宅配ロッカー業界の世界市場シェアの分析
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宅配ロッカー業界の世界市場シェアの分析

宅配ロッカー運営会社の世界市場シェアや市場規模について分析しています。宅配ロッカー大手である豊巣、DHL、ネオポスト、DPD、アマゾン、UPSの概要や動向も記載しております。

【宅配ロッカー業界とは】

配送の効率化のために、運輸会社が主導する形で宅配ロッカーの設置が進んでいます。特に、オープン型の宅配ロッカーと言われる、どの運送会社でも使用することができる宅配ロッカーの設置が世界的に成長しています。宅配ロッカーの設置会社は、宅配ロッカーの設置、メンテナンス・管理、宅配ロッカーの管理システムの提供といったサービスを提供しています。

近年、EC市場の成長と人手不足の影響を受け、配送の効率化が課題となっています。その解決策の1つとして、運送会社が主導する形で宅配ロッカーの設置が進んでいます。特に、オープン型の宅配ロッカーと言われる、どの運送会社でも使用可能な宅配ロッカーの設置が世界的に成長しています。

今後もEC市場の成長とともに市場が拡大していくことが予想されています。

【市場シェア】

宅配ロッカー運営会社各社の2021年の設置ヵ所⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2021年の宅配ロッカー設置ヵ所の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は豊巣となります。

宅配ロッカーの世界市場シェア(2023年)

順位 Company name(English) サービス名 市場シェア
1位 HIVE BOX 豊巣 12.5%
2位 UPS(Access Point) UPS アクセス・ポイント 8.3%
3位 DPD(Dynamic Parcel Distribution) ダイナミック・
パーセル・
ディストリビューション
5.1%
4位 DHL(Packstation) DHL 
パックステーション
3.9%
5位 PUDO PUDO 0.5%
6位 Amazon Locker アマゾンロッカー 0.4%
宅配ロッカー運営会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

宅配ロッカーの世界シェア(2021年)©業界再編

宅配ロッカーの運営会社の世界1位は、中国の豊巣です。主に広州を中心に展開しており、有料会員制のサービスの提供も開始しました。

2位は、米国の宅配便大手のUPSです。Access Point(アクセスポイント)という名称のサービスを提供しています。

3位は、DPDグループ(フランス郵政公社のグループ企業)です。英国や欧州大陸を中心に宅配ロッカーを展開しています。

4位は、主にドイツを中心に展開をしているDHLです。Packstation(パックステーション)というサービスを提供しています。

5位は、PUDO(プドー)です。日本では、ヤマトホールディングスがフランスの郵便機器製造会社ネオポスト(現クアディエント)との合弁会社である「パックシティジャパン」を通じて「PUDO(プドー)ステーション」の設置を進めています。

6位は、米国のeコマース大手であるアマゾンです。アマゾンロッカーの名称でサービスを展開しています。

【市場規模】

当サイトでは、調査会社等の公表データ⇒参照したデータの詳細情報を参考にし、2021年の世界市場規模(宅配ロッカー設置数ベース)を240万ヵ所(郵便局や120万以上の宅配便ショップ、50万以上のロッカーの場所を含む)として市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。

調査会社のエーペックスインサイトによると、世界の宅配ロッカー設置拠点数は2019年は約120万か所、2021年には約240万ヵ所と、2年間で倍増しました。
COVID-19パンデミックは、B2C小包の量の増加、増加した量に対応するために配送能力を拡大する運送業者のニーズ、および特にロッカーへの宅配は玄関への宅配よりも社会的距離を保った配達方法であるという認識から、このセグメントにさらに大きな推進力を与えました。

【M&Aの動向】

2020年 沖電気工業グループ、DHLと5年間の戦略的パートナーシップ契約を締結(物流部門売却)
2022年 UPS、同日SaaS配達管理および編成テクノロジー企業であるDelivery Solutionsを買収
2022年 DHL、海上貨物輸送の専門会社JF Hillebrand Group AGを買収
2023年 UPS、リバースロジスティクスのリーダーであるHappy Returnsを買収
2024年 UPS、RXO, Inc.へCoyote Logisticsを売却

【会社の概要】

HIVE BOX(豊巣)

中国の広州を中心に展開する宅配ボックスオペレーターです。同サービスを手掛ける「豊巣」は、宅配事業を手掛ける「順豊(SF express)」「申通(STO Express)」「中通(ZTO Express)」「韻達(Yunda)」、物流施設の開発・運営を専業としている「GLP(グローバル・ロジスティック・プロパティーズ)」の5社が共同出資して2015年6月に設立されました。

United Parcel Service(ユナイテッド・パーセル・サービス、UPS)

米国を代表する総合物流会社です。2023年の売上は910億ドルに達し、世界220か国以上の国と地域の顧客に広範な統合された物流ソリューションを提供しています。Access Point(アクセスポイント)の名称で宅配ロッカーを設置しています。

DPD(Dynamic Parcel Distribution、ダイナミック・パーセル・ディストリビューション)

フランスの国営郵便会社であるLa Poste(ラ・ポスト)グループ会社です。50 か国以上で運営されている世界有数の小包配達ネットワークの 1 つである Geopost (ジオ・ポスト)傘下にある物流会社です。リトアニア、バルト諸国、およびヨーロッパ全域で配ロッカーを展開しています。

DHL

Deutsche Post(ドイツ郵政、ドイツ・ポスト)は、元々国営の郵便会社です。郵政民営化に伴い2002年にDHLを完全子会社化し、企業間物流、フォワーダー、個人向け配送、郵便サービスを手掛ける総合物流会社へと成長しました。買収後、ドイツ・ポストにおける郵便・宅配事業の低下し、物流事業の比率が50%へと増加している等、顕著な買収効果が見て取れます。(下図参照)Packstationの名称でドイツ国内を中心に宅配ロッカー事業を展開しています。

ドイツポストの2019年売上構成

ドイツポストの2019年売上構成©ディールラボ

Amazon(アマゾン)

米国を代表するEコマース、クラウドサービス、コンテンツ配信事業会社です。Eコマースの分野では、物流倉庫を保有して、効率的な配送網も構築しています。その一環で、アマゾンロッカーの名称で宅配ロッカー事業も展開しています。

アマゾンについて

アマゾンは1994年に設立されたeコマース運営会社です。書籍のオンライン販売が祖業です。在庫リスクをおい、書籍~家電まで幅広い商品を取り扱います。eコマース以外にも領域を拡大し、クラウドサービス、電子書籍端末、音楽・メディアの配信サービス等も展開しています。
クラウドサービスはAWSで展開しています。低コストのクラウドサービスであることから、AWSとITのアイディアさえあれば、いつでもだれでもどこでもほぼコストゼロでIT起業が可能な環境になったとも言われています。
音楽配信は2007年にサービスを開始しました。アマゾンの有料会員プログラムであるアマゾンプレミアムでも利用できる手軽さが受け、会員数を増加させました。楽曲数を拡充させてAmazonMusic Unimitedも展開しています。さらに詳しく

中国郵便

中国の国営郵便局です。オープン型の宅配ロッカーにも注力しています。

宅配ロッカーメーカー

宅配ロッカーへの需要拡大をうけて、スマートロッカー製造分野への参入も相次いでいます。

クアディエント (旧Neopost ネオポスト)

フランスの郵便料金計器(切手の代わりに印字をする計器)メーカーです。封入封緘機(インサーター)等も展開していますが、郵便物の取扱い量の減少にともない、宅配ロッカーの設置事業へ参入しました。日本ではオープン型の宅配ロッカーのPudo(プドー)ステーションをヤマト運輸とともに展開しています。

Luxer One(ルクソールワン)

北米を拠点にする宅配ロッカーメーカーです。

参照したデータの詳細情報について


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