乾電池業界の世界市場シェアの分析

乾電池・1次電池業界の世界市場シェアと市場規模と業界ランキング について分析をしています。パナソニック、Duracell(デュラセル) 、エナジャイザー等アルカリ乾電池メーカーの一覧も掲載しています。

乾電池業界の市場シェア(2020年)

乾電池メーカーの入手可能な売上高を分子(⇒参照したデータの詳細情報)に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年の乾電池業界の市場シェアを簡易に試算しますと、世界1位はエナジャイザーの30%、2位はデュラセルの29%、3位はパナソニックの27%となります。

  • 1位 エナジャイザー 30%
  • 2位 デュラセル 29%
  • 3位 パナソニック 27%
  • (参考) FDK 7%

乾電池・一次電池業界は上記米国の2社とパナソニックでほぼ市場シェアの9割となっています。その他のプレーヤーとしては、日本の日立マクセル、ソニー、中国の南孚、中銀等がありますが、いずれも市場シェアは10%以下と考えられます。また近年はプライベートレーベルも、競争力の価格を提示し、勢力を延ばしています。

市場規模

本サイトでは乾電池の2020年の世界市場規模を70億ドルとしております。参考にした調査データは以下の通りです。Energizer(エナジャイザー)社によれば2019年の乾電池市場の世界規模は60億ドル超です。2023年にかけて、若干の成長を見込みます。経済産業省機械統計によれば、2019年の日本国内の1次電池市場の規模は987億円です。⇒参照したデータの詳細情報

電池の種類

電池の種類には、電極の材料の違い等によって、一次電池と言われるアルカリ乾電池、マンガン乾電池や二次電池と言われるリチウム電池、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池等に分かれます。最も簡単に電池を作るには、10円玉、1円玉の間に食塩水に浸したクッキングペーパーを挟むと、電流が発生し、電池となります。電極(今回は10円玉と1円玉)と電解液(食塩水)が電池の基本構造となります。
リチウムイオン電池は、通常は正極にリチウム金属酸化物、負極にカーボン系材料をつかいます。正極と負極で行きかうリチウムイオンの移動に伴い電流を発生させる仕組みです。

電池の材料

マンガン乾電池、アルカリ乾電池、リチウム一次電池、酸化銀電、池鉛蓄電池 、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池によって材料が異なります。
マンガン乾電池:負極材の亜鉛缶に、不織布のセパレータを敷き、正極材の二酸化マンガンと電解液の塩化亜鉛を入れます。
アルカリ乾電池:正極缶に二酸化マンガンを詰めます。不織布のセパレータに負極の亜鉛の粒と電解液の強アルカリ液を入れます。
酸化銀電池:正極材として酸化銀、負極材として亜鉛を用います。セパレータにはポリエチレンフィルムにアクリル酸をグラフト重合したイオン透過膜等を、電解液には強アルカリ液を使います。
リチウム電池:正極材として二酸化マンガン、負極材としてリチウム金属を用います。電解液には強アルカリ液、セパレータには不織布を使います。

世界の主要な乾電池メーカーの一覧

Duracell(デュラセル)

米国を代表する世界的な乾電池メーカーです。元々はGillette(ジレット)傘下にありました。ジレットがP&Gに買収されたことに伴い、P&G傘下となり、2014年にバフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが買収しました。買収時点の売上高は20億ドルです。

バークシャー・ハザウェイとは

バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)は、オマハの賢人ウォーレン・バフェット氏率いるコングロマリットです。元々は1888年に設立された綿紡績業の会社でした。1960年代にウォーレン・バフェット氏が支配権を獲得、現在は保険(GEICO)・再保険事業(ジェネラル・リー )、鉄道、ガス電力、各種製造業等を幅広く展開しています。同社の株式は、ウォーレン・バフェット氏が議決権の30%程度を保有しています。
保険事業は、1996年に買収をしたGEICO(Government Employees Insurance Company、公務員保険会社)を軸に損害保険を展開しています。保険業界の世界シェアでは世界最大級の規模を誇ります。再保険事業は1998年に買収をしたジェネラル・リー を軸に損害再保険、生命再保険の事業を展開しています。再保険業界の世界シェアでは上位に位置づけられています。鉄道事業は2009年に買収をしたBNSF鉄道(バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)にて、米国大陸横断鉄道事業を展開しています。米国最大の鉄道会社であるUnion Pacific(ユニオン・パシフィック)と競合をしていますが、鉄道業界の世界シェアランキングでみると、BNSF鉄道は上位には位置しておりません。同分野では、貨車リース大手のユニオン・タンク・カー(Union Tank Car)も傘下に保有し、世界市場シェアでは上位に位置します。建材事業は2001年に買収したJohns Manville(ジョンズ・マンビル)を中心に建材事業を展開しています。特に不織布業界では世界シェアランキングの上位に位置します。食品事業は2013年に3Gキャピタルと共同買収をしたケチャップ・缶詰大手の現クラフト・ハインツを軸に展開しています。2015年に流転の運命を背負ったクラフトフーズと経営統合は、食品業界の世界シェアランキング、調味料業界の世界シェアランキング、スープ業界の世界シェアランキング、缶詰業界の世界シェアランキングでは上位メーカーです。
超硬工具・タングステン事業では、旧東芝タンガロイを傘下に持つIMCインターナショナルが世界シェアランキングの上位に位置します。バークシャー・ハサウェイはその他に、エネルギー事業、繊維事業、運送業、小売業等を展開する会社を傘下に持ちます。

1996年 損害保険会社のGEICOを買収
1996年 飛行機及び船舶の操縦者の訓練学校のFlightSafety Internationalを買収
1998年 再保険会社のジェネラル・リーを買収
2001年 カーペット世界大手のShaw Industriesを買収
2001年 輸送機器のリース・レンタルのXTRAを買収
2003年 住宅メーカーのクレイトン・ホームズを買収

Energizer(エナジャイザー)

米国に本拠を置く大手乾電池メーカーです。アルカリ乾電池を発明する等乾電池の発展に寄与した会社です。エバレディ(Eveready)やエナジャイザーブランドで乾電池を展開しています。ソニーの乾電池事業は、当時ユニオンカーバイドに属していたエバレディとの合弁会社ソニーエバレディが源流です。ニューヨーク証券取引所に上場しています。2018年にスペクトラム・ブランズからRayovac(レイオバック)を買収しました。

Rayovac(レイオバック)/Spectrum Brands(スペクトラム・ブランズ)
米国に本社を置くSpectrum Brands(スペクトラム・ブランズ)社が展開する乾電池事業でした。2008年に経営破たん後に建材等を手掛けるRussell Hobbと合併し再建し、現在スペクトラム・ブランズはニューヨーク証券取引所に上場しています。2018年に電池事業であるレイオバックをエナジャイザーへ売却しました。現在は熱帯魚のテトラ、ペット製品のDINGO、鍵のKwikset等のブランドを保有しています。

Fujian Nanping Nanfu Battery(南孚电池)

中国の大手電池メーカーです。Excellブランドで展開しています。2005年にジレットが買収しましたが、2014年に米P&Gが中国の投資ファンドのCDH Investmentに売却しました。

Zhongyin (Ningbo) Battery(中银(宁波)电池)

中国の大手電池メーカーです。PAIRDEERブランドで乾電池を販売しています。Gold Peak IndustriesとNingbo Sonluk Batteryの合弁会社です。

パナソニック

パナソニックは、1917年に松下幸之助氏によって設立された日本を代表する電機メーカーです。松下電工や三洋電機と統合し、総合電機メーカーとして世界的なプレゼンスを有します。アプライアンス(家電、空調、AV機器、累計2000億個を売り上げた約90年の歴史を持つ電池等)、オートモーティブ(蓄電池、音響機器等)、インダストリアル(電池やモーター等)、ライフソリューション(照明や水まわり等)、コネクティッドソリューションズ(フライトエンターテイメント、航空機向け電子機器、監視カメラ等)といった事業部制に特徴がありましたが、2022年にパナソニックホールディングスを設立し、事業部はホールディング傘下の独立した子会社となる予定です。

参照したデータの詳細情報について


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