金属缶(アルミ缶・スティール缶)業界の世界市場シェアの分析

金属缶・金属容器業界の世界シェアと市場規模の分析をしています。ボールコーポレーション、クラウン、東洋製罐、アルダー、シルガン等の大手金属缶・金属容器メーカーの動向も掲載しています。

世界市場シェア

金属缶メーカー各社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年の金属缶業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はボール、2位はクラウン、3位は東洋製罐となります。

金属缶メーカーの市場シェアと業界ランキング(2020年)

  • 1位 ボール 20.5%
  • 2位 クラウン 19.9%
  • 3位 東洋製罐 12.3%
  • 4位 メタルコンテイナーコーポレーション 7.9%
  • 5位 アルダー 7.1%
  • 6位 シルガン・ホールディングス 5.3%
  • 7位 カン・パック 4.8%

2021年1月米国の投資ファンドのアポロが買収しました。

(参考) 昭和電工アルミ缶事業 1 %

金属缶メーカーの市場シェア(2020年)
金属缶メーカーの市場シェア(2020年)

金属缶・金属容器業界の市場シェア1位はボールコーポレーションです。僅差でクラウンが追います。ボールコーポレーションはスチール缶事業を2018年に投資ファンドへ売却しております。3位は東洋製罐となります。2021年に物言う株主のオアシスより公開提案を受けております。4位はABI傘下のメタルコンテイナーコポーポレーションです。2020年にABIが49%をアポロへ売却しております。5位は欧州のガラス容器が祖業のアルダーです。6位は米国のシルガンとなります。ランク外ではありますが、国内大手の昭和電工のアルミ缶事業(世界シェア1%程度と推計)については、投資ファンドのアポロが買収しました。

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、金属缶業界の2020年の世界市場規模を478億ドルとしております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社のQ Yリサーチによれば、2020年の同業界の市場規模は478億ドルです。2021年から2026年までの成長率は約3%を見込みます。調査会社のマーケッツアンドマーケッツによれば2020年の同市場規模は276億ドルです。2025年にかけて年平均6.1%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

飲料缶の種類

金属缶には材料により、ブリキ缶、スチール缶、 アルミ缶などに分かれています。アルミ缶やスチール缶は殺菌処理を行うための耐熱性や飲料の劣化を防ぐための外部からの光等への遮断性に優れています。
飲料容器にはその他にもペットボトル、ガラス瓶、紙パック等があり、それぞれ長所と短所があります。例えば、アルミ缶は外部からの影響を受けにくい遮断性という特性を持っているため、品質劣化が早いビール等の容器として利用されています。
また、アルミ缶は再利用コストが安く、耐久性や再利用時の品質が高いという長所があります。再利用コストの比較を比較すると、アルミ缶(0.21円)、ペットボトル(5.42円)、ガラス瓶(8.36円)となります(日本アルミニウム協会)一方、ペットボトルは、キャップによって何度でも密封できる一方で耐熱性や遮断性がないため、ミネラルウォーターや清涼飲料等に利用されています。
飲料缶の中では、ペットボトルとアルミ缶が出荷額ベースのシェアでは大きいと言われています。なお、ペットボトルを利用しているコカコーラ、ペプシコ、ダノン、ネスレといった飲料各社ともにプラスチック容器削減に向けて取り組んでいます。

金属缶・金属容器業界の動向

2018年にボールコーポレーションがスティール缶事業をプラチナムエクイティに売却、2020年にはメタル・コンテナー・コーポレーションの49%をビール大手のABIからアポロが買収、2021年にはアポロが昭和アルミニウムを買収、またKPSキャピタルパートナーズがクラウンのEMEA(欧州中東アフリカ)の金属缶事業を買収するなど、業界再編が続きます。買収価額に対する対象会社売上高の倍率は概ね1~2倍程度で推移しています。⇒参照したデータの詳細情報

金属缶業界の買収金額とマルチプル推移
金属缶業界の買収金額とマルチプル推移©ディールラボ

Ball Corporation(ボールコーポレーション)

ボール・コーポレーション米国に本拠を置く食品・飲料品用缶メーカーです。2016年に同業の英Rexam(レクサム)を買収し、世界最大級の金属缶メーカーとなりました。アルミニウム飲料缶、塗料用エアゾール缶、プラスチック飲料ボトル、食品用プラスチック容器等も展開しています。2018年にスティール缶事業を、ボール・メタルパック(Ball Metalpack)として分社化し、米投資ファンド大手のプラチナムエクイティが過半の株式を取得しました。

Crown Holdings(クラウン)

1892年に設立された米国に本拠を置く金属製包装メーカーです。飲料向けから家庭用品向けの金属包装を展開しています。2021年にKPSキャピタルパートナーズに欧州アフリカ中東の金属・アルミ缶及びエアロゾールパッケージ事業を売却しました。

東洋製罐

高碕達之助氏(のちに満洲重工業開発総裁、電源開発総裁、通商産業大臣を歴任)によって1917年に設立された日本を代表する金属缶・容器メーカーです。元々はシャケなどの水産食品向けの缶を製造していました。2011年に米大手製缶機械装置メーカーのストーレ・マシナリーを買収して、缶製造用の機械分野への事業展開も図っています。CVC投資では、クリーンミートの代表格であるエビ培養肉のスタートアップ「シオック・ミーツ(Shiok Meat)」に出資を行っています。2021年に物言う株主であるオアシスから公開書簡の送付がありました。さらに詳しく

 

Ardgh(アルダー)

ルクセンブルクに本拠を置くガラス・金属容器メーカーです。もともとはガラス容器メーカーとして創業されました。2011年に金属容器のImpress Group、2013年にサンゴバンの硝子容器の北米事業を買収しました。2016年にはボールのRexam買収に伴い切り出された飲料用缶事業を買収しました。

Silgan Holdings(シルガン・ホールディングス)

1987年にPhilip Silver氏とGreg Horrigan氏によって設立された米国に本拠を置く金属容器やパッケージメーカーです。アルミ容器やプラスチック容器事業も展開しています。

昭和電工

昭和電工は、1939年に設立された日本を代表する化学・素材メーカーです。戦前は森コンツェルンの中核企業でした。また設立の経緯から味の素グループとも関係が深い会社です。2020年に日立化成を買収し、日立化成は昭和電工マテリアルズとなりました。石油化学、産業ガス、高純度ガス、アルミニウム圧延、ハードディスク、黒鉛電極、パワー半導体用SiCエピウェハ、LED、モーター用のレアアース磁石合金、リチウムイオン電池材料、セラミックス製品、工業薬品など幅広い分野を手掛けています。黒鉛電極の分野では、2012年に中国のSinosteel(中国中鋼集団)より傘下の四川炭素(Sichuan Carbo)、2016年にドイツのSGLカーボンより黒鉛電極事業を買収しました。2020年の黒鉛電極の年間生産量は21万トンです。アルミ缶事業も手掛けています。

CAN-PACK(カン・パック)

1992年に設立されたポーランドに本拠を置く飲料缶メーカーです。ガラス容器、金属蓋、食品容器なども手掛けています。欧州を中心に展開しています。

Metal Container Corporation(メタル・コンテナー・コーポレーション)

ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ社傘下の飲料用缶メーカーです。ビール缶に強みを持ちます。2020年にアポロマネジメントに株式の49%を売却しました。

ユニバーサル製缶

2005年に三菱マテリアルとホッカンホールディングスのアルミ缶事業が経営統合して誕生した会社です。

三菱マテリアルとは

三菱マテリアルは、1871年の九十九商会の炭鉱事業を源流とする三菱グループの中核を担う非鉄金属メーカーです。1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが経営統合し誕生しました。銅開発、セメント、超硬工具、伸銅事業が現在の主力となっております。業歴が長く多くの事業に関わってきており、事業の分社化によって誕生した会社には、シリコンウエハ大手のSUMCO、製缶大手のユニバーサル製缶等があります。超硬分野では、2014年に日立工具を買収し、事業の拡大を図っております。さらに詳しく...

Sonoco Products(ソノコ)

米国に本拠を置く総合包装品メーカーです。金属・プラスチック製蓋、産業用紙包装の事業に強みを持ちます。2021年にディスプレイ事業をHood Container Corporationへ売却しました。

Mauser Packaging Solutions(モーゼルパッケージングソリューションズ)

2018年にBWAY 、MAUSER Group、NCG、ICSが経営統合して誕生した米国に本拠をおくパケージング会社です。

参照したデータの詳細情報について


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