広告代理店・広告業界

広告業界や広告代理店業界の世界シェア、市場規模や再編について分析をしています。WPP 、オムニコム、 インターパブリック、ピュブリシス、電通イージス等の世界大手広告代理店やIBM、PWC等のデジタルエージェンシーの動向も掲載しています。

市場シェア

「広告代理店の世界売上高ランキング(2020年版)」に記載されている会社及びAd Age Agency Report 2019記載のコンサルティング会社系の広告事業の売上高を分子に、市場規模を分母にして、2019年の広告代理店の世界市場シェアを簡易に算出すると、1位はWPPの3.9%、2位はオムニコム・グループの3.5%、3位はピュブリシス・グループの2.5%となります。

2019年広告代理店市場シェア

1位    WPP    3.9%

2位    Omnicom Group/オムニコム・グループ    3.5%

3位    Publicis Group    /ピュブリシス・グループ    2.5%

4位    電通    2.3%

5位    Interpublic Group/インターパブリック・グループ    2.0%

6位 Accenture Interactive/アクセンチュア    2.0%

7位    PwC Digital Services    1.3%

8位    Deloitte Digital    /デロイト    1.2%

9位    IBM ix    1.2%

10位    JCDecaux/ジーセードコー    1.0%

11位    Bluefocus Communication Group/藍色光標伝播集団    0.9%

12位    博報堂DY    0.7%

13位    Havas/ハバス    0.6%

14位    Lamar Advertising/ラマー・アドバータイジング)    0.4%

15位    MDC Partners    0.3%

1位、2位、3位は広告代理店業界の御三家、WPP、オムニコム、ピュブリシスです。イギリス、フランス、米国に本拠を置く各社が、広告業界を支配する体制は、1980年代に、WPPがジェイ・ウォルター・トンプソンや、オグルヴィ・アンド・メイザー・ワールドワイドを、買収して以降続きます。

従来は4強の一角であったインターパブリックは5位へと後退し、単独の広告代理店としては、世界最大の電通が、マッキャエリクソンの比重が高い、インターパブリックを抜きました。

一方、こうした伝統的な広告代理店の領域に、デジタル広告の技術を用いて、急速に勢力を増しているのが、ITコンサルティンググループです。アクセンチュアを筆頭に、PWC、デロイト、IBMが、データ分析力を武器に、デジタル広告代理店として、インターネット広告分野で、存在感を急速に伸ばしています。

伝統的な大手広告代理店であった、ハバスも、売上高総利益では、これらのデジタル広告代理店の後塵を拝しています。

なお、広告代理店の場合、売上高の計上基準が総額(グロス)か手数料のみ(ネット)で異なる場合があります。こうした会計基準の相違を避けるために、売上高総利益がランキング比較の基準となっています。

市場規模

調査会社のIBIS Worldによれば広告代理店業界の2020年の市場規模は3446億ドルです。

The market size, measured by revenue, of the Global Advertising Agencies industry is $344.6bn in 2020.

IBIS World

調査会社のimarcによれば広告代理店業界の2018年の市場規模は5325億ドルです。

The global advertising market was worth US$ 532.5 Billion.

imarc

上記調査会社の市場規模予測も参照にしつつ、当サイトでは、2019年の同業界の規模を4300億ドルとして、市場シェアの計算を行なっております。

国別の広告宣伝費の推移でみると、米国・中国・日本が広告市場シェアの3強です。

広告代理店の再編

広告主(例えば自動車メーカー等)の事業展開の国際化の流れを受けて、広告代理店各社も買収を通じて世界展開を加速しました。

近年は、広告媒体の中でもデジタル広告(検索連動広告、動画広告等)の分野が急拡大する中で、単なる広告宣伝枠の確保を超えた、ITテクノロジーを駆使したデジタルマーケティングの戦略立案から実践が求められています。既存の広告代理店はアドテクノロジーの分野で、システム会社やコンサルティング会社の挑戦を受けています。

広告代理店の主な再編事例

1986年 BBDO、ドイル・デーン・バーンバック、ニーダムハーパーの3社によってオムニコムグループ設立

1987年 WPPによるジェイ・ウォルター・トンプソンの買収

1989年 WPPによるオグルヴィ・アンド・メイザー・ワールドワイドの買収

1993年 オムニコムによるTBWAワールドワイドの買収

1999年 オムニコムによるGGT BDDPの買収

2000年 WPPによるYoung & Rubicamの買収

2005年 オムニコムによるResolution Media買収

2008年 WPPによるTaylor Nelsonの買収

2012年 WPPによるAKQAの買収

2012年 電通による4000億円での英国のイージスの買収

2012年 電通と仏ピュブリシス・グループの提携解消

2014年 ピュブリシス・グループによる米国のデジタル広告の大手サピエント社の買収

世界の主要広告代理店一覧

WPP

英国に本拠を置く世界最大級の広告代理店持ち株会社です。略称は創業時のWire Plastic Products社に由来します。世界初の広告代理店であるジェイ・ウォルター・トンプソンやオグルヴィ・アンド・メイザー(Ogilvy & Mather)、GREY group、ヤング・アンド・ルビカム(Young & Rubicam)等の広告代理店を傘下に置きます。日本ではアサツーDKと提携しています。

Omnicom Group(オムニコム・グループ)

米国に本拠を置く大手広告代理店会社です。傘下にBBDO、DDB Worldwide,、TBWA Worldwide社等の広告代理店を有しています。2013年に仏Publicis(ピュブリシス)グループとの合併を発表したが破談しました。日本では東急エージェンシーと提携関係にあります。

Interpublic Group(インターパブリック・グループ)

米国に本拠を置く大手広告代理店会社です。WPP、オムニコム、ピュブリシスと併せてビッグ4と呼ばれています。傘下にMcCann Erickson(マッキャエリクソン)を有します。日本の大手広告代理店の大広と提携しています。

Publicis Group(ピュブリシス・グループ)

フランスに本拠を置く大手広告代理店会社です。オムニコムグループとの合併破たん後はM&Aを加速しています。2014年には米国のデジタル広告の大手サピエント社を買収しました。

電通イージス(Dentsu Aegis)

日本を代表する広告代理店会社です。買収当時業界6位の英イージスグループを買収し、上位3社も射程圏内に入っています。

イージス買収のハイライト
  • 2012年日本の最大手の広告代理店の電通 が英国の大手広告代理店のイージスグループを買収
  • 買収金額は31億6400万ポンド。イージスの 終値に対して48%のプレミアム
  • イージスは電通が手薄な東欧、中東、アフリカにてプラットホームを保有し、地域補完性が高い
  • また、テレビ主体の電通に対して、イージスは デジタル広告にも強みを持ち、事業特性の補完性も期待できる
  • 電通は、イージス買収に伴い提携先の世界大手広告代理店グループであるフランスのピュブリシスグループとの提携を解消
  • イージスのFY2011年の売上と営業利益は1, 135百万ポンド、197百万ポンドと前年比増収増益を達成している

電通は2012年以降買収を加速しています。2012年のブラジルのラブ社、カナダのボス、・インドのタプルート社、2013年の米国ミッチェル・コミュニケーション・グループ、タイのブランドスケープ社、スペインの Wink 社、ルーマニアのキネクト社、中国のトリオ社、2014年は中国ベラウォム社、フランスのレ・モビリザーズ社、ブラジルのNBS社、カザフスタンのフィフティー・フォー・メディア社、インドのマイルストーン社、米国のロケット・インタラクティブ社、ポーランドの Socializer 社、ドイツの explido社、2015年はインドのWATコンサルト社、イスラエルのアバガダ・インターネット社、米国のアスリーツ・ファースト社、シンガポールのマンガム・ギャクシオーラ社、フランスのセイム・セイム社、2016年はブラジルのSEO会社のNVG Participacoes社、スペインの Groupo Alesport 社、オランダの Achtung BV 社、ニュージーランドの Barnes, Catmur & Friends社、チェコの Adexpres.com社を立て続けに買収しています。

アクセンチュア

米国を代表するコンサルティング会社です。元々は世界4大会計事務所であったアーサーアンダーセンのコンサルティング部門が分社化して誕生しました。デジタル広告分野の急進を受け、デジタルマーケティング戦略強化の一環として広告部門が急成長しています。アクセンチュア・インタラクティブがデジタル広告の事業展開を担っています。

Havas(アバス)

仏パリに本拠を置く大手広告代理店です。

Cir(Compagnie Industriali Riunite、カンパーニュ・インダストリアーリ・リウニテ)

イタリアの広告代理店大手です。

JCDecaux(ジーセードコー)

仏広告代理店大手です。

Lamar Advertising(ラマー・アドバータイジング)

米国に本拠を置く屋外広告大手です。

Bluefocus Communication Group(藍色光標伝播集団)

中国最大級のPR会社です。

IBM

米国を代表する世界的なITシステム会社です。ハードウェアの部門を縮小し、近年はシステム、ソフトウェアやコンサルティング分野を強化しています。デジタル広告分野はIBM iXという機能を持ち強化しています。

博報堂DYホールディングス

日本第2位の広告代理店です。電博と並び称されています。

MDC Partners

米国に本社を置く広告代理店大手です。

EPSILON(イプシロン)

米国に本拠を置く広告代理店です。非上場会社です。

業界関連書籍

インターネット時代の広告の機能・効果と展開 [単行本]

アドテクノロジーの教科書 デジタルマーケティング実践指南 [単行本(ソフトカバー)]

デジタルで変わる 宣伝広告の基礎 (宣伝会議マーケティング選書) [単行本]

広告〈2017年度版〉 (産業と会社研究シリーズ) [単行本(ソフトカバー)]

図解入門業界研究最新広告業界の動向とカラクリがよくわかる本[第3版] (How‐nual Industry Trend Guide Book) [単行本]

電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ [単行本(ソフトカバー)]

コメント

タイトルとURLをコピーしました