医療機器・ヘルスケア機器業界の市場シェアの分析

医療機器・ヘルスケア機器業界(CT、MRI、超音波診断装置、外科用機器、医療器具等)の世界市場シェア・業界ランキング・動向について分析。主要医療機器メーカーの概要も掲載しています。

首位を維持するMedtronic(メドトロニック)をはじめ、Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)、Siemens AG(シーメンスヘルシニアーズ)、大きく順位を上げたAbbott Laboratories(アボット・ラボラトリーズ)、GE(GEヘルスケア)といった欧米の巨人に、Terumo(テルモ)やFujifilm(富士フイルム)をはじめとする日本勢が挑む構図となっています。

【医療機器・ヘルスケア機器について】

医療機器は、主に診断機器、治療機器と周辺機器へと大きく分けられます。診断機器はCTやMRI、超音波診断装置など診断で用いる機器です。治療機器はメス、針や注射器、カテーテル等、実際の治療で用いる医療器具です。周辺機器はその他の機器を指します。

日本のメーカーは主に診断機器や低侵襲治療機器に強みを持ち、欧米の競合と激しいシェア争いを繰り広げています。

さらに詳しく業界を理解するための書籍と関連サイト

医療機器開発とベンチャーキャピタル 実践編
無理なく円滑な医療機器産業への参入のかたち 製販ドリブンモデル
医療機器業界でM&Aや再編対象となる会社の分析
整形外科用インプラント業界の世界市場シェアの分析
iPS細胞・幹細胞を用いた再生医療のカオスマップと資金調達額分析

【外部リンク】より詳細な業界分析レポートをご希望の方は下記リンクもご参照ください。医療機器の市場調査レポート | グローバルインフォメーション (gii.co.jp)

【医療機器・ヘルスケア機器業界の市場シェア】

医療機器・ヘルスケア機器業界の2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2025年の医療機器・ヘルスケア機器業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はメドトロニック、2位はジョンソン&ジョンソン、3位はシーメンスヘルシニアーズとなります。

医療機器・ヘルスケア機器業界の市場シェア(2025年) ©2026 Deallab

順位 Company name(English) 企業名(日本語) 市場シェア
1位 Medtronic メドトロニック 5.36%
2位 Johnson & Johnson ジョンソン&ジョンソン 4.98%
3位 Siemens AG シーメンスヘルシニアーズ 4.02%
4位 Abbott Laboratories アボット・ラボラトリーズ 3.15%
5位 GE GE 3.04%
6位 Philipps フィリップス 2.34%
7位 Cardinal Health  カーディナル・ヘルス 1.86%
8位 Becton Dickinson べクトン・ディッキンソン 1.69%
9位 Baxter バクスター 1.66%
10位 Solventum(3M Health Care) ソルベンタム
(旧:3Mヘルスケア)
1.23%
11位 Zimmer Biomet ジンマーバイオメット 1.21%
12位 Terumo テルモ 1.05%
13位 Fuji Film 富士フイルム 1.02%
医療機器・ヘルスケア機器の世界市場シェアと業界ランキング(2025年) ©2026 Deallab

1位には、コヴィディエンの買収を経て循環器・低侵襲手術領域などの幅広い製品ポートフォリオと世界的な販売網を確立しているMedtronic(メドトロニック)が入り、業界首位を維持しています。

2位は、整形外科用インプラントや手術用デバイス、カテーテル技術などの分野で強みを発揮するJohnson & Johnson(ジョンソン・アンド・ジョンソン)が位置しています。

3位には、大型画像診断装置(MRI・CTなど)や体外診断機器に強みを持ち、シーメンスから分社化したSiemens AG(シーメンスヘルシニアーズ)がランクインしています。

4位にはAbbott Laboratories(アボット・ラボラトリーズ)が登場します。同社は糖尿病ケアにおける持続血糖測定器(CGM)や心血管治療デバイス、体外診断事業を成長の柱としており、順位を上位へと伸ばしています。

5位は、MRIや超音波診断装置などの画像診断機器、ならびに生体情報モニタリング分野で世界的なシェアを持つGE(GEヘルスケア)が入っています。

6位以下には、生体情報モニタや画像診断に強みを持つPhilips(フィリップス)、医療用消耗品の流通・製造ネットワークを広げるCardinal Health(カーディナル・ヘルス)、注射器・輸液関連や感染管理・安全性デバイスに定評のあるBecton Dickinson(ベクトン・ディッキンソン)、人工透析や輸液システムを柱とするBaxter(バクスター)といった世界的メガプレイヤーが続いています。

また10位には、大手化学メーカー3Mのヘルスケア部門が独立・スピンオフして誕生したSolventum(ソルベンタム/旧:3Mヘルスケア)がランクインしており、事業専業化のトレンドを象徴しています。11位には、人工関節など整形外科インプラント領域で大手の一角を占めるZimmer Biomet(ジンマー・バイオメット)が入っています。

日本企業としては、カテーテル技術や人工心肺装置などを軸にグローバル展開を加速させるTerumo(テルモ)が12位、医療画像システムや内視鏡、医療IT事業を拡大するFujifilm(富士フイルム)が13位に入りました。

2025年の業界動向と主な特徴

  • 高成長分野(デジタルヘルス・CGM等)の伸長 持続血糖測定器(CGM)や低侵襲治療デバイスなどの先進領域に強みを持つアボット・ラボラトリーズのような企業が台頭しています。従来の医療用消耗品を中心とする構造から、データ連携や患者のQOL向上に直結するデバイスを展開する企業が評価を高めています。
  • コングロマリットからの分社・スピンオフの定着 シーメンスヘルシニアーズやGEヘルスケアの独立に続き、3Mから分社化したソルベンタムがランクインしたように、大手複合企業からヘルスケア専門会社として独立し、意思決定の迅速化と経営効率化を図る動きが一般的になっています。
  • 医療AIと画像・診断データの高度統合 メドトロニック、シーメンス、GE、フィリップスをはじめとする上位層では、画像診断装置や生体モニタへのAIアルゴリズム実装が本格化しています。医療従事者の人手不足解消や早期診断支援に向けた、ソフトウェアとハードウェアの一体化ソリューション競争が市場の大きな原動力となっています。

【医療機器・ヘルスケア機器業界の世界市場規模】

当データベースでは、2025年の医療機器・ヘルスケア機器業界の市場規模を6,789億ドルとしております。

参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社バイオスペースによると、2025年の同業界の市場規模は6,789億ドルです。2026年から2035年にかけて年平均5.94%で成長し、規模は1兆2,094億ドルへと拡大することを見込んでいます。

市場規模 年平均成長率
2025 6,789億ドル
2026 7,196億ドル
2035 1兆2,094億ドル 5.94%

医療機器・ヘルスケア機器業界の市場規模の成長予想 ©2026 Deallab

【M&Aの動向】

2015年 メデトロニックがアイルランドの手術用品や人工呼吸器大手コヴィディエン買収
2021年 メデトロニックがインターセクトENTを買収
2020年 オリンパスが気管支内視鏡に強いベランメディカルテクノロジーズを買収
2020年 メデトロニックががメディクレアインターを買収
2019年 富士フイルムが日立の画像診断機器事業を買収
2019年 メデトロニックがEPIXセラピューティクスを買収
2018年 シーメンスがヘルスケア事業をシーメンスヘルシニアーズとして分社化上場
2016年 キヤノンが東芝メディカルを買収
2016年 パナソニックヘルスケアがバイエルから血糖値測定事業を買収”
2021年 バクスターがヒルロムの買収を完了し、最大150億ドル規模の世界的な医療技術リーダーを創出
2021年 テルモ、ヘルス・アウトカム・サイエンシズ社の全資産を取得する最終契約を締結
2022年 メドトロニックがアフェラ社の買収を完了
2023年 アボット、カーディオバスキュラー システムズ社の買収を完了
2023年 オリンパス、英国Odin Vision社の買収完了
2024年 BD、Edwards Lifesciences からの Critical Care の買収を完了
2024年 ジョンソン・エンド・ジョンソン、V-Waveの買収を完了
2024年 Cardinal Health が Specialty Networks とその PPS Analytics プラットフォームの買収を完了
2024年 ジョンソン・エンド・ジョンソン、ショックウェーブ・メディカルの買収を完了
2025年 GEヘルスケア、日本の大手放射性医薬品会社である日本メジフィジックス(NMP)の買収を完了
2025年 カーディナル・ヘルス、アドバンスト・ダイアベティス・サプライ・グループ(ADSG)の買収を完了

【会社の概要】

Medtronic(メドトロニック)

1949年に創業し、アイルランドのダブリンに本社を置くグローバル医療技術・ソリューション企業です。心臓ペースメーカーをはじめとする循環器領域、低侵襲手術、神経科学、糖尿病など多様な医療分野向けに機器やソリューションを展開しています。コヴィディエン(Covidien)の統合をはじめ、EPIX Therapeutics、Medicrea、Intersect ENTなどの買収を通じて製品ポートフォリオを拡大しています。さらに詳しく

Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)

1886年に米国で創立された世界的なヘルスケア企業です。医療機器(MedTech)分野および医療用医薬品(Innovative Medicine)分野を柱として事業を展開しています。医療機器領域では、外科手術用器具、整形外科用インプラント、カテーテル等の循環器疾患治療機器、眼科領域などを幅広く手掛けており、AbiomedやShockwave Medical、V-Waveの買収を通じて心血管領域のポートフォリオを強化しています。さらに詳しく

Siemens AG / Siemens Healthineers(シーメンスヘルシニアーズ)

ドイツのシーメンスグループから分社化・株式上場したヘルスケア専業企業です。MRI(磁気共鳴画像診断装置)、CT(コンピュータ断層撮影装置)、X線装置などの画像診断機器、超音波診断装置、体外診断用機器、および放射線治療・分子イメージング関連機器を幅広く開発・製造・販売しています。医療AIやデジタルヘルスソリューションの導入も強力に推進しています。さらに詳しく

Abbott Laboratories(アボット・ラボラトリーズ)

1888年に設立された米国に本社を置くヘルスケア企業です。診断薬・機器、医療機器(心血管治療機器、持続血糖測定器「FreeStyle リブレ」を含む糖尿病ケア機器等)、栄養剤・粉ミルク、後発医薬品の4事業を展開しています。St. Jude MedicalやAlere、Cardiovascular Systemsなどの買収を経て、循環器領域およびPOCT・診断事業の拡大を図っています。さらに詳しく

GE / GE Healthcare(GEヘルスケア)

ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門が分社化し、独立上場したグローバル医療技術・精密医療企業です。CT、MRI、超音波診断装置、PET/SPECTなどの画像診断機器、患者モニタリングシステム、造影剤・放射性医薬品(日本メジフィジックスなど)の製造・販売を手掛けています。さらに詳しく

Koninklijke Philips N.V. / Philips(フィリップス)

1891年にオランダで創業したヘルスケアテクノロジー企業です。事業領域を健康・医療分野に集中させており、画像診断装置(CT、MRI、超音波)、生体情報モニタリング、遠隔医療システムなどのヘルステック分野に加え、電動歯ブラシ(ソニッケアー)やシェーバーといったパーソナルヘルス製品を展開しています。さらに詳しく

Cardinal Health(カーディナル・ヘルス)

米国オハイオ州に本社を置くヘルスケアサービスおよび製品供給企業です。医薬品卸売事業とともに、医療用手袋、不織布製品、手術用ドレス、流体管理システムなどの医療用消耗品・感染予防製品の開発・製造・供給を手掛け、Specialty NetworksやADSGなどの買収を通じてサービス基盤を強化しています。さらに詳しく

Becton Dickinson / BD(ベクトン・ディッキンソン)

1897年に設立された米国に本社を置く医療技術企業です。注射器・針、インスリン投与関連製品、血管アクセスデバイス、微生物検査・流動細胞分析(フローサイトメトリー)装置、感染管理・調剤自動化ソリューションなどを提供しています。C. R. BardやEdwards LifesciencesのCritical Care部門の買収により製品群を拡充しています。さらに詳しく

Baxter(バクスター)

1931年に設立された米国に本社を置く医療機器・医薬品メーカーです。腹膜透析および血液透析関連装置・製品、輸液ポンプ、輸液・静注用医薬品、麻酔薬などを展開しています。Hillromの買収を通じて、スマートベッドや患者モニタリングシステムを含むコネクテッドケア分野へと拡大しています。さらに詳しく

Solventum(ソルベンタム / 旧:3Mヘルスケア)

2024年に化学大手3Mのヘルスケア部門が独立・スピンオフして誕生したヘルスケア専業企業です。創傷ケア・皮膚統合性製品、歯科・矯正材料、医療用ろ過・精製システム、医療情報ソフトウェアなどの事業を展開しています。さらに詳しく

Zimmer Biomet(ジンマー・バイオメット)

米国インディアナ州に本社を置く整形外科領域の医療機器メーカーです。人工膝関節や人工股関節などの人工関節システム、整形外科用インプラント、外傷治療機器、脊椎・歯科関連製品、および手術支援ロボット「ROSA」などのデジタルソリューションを開発・提供しています。さらに詳しく

Terumo(テルモ)

1921年に設立された日本の医療機器メーカーです。心臓血管領域(カテーテル、人工心肺装置、人工血管等)、ホスピタルケア領域(注射器、輸液ポンプ、腹膜透析関連等)、ブラッドセンター領域(血液バッグ、成分採血装置等)の3事業を柱とし、世界各国で事業を展開しています。さらに詳しく

Fujifilm(富士フイルム)

写真フイルム技術を基盤に発展し、ヘルスケア、イノベーション(電子材料・複合機等)、イメージングを展開する企業です。医療機器分野では、日立製作所の画像診断機器事業の継承を通じてCTやMRI、超音波診断装置を獲得したほか、医薬品・体外診断・医療用内視鏡・医療IT(PACS)などのトータルソリューションを提供しています。さらに詳しく

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