ベビーフード業界の市場シェアの分析

ベビーフード業界の世界市場シェアと市場規模について分析しています。ネスレ、ダノン、レキット・ベンキーザー、アボット、伊利集団といった会社の概要や動向も掲載しています。

【市場シェア】

ベビーフードメーカーの2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のベビーフード業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はネスレ、2位は伊利(伊利)、3位はダノンとなります。

ベビーフードメーカーの世界シェアと業界ランキング(2023年)

順位 会社名 市場シェア
1位 Nestle ネスレ 15.53%
2位 伊利 伊利 11.38%
3位 Danone ダノン 8.56%
4位 Abott アボット 7.75%
5位 Reckitt Benckiser レキット・ベンキーザー 2.75%
6位 Hero ヒーロー 1.24%
7位 Kraft Heinz クラフトハインツ 0.34%
8位 贝因美 贝因美 0.16%
ベビーフードメーカーの市場シェアと業界ランキング(2023年) ©2024 Deallab

ベビーフード業界の世界シェア(2023年)©2024 Deallab

1位はネスレです。世界最大の食品および飲料メーカーであり、特にベビーフード市場においても非常に強力なプレゼンスを持っています。ネスレのベビーフード製品は、栄養バランスと品質にこだわり、世界中の多くの家庭で信頼されています。粉ミルクブランドのNAN、Lactogen、NetogenやベビークッキーのNestleCerelacなど、多くのブランドを展開しています。

3位はダノンで、乳幼児用粉ミルクや離乳食製品で世界中の親たちから信頼されています。持続可能な農業を推進し、ベビーフードの原材料となる乳製品や穀物の生産において、環境に配慮したアプローチを取っています。粉ミルクブランドのアプタミル、離乳食ブランドのブレディナなど、多様な製品ラインを展開しています。

【市場規模】

当データベースでは、調査会社グローバルインフォメーションの公表データを参考にし、ベビーフードの2023年の世界市場規模を1,052億8,000万ドルとして市場シェアを計算しております。

調査会社グローバルインフォメーションによると、2023年の同業界の市場規模は1,052億8,000万です。2030年にかけて年平均8.2%で成長し、同年には1,827億9,000万ドルへと規模が拡大すると予測しています。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模 成長率
2023年 1,052億ドル
2030年 1,827億ドル 8.2%/年
ベビーフード業界の推定市場規模 ©2024 Deallab

ベビーフード業界の市場規模の予想成長推移 ©2024 Deallab

【M&Aの動向】

2007年 アサヒビールによる和光堂の買収
2012年 ネスレによるファイザーのベビーフード事業の買収
2015年 フォンテラ(Fonterra)が贝因美に出資
2017年 レキット・ベンキーザーがミード・ジョンソンを買収
2018年 クラフト・ハインツがプライマル・キッチンを買収
2020年 ネスレがアイミューン・セラピューティクスを買収
2020年 ネスレがゼンペップを買収し、医療栄養事業を拡大
2021年 ネスレがバウンティフル・カンパニーの主要ブランドを買収
2021年 フォンテラ(Fonterra)が贝因美の持分を売却
2022年 ダノンがドゥメックスを買収
2023年 アボットがビッグフット・バイオメディカルを買収

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト

第13次業種別審査事典(第1巻) 【農業・畜産・水産・食料品・飲料 分野】
食品飲料業界の世界市場シェアの分析
食品添加物・食品成分業界の世界市場シェアの分析
食品業界で投資ファンドがエグジットをする可能性がある会社の分析

【会社の概要】

Nestle(ネスレ)

ネスレは、1866年に薬剤師のアンリ・ネスレ氏によって設立されたスイスに本拠を置く世界最大級の総合食品・飲料メーカーです。食品ではパスタのブイトーニやコンソメのマギー等、飲料ではネスカフェやミロ、乳製品、菓子類ではKitKatやCrunch等のチョコレートのブランドにて世界展開しています。2018年以降、アクティビストファンドであるサードポイントからの要請で、事業ポートフォリオの再構築を急いでいます。2019年には、投資ファンドのEQTパートナーズ、アブダビ投資庁およびPSPインベストメントに、同社のスキンヘルスケア事業を売却しました。スキンヘルスケア事業は、Proactive(プロアクティブ)やCetaphil(セタフィル)などのにきび防止用の洗顔料、保湿剤などのスキンケア用品などを展開しています。2021年にはKKRから栄養補助食品大手ザ・バウンティフル・カンパニーの主要ブランドであるネイチャーズバウンティ、ソルガー、オステオバイフレックスを買収しました。さらに詳しく

Danone(ダノン)

フランスに本社を置く世界的な食品および飲料メーカーで、主に乳製品、飲料、ベビーフード、医療用栄養食品を中心とした製品を提供しています。AptamilやNutriciaといったブランドを通じて、ベビーフード、乳児用粉ミルク、医療用栄養食品を提供しています。これらの製品は、特に健康と栄養に重点を置いたラインナップで、医療機関でも使用されています。
さらに詳しく

Abbott(アボットラボラトリーズ)

アボットラボラトリーズ(Abbotto Laboratories)は、1888年に創業した米国に本拠を置く医療機器・診断薬・栄養補助食品メーカーです。心血管治療関連に強みがあります。ベビーフードや後発医薬品も展開しています。2016年に米医療機器メーカーでペースメーカーやカテーテル器具に強いセント・ジュード・メディカルを買収しました。ベビーフード事業にはGo & Grow、EleCare、PediaSureといったブランドがあります。さらに詳しく

Mead Johnson(ミード・ジョンソン)

米国に本拠を置くベビーフード会社です。J&Jの共同創業者の一人が創業した会社です。一時期製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ傘下となりましたが、現在は独立しニューヨーク証券取引所に上場しています。2017年に英国の消費財大手レキット・ベンキーザーが買収しました。

レキット・ベンキーザーについて

1999年に英レキット&コールマン社とオランダのベンキーザー社が経営統合して誕生した英国に本拠を置く日用品・トイレタリー用品大手です。レキット&コールマン社とベンキーザー社はともに1800年後半に創業された老舗メーカーです。石鹸のミューズ、食器洗い機専用洗剤のフィニッシュ等のブランドを有します。コンドームではDurexブランドで世界展開しています。2017年にベビーフード大手のミード・ジョンソンの買収をしました。さらに詳しく

Hero group(ヒーローグループ)

1886年に創業されたスイスに本拠をおく消費財メーカー大手です。乳児用調製粉乳、ベビーフード、ジャム、栄養スナック食品等を手掛けています。

Inner Mongolia Yili (伊利集団)

Yili(内蒙古伊利実業集団、 伊利、Inner Mongolia Yili Industrial Group Co. Ltd)は、内蒙古(内モンゴル)に本拠をおきます。アイスクリーム、アイスキャンデー、粉ミルク、粉ミルクティー、ヨーグルト、チーズ等、乳製品を幅広く製造しています。中国内の市場シェアは各製品ともにトップクラスです。主要株主は内蒙古の公共団体である呼和浩特市ですが、CEOの潘剛氏率いる民間企業です。さらに詳しく

BEINGMATE(贝因美)

中国に本拠を置くベビーフードメーカーです。CICC Private EquityやPingan Caizhi、ニュージーランドのフォンテラも出資し、経営に参画しています。

アサヒグループホールディングス

アサヒグループホールディングスは、1949年に設立された日本の大手ビール会社です。大阪麦酒会社が起源です。スーパードライで国内を席巻した成功モデルで海外事業を強化しています。SABミラーから、伊ペローニ(Birra Peroni )、蘭グロールシュ(Grolsch)、東欧5カ国のビール会社、豪州のCUBを立て続けに買収しました。国内でも買収に積極的で、カルピスやエノテカなどを買収しています。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


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