製糖業界の世界市場シェアの分析

砂糖・製糖や精糖メーカーの世界市場シェア、ランキング、市場規模について分析をしています。ズットツッカー、ABシュガー、ライゼン、テレオス、ミトポン等主要な砂糖・精糖メーカー概要も掲載しています。

世界市場シェア

「製糖会社の世界売上高ランキング(2020年版)」の売上高の情報を分子に、製糖業界の2018年の市場規模を分母に世界市場シェアを計算すると、製糖会社の1位はドイツのズットツッカー、2位はフランスのテレオス、3位はタイのミトポンとなります。

1位 ズットツッカー 8.2%
2位 テレオス 5.4%
3位 ミトポン 3.5%
4位 コフコ・シュガー 3.0%
5位 クリスタル・ユニオン 2.3%
6位 ABシュガー 2.3%
7位 ノルトツッカー 1.8%
8位 アメリカンクリスタルシュガーカンパニー 1.5%
9位 三井製糖 1.2%
10位 ライゼン 0.9%
11位 0.6%
12位 ウィルマ―・インターナショナル 0.4%

製糖業界の世界市場シェアランキングの1位は、ドイツの製糖メーカーの巨人、ズットツッカーとなります。世界2位は、フランスのテレオスが入っています。同社は、協同組合形態の会社となります。世界3位は、タイの製糖会社である、ミトポンです。世界4位は、中国の国営食糧会社であるCOFCO傘下のCOFCOシュガーとなります。5位はフランスの農業組合のクリスタルユニオン、6位はアソシエイティッド・ブリティッシュ・フーズ傘下の、ABシュガーとなっています。8位に米国最大手のアメリカンクリスタルシュガーカンパニーです。

市場規模

調査会社のリサーチアンドマーケッツによれば、2018年の製糖業界の市場規模は892億ドルです。2024年にかけて年平均2.9%での成長を見込みます。一方、アイマークグループによれば、2019年のトン数ベースの製糖業界の規模は191百万ドルとなっています。国別ではブラジルが世界最大手、インドは世界2位の生産量を誇ります。砂糖の原料となる粗糖の指標がニューヨーク先物市場で取引されており、市場の需要の強弱が判断できます。

砂糖の作り方

砂糖の種類は大きく分けて分みつ糖と含みつ糖に分けられれます。分みつ糖には、グラニュー糖、上白糖、氷砂糖等があげられる。一方、分みつ糖には、黒糖や赤糖があります。サトウキビから砂糖を製造するには大きく、さいとうきび→原料糖→精製糖という手順を踏んでいます。

お砂糖の原料にはカエデやヤシなどもありますが、主に甘しょ(サトウキビ)からとる「甘しょ糖」と、てん菜(サトウダイコン、ビート)からとる「てん菜糖」があります。 (出典:大日本明治製糖)

世界の主要な製糖メーカーの一覧

Südzucker(ズットツッカー)

ドイツに本拠を置く製糖・食品大手です。上場していますが、過半の株式を農業組合であるSugar beet growers’ associationsが保有しています。果物やバイオエネルギー関連等も手掛けています。2001年にフランスの大手製糖メーカーSaint Louis Surceを買収しました。

Associated British Foods(アソシエイティッド・ブリティッシュ・フーズ)

アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズは、英国に本拠を置く食品成分・食品メーカーです。ベーキングパウダー、イースト菌やラクトース等の食品添加物に強みを持ちます。紅茶は英国王室御用達のトワイニングス(Twinings)ブランドを世界展開。トワイニングといえば、アール グレイ(EARL GREY、ベルガモットの香りが吹き付けられたさわやかな紅茶)が有名です。2019年のグローサリー事業の売上高は35億ポンドです。ファストファッションはPrimarkブランド展開しています。砂糖はAB SugarにてBritish Sugarブランドで展開しています。酵素は、AB Enzymes(ABエンザイムズ)で展開しています。ベーキング、非デンプン多糖、洗剤、プロテアーゼ、フィードといった酵素を製造・販売しています。

1998年 米国の食品成分SPI Holdingsを買収

2002年 ノバルティスから食品・飲料事業を買収

2004年 豪州のBurns, Philips & Companyからイースト・ベーカリー大手のYeast and Bakery Ingredients Groupを買収

2005年 英国の小売りチェーンのLittlewoodsを買収

2006年 南アフリカの製糖メーカーのIllvo Sugarを買収(2016年完全買収)

2007年 英国のインド料理向け食品成分専業のPatak's Foodsを買収

2007年 中国の甜菜(ビートシュガー)大手のBo Tianを買収

2007年 オランダのイースト菌大手のGB Ingredientsを買収

2008年 スペインのパスタ大手のEbroグループから製糖メーカーのAzucarera Ebroを買収

2014年 英国のシリアル大手Dorset Cerealsを買収

 

Raizen(ライゼン)

ブラジルに本拠を置く大手製糖会社です。ブラジルのバイオエタノールメーカー大手のCosan(コザン)社傘下です。

Tereos(テレオス)

フランスに本拠を置く製糖大手です。協同組合ですが、ブラジルの子会社Tereos Internationalはサンパウロ証券取引所に上場しています。

Mitr Phol(ミトポン)

イサラー・ウォンクソキット氏率いるタイの大手製糖会社です。非上場同族経営です。

Nordzucker(ノルトツッカー)

ドイツに本拠を置く製糖大手です。

Wilmar International(ウィルマ―・インターナショナル)

インドネシア系の穀物商社です。パーム油生産においては上から川下まで一貫体制をとっています。製粉事業は中国を中心に手掛けています。製粉に関しては関連会社も含めて年間約11百万トンの生産能力を有しています。製粉事業は、インドではAdani、中国ではCOFCOと共同で事業を行っています。搾油事業に関しては年間41百万トンを有しています。製糖事業は、豪州の旧Colonial Sugar Refining Company(CSR)からSucrogenを買収し製糖事業を強化しています。シンガポール証券取引所に上場していますが、米国の穀物メジャーであるArcher-Daniel Midlandが約25%の株式を保有しております。

Wilmar社のCrushing能力一覧

Wilmar製粉能力
出所:同社ホームページ

TRR(Thai Roong Ruang Group、タイ・ルーンルアン・グループ)

タイの製糖会社です。Lin Sugarのブランドで製糖事業を展開しています。エタノール、バイオマス、機器製造、倉庫事業等も手掛けています。

COFCO(コフコ)

コフコ(COFCO)は1949年に設立された中国政府傘下の国有の食糧・穀物商社です。各種穀物や食糧の集荷、備蓄、運搬、輸出入、加工等を手掛け、最近では、食品・飲料分野でも成長を志向しています。2009年の売上高は約2兆2100億円(1782億元)でしたが、中国の成長に伴い、2017年には7兆5千億円(4420億元)へと急成長を遂げています。総資産は約8兆7千億円です。

コフコは、傘下に約19の事業会社・子会社を保有しています。うち上場子会社は13社で、9社は香港に上場、4社は上海で上場しています。穀物分野の世界市場シェアでは上位に位置します。
COFCOインターナショナルは、グローバルで各種穀物の集荷、貯蔵、運搬を行っています。オランダの穀物商社のニデラを2017年に完全子会社化しています。2013年に買収したシンガポールのノーブルの農作物部門はコフコアグリへと社名変更しました。
COFCOトレーディングは中国国内の穀物の集荷、貯蔵、運搬を担っています。101のエレベーターを有して、22百万トンの貯蔵容量、18百万トン/年の穀物取り扱い能力、1日6万7千トンの乾燥能力を誇ります。6つの出荷港、穀物運搬船、貨物列車も保有しています。
COFCO油&油料種子(オイル&オイルシーズ)は、大豆油、菜種油、ピーナツオイル、パーム油の加工、貯蔵、流通、販売を行っています。最終製品も手掛け、Fourseas、Xiyhgying, Fortuneなどのブランドで販売を行っています。年間加工能力は22百万トンです。製油・食用油業界では、カーギルやADM等の4大穀物メジャー、ウィルマ―・インターナショナル、IOI等に次ぐ規模を保有しています。
COFCOグレインズ&シリアルズ(コフコ穀物)は、お米、小麦、麺、パン、麦芽等を取り扱っています。4百万トンの精米能力、FORTUNEブランドのお米、350万トンの製粉能力、22万トンの製麺能力、3600トンの製パン能力、74万トンの発酵醸造能力が強みです。
COFCOバイオケミカルはスターチ、フルクトース(果糖)、エタノール、グルタミン酸、乳酸、クエン酸、糖アルコールなどを取り扱っています。トウモロコシの加工能力年間6百万トンです。
COFCO飼料は年間5.7百万トンの生産能力を持つ飼料部門です。配合飼料や粗飼料を販売しています。飼料業界でも大手です。
COFCO製糖は年間2百万トンの製糖能力を持ちます。中国の砂糖輸入量のほぼ半分をCOFCO製糖が担っています。製糖分野では、ズットツッカー、テレオス、ミトポン、ウィルマ―に並ぶ大手です。
コフコは食糧分野に加え食品分野にも参入をしています。COFCOワイン&スピリッツは14のワイナリーを保有しており、Greatwall(長城)、Jiugui、Kong Yiji、Huangzhonghaung等のブランドで展開しています。フランスのボルドーのワイナリーであるシャトー・ヴィオーやチリのワイナリーであるビスケルト社を買収しました。
COFCOコカコーラはコカコーラのボトリング事業を行い、中国のほぼ全土をカバーしています。
COFCOミートは、主に豚の畜産や加工を行っています。約2.3百万頭の豚の畜産、1万7千トンの加工処理能力を有しています。
乳製品分野では、コフコは蒙牛乳業(Mengniu Dairy)を擁しています。同じく中国のYili(伊利集団)と競っています。
そのほかにも、食品スーパー、中国茶製品、食品用容器製造、食品成分、不動産開発、金融サービスを提供しています。
2010年にチリのワイナリー、ビスケルト社の買収
2011年にフランスのシャトー・ヴィオーの買収
2013年にオランダの穀物商社ニデラの株式51%を1200億円超で買収
2013年にシンガポールの商品取引会社ノーブル・グループの農産物部門であるノーブル・アグリの株式51%を買収

 

アメリカの穀物輸出と穀物メジャーの発展 [単行本]
中国の食糧・農業 [単行本]

Cristal Union(クリスタル・ユニオン)

フランスの本拠を置く製糖会社です。協同組合が株式を保有しています。イタリア等の製糖会社を買収して、域外への展開を加速しています。

日本の主要な製糖会社

三井製糖 、日本甜菜製糖、住友商事が大株主の日新製糖、三菱商事が大株主の塩水港精糖、双日が筆頭株主のフジ日本精糖、丸紅が大株主の東洋精糖等があります。

製糖業界の参考書
砂糖業界のページを作成するにあたり、以下の書籍を参考にました。

砂糖の社会史 [単行本]

砂糖の帝国: 日本植民地とアジア市場 [単行本]

変貌する世界の砂糖需給 [単行本]

砂糖入門 (食品知識ミニブックスシリーズ) [単行本(ソフトカバー)]

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書) [Kindle版]

現代糖業技術史―第二次大戦終了以後 精製糖編 [単行本]