収、日本生命による米TCWへの出資等、成長を求めて海外市場への進出を行っています。

2001年 三井海上と住友海上が合併して三井住友海上が誕生。
2001年 大東京火災海上保険と千代田火災海上保険が合併してあいおい損害保険が誕生。
2001年 同和火災海上保険とニッセイ損害保険が合併してニッセイ同和損害保険が誕生。
2001年 東京海上と日動火災が合併してミレアグループが誕生。
2001年 興亜火災と日本火災が合併して日本興亜が誕生。
2002年 安田火災と大成火災、日産火災が経営統合をして損保ジャパンが誕生。
2002年 太陽火災が日本興亜に合流。
2006年 東京海上日動へ日新火災が合流し、後の東京海上HDが誕生。
2010年 あいおい損害保険とニッセイ同和損害保険が経営統合してあいおいニッセイ同和損保が誕生。
2010年 あいおいニッセイ同和損保と三井住友海上が経営統合してMS&ADホールディングスが誕生。
2010年 日本興亜と損保ジャパンが経営統合をして、NKSJホールディングス、後の損保ホールディングが誕生。

生命保険会社の価値評価
生命保険会社の企業価値評価(バリュエーション)を行うためには、市場整合的エンベディッド・バリュー (Market Consistent Embedded Value、MCEV)を計算する必要があります。

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