銅・カッパー業界の世界市場シェアの分析

銅生産、銅鉱山会社の世界市場シェア、世界の銅生産量、最新動向について分析をしています。コデルコ、フリーポート、BHPグループ、グレンコア、サザンコッパーなど、世界大手の銅メーカーの概要についても掲載しています。

世界の銅の生産量規模

当サイトでは、調査会社等の銅生産量の数値をベースに、銅生産会社の市場シェアを計算する上での、銅の生産量ベースの市場規模を2000万トンと推計しております。

民間調査会社のリポートリンカーによると、2016年の世界の銅鉱石の生産量は約2020万トンと公表されています。国際銅研究グループによると、2017年の世界の銅の生産量は約2000万トンと推計されています。

銅・カッパー業界の世界市場シェア(2019年)

「銅鉱山開発会社の生産量世界ランキングトップ10の分析」に記載されている銅鉱山・生産会社の生産量をベースに銅鉱山会社の市場シェアを計算しますと、1位はコデルコ、2位はBHPグループ、3位はグレンコアとなります。

  • 1位 コデルコ 9.2%
  • 2位 BHPグループ(旧BHPビリトン) 8.8%
  • 3位 グレンコア 7.3%
  • 4位 フリーポートマクモラン 7.1%
  • 5位 サザンコッパー 4.4%
  • 6位 アントファガスタ 3.6%
  • 7位 アングロ・アメリカン 3.3%
  • 8位 リオティント 3.2%
  • 9位 ファースト・クオンタム 2.9%
  • 10位 KGHM 2.8%

銅生産会社の上位10社で概ね52%の市場シェアとなります。

なお、2018年のFreeport McMoRan(フリーポートマクモラン)社のアニュアルレポートによれば、世界のトップ10の銅鉱山会社の年間銅生産量の市場シェアは45%程度と記載があります。

世界の主要銅鉱山開発会社

Codelco(コデルコ)

CodelcoとはCorporacion Nacional del Cobre de Chileの略です。チリ銅公社です。
世界最大級の銅メジャーでもあり、公社の名の通りチリの国営銅会社である。モリブデンの生産も世界第2位の生産規模です。英資源大手アングロ・アメリカンの子会社のチリの銅鉱山運営会社アングロ・アメリカン・スールの株式をめぐり、三菱商事/アングロ・アメリカン連合とコデルコ/三井物産連合で対立した経緯もあります。銅鉱山ではチリのEl Teniente(エル・テニエンテ)等を運営しています。

Freeport-McMoRan(フリーポート・マクモラン)

Freeport-McMoRanは、世界最大級の米国の銅・モリブデン生産会社です。2006年に同業のフェルプス・ドッジを買収しました。銅鉱山ではMorenci(モレンシー)やGrasberg(グラスベルグ)鉱山を運営しています。

BHPグループ(旧BHPビリトン)

BHP(ビーエイチピー、BHP)は、世界最大の鉱業会社です。2001年に豪ブロークンヒル・プロプライエタリー・カンパニー(Broken Hill Proprietary Company Limited、BHP) と英ビリトン(Billiton plc) の統合により誕生しました。2018年にBHPビリトン(BHP Billiton)からBHPグループへと改称しています。合併後もロンドンとオーストラリアの2つの株式市場に上場するdual-listed companyとして存在しています。
銅、鉄、ダイヤモンド、石炭、石油、ニッケル、ボーキサイト等の鉱石の生産に携わっています。豪州のOlympic Dam鉱山でウランの生産・開発を行っています。銅鉱山では世界最大規模の生産量を誇るチリのEscondida(エスコンディーダ)を保有しています。ニッケルは、ウェスト・オーストラリア鉱床が、世界最大級の良質なニッケルブリケットやパウダーを生産しています。ウェスト・オーストラリア鉱床においては、Mount Keith(キース山)が、良質なニッケル鉱山です。

BHPビリトン キース山

BHPビリトン キース山
出所:同社

Glencore(グレンコア)

グレンコア(Glencore)はスイスに本拠を置く資源商社です。1974年にスイスのトレーダーであるマーク・リッチによって設立されました。2012年にカナダの穀物流通大手バイテラを、2013年には資源メジャーであるエクストラータを買収しています。亜鉛、原料炭、一般炭、銅、コバルト、ニッケル等マイニングや、エネルギー及び穀物トレーディングが事業の柱となっています。トレーディング機能と上流権益の開発機能をあわせもつ資源メジャーとも言えます。コバルト事業では、コンゴ民主共和国の世界最大のコバルト鉱山であるMutanda(ムタンダ)を所有しています。2018年に、中国の格林美(GEM)と3年間5万トンのオフテイク契約を締結しました。なお、GEMは、中国のEVバッテリー大手である寧徳時代新能源(CALT)のサプライヤーです。

ムタンダ鉱山

ムタンダ鉱山

ムタンダ鉱山
出所:Bing

穀物トレーディング事業では、麦やとうもろこし等の商品を取り扱います。2017年1月に穀物部門を分社化し、グレンコア・アグリカルチャーを設立しました。カナダの穀物商社であるバイテラを所有しています。

Rio Tinto(リオティント)

Rio Tinto(リオティント)は、世界最大級の鉱業会社です。1995年に英国RTZ と豪CRA が統合して誕生しました。経営統合の経緯から、現在でもロンドンとシドニーの両証券取引所に上場をしています。鉄鉱石やアルミに強みを持ちます。アルミニウムは2007年に買収したリオ・ティント・アルキャンを通じて展開しています。石炭は豪州を中心に注力していましたが、2017年にCoal Allied Industrialをヤンコールlへ、2018年にHail Creek炭田をグレンコア、Kestrel炭田をAdaroエナジーなどへ売却して撤退しました。

Southern Copper(サザンコッパー、SCC)

米資源大手です。世界最大級の銅・モリブデン・銀生産企業です。

Anglo American(アングロ・アメリカン)

アングロ・アメリカン(Anglo American)は英大手資源会社です。ロンドン証券取引所に上場しています。銅鉱山ではLos Bronce(ロスブロンセ)鉱山等を運営しています。ニッケルは、ブラジルのBarro Alto(バーホ・アウト)が主要鉱山です。ダイヤモンドのデビアスを傘下に保有しています。金、プラチナにも強みを持ちます。石炭でも原料炭を中心に優良アセットを保有しております。

KGHM(Kombinat Gorniczo-Hutniczy Miedzi Polska Miedz S.A.)

KGHM Polska Miedz(KGHMポルスカ)はポーランドの銀・銅生産会社です。ロンドン証券取引所に上場しています。

Antofagasta(アントファガスタ)

Antofagastaは英銅生産大手です。チリでインフラ事業等を手掛けるLuksic Group(ルクシック・グループ)の1社であり、アンドロニコ・ルクシック氏を祖とするLuksic家がAntofagastaの株式65%を所有しています。ロンドン証券取引所に上場しています。Los Pelambres(ロス・ペランブレス)等の銅鉱山を運営しています。

First Quantum(ファースト・クオンタム)

カナダの銅生産会社の大手です。ロンドン証券取引所に上場しています。

Vale(ヴァーレ)

Vale(ヴァーレ)は、世界最大手のブラジル資源大手です。資源メジャーの1角です。主力商品は鉄鉱石ですが、ニッケルも大手の一角です。カナダのインコ(Inco)社から2006年に180億ドルで買収をしたオンタリオ州のSudbury(サドバリー) Mine、Voisey's Bay(ボイジーズ・ベイ)をはじめとして、住友金属鉱山も参画しているインドネシアのSorowako(ソロワコ)、ニューカレドニアのVNC-Goro、ブラジルのOnca Puma(オンサ・プーマ)、カナダのThompson(トンプソン)が主要ニッケル鉱山となっています。マンガン、ボーキサイト、アルミニウム、銅、石炭、コバルト、貴金属の鉱山も手掛けています。コバルトは、カナダのSudbury、Voisey‘s Bay、ニューカレドニアで採掘をしています。三井物産との関係が深いことでも有名です。

Kazakhmys(カザフミス)

Kazakhmysはロンドン証券取引所に上場する銅資源大手です。カザフスタンに銅鉱山を保有しています。

Hudbay(ハッドベイ)

カナダの資源大手です。銅も生産しています。

中国の銅生産大手
江西銅業や銅陵有色が大手の銅製錬企業です。

銅関連の主要業界団体

  • 国際銅研究会(銅の世界生産量等の統計がまとめられています。)
  • 一般社団法人日本銅センター(銅の特性等についてまとめられています。)
  • 国際銅協会(ICA)

銅・カッパー業界をより詳しく理解するためのお薦め書籍

  • 足尾銅山 歴史とその残照
  • 銅・銅合金
  • 図解入門よくわかる最新「銅」の基本と仕組み