アルミニウム業界

アルミニウムの精製・製錬・圧延・加工業界やボーキサイト生産会社の世界市場シェア、市場規模、売上高ランキング、動向、バリューチェーンについて分析をしています。UCルサール、中国アルミ、アルコア、ヒンダルコ、UACJ 、ノルスク・ハイドロ等主要アルミニウム圧延会社の概要も掲載しています。

市場シェア(アルミニウム地金生産量ベース)

最新業界別売上高ランキング」に記載のアルミニウム製錬メーカー会社の生産能力を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、世界1位は中国アルミニウムの9.6%、2位は中国宏橋の8.9%、3位はUCルサールの6.0%となります。

  • 1位 中国アルミニウム 9.6%
  • 2位 中国宏橋 8.9%
  • 3位 UCルサール 6.0%
  • 4位 信発集団 5.5%
  • 5位 リオティント 5.0%
  • 6位 EGA 4.1%
  • 7位 中国電力投資 3.9%
  • 8位 アルコア 3.3%
  • 9位 ノルスク・ハイドロ 3.1%

アルミニウム製錬会社の生産量別の世界シェア1位は、中国アルミニウムです。同社はアルミナ精製でも世界上位です。旺盛な中国国内での需要を背景に、2位も同じく中国の宏橋集団が入っています。3位はグレンコアと、アルミニウム事業を統合して誕生した、ロシアのUCルサール社となります。シベリアでの安価な水力発電を利用した製錬事業に強みを持ちます。4位は中国の信発集団です。5位はリオティントアルキャン、6位はエミレーツ・グローバル・アルミニウム、7位は中国電力投資、8位はアルコアとなっています。同社はアルミの圧延を手掛ける会社は、アルコニックとして分社化をしています。

市場シェア(売上高ベース)

「最新業界別売上高世界ランキング」に記載のアルミニウムメーカー会社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、世界1位中国アルミニウムの18%、2位はノルスク・ハイドロの10%、3位はヒンダルコの9%となります。

  • 1位 中国アルミニウム 18%
  • 2位 ノルスク・ハイドロ 10%
  • 3位 ヒンダルコ 9%
  • 4位 中国宏橋 8%
  • 5位 アルコア 7%
  • 6位 リオティント 7%
  • 7位 UCルサール 6%
  • 8位 アルコニック 5%
  • 9位 コンステリウム 4%
  • 10位 UACJ 4%
  • 11位 EGA 4%

アルミニウムメーカーの売上高世界1位は、中国アルミニウムです。アルミニウム地金生産量とともに世界1位です。2位は、ノルウェーのノルスク・ハイドロです。ボーキサイトから圧延まで総合的に手掛けているのが強みです。3位は、インドのヒンダルコ・インダストリーズです。インド国内の高い市場シェアを背景に、米国のノベリスやアレリスを買収して、圧延事業の海外展開を図ります。4位は中国の中国宏橋です。5位は、米国のアルコアです。ボーキサイトから製錬工程に注力しています。アルミの圧延を手掛ける会社は、アルコニックとして分社化をしています。アルコニックは8位です。9位はオランダのコンステリウム、10位には、日本の古河スカイと住友軽金属工業が経営統合して誕生したUACJが入っています。

ボーキサイト生産量ではアルコア(AWAC)とリオティントが生産量で世界首位を争っています。ギニア政府系のCBGや中国アルミニウムもボーキサイト生産大手です。国別でみると、ボーキサイトの優良鉱山は豪州、中国、ブラジル、ギニアやインド等が挙げられます。

業界のバリューチェーン

アルミのバリューチェーンは、下図の通り、ボーキサイト→精製(リファイナリー、アルミナ)→製錬(スメルター、アルミニウム地金)→鍛造加工です。

アルミバリューチェーン
アルミバリューチェーン 出所:業界再編の動向

アルミニウムの精製から製錬について

採掘したボーキサイトをか性ソーダ液で溶解すると、アルミナ(酸化アルミニウム、Al₂O₃)粉末が取れます。このアルミナを製錬(電気分解)するとアルミ地金(インゴット、ビレット)が得られます。それを加工(圧延、押出、鍛造)するとアルミ製品ができます。アルミ製品はリサイクルとする再生アルミ地金に生まれ変わります。

アルミニウムの製錬過程

下図の通りアルミナからアルミニウム製錬時に大量の電気を消費します。アルミニウム溶液(リキッドアルミニウム)から鍛造工程となります。

アルミ製錬の過程 出所:ノルスク・ハイドロ

市場規模

Norsk Hydroによれば、2019年のアルミニウム地金の市場規模は年間89.8百万トンです。そのうち中国が約半分の47%、中国以外のアジアが18%、北米が15%となっております。
UCルサールによれば、2020年のアルミニウム地金の規模は年間66.1百万トン(2019年比1.3%増加)です。また中国アルミによれば、2019年は63.8百万トンとなっています。
当サイトでは、アルミニウム地金の2019年の生産量規模を63.8百万トンとして市場シェアを計算しております。

アライドマーケットリサーチによれば、2018年のアルミニウム業界の市場規模は1472億ドルです。2019年~2016年で年平均3.2%の成長を見込みます。マーケットリサーチフューチャーによれば、2018年の同業界の市場規模は1635億ドルです。2025年までに年平均6.5%の成長を見込みます。
当サイトでは、アルミニウム業界の市場規模を1500億ドルとして市場シェアを計算しています。

世界の主要なアルミニウムメーカーの動向

アルミニウムメーカーには大きく3つに分かれます。ボーキサイトの発掘から製錬までの上流・中流工程に注力する会社と、下流工程である圧延・押出などの加工プロセスを行う会社、と上流から下流まで垂直統合している会社です。中国アルミやヒンダルコなどは上流から下流まで手掛けているのに対し、アルコアは下流工程をアルコニックとして分社化しています。

アルコア(Alcoa)

米国に本拠を置く世界最大級のアルミニウム生産会社です。アルミ圧延事業も世界最大手級です。アルコアのカナダ子会社であったアルキャン(Alcan)に買収を提案するものの、アルキャン(Alcan)は最終的にリオ・ティントに買収されました。アルミ地金の分野では、リオティントやロシアのルサールと競合しています。2016年に、アルミニウム圧延、エンジニアリング製品を手掛ける会社をアルコニック(Arconic)として分社化しました。アルコアはアルミニウムの上流から中流(ボーキサイト、アルミナ、アルミニウム製品)に経営資源を集中しています。ボーキサイトの採掘は主にオーストラリア、ブラジル 、ギニアで、アルミナの精製は、主にオーストラリア、ブラジル 、スペインで、アルミニウムの精錬はオーストラリア、ブラジル 、カナダ、アイスランド、ノルウェー、スペイン、米国で行っています。

Novelis(ノベリス)/ヒンダルコ・インダストリーズ(Hindalco Industries)

ノベリスは米国に本拠を置くアルミニウム圧延会社大手です。元々はカナダのアルキャンよりスピンオフする形で誕生しています。2007年にインドのコングロマリット大手のアディティア・ビルラ・グループ (Aditya Birla Group)傘下で、ボーキサイト精製からアルミ製錬を手掛けるヒンダルコ・インダストリーズ(Hindalco Industries)に買収されました。ヒンダルコとノベリスでアルミ分野の川上から川下までカバーできる体制とないりました。インド国内の市場シェアでは圧倒的です。アルミニウムのリサイクルにも強みを持っています。2020年に同業のAlerisを買収しました。

UACJ

古河電気工業系の古河スカイと住友軽金属工業との経営統合により誕生したアルミニウム圧延大手です。アジアでは缶向け、欧米では自動車向けのアルミ板の販売が主力となっています。米国、欧州、スペインに生産拠点を所有しています。

ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)

ノルウェーに本拠を置くアルミニウム総合大手です。ボーキサイトの精製から製錬、圧延までを一貫して手掛けています。ノルウェー政府が大株主となっています。2006年に石油・天然ガス事業をスタトイルと統合する一方で、2017年にアルミニウムの押出し大手のノルウェーのサパ(SAPA)を買収し、アルミニウム分野でのカバー範囲を拡充しています。

Constellium(コンステリウム)

オランダに本社を置く大手アルミ圧延会社です。旧Alcan Engineered Products 社。航空宇宙用、輸送機用、自動車用のアルミニウムを手掛けています。

中国アルミニウム(中國鋁業股份有限公司、Aluminum Corporation of China Limited、CHALCO)

中国に本拠を置く政府系のアルミニウム関連会社です。中国最大。アルミニウム製錬の分野でも大手です。酸化アルミニウム等の分野でも高い競争力を持ちます。

チャイナ・ホンチャオ・グループ(中国宏橋集団有限公司、China Hongqiao Group)

アルミニウム製錬分野では世界最大級です。溶融アルミニウム合金、アルミニウム合金地金、アルミ合金鋳造などを得意としています。

UC Rusal(UCルサール)

ロシア最大級のアルミ生産会社です。ロシアのRusal(ルサール)、ロシア同業のSual(スアール)、スイスのグレンコアのアルミ事業が統合して誕生しました。原料となるボーキサイトはグループ内で75%を賄っております。製錬事業の電力は、安価な電力源であるシベリア水力発電所(Siberian hydropower plants)から調達しています。
主要なボーキサイト鉱山はロシア、ジャマイカ、ギニア、ガイアナにあり、リファイナリー(精製)工場はロシア、アイルランド、ウクライナ、ジャマイカ、イタリア、ギニアにあります。スメルター(製錬工場)はロシアとスウェーデンになり、国際的なアルミバリューチェーンを構築しております。
関連会社に世界最大級のニッケル生産会社ノリリスク・ニッケルがあります。オレグ・デリパスカ氏が実質率いています。

リオ・ティント・アルキャン(Rio Tinto Alcan)

資源大手リオティントの子会社です。アルコアとリオ・ティントが競う形で、最終的にリオ・ティントがアルキャンを買収し、リオ・ティント・アルキャンが誕生しました。ボーキサイト採掘からアルミ製錬まで一貫して行っています。4か所のボーキサイト鉱山(オーストラリア、ブラジル、ギニア)と精製工場(オーストラリア、ブラジル、カナダ)、14の製錬工場(カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイスランド、オマーン)を所有しています。

Emirates Global Aluminium (EGA、エミレーツ・グローバル・アルミニウム)

ドバイとアブダビのアルミ生産会社のDubai Aluminium (DUBAL) とEmirates Aluminium (EMAL) が合併して誕生したドバイ及びアブダビ政府系の会社です。

Xinfa Group(信発集団)

1972年に設立された中国の大手アルミ製錬会社です。アルミニウム地金の生産量では世界有数の規模です。

China Power Investment Corporation(SPIC、国家電力投資集団)
中国の電力会社大手の一角ですが、ボーキサイト発掘からアルミ地金の製錬の垂直統合された事業を行っています。

Compagnie des Bauxites de Guinee(CBG)
ギニア政府とHalco Mining(アルコアとリオティントの合弁会社)が運営するボーキサイト生産・アルミ精製・製錬会社です。

アルミニウム用語集

アルミニウム鍛造はAluminum Casting
アルミニウム押出しはExtrusions
アルミニウム圧延はRolling
アルミナは酸化アルミニウムの通称
酸化アルミニウムはaluminum oxide(アルミニウム・オキサイド)
水酸化アルミニウムはaluminum hydroxide(アルミニウム・ハイドロオキサイド)

業界関連図書

アルミニウム業界のページを作成するにあたり、以下の書籍を参考にさせて頂きました。
アルミニウム (現場で生かす金属材料シリーズ) [単行本(ソフトカバー)]
アルミニウムのおはなし (おはなし科学・技術シリーズ) [単行本]
図解入門 よくわかる アルミニウムの基本と仕組み [Kindle版]
おもしろサイエンス アルミの科学 (B&Tブックス) [単行本]

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