ソース・ドレッシング・調味料業界の世界市場シェアの分析
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ソース・ドレッシング・調味料業界の世界市場シェアの分析

ソース・ドレッシング・調味料業界の世界市場シェアや市場規模の情報について分析をしています。クラフトハインツ、味の素、マコーミック、キッコーマン、ユニリーバ、ネスレといった主要メーカーの概要や動向も掲載しています。

【ソース・ドレッシング業界とは】

料理の味あるいは素材の持ち味などを調整し、料理全体の味をととのえる働きをするものの総称。 主に砂糖系、塩系、酢系、醤油系、味噌系、酒系、油系、ソース系、だし系、香辛料系、ハーブ系等に分類されます。

【市場シェア】

調味料メーカー各社の2022年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2022年のソース・ドレッシング・調味料業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はクラフトハインツ、2位はネスレ、3位は味の素となります。

ソース・ドレッシング業界の世界市場シェア(2022年)

順位 企業名(日本語) 市場シェア
1 クラフトハインツ 5.59%
2 ネスレ 5.16%
3 味の素 4.28%
4 キッコーマン 3.38%
5 ユニリーバ 2.78%
6 マコーミック 2.73%
7 海天味业 2.61%
8 キューピー 2.38%

 クラフトハインツは、ケチャップブランドのHeinzに強みがあります。Jack Daniel’s(ソース)やKraft(バーベキューソース、サラダドレッシング各種)でも展開しています。2015年にチーズなどの乳製品に強みを持つクラフト社とケチャップなどの調味料に強みを持つハインツ社が合併して誕生しました。

 ネスレはMaggi(各種調味料)やThomy’s(マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシングなど)に強いです。調味料以外にもキットカット、マギーのコンソメやブイヨン、ネスカフェなどのコーヒー関連商品の他、栄養補助食品やペットフードも手がけています。 

 味の素は、和風だしやうま味調味料、各種ドレッシングを展開しています。味の素グループは、創業の志「おいしく食べて健康づくり」を受け継ぎながら、日本含め世界35の国・地域に拠点を置き、「食品」と「アミノサイエンス」という2つのコア事業を中心に社会課題の解決に取り組んでいます。

キッコーマンは国内しょうゆ業界のシェア約3割を占める最大手で、万能調味料として「しょうゆ」のグローバル化を推し進め、日本企業でもいち早く国際企業として成長しています。そのマーケティング力に加え、キッコーマンや豆乳、デルモンテブランドを生み出した商品開発力が強みです。

 日系の調味料メーカーが多くランキング入りしており、風味豊かな日本食文化を象徴しているといえます。

【市場規模】

当サイトでは、2022年のソース・ドレッシング・調味料業界の世界市場規模を1883億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。

調査会社ファクトエムアールによると、2022年の同事業の市場規模は1445億ドルになる見込みです。2033年にかけて年平均5.1%で成長し、同年には1883億ドルに拡大すると見込まれます。

【M&Aの動向】

2023年 キューピー、調理ロボット会社であるTechMagic株式会社(東京都江東区)と資本業務提携契約を締結

2020年 味の素、健康食品会社であるNualtra Limitedを買収

2020年 Uniliver、サプリメント会社のSmartyPants Vitaminsを買収

2020年 ネスレ、食物アレルギーの治療薬開発などを手掛ける米アイミューン・セラピューティクスを買収

2015年 米食品大手のクラフト・フーズ・グループとケチャップで有名な米HJハインツが合併し、クラフトハインツが誕生

2012年 McCormick、調味料会社であるWuhan Asia-Pacific Condimentsを買収

【世界の主要な調味料メーカーの一覧】

ユニリーバ

Unilever(ユニリーバ)は、イギリスに本拠を置く世界を代表する消費財大手メーカーです。イギリスの石鹸会社のリーバ・ブラザーズとオランダのマーガリン会社のマーガリン・ユニが1930年に合併して誕生しました。紅茶、アイスクリーム、食品、化粧品やパーソナルケア分野において強力なブランドを保有しています。紅茶事業は2021年11月に売却を発表しました。さらに詳しく

Kraft Heinz(クラフトハインツ)

Kraft Heinz(クラフトハインツ)は、旧クラフトフーズの北米事業を引き継いだ会社です。北米に特化しています。クラフトチーズ、冷凍食品や飲料等を展開しています。2015年にバフェット氏率いるパークシャー・ハサウェイや投資ファンド傘下のトマトケチャップ等で有名な食品メーカーHeinz(ハインツ)と経営統合しクラフトハインツが誕生しました。パスタソースはClassicoを軸に展開しています。事業構成としては、調味料・ソース事業、チーズ・乳製品事業、常温保存食事業、肉・魚食品、冷蔵・冷凍食品に分かれます。2021年にナッツ事業をHormel Foodsへ売却しました。さらに詳しく

ハインツのトマトケチャップ(2022年7月撮影 by ディールラボ)

ハインツのトマトケチャップ(2022年7月撮影 by ディールラボ)

味の素

日本を代表する調味料メーカーです。アミノ酸をベースに各種調味料を展開しています。冷凍食品や医薬品原料にも強みを持ちます。

McCormick(マコーミック)

1889年にM. McCormick氏によって設立された米国に本拠を置くスパイスメーカー大手です。ブラックペッパーやソルト、ドレッシング等にて世界展開しています。Cattlemen’s(バーベキューソース)、Club House、Frank’s Red Hot、French’s、Club House for Chefs、Margao、Kamisといったブランドで調味料を展開しています。

キッコーマン

日本を代表する醤油メーカーです。デルモンテとトマトケチャップも展開しています。

オラム

シンガポールの本拠を置く穀物商社です。米、コーヒー、ココア、香辛料、動物飼料、食用油やナッツ類の取扱いに強みを持ちます。2014年にADMからカカオ・ココア事業を買収しています。2015年三菱商事がオラムインターナショナルへの20%の出資を発表しました。2021年に米国の香辛料メーカーであるオールドトンプソンを9.5億ドルで買収しました。カカオ、ナッツ、香辛料、乳製品などを手掛ける食品原材料部門「オラム・フード・イングリディエンツ」を2022年にOFIグループとして分社化しました。

Foshan Haitian Flavoring&Food(海天味业、ハイチアン)

中国に本拠を置く調味料・ソースの製造・販売を行う企業です。源流は清朝中期の乾隆年間に栄えた佛山醤屋です。醤油、オイスターソース、ペースト、ビネガー、料理酒、ソース、チキンエキス、チキンパウダー、発酵豆腐などを手掛けています。

日系の調味料メーカー

味の素以外の調味料メーカーとしては、マヨネーズ国内最大手のキューピー、しょうゆ最大手のキッコーマン、即席ルウ最大手のハウス食品、パスタソース・お酢最大手のミツカン、トマト加工最大手のカゴメ、スパイス最大手のヱスビー食品、ソース最大手のブルドッグソース、液体調味料大手のアリアケジャパン等があげられます。

参照したデータの詳細情報について


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