ゼネコン・建設業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。中国中鉄、中国鉄建、中国建築、中国交通建設、バンシ、ACS、ブイグ、鹿島建設、大成建設といった建設大手の概要や動向も掲載しています。
【市場シェア】
建設会社各社の2021年度の売上高を分子に、後述する市場規模を分母にして、2021年の建設業界の世界市場シェアを計算すると、1位は中国建築、2位は中国中鉄、3位は中国鉄建、4位は中国交通建設と、中国の建設会社が上位を独占する形となっています。(⇒参照したデータの詳細情報)
建設業界の世界市場シェア(2021年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | 中国建築 | 2.16% |
2位 | 中国中鉄 | 1.26% |
3位 | 中国鉄建 | 1.20% |
4位 | 中国交通建設 | 0.81% |
5位 | ブイグ | 0.23% |
6位 | ACSグループ | 0.23% |
7位 | バンシ | 0.22% |
8位 | 鹿島建設 | 0.13% |
9位 | ベクテル | 0.13% |
10位 | 大林組 | 0.12% |
11位 | スカンスカ | 0.11% |
12位 | 清水建設 | 0.10% |
13位 | 大成建設 | 0.10% |
14位 | エファージュ | 0.04% |
中国勢は、中国政府の内需拡大に伴う国内の旺盛な建設需要を謳歌し、世界1位~4位を独占しています。中国は世界の建設市場の約3割を占める巨大なマーケットです。5位はフランスのブイグ、6位はスペイン・ドイツ系のACSグループ、7位はフランスのバンシ、8位は日本の鹿島建設、9位は米国のベクテルとなります。
【市場規模】
当データベースでは市場シェア算定にあたり、市場規模を13.6兆ドルとしています。参照にした各種統計データは次の通りです。
調査会社のビジネスリサーチカンパニーによると、2021年の建設業界の市場規模は13.6兆ドルです。2016年〜2020年の年平均成長率は4.6%で、2026年にかけて9.8%で成長し、同年の市場規模が22.8兆ドルになると予想しています。
調査会社のエマージェンリサーチによると、2020年の建設業界の市場規模は12兆6394億ドルです。2028年にかけて年平均7.4%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模 | 成長率 |
---|---|---|
2021年 | 13.6兆ドル | 9.8% |
2020年 | 12.6兆ドル | 7.4% |
さらに業界に詳しくなるためのお薦めの書籍と関連サイト
建設テック革命
住宅ローン金利推移
M&Aや再編対象となる建設、エンジニアリング、工事管理会社の分析
【会社の概要】
China Railway Group(中国中鉄、CREC)
China Railway Enginering Corporation(中国鉄路工程総公司)が支配する中国政府系の建設会社です。鉄道部の建設局と設計局を源流としています。北京~上海高速鉄道や上海~南京都市部鉄道といった鉄道建設や交通インフラ工事に強みを持ちます。アフリカ等の地域への海外進出も積極的です。
China State Construction Engineering(中国建築、CSCEC)
国家建工総局の改組により1982 年に設立されました。建物、道路、公共施設の分野で設計、建設、開発等を一貫して対応することができる総合ゼネコンの雄です。海外の建設でも、タイ王国ラーマ八世橋、米国のヤンキーススタジアム駅、クウェートの中央銀行、コンゴの国道建設等の著名プロジェクトを多数手掛けています。その他、バハマ、ボツワナ、エジプト、ドバイ、赤道ギニアにも展開しています。上海証券取引所に上場しています。
China Railway Construction(中国鉄建、CRCC)
人民解放軍鉄道部隊を前身とする中国政府系の建設会社です。鉄道建設において中国中鉄と2強体制です。中国国務院の監督管理委員会が管理。鉄道建設や交通道路インフラ工事に特に強いですが、全分野でフルラインの建設を行うスーパーゼネコンでもあります。国内の鉄道プロジェクトはほぼ参画しています。中国初のモノレールや上海のリニアモーターカーの建設も行っています。海外展開にも積極的で香港、ナイジェリア、マカオ、アルジェリア、ナイジェリア、イスラエル、トルコ、タンザニア等の60か国以上で事業を展開しています。タンザニア-ザンビア間のタンザン鉄道プロジェクトが有名です。
China Communications Construction(中国交通建設、CCCC)
2005年に中国港湾工程公司と中国道路橋総公司が経営統合して誕生した建設会社です。中国の幹線道路網や港湾工事に強みを持つ建設大手です。マレーシア(ペナン第 2 橋)等の実績があります。
China Metallurgical Group(中国治金科工集団、MCC)
資源開発等に強みを持つ中国政府系のエンジニアリング会社です。2015年に中国国有企業で金属大手の中国五鉱集団(China Minmetals Corp)が買収しました。
VINCI(バンシ)
1899年に創業されたフランスに本拠を置く欧州最大手の建設会社です。ユーロネクスト市場に上場しています。
Grupo ACS(グルポACS)
スペインを代表する大手建設会社です。ドイツの同業大手のHOCHTIEF(ホッホティーフ)を傘下に保有しています。同社はドイツを代表する大手建設会社です。
BOUYGUES(ブイグ)
フランスの大手建設会社です。建設だけでなく、不動産、通信、メディア等幅広い分野に進出しているコングロマリットです。
Bechtel(ベクテル)
米国を代表する建設会社です。発電所や空港等のインフラ関連のエンジニアリングや工事に強みを持ちます。フーバーダムの建設で有名です。
Eiffage(エファージュ)
フランスの4大建設会社の一角です。オーストラリアのシドニーのオペラハウスやルーブル美術館のピラミッド等を手掛けています。
Kiewit(キーウィット)
1884年に設立された米国に本拠をおく大手土木建設会社です。商業ビル、工業団地、スポーツ施設、病院等の建設を得意としています。
Royal BAM Group(ロイヤルバムグループ)
1869年に設立されたオランダの建設会社です。欧州域内でマンション、住宅、商業施設等の建設を行っています。
日本の建設会社
清水建設、鹿島建設、大成建設、竹中工務店が総合ゼネコン・スーパーゼネコンと言われています。
参照したデータの詳細情報について
コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。既に会員の方はログインすると閲覧できます。まだ会員登録がお済みでない方は、こちらから会員登録ができます。