鉄道会社の世界市場シェアの分析

鉄道会社の世界シェアと業界ランキングや鉄道業界の市場規模について分析をしています。ドイツ鉄道、フランス国鉄、ユニオン・パシフィック、BNSF電鉄、カナダ鉄道、CSX、JRといった鉄道会社の概要や動向も掲載しています。

【鉄道会社の世界市場シェア+ランキング】

鉄道会社各社の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、後述する市場規模を分母にして、2023年の鉄道業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は中国国家鉄路集団、2位はドイツ鉄道、3位はフランス国鉄となります。

2023年の鉄道会社の市場シェアと業界ランキング

順位 会社名 市場シェア
1位 China State Railway Group Company(中国国家鉄路集団) 32.04%
2位 Deutsche Bahn(ドイツ鉄道、DB、ドイチェ・バーン) 8.00%
3位 SNCF (フランス国有鉄道) 6.31%
4位 Russian Railways(ロシア鉄道公開株式会社) 5.82%
5位 UNION PACIFIC CORPORATION(ユニオン・パシフィック・コーポレーション) 4.42%
6位 BNSF Railway(BNSF鉄道) 4.20%
7位 Canadian National Railway Company(カナダ国鉄) 3.08%
8位 CSX CORPORATION(CSXコーポレーション) 2.52%
9位 East Japan Railway Company(JR東日本、東日本旅客鉄道株式会社) 2.25%
10位 NORFOLK SOUTHERN CORPORATION(ノーフォーク サザーン コーポレーション) 2.23%
11位 Central Japan Railway Company(JR東海、東海旅客鉄道株式会社) 1.96%
12位 Transdev (トランスデブ) 1.80%
13位 West Japan Railway Company(JR西日本、西日本旅客鉄道株式会社) 1.44%
14位 FirstGroup(ファーストグループ) 0.82%
15位 Indian Railways(インド鉄道) 0.49%
16位 Aurizon Holdings(オーリゾン・ホールディングス) 0.41%
17位 Japan Freight Railway Company(JR貨物、日本貨物鉄道株式会社) 0.23%
18位 TOKYU CORPORATION(東急株式会社) 0.22%
19位 CONTAINER CORPORATION OF INDIA LIMITED(コンテナコーポレーションオブインディアリミテッド、CONCOR) 0.11%
20位 KiwiRail Holdings Limited(KiwiRail、キウイレールホールディングス) 0.09%
2023年の鉄道会社の市場シェアと業界ランキング ©ディールラボ

鉄道会社の市場シェア(2023年)

鉄道会社の売上高世界1位は、中国国家鉄路集団です。中国の国有企業の1つです。高速鉄道網拡充に向け積極的に設備投資を行っていますが、負債額も膨らんでいます。

市場シェア2位はドイツ鉄道です。鉄道インフラの改修と近代化のために、2023年に自己資金から過去最高の76億ユーロを投資しました。ボトルネックを解消して容量を拡大するために、2030年までに中央鉄道40路線を全面的に改修する予定です。鉄道ネットワークと車両を拡大および近代化するために多額の投資を続け、増大する乗客と貨物の需要の対応に取り組んでいます。

市場シェア3位はフランス国鉄です。ストライキ、工業生産の低下、フランスでの地滑りによるイタリアとの主要国境検問所の閉鎖などの影響にもかかわらず、2023年の売上はほぼ安定していました。

市場シェア5位はユニオンパシフィックです。燃料サーチャージ収益の減少が収益減少の主な要因で、鉄道事業の売上は3%減少しました。

日本の鉄道会社の首位であるJR東日本は、市場シェア9位です。JRグループ3社は、新型コロナウイルス対策による経済活動の再開で旅客需要が回復し、連結純利益が3年ぶりに黒字となったことが、各社の決算発表で明らかになりました。

【鉄道会社の世界市場規模】

当サイトでは、2023年の鉄道輸送業界(旅客輸送と鉄道貨物運輸の合計)の市場規模を5461.3億ドルとしています。参照した情報は以下の通りです。

調査会社のザビジネスリサーチによると、2023年度同業界の市場規模は5461.3億ドルです。2024年には5862.1億ドルに成長すると予想しています。

調査会社のリサーチアンドマーケットによると、ザビジネスリサーチと同様に、2023年の同業界の市場規模は5461.3億ドルです。2024年に5862.1億ドルに達し、2024年から2028年にかけて年平均6.5%で成長し、同年には7489.7億ドルに成長すると予想しています。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模 成長率見込み
2023 5461.3億ドル
2024 5826.1億ドル 6.7%
2028 7489.7億ドル 6.5%
鉄道輸送業界の推定市場規模 ©ディールラボ

さらに業界に詳しくなるためのお薦めの書籍と関連サイト

M&Aの動向

2016年

JR西日本が不動産事業を手がける菱重プロパティーズを買収

2022年

Aurizonが鉄道貨物事業を行うOne Rail Australiaを買収

2022年

CSXが鉄道会社Pan Am Railwaysを買収

2023年

JR東日本がレール軌道工事や保守事業を展開しているシンガポールのGATES PCM CONSTRUCTIONの買収契約を締結

2023年

Norfolk Southernが鉄道会社Cincinnati Southern Railwayを買収

2023年

Transdevが運輸会社のFirst Transitを買収

2024年

Union Pacificが物流会社であるMHXの輸送サービス事業を買収

2024年

東急がホテル業のTHMを吸収合併

2024年

FirstGroupがバス会社York Pullman Bus Companyを買収

2024年

ドイツ鉄道がバスや鉄道などで旅客輸送を行うArrivaの売却を合意

【会社の概要】

China State Railway Group Company(中国国家鉄路集団)

2013年に旧鉄道部が改組され設立されました。国有企業として中国全土の鉄道運輸を行っています。

Deutsche Bahn(ドイツ鉄道、DB、ドイチェ・バーン)

1994年に西ドイツ鉄道と東ドイツ鉄道が経営統合して誕生したドイツ政府傘下の鉄道会社です。子会社に運輸大手のDBシェンカーやバス事業を中心に海外での輸送事業を行う英Arriva (アリヴァ)を所有しています。

SNCF (フランス国有鉄道、Société Nationale des Chemins de fer Français)

フランス政府傘下の国有鉄道です。子会社のKeolis(ケオリス)を通じ海外での輸送事業の展開も行っています。

Russian Railways(ロシア鉄道公開株式会社、ОАО )

2003年にロシア連邦運輸通信省の鉄道事業を承継して誕生しました。ロシア全土の鉄道運輸を担っています。貨物輸送が主力となっています。

UNION PACIFIC CORPORATION(ユニオン・パシフィック・コーポレーション)

ユニオン・パシフィックは、1969年に設立された米国の西部を地盤とする米国最大級の貨物鉄道会社です。米国は旅客輸送を政府傘下のアムトラック(Amtrak)が独占をしており、石炭、穀物、鉱石、原油、木材、鉄鋼、紙、食品、化学品などの鉱物や農作物の貨物輸送事業を展開しています。同地域を地盤とする競合鉄道会社にはバフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ傘下のBNSF電鉄もあります。

バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)は、オマハの賢人ウォーレン・バフェット氏率いるコングロマリットです。元々は1888年に設立された綿紡績業の会社でした。1960年代にウォーレン・バフェット氏が支配権を獲得、現在は保険(GEICO)・再保険事業(ジェネラル・リー )、鉄道、ガス電力、各種製造業等を幅広く展開しています。同社の株式は、ウォーレン・バフェット氏が議決権の30%程度を保有しています。さらに詳しく

1995年に設立された米国の貨物鉄道会社です。28の米国の州とカナダの3つの州に多種多様な商品を輸送しています。

Canadian National Railway Company(カナダ国鉄、CN)

カナダ全土および米国の一部で多種多様な商品を輸送する貨物鉄道会社です。

CSX CORPORATION(CSXコーポレーション)

米国の東部を地盤とする民間鉄道会社です。貨物輸送事業を展開しています。同じく東部を地盤とするノーフォーク・サザン(Norfolk Southern)と競合しています。

JR-GROUP(JRグループ)

旧国鉄が民営化されて誕生しました。JR東日本、西日本、東海、北海道、九州、四国が地域毎に鉄道運営を行っています。貨物輸送はJR貨物が国内全域で行っています。

JR東日本(東日本旅客鉄道)は1987年に旧国鉄が民営化されて誕生した日本最大の鉄道運行会社です。首都圏と東日本を地盤にしています。駅周辺の開発事業、駅ナカの物販、Suicaを活用した決済事業など非鉄道事業の育成にも力を注いでいます。さらに詳しく

JR東海(東海旅客鉄道)は1987年に旧国鉄が民営化されて誕生しました。売上の80%を占める運輸業を中心に百貨店の運営や不動産業、ホテル業などを行っています。東京、名古屋、新大阪を結ぶ日本の交通の大動脈である東海道新幹線を筆頭に多くの在来線を運営しています。現在は超電導リニアによる中央新幹線計画を進めています。

JR西日本(西日本旅客鉄道)は1987年に旧国鉄が民営化されて誕生しました。鉄道の運営等を行うモビリティ業や物販を行う流通業、不動産業などを展開しています。また、北陸から近畿・中国・九州北部のエリアで山陽新幹線や北陸新幹線を中心に運営しています。

JR貨物(日本貨物鉄道)は1987年に旧国鉄が民営化されて誕生しました。貨物鉄道事業を中心に倉庫業や駐車場業等を日本全国に展開しています。輸送方式にはコンテナ輸送と専用貨車で運ぶ車扱輸送の2つがあります。

NORFOLK SOUTHERN CORPORATION(ノーフォーク サザーン コーポレーション)

米国東部の広範な鉄道網を通じて多種多様な商品を輸送する貨物鉄道会社です。

Transdev (トランスデブ)

ヴェオリア・エンバイロメント傘下の交通事業会社とフランス預金供託公庫傘下の交通事業会社が経営統合して誕生しました。交通事業の海外展開に積極的で、フランス、ドイツ、米国、オーストラリアなどで、電車、路面電車、バス、救急車、学校の交通手段、フェリーを運行しています。

FirstGroup(ファーストグループ)

イギリスの大手バス・鉄道運営会社です。出自は国営バス運営会社です。民営化とともに鉄道分野に参入しました。海外展開にも積極的で、アイルランドやドイツ等でも交通事業を展開しています。

Indian Railways(インド鉄道)

1951年に実質的に組成されたインド鉄道局傘下の国有鉄道会社です。運行開始は1853年からで、日本よりも歴史の長いアジア最古の鉄道です。総延長が6万8千キロメートル超と世界4位の長さかつ百万人超の従業員が所属するインド最大級の企業体です。貨物及び旅客輸送を行っています。伝統的にインドは鉄道運輸が重視されています。貨物事業は黒字ですが、旅客事業は赤字となっています。鉄道車両の老朽化が進んでいます。

Aurizon Holdings(オーリゾン・ホールディングス)

オーストラリアの鉄道貨物運送会社であり、その広範なネットワークを通じて多種多様な商品を輸送しています。

TOKYU CORPORATION(東急株式会社)

五島慶太氏によって設立された関東の南部を地盤とする私鉄グループです。

CONTAINER CORPORATION OF INDIA LIMITED(コンテナコーポレーションオブインディアリミテッド、CONCOR)

コンテナの輸送と取り扱いを専門とするインドの大手物流・輸送会社です。

KiwiRail Holdings Limited(KiwiRail、キウイレールホールディングス)

ニュージーランドの鉄道事業を担当する国営企業です

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