金属缶・アルミ缶・スチール缶業界の世界市場規模とシェアを分析しています。
本レポートでは、飲料用アルミ缶・食品缶・一般缶・エアゾール缶など多用途に広がる金属容器市場を対象とし、主要メーカーであるボール、クラウン、東洋製罐、アルダー、キャンパック、ソノコ、シルガンなどの動向も整理しています。
【飲料缶の種類について】
金属缶は用途に応じて飲料用・食品用・一般缶・エアゾール缶・工業用缶などに分類され、材料によってブリキ缶(ティンプレート)・スチール缶・アルミ缶に分かれます。
用途別に見ると、飲料缶はビール・炭酸飲料・RTD飲料などに利用され、遮光性・耐熱性の高さから品質保持に優れています。食品缶は野菜・果物・肉・魚などの長期保存に使われ、密閉性と耐熱性が不可欠です。エアゾール缶は化粧品・家庭用品・工業用スプレーなどに利用され、耐圧性と安全性が重要となります。一般缶・工業缶は塗料・化学品・オイルなどの保管に利用され、強度・耐薬品性が求められます。
材料特性でみると、アルミ缶は軽量・耐食性・遮光性に優れ、飲料用として広く利用されており、リサイクル率が97.5%と極めて高い点が特徴です。一方、スチール缶(ブリキ缶を含む)は強度と加工性に優れ、食品缶・一般缶・エアゾール缶など多用途で使用されます。
他素材との比較では、金属缶はペットボトル・ガラス瓶・紙容器と比べて遮光性・耐熱性・耐久性が高く、リサイクル性にも優れています。近年はコカコーラ、ペプシコ、ダノン、ネスレなどがプラスチック削減を強化しており、こうした動きが金属容器の採用拡大にも影響を与えています。
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【金属缶・アルミ缶・スティール缶業界の市場シェア+ランキング】
金属缶・アルミ缶・スチール缶業界の2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2025年の金属缶・アルミ缶・スチール缶業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はボール、2位はクラウン、3位はアルダーメタルパッケージングとなります。
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| 順位 | Company name (English) |
企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | Ball Corporation | ボール | 16.92% |
| 2位 | Crown Holdings Inc. | クラウン | 11.60% |
| 3位 | Ardagh Metal Packaging | アルダーメタルパッケージング | 7.07% |
| 4位 | CAN-PACK | キャンパック | 5.20% |
| 5位 | Toyo Seikan Group | 東洋製罐 | 4.86% |
| 6位 | Sonoco Products Company | ソノコ | 4.51% |
| 7位 | Silgan Holdings | シルガン・ホールディングス | 4.03% |
金属缶・金属容器業界1位は、ボールコーポレーション(Ball Corporation) です。
スチール缶事業は2018年に投資ファンドへ売却し、現在は飲料用アルミ缶に事業を集中させています。2025年も世界最大の飲料缶メーカーとして、北米・欧州・南米で高いシェアを維持しています。
2位は、クラウン(Crown Holdings Inc.) です。
飲料缶に加え、食品缶・エアゾール缶・一般缶を含む総合金属容器メーカーとして、Ballに次ぐ世界2位のポジションを維持しています。トランジットパッケージング事業も展開しつつ、金属缶事業が収益の中核となっています。
3位は欧州の飲料缶専業メーカーであるアルダー・メタル・パッケージング(Ardagh Metal Packaging) です。
祖業はガラス容器ですが、現在は飲料用金属缶事業を分社化したAMPとして、欧州・北米・ブラジルなどで飲料缶供給を拡大しています。
4位は日本の総合容器メーカー東洋製罐(Toyo Seikan Group) です。
日本を中心に、飲料缶・食品缶・一般缶など多様な金属容器を展開する総合容器メーカーです。2021年には物言う株主オアシスから公開提案を受けるなど、ガバナンス面での動きもありましたが、金属容器事業は国内外で安定したシェアを維持しています。
5位はポーランド本拠の飲料缶メーカー、キャンパック(CAN-PACK)です。
欧州・中東・アフリカ・インドなどに生産拠点を展開し、近年シェアを拡大しています。多国籍飲料ブランド向けの供給が増加している点が特徴です。
6位は米国の食品缶大手シルガン・ホールディングス(Silgan Holdings Inc.) です。
主に食品缶・一般缶を中心とした金属容器事業を展開し、北米市場で強いポジションを持っています。飲料缶よりも食品缶・家庭用缶に強みがあり、安定した需要に支えられています。
7位はソノコ・プロダクツ・カンパニー(Sonoco Products Company) です。
紙容器・プラスチック容器と並び、金属缶事業も展開する総合包装メーカーです。Ball Metalpackの買収により、食品缶・一般缶分野でのプレゼンスを高めています。
ランク外ではありますが、国内大手の昭和電工のアルミ缶事業(世界シェア1%程度と推計)については、投資ファンドのアポロが買収しました。
【金属缶・アルミ缶・スティール缶業界の世界市場規模】
当データベースでは、2025年の金属缶・アルミ缶・スチール缶業界の市場規模を778億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社グランドビューリサーチによると、2025年の同業界の市場規模は778億ドルです。2026年から2033年にかけて年平均6.4%で成長し、規模は826億ドルから1,238億ドルへと拡大することを見込んでいます。
調査会社ファクトMRによると、2025年の同業界の市場規模は778億ドルです。2026年から2036年にかけて年平均6.6%で成長し、規模は829億ドルから1,571億ドルへと拡大することを見込んでいます。
| 年 | 市場規模 | 成長率見込み |
| 2025 | 778億ドル | – |
| 2026 | 826億ドル | – |
| 2033 | 1,238億ドル | 6.4 % |

【M&Aの動向】
2021年 アポロ、昭和電工のアルミ缶事業を買収
2022年 アルダー、コンソール・ホールディングスを買収
2022年 ソノコ、ボールメタルパックを買収
2023年 クラウン・ホールディングス、ヘルベティア・パッケージングの買収を完了 2024年 シルガン、ウィーナー・パッケージングの買収を完了
2024年 ボール、航空宇宙事業の売却を完了
【会社の概要】
Ball Corporation(ボールコーポレーション)
ボール・コーポレーションは米国コロラド州ウェストミンスターに本社を置く、アルミ飲料缶を中心としたアルミ包装の世界最大級メーカーです。
2016年に同業の英Rexam(レクサム)を買収し、世界最大級の金属缶メーカーとなりました。アルミ飲料缶、塗料用エアゾール缶、プラスチック飲料ボトル、食品用プラスチック容器等も展開しています。2018年にスティール缶事業を、ボール・メタルパック(Ball Metalpack)として分社化し、米投資ファンド大手のプラチナムエクイティが過半数の株式を取得しました。2022年に同業のソノコへ売却しています。
「循環型経済」を掲げ、アルミ缶の高いリサイクル率とリサイクル材比率向上を2030年目標として推進している点が特徴です。
Crown Holdings(クラウン)
クラウンは、フロリダ州タンパに本社を置く、飲料缶・食品缶・トランジット包装などを展開する世界的な金属包装メーカーです。
アルミ飲料缶が事業の約6割を占め、食品缶、エアゾール缶、プロモーション缶、トランジット包装(Signodeブランド)などをグローバルに供給しています。
「Twentyby30」プログラムのもと、2030年までの環境・社会・ガバナンス目標を掲げ、アルミ缶の持続可能性を前面に出した戦略を取っています。
Ardagh Metal Packaging S.A.(アルダーメタルパッケージング)
アルダーメタルパッケージングは、ルクセンブルクに本社を置く、Ardagh Group傘下の「純粋プレー」の金属飲料缶メーカーです。
ビール、炭酸飲料、エナジードリンク、ハードセルツァー、RTDカクテルなど向けのアルミ飲料缶・エンドを、欧州・北米・ブラジルで供給しています。
「We make packaging for good」を掲げ、金属飲料缶の無限リサイクル性を軸にサステナビリティ戦略を展開しています。
CANPACK Group(キャンパック)
キャンパックは、ポーランド・クラクフに本社を置く、飲料缶を中心とした総合飲料・食品包装メーカーです。
アルミ飲料缶、ガラスボトル、金属キャップ、食品・工業用スチール缶などを製造し、飲料・食品・化学向けに供給しています。
「We believe packaging can do more」を掲げ、サステナビリティ(Care/Sustain/Recycleの3本柱)とグリーンフィールド投資による成長を重視しています。
東洋製罐(Toyo Seikan Co., Ltd.)
東洋製罐は、東京都品川区に本社を置く、日本を代表する総合容器メーカーで、東洋製罐グループホールディングスの中核事業会社です。
金属缶、ペットボトル、パウチ・カップなど、金属・プラスチック・紙・ガラスを用いた包装容器の設計・開発・製造・販売を行い、充填機械・包装システムも提供しています。
「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」を掲げ、包装容器を通じた持続可能な社会への貢献とグローバル展開を進めています。
Sonoco Products Company(ソノコ)
ソノコは、米国サウスカロライナ州ハーツビルに本社を置く、金属・紙・プラスチックなどを用いた総合包装メーカーです。
スチール缶・エアゾール缶などの金属包装、リジッドペーパー容器、紙管・コア、保護包装、ディスプレイ・パッケージングなど、消費財・産業向けの幅広い包装ソリューションを提供しています。
「Better Packaging. Better Life.®」を企業目的とし、金属・紙包装とリサイクル事業を組み合わせたサステナブルなパッケージングを強調しています。
Silgan Holdings Inc.(シルガン・ホールディングス)
シルガン・ホールディングスは、米国に本社を置く、食品缶・ディスペンシングクロージャー・プラスチック容器などを手掛けるリジッド包装メーカーです。
食品・ペットフード・一般缶向けのスチール・アルミ容器、食品・飲料・パーソナルケア向けのディスペンシング&スペシャルティクロージャー、パーソナルケア・食品・ヘルスケア向けのカスタムプラスチック容器を展開しています。北米最大の金属食品缶メーカーとして、食品安全・コスト効率・サステナビリティを重視したリジッド包装ソリューションを提供しています。
昭和電工
レゾナック・ホールディングス(昭和電工)は、1939年に設立された日本を代表する化学・素材メーカーです。飲料缶と電子部品に使うアルミニウム事業も手掛けていましたが、2021年に米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントに売却し、半導体部材などに経営資源を集中させています。さらに詳しく
三菱マテリアル
三菱マテリアルは、1871年の九十九商会の炭鉱事業を源流とする三菱グループの中核を担う非鉄金属メーカーです。飲料用アルミ缶などを製造していた子会社「ユニバーサル製缶」を含むアルミニウム事業の全株式および関連事業を、2022年に米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメント傘下へ譲渡し、アルミ事業から完全に撤退しました。さらに詳しく
