錠前、鍵、ロック、スマートキー、電子錠業界

錠前、鍵、ロック、スマートキー、電子錠等の製造メーカーの世界シェア、業界ランキングと世界市場規模について分析をしています。アッサブロイ、スタンレー・ブラック・アンド・デッカー、アレジオン、ホーマン、ドルマカバ等の世界大手鍵メーカーの動向も掲載しています。

世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第2巻」に記載の錠前・スマートロック各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、以下の順位となります。

  • 1位 アッサ・アブロイ 18%
  • 2位 アレジオン 9%
  • 3位 ドルマカバ 8%
  • 4位 スタンレーブラックデッカー 6%
  • 5位 スペクトラム ブランズ 3%
  • 6位 美和ロック 1%

1位はスウェーデンのアッサ・アブロイ社です。同社はドアと鍵(ロック)に強く2位に2倍のシェアを差をつけています。2位は北米のアレジオンです。インガソール・ランドから分社会して鍵分野に注力しています。3位はスイス・ドイツ系のドルマカバです。ドア及び鍵が注力分野です。4位と5位は北米の企業です。スタンレーブラックデッカーは、工具にも強いですが、スタンレーブランドで鍵の分野も特に商業施設向けを強化しています。5位のスペクトラムブランズは、所謂ブランドポートフォリオカンパニーですが、住居向けの鍵事業はスタンレーより買収し強化しております。6位は日本の美和ロックで、日本国内のガリバーです。

市場規模

調査会社のマーケットリサーチフューチャーによれば、2023年の錠前(メカニカルロック)市場の規模は85億ドルで、2018年~2023年の5年間の年平均成長率は4.8%と推計されています。当該推計から2018年の錠前市場の規模は67億ドルとなります。
一方調査会社のマーケットデータフォーキャスによれば、2019年のスマートロック市場の規模は16億ドルです。2025年までに年平均13.11%で成長すると見込まれます。
スタンレーブラックデッカーによれば、コマーシャルエレクトロニックセキュリティの市場規模は250億ドルとなります。
当サイトでは、市場シェア計算にあたり、メカニカル・エレクトロニカルロック(機械及び電気錠)の市場規模を317億ドルとしています。

鍵の種類

いわゆる電子鍵ではない機械鍵(メカニカル・ロック)であるシリンダー錠にはディスクシリンダー錠、ピンタンブラー錠、ディンプルシリンダー錠、マグネットタンブラーシリンダー錠、ロータリーディスクタンブラー錠があります。その他にも、南京錠、ウォード錠、レバータンブラー錠、クレセント錠や電子錠前である暗証番号キー、バイオメトリックスキーやカードキー等があります。

世界の錠前企業の一覧

Assa Abloy(アッサ・アブロイ)

Assa Abloy(アッサ・アブロイ)は、スウェーデンに本拠を置く世界最大級の錠前・ドアメーカーです。スウェーデンのセキュリティ大手企業のSecuritas ABからAssa(アッサ)社が独立し、その後フィンランドのAbloy(アブロイ)社と1994年に経営統合をして誕生しました。アブロイの創設者はディスクタンブラー錠を発明したことでも有名です。

米国の大手錠前メーカーのYale lock社等を買収し事業を拡大しています。事業構成は、設置場所は住宅向けと商業施設向けで区分されます。また商品構成では、従来型の1)機械錠・鍵・錠前事業、2)急成長中の電気錠(エレクトニックセキュリティ)・スマートロック事業、3)自動ドア事業、4)セキュリティ(ロック)付ドア事業が主力となっています。

アッサアブロイの売上構成2019年

売上構成2019年
出所 同社AR

株主構成:

同社はストックホルム証券取引所に上場していますが、Investment AB Latour(インベストメントABラトゥール)とMelker Schörling AB(メルカー・ショーリング)が議決権ベースで大株主として存在します。Investment AB Latour(インベストメントABラトゥール)はGustaf Douglas氏によって運用されている投資会社です。Melker Schörling AB(メルカー・ショーリング)はMelker Schörling氏によって運用されている投資会社です。

1994年 セキュリタス(Securitas AB)が分社化
2000年 セキュリティ大手の北米HID Globalを買収
2000年 鍵大手のYale locksを買収
2001年 豪鍵大手のLockwoodを買収
2002年 自動ドア大手のBesam ABを買収
2006年 北米のセキュリティ関連会社のFargo Electronicsを買収
2010年 産業用ドア大手のCardo ABを買収
2011年 産業用ドア大手のAlbany Doors Systemを買収
2013年 中国のドア・サッシ大手のPan Pan Doorを買収
2019年 自動ドア大手のスイスagta recordを買収

Allegion(アレジオン)

アイルランドに本拠を置く錠前・セキュリティ会社です。複合企業体であるIngersoll Rand (インガソール・ランド)から独立して誕生しました。ニューヨーク証券取引所に上場しています。

Stanley Black & Decker(スタンレー・ブラック・アンド・デッカー)

Stanley Black & Decker(スタンレー・ブラック&デッカー)は米国を代表する世界最大級の電動工具メーカーです。2010年にStanley Works(スタンレー・ワークス)とBlack & Decker(ブラック・アンド・デッカー)が経営統合をして誕生しました。赤と黒でコーディネートされた電動ドリルは有名です。NYSEに上場しています。電動工具、錠前・鍵・セキュリティ、インダストリアルファスニングの3つの事業部門から構成されます。

スタンレーブラックデッカーの事業構成

事業構成
出所:同社AR

電動工具事業では、釘打ち機、エア工具、電動ドリル等を手掛けています。ボッシュやマキタとともに世界大手メーカーです。

錠前・鍵事業部門はスタンレーブランドで展開し、特に産業向けの電気錠(エレクトニックセキュリティ)事業に強みを持ちます。2019年のスタンレーセキュリティの売上構成(地域、顧客、商品別)は下図の通りとなります。

2019年のスタンレーセキュリティの売上構成(地域、顧客、商品別)

2019年のスタンレーセキュリティの売上構成(地域、顧客、商品別)
出所:同社AR

その他の事業としては、芝刈り機では、ハスクバーナ、トロ、ジョン・ディア、リョービと並ぶ業界大手の一角です。自動ドア事業でも世界上位に位置します。

1980年 Mac Toolsを買収
2012年 ドアノブ、シャワ等住宅設備等を手掛けるホームセンター部門をスペクトラム・ブランズへ売却
2016年 アーウィンやレノックスブランドを展開するニューウェル・ブランズの工具部門のニューウェル・ツールを買収
2017年 クラフツマンをシアーズホールディングスから買収

Hormann(ホーマン)

ドイツの本拠を置くドア・シャッター大手です。鍵の分野でも強みを持ちます。

Dorma + Kaba(ドルマカバ)

ドアや鍵等を手掛けるドイツのドルマとスイスのカバが2015年に経営統合して誕生しました。セキュリティ付きのドア、鍵、スマートキー、認証エントランス等で事業を展開しています。

Spectrum Brands(スペクトラム ブランズ)

Spectrum Brands(スペクトラム ブランズ)は、2005年に設立された米国に本拠を置くブランド管理会社です。出自は電池メーカー世界大手のRayovac(レイオバック)です。2009年にチャプター11を申請後、2010年に家電や建材を手掛けるラッセルホブズ(Russell Hobbs)と経営統合を行いました。ブランド力のある商品を家電、ガーデニング機器等の分野で幅広く展開しています。

米国で同じくブランド管理を中心に行う米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)と競合しています。ABGは、2019年に破綻したバーニーズニューヨークのブランドを買収しました。他にエアロポステールなどの有力なブランドを保有しています。

家電事業:
旧ラッセルホブズ(Russell Hobbs)が展開する電気ケトル、トースター、コーヒーメーカー等を展開しています。アイロンではフィリップスやニューウェルブランズと並ぶ大手メーカーの一角です。シェーバー業界では、Remington(レミントン)ブランドで展開し、フィリップスやP&Gのブラウンと並ぶ業界大手となっています。

鍵・ロック事業:
住宅向け鍵事業をスタンレー・ブラック&デッカーより買収する等、鍵・ロック業界の世界シェアでは上位に位置しています。Kwikset、Weiser、Baldwin、Tell Manufacturing、EZSET等のブランドで展開しています。

その他:
芝生・ガーデニング機器、虫よけ機器、ペットフード(観賞魚向けのテトラやDINGO)を展開。ペットフード業界ではネスレ等の大手を追う形となっています。

バッテリー事業:
Rayovac(レイオバック)で展開ししていました。2018年に独立系電池会社のEnergizer(エナジャイザー)に売却をしました。

トップ15ブランドで売上の80%を占めています。地域・商品別の売上構成は以下の通りとなります。

スペクトラムブランズ事業構成

事業構成
出所:同社AR

2003年 パーソナルケア大手のRemington(レミントン)を買収
2003年 ペット大手のUnited Pet Groupを買収
2005年 観賞魚用飼料大手のテトラを買収
2005年 レイオバックからスペクトラム・ブランズへ社名を変更
2009年 チャプター11の申請
2010年 ラッセルホブズとの経営統合
2012年 スタンレー・ブラック&デッカーの家庭用鍵・家電事業を買収
2015年 Armored Auto Groupを買収
2018年 電池事業(レイオバック)をエネジャイザーに売却

DOM Security(ドムセキュリティ)

フランスに本拠をおくセキュリティ会社です。2018年度の売上高は174百万ユーロです。フランスの建具、シャッター、熱交換器、滅菌装置等の製造メーカーであるグループSFPI傘下の企業です。

美和ロック

1945年に設立された国内の鍵メーカー最大手です。三重県の玉城工場が主力となっています。スマートロックや電気錠の分野も強化しています。

業界関連図書

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