銀行業界の総資産ランキング、市場規模、再編について分析しています。バンクオブアメリカ、HSBC、シティ、JPモルガン、中国の銀行4強である中国工商銀行、中国銀行、中国農業銀行、中国建設銀行や三菱UFJ等の主要銀行の一覧も掲載しています。
銀行の総資産ランキング(2021年)
銀行の2023年12月末の総資産ランキングは各社2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、簡易に試算しますと、1位中国工商銀行、2位中国農業銀行、3位中国建設銀行となります。
世界1位は中国工商銀行(ICBC)となります。
世界2位には中国農業銀行、世界3位には中国農業銀行、12位は中国郵政貯蓄銀行となっています。dominate the rankings, making up half of the top 10 biggest lenders.
世界5位と6位には、米国の大手、JPモルガンチェースとバンクオブアメリカがランクイン。要因はアメリカドルが強く、近年のアメリカの銀行の統合も重なりランキングにも影響しています。
アメリカ、カナダ、イギリスの銀行は預金が低下しているのがランキングに影響しています。一方、
世界8位は日本の最大手である、三菱UFJフィナンシャルグループが入っています。
世界9位は、フランスのBNPパリバです。
世界10位はシティグループとなっています。
11位には、フランスの農業金融大手の、クレディアグリゴールとなっています。日本の農林中央金庫は、今回は資産規模の20位にはランクインしませんでしたが、中国農業銀行、クレディアグリゴールとならび、農業金融大手です。
12位は、中国郵政貯蓄銀行です。
13位はみずほフィナンシャルグループです。
17位は米銀のウェルズファーゴです。
14位と18位は、日本の三井住友フィナンシャルグループとゆうちょ銀行です。
19位はイギリスの4大銀行の一角であるバークレイズ銀行です。競合のロイヤルバンク・オブ・スコットランドが国有化され、規模を縮小した際に、英国1位の座を揺るぎのないものにしました。リーマンブラザーズの米国拠点も買収しています。
20位と21位には、UBSグループや欧州の大手であるソシエテ・ジェネラルがランクインしております。フランス、スペインなどでの預金の増加、ヨーロッパでの2022年に市場の流動性が低くなっていることが一因とされています。
ランクインはしていないものの、2023年はイタリアとギリシャの大手の再編が見られました。ギリシャの大手、Piraeus Financial Holdings と Alpha Bankは大幅に利益を上げました。
出自が農業系:
農林中央金庫:9277億ドル
ラボバンク:7273億ドル
市場規模
当データベースでは、銀行業界の2023年の世界市場規模を2.08兆ドルとしております。参照した各種調査データは以下の通りです。
調査会社Precedence Researchによると、2023年のリテールバンキング業界の市場規模は2.08兆ドルです。2024年には2.21兆ドルに達し、2034年にかけて年平均6%で成長し、同年には約3.97兆ドルへと規模が拡大すると予測しています。
年 | 市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2023年 | 2.08兆円 | – |
2030年 | 2.21兆円 | 6% |
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M&Aの動向
リーマンショック前後に数多くの再編がありましたが、その後自己資本を増強し、銀行同士の大型の経営統合の数は少なくなりました。
リーマンショック前後に数多くの再編がありました。
1988年 クレディスイスによるファーストボストンの買収
1989年 ドイツ銀行による英モルガン・グレンフェル買収
1997年 トラベラーズグループによるソロモンブラザーズの買収
1997年 モルガンスタンレーによるディーンウィッターの買収
1997年 スイス・ユニオン銀行とスイス銀行が経営統合しUBSが誕生
1998年 バンクオブアメリカがネーションズバンクを買収
1998年 ドイツ銀行によるバンカース・トラストの買収
1998年 シティグループとトラベラーズグループが経営統合
2000年 クレディスイスによるDLJの買収
2000年 BNPとパリバが経営統合
2001年 住友銀行と三井銀行が経営統合(現三井住友フィナンシャルグループ)
2002年 第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行が経営統合(現みずほフィナンシャルグループ)
2006年 東京三菱銀行とUFJ銀行が経営統合(現三菱東京UFJフィナンシャルグループ)
2008年 JPモルガンによるベアスターンズの買収
2008年 バンクオブアメリカによるメリルリンチの買収
2009年 ウェルスファーゴによるワコビアの買収
2012年 シンガポールのDBS銀行がBank Danamon Indonesiaを買収
会社の概要
Bank of America(バンクオブアメリカ)
当時の米大手地銀であったネーションズバンクとバンク・オブ・アメリカが合併し誕生しました。リーマンショックのタイミングで米大手投資銀行のメリルリンチを買収しています。通称は「バンカメ」です。
HSBC Holdings(香港上海銀行)
英国を代表する商業銀行です。世界的なリテールネットワークを構築しています。歴史的な経緯から香港における発券銀行という側面も持ちます。
Citigroup(シティグループ)
当時米国最大手であったシティコープとクレジットカードや保険に強みを持つトラベラーズグループが合併して誕生しました。投資銀行部門強化のためにソロモンブラザーズ等を買収しました。
JPMorgan Chase(JPモルガンチェース)
当時の米国を代表する銀行であったJPモルガンとチェースマンハッタンが合併して誕生しました。その後、ベアスターンズ、ワシントン・ミューチュアル等を買収しています。
Wells Fargo(ウェルズファーゴ)
米国を代表する銀行です。堅実経営で定評があります。バフェット氏が大株主となっています。
Deutsche Bank(ドイツ銀行)
ドイツを代表する銀行グループです。ドイツ産業の生みの親とも称されています。米国のバンカース・トラストを買収して、投資銀行部門の強化を図ろうとしましたが、リーマンショック以降は事業規模の縮小を続けています。
BNP Paribas(BNPパリバ)
フランスを代表する銀行グループです。商業銀行に強いBNPと投資銀行に強みを持つパリバが合併して誕生しました。
UBS
スイスを代表する銀行グループです。プライベートバンクが有名です。スイス三大銀行のスイス・ユニオン銀行とスイス銀行が合併して誕生しました。英国のSGウォーバーグを買収し投資銀行業務も強化しています。プライベートバンクや投資銀行業務に注力し、銀行の資産規模では、トップ20圏外となりました。
Barclays(バークレイズ)
英国4大銀行の一角です。リーマンブラザーズが破たんした際に、同社の米国のオペレーションを買収しています。
日本の銀行
三菱UFJフィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3大メガバンクが上位を競っています。民営化されたゆうちょ銀行や農業金融の雄である農林中央金庫も大手金融機関です。
中国の銀行
The Industrial And Commercial Bank Of China(中国工商銀行、ICBC)、Bank of China(中国銀行、BOC)、China Construction Bank(中国建設銀行、CCB)、Agricultural Bank of China(中国農業銀行、ABC)の国有4大銀行が上位を独占しています。
参照したデータの詳細情報について
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