おむつ・衛生用品業界の世界市場シェアと市場規模についての情報を分析しています。キンバリー・クラーク、ユニチャーム、P&G、エシティ、花王といった紙おむつの世界大手メーカーの動向も掲載しています。
【おむつ・衛生用品とは】
紙おむつ(Diapers)は、不織布・パルプ・高吸収材など複数の吸収層で構成され、排泄物を吸収して漏れを防ぐ吸収性衣類です。乳幼児から高齢者まで幅広く使用され、テープ型・パンツ型など用途に応じて使い分けられます。
衛生用品(Hygiene Products)は、生理用品、大人用失禁ケア、ベビーケア用品、ウェットワイプ、ティッシュなど、清潔保持や感染予防を目的とした消耗性パーソナルケア製品の総称です。これらは総じて吸収性衛生製品(AHP)として分類され、生活の質を維持するうえで重要な役割を果たします。



出所:排泄ケナビ
https://www.carenavi.jp/ja/basic/omutsu/knowledge/type.html
【おむつ・衛生用品業界の世界市場シェア+ランキング】
おむつ・衛生用品業界の2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2025年のおむつ・衛生用品業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はP&G、2位はキンバリークラーク、3位はエシティとなります。
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| 順位 | Company name (English) |
企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | P&G | P&G | 27.98% |
| 2位 | Kimberly Clark | キンバリークラーク | 7.87% |
| 3位 | Essity | エシティ | 7.00% |
| 4位 | Uni Charm | ユニチャーム | 6.72% |
| 5位 | Ontex | オンテックス | 2.84% |
| 6位 | Daio Paper Corporation | 大王製紙株式会社 | 2.59% |
| 7位 | Drylock Technologies NV | ドライロック・テクノロジーズ | 2.10% |
| 8位 | Kao Corporation | 花王 | 1.39% |
| 9位 | Hengan International | 恒安国際 | 1.33% |
【市場背景】
近年の紙おむつ・衛生用品市場では、出生数減少の一方で1人あたり支出が増加し、プレミアム化が世界的に進んでいます。また、アジア市場は依然として最大の成長エンジンであり、中国・インド・東南アジアでの需要拡大が続いています。
さらに、高齢化に伴い大人用失禁ケア市場が最も成長しており、Essity やユニ・チャームがこの分野で存在感を高めています。加えて、サステナブル志向の高まりから、環境配慮型ブランドや吸水ショーツなど新カテゴリーも台頭しており、業界構造は多様化が進んでいます。
【主要企業の動向】
こうした市場環境の変化を踏まえ、2025年の世界の紙おむつ市場における主要企業のシェアを比較すると、依然として米国勢が強い存在感を示しています。
市場シェア 1 位となったのは P&Gです。P&G は「パンパース」ブランドを展開し、世界最大の紙おむつメーカーとして確固たる地位を築いています。高吸収素材の開発やフィット性の改善など、技術革新を継続的に進めており、新興国から先進国まで幅広い市場で圧倒的な存在感を持っています。
2 位は Kimberly-Clarkで、「ハギーズ」ブランドを中心に北米・アジアで強いシェアを維持しています。同社はベビー用紙おむつに加え、大人用失禁ケア製品でも大手であり、幅広い年齢層をカバーする製品ポートフォリオが特徴です。
3 位にはスウェーデンの Essityが入りました。Essity は「Libero(リベロ)」や大人用失禁ケアブランド「TENA」を展開し、欧州最大級の衛生用品メーカーとして知られています。ベビーケア・大人用ケア・フェミニンケアの3領域でバランスの取れた事業構造を持つ点が強みです。
4 位は日本の ユニ・チャームで、「ムーニー」「マミーポコ」などのブランドを展開しています。特にアジア市場で圧倒的なシェアを持ち、インドネシア・インド・中国など成長市場での存在感が大きい企業です。
5 位にはベルギーの Ontexがランクインしました。同社はプライベートブランド(PB)向け紙おむつの製造に強みを持ち、欧州・中南米を中心に事業を展開しています。PB供給に特化したビジネスモデルが特徴で、近年は事業再編も進めています。
6位は日本の大王製紙で、「グーン」ブランドを展開しています。国内市場での強いプレゼンスに加え、アジア市場への展開を強化しており、近年はブラジル企業の買収など海外戦略も積極的です。
7位にはベルギーの Drylock Technologiesが入りました。独自の吸収体技術「チャネルテクノロジー」で知られ、欧州を中心に急成長している企業です。
8位は日本の 花王で、「メリーズ」ブランドを展開しています。日本国内で高い評価を得ており、中国市場でも一定のシェアを持っています。
9位には中国の恒安国際がランクインしました。同社は中国最大級の衛生用品メーカーで、紙おむつ・生理用品・ティッシュなど幅広い製品を展開しています。
【おむつ・衛生用品業界の世界市場規模】
当データベースでは、2025年のおむつ・衛生用品業界の市場規模を724億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社プレスデンスリサーチによると、2025年の同業界の市場規模は724億ドルです。2035年にかけて年平均4.98%で成長し、規模は1,176億ドルへと拡大することを見込んでいます。
| 年 | 市場規模 | 年平均成長率 |
| 2025 | 724億ドル | – |
| 2035 | 1,176億ドル | 4.98% |

【M&Aの動向】
2015年 オンテックスはメキシコの大手衛生消耗品メーカーであるグルーポ・マベの買収に合意
2017年 大王製紙株式会社が日清紡HDの紙製品部門を正式に買収
2017年 恒安国際は、マレーシアで衛生用品を製造販売しているWang-Zhengの半数の株式を買収。残りの買収は失敗に終わった。
2017年 ナショナル・プレスト・インダストリーズ社は、吸収体製品部門をドライロック・テクノロジーズ社に売却
2018年 ユニ・チャームは、タイの紙おむつメーカーDSGTを買収
2019年 P&Gがオーガニック生理用品ブランドのThis is L.を買収
2020年 大王製紙、丸紅と共同でブラジルの衛生用品会社サンテルを買収
2020年 P&Gが布おむつブランドのCharlie Bananaを買収
2020年 キンバリークラークがSoftex Indonesiaを買収
2020年 P&G が Billie Inc. の買収計画を発表
2020年 大王製紙子会社である大王パッケージは、段ボールケース製造会社である上村紙工の全株式を取得し子会社化
2022年 キンバリークラークThinx, Inc.の株式の過半数を取得
2022年 Essity、KnixとModibodiの買収を完了
2023年 オンテックスは、メキシコ事業をSoftys S.A.への売却を完了
2023年 花王、オーストラリアのBondi Sands社を買収「スキンプロテクション領域」を強化し、グローバルでの成長を加速
2024年 Essity、Vinda(ヴィンダ)株を売却
2025年 Mammoth Brands(Harry’s 親会社)、 Coterie を買収
2025年 Essity、Edgewell のフェミニンケア事業を買収
【会社の概要】
THE PROCTER & GAMBLE COMPANY(P&G、プロクター&ギャンブル)
P&G(プロクター&ギャンブル)は、米国に本拠を置く世界最大級の日用品メーカーで、1837年にウィリアム・プロクター氏とジェームズ・ギャンブル氏によって設立されました。日用品業界屈指の商品開発力・マーケティング力を誇っています。取り扱っている分野は、トイレタリー、ファミリーケア、ファブリックケア、ホームケア、ヘアケア、スキンケア、オーラルケアといった広範囲の消費財で、いずれもブランド力のある商品を展開しているのが特徴です。紙おむつでは「Pampers(パンパース)」が世界トップブランドとして圧倒的な存在感を示しています。さらに詳しく
KIMBERLY-CLARK CORPORATION(キンバリー・クラーク)
Kimberly Clark(キンバリー・クラーク)は、1872年に設立された米国のテキサス州に本拠を置くおむつ等の衛生用品及びティッシュメーカーです。おむつは、Huggies(ハギーズ)、Pull-Ups、Little Swimmers、GoodNites、DryNites、Kotexなどのブランドで展開し、不織布も内製しています。Kleenex(クリネックス)やScottブランド等のブランドでティッシュにも強みを持ちます。消費者向けだけでなく業務用でも展開しています。2014年にヘルスケア部門をスピンオフ(現Avanos Medical、アバノスメディカル)しました。
Essity (エシティ)
スウェーデンに本拠を置く製紙大手であるSCA(スヴェンスカ・セルローサ)から分社化した衛生用品会社です。2017年にパーソナルケア用品部門がエシティ(Essity)として分社化上場しています。同部門は、スヴェンスカ・セルローサが、1975年に買収をしたパーソナルケア大手のメンリッケ(Mölnlycke)を源流としています。個人向けの衛生用品、ティッシュ、医療機関向け衛生用品が事業の柱となっています。
「エシティのブランド一覧」
Drypers、Pequeñin、lotus、Liberoブランドの幼児向け紙おむつ等を世界展開しています。同社によると、日本でも展開する「TENA(テーナ)」は排泄ケア用品では世界1位です。
Unicharm Corporation(ユニ・チャーム株式会社)
日本を代表する生理用品・おむつメーカーです。おむつとペットケアが事業の日本柱です。おむつでは、『ムーニー』や『マミーポコ』ブランドで日本では圧倒的な存在感を示します。2018年にタイの紙おむつメーカーで、子供向けではBabyLove、PetPeやFitti、大人用ではCertainty等のブランドを手掛けるDSGTを買収しています。
Ontex(オンテックス)
ベルギーに本拠を置くパーソナル衛生用品メーカーです。幼児、女性および高齢者向けの製品を提供しています。元々は病院向け衛星用品メーカーとして自社ブランドを保有していなかったのですが、2011年にLille Healthcare 、2013年にイタリアのSerenity brands、2016年にメキシコのGrupo P.I Mabe、2017年にブラジルのHypermarcasの個人向け衛生用品事業を買収して、自社ブランドを保有しております。欧州以外でも、ロシア、中東、アフリカ、ブラジル、メキシコ等の新興国で展開しております。
Daio Paper Corporation (大王製紙株式会社)
大王製紙は、三和グループに属する日本の大手製紙メーカーです。
製紙業界の家庭紙(ティッシュやトイレットペーパー、おむつなどのこと)シェアでは国内1位の会社です。エリエールのブランドを掲げています。紙おむつでは「GOO.Nグーン」や「アテント」等のブランドを展開しています。
Kao Corporation (花王株式会社)
1940年設立の日本を代表する日用品・化粧品メーカーです。ビューティケア、ファブリック&ホームケア、ケミカル、ヒューマンヘルスケアの4事業を展開し、「アタック」「ハイター」「ビオレ」「メリーズ」など強力なブランドを保有します。2005年にはカネボウ化粧品を買収し、ビューティ領域を大幅に強化しました。さらに詳しく
Drylock Technologies NV (ドライロック・テクノロジーズ)
ベルギーを拠点とする衛生用品メーカーで、赤ちゃん用おむつ、大人用・女性用ケア製品を主に小売業者向けに供給しています。プライベートブランド(PB)製品に強みを持ち、独自の「チャネルテクノロジー」による高吸収構造が特徴です。欧州、中南米、米国、ロシアなど幅広い地域で事業を展開しています。
Hengan International (恒安国際、 ハンアン・インターナショナル)
中国最大級の衛生用品メーカーで、紙おむつ「安児楽」「安而康」などのブランドを展開しています。生理用品・ティッシュなど幅広い製品ラインを持ち、国内市場で高いシェアを誇ります。競合には「TENA」を展開する維達国際控股(Vinda)があり、中国市場は大手同士の競争が激しい領域です。
The Honest Company, Inc (オネスト・カンパニー)
米国ロサンゼルスに本社を置き、女優ジェシカ・アルバが設立したウェルネスブランド企業です。子供用おむつ・ケア用品・衣類から、大人向けスキンケア・メイク用品まで幅広く展開し、「安全性」「環境配慮」を軸にしたブランド戦略が特徴です。サブスクリプションモデルを活用した D2C(Direct-to-Consumer)で急成長しました。
その他の業界大手企業
・Domtar Corporation(ドムター・コーポレーション)
米国サウスカロライナ州に本社を置く紙・パルプメーカー。2011年に大人用おむつの Attends Healthcare を買収し、失禁ケア領域に参入。2021年に Paper Excellence に買収されました。
・First Quality Enterprises, Inc(ファースト・クオリティ・エンタープライズ)
米国の消費者向け製品メーカーで、尿漏れパッド、ベビーケア用品、家庭紙などを幅広く展開。北米の PB(プライベートブランド)供給で存在感があります。
・Oji Holdings Corporation (王子ホールディングス株式会社)
「nepia」ブランドのティッシュ、トイレットペーパーや「ネピア 鼻セレブ ティシュ」で知られる会社です。ティッシュ・トイレットペーパーに加え、ベビー用・大人用おむつも展開しています。
・Seventh Generation Inc.(セブンス・ジェネレーション)
環境配慮型製品に特化した米国企業で、家庭用洗剤・ベビーケア用品・おむつなどを展開。2016年に Unilever 傘下となり、サステナブル領域の強化に寄与しています。
