自動ドアは、人や物の接近を検知するセンサーや機械式の手段を利用して、自動的に開閉するドアを指します。商業施設、オフィスビル、病院、空港など多くの場所で使用されています。赤外線センサーや超音波センサーを使用して、ドアの前に人や物体が近づくのを検知して開閉する方法と、電気モーターや油圧システムを利用して、ドアを開閉する方法があります。世界各地に多くの自動ドアの製造業者が存在し、日本のナブテスコや三和シャッターなどが知られています。
【自動ドア業界について】
近年、IoTやAIの進化に伴い、更に進化した自動ドアの開発が進められています。電子ロックやアクセス制御ソリューションの分野での革新が進められています。
「建物用自動ドア」 技術開発実態分析調査報告書
エレベーター業界の市場シェア・売上高ランキング・規模・再編の分析
オートメーション業界の市場シェア・売上高ランキング・規模・再編の分析
シャッター業界の世界市場シェアの分析
錠前、鍵、スマートキー、ロック、電子錠業界の市場シェアの分析
【自動ドア業界の市場シェア】
自動ドア業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年の自動ドア業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアッサ・アブロイ、2位は三和ホールディングス、3位はナブテスコとなります。自動ドア会社における自動ドア部門の数値抽出ができない場合は、ランキングから外しております。
自動ドアの世界シェア(2023年)
| 順位 | Company name （English） |
会社名 | 市場シェア |
|---|---|---|---|
| 1位 | Assa Abloy | アッサ・アブロイ | 18.18% |
| 2位 | Sanwa Holdings Corporation | 三和ホールディングス | 4.04% |
| 3位 | Nabtesco | ナブテスコ | 3.20% |
| 4位 | Manusa Gest S.L. | マヌサ | 0.26% |
| 5位 | Boom Edam | ブーンイダム | 0.08% |
1位はスウェーデンに本拠を置く世界最大級の錠前・ドアメーカー、アッサ・アブロイです。2位、3位には日本を代表する自動ドアメーカー、三和ホールディングス、ナブテスコが並んでいます。4位はスペイン・バルセロナの企業マヌサとなっています。5位に回転ドア、セキュリティゲート、スライドドアなどの製品を提供しているブーンイダムとなります。
【自動ドア業界の市場規模】
当データベースでは、2023年の自動ドア業界の市場規模を229億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社マーケットリサーチフューチャーによると、2023年の同業界の市場規模は229億ドルです。2032年にかけて年平均7.8%で成長し、規模は417億ドルへと拡大することを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報
| 年 | 市場規模 | 年平均成長率 |
|---|---|---|
| 2023年 | 229億ドル | – |
| 2032年 | 417億ドル | 7.8% |
【M＆Aの動向】
2021年 StanleyはMTD Holdings Incを子会社化しました。
2023年 三和ホールディングス、Door Control社およびDoor Concepts社を買収
2023年 Rite-Hite Holding Corporation、Alpha Door SystemsとKing Materials Handlingを買収
2025年 ASSA ABLOYが米国でInVueを買収
2025年 Gilgen Door Systems が Access Entry Pty Ltd の過半数の株式を取得
【会社の概要】
ASSA ABLOY（アッサアブロイ）
Assa Abloy（アッサ・アブロイ）は、スウェーデンに本拠を置く世界最大級の錠前・ドアメーカーです。スウェーデンのセキュリティ大手企業のSecuritas ABからAssa（アッサ）社が独立し、その後フィンランドのAbloy（アブロイ）社と1994年に経営統合をして誕生しました。アブロイの創設者はディスクタンブラー錠を発明したことでも有名です。さらに詳しく
ナブテスコ
日本を代表する自動ドアメーカー。鈴木商店を源流とするナブコと帝人製機が経営統合をして誕生しました。自動ドアでは国内最大手です。「NABCO」「GILGEN」というブランドで建物用自動ドア、特殊用途向け自動ドア、産業用自動ドア自動ドアを日米欧アジアで展開しています。自動ドア以外にも鉄道車両用機器のブレーキ装置、産業用ロボット関節、ドア開閉装置等に強みを持ちます。2011年にはスイスのカバより自動ドア事業（ギルゲン・ドア・システム（Gilgen Door Systems））を買収しています。さらに詳しく
Dorma+Kaba（ドルマカバ）
Dorma+Kabaは、建築のセキュリティとアクセス制御分野の世界的な企業です。2015年にドイツのDorma社とスイスのKaba社が合併して誕生しました。主な製品としては、自動ドア、物理的アクセスシステム、ドア関連のハードウェア、ガラス用のフィッティング、そして電子アクセスやデータ管理システムなどがあります。
Manusa Gest S.L.(マヌサ)
Manusa Gest S.Lはスペイン・バルセロナの企業で、マヌサグループで自動ドアの製造を専門とし、2022年には史上最高の連結売上高4960万ユーロを記録し、前年比3%の増加を達成しました。
Gilgen Door Systems（ギルゲン・ドア・システムズ）
Gilgen Door Systemsは、ドア、ゲート、壁のためのドライブシステムおよび完全システムを製造するスイスの企業でNabtescoの100%子会社。
Boom Edam（ブーンイダム）
Boom Edamは、1878年にオランダで創業し、回転ドア、セキュリティゲート、スライドドアなどの製品を提供しています。多くの商業ビルや空港、公共施設でその製品が利用されており、その高度な技術とデザインによって、安全性、利便性、エネルギー効率の向上に貢献しています。
さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト
