コーヒー業界の世界市場シェアの分析

コーヒー会社・コーヒー業界の世界市場シェアとランキングと市場規模の情報を分析しています。ネスレ、JDEピーツ、チボー、JMスマッカー、キューリグドクターペッパー等の世界の主要コーヒー会社一覧も掲載しています。

【コーヒー業界とは】

コーヒー業界では、コーヒー豆の生産や輸入、焙煎、販売、さらに関連する製品・サービスを提供しています。コーヒーは世界中で広く消費されており、家庭・オフィス・外食など幅広い需要に応えるべく様々なビジネスモデルが展開されています。

コーヒー製品としては、コーヒー豆だけでなく、インスタントコーヒーや缶コーヒー、カプセルコーヒーなどがあります。近年では持続可能な生産方法やフェアトレードへの関心が高まっており、コーヒー業界でもサステナブルやエシカルを重要戦略として位置づけている企業も増えています。

【コーヒー業界の世界シェア+ランキング】

コーヒー各社の売上高を分子に、市場規模を分母にして、2022年のコーヒー業界の世界市場シェアを簡易に算出すると、1位はネスレ、2位はJDEピーツ、3位はキューリグドクターペッパーとなります。⇒参照したデータの詳細情報

参照したデータの詳細情報

コーヒー業界の市場シェア(2022年)

順位 会社名 市場シェア
1位 Nestle(ネスレ) 3.86%
2位 JDE Peets(JDEピーツ) 1.88%
3位 Keurig DrPepper(キューリグドクターペッパー) 1.08%
4位 Tchibo(チボー) 0.67%
5位 Gruppo Lavazza(ルイージ・ラバッツァ) 0.62%
6位 JM Smucker(JMスマッカー) 0.59%
7位 Strauss Group LTD(ストロース・グループ) 0.31%
8位 The Kraft Heinz(クラフトハインツ) 0.20%
9位 UCC Ueshima Coffee(UCC上島珈琲) 0.18%
10位 Ajinomoto AGF(味の素AGF) 0.16%
コーヒー業界の市場シェアと業界ランキング(2022年) ©ディールラボ

コーヒー業界の世界シェア(2022年)
*ネスレとJDEピーツは2023年会計年度のデータを使用

その他大手コーヒー企業として、スターバックスコカ・コーラが挙げられますが、コーヒー単体での売上を公表していないため、ランキングからは除外しています。

スイスのネスレが首位を維持しています。ネスカフェブランドでインスタントコーヒーを展開しているほか、コーヒーメーカーのネスプレッソを子会社に持っています。

2位のJDEピーツはヤコブ・ダウ・エグバーツやモンデリーズのコーヒー事業が経営統合して誕生し、ネスレを追い上げています。

3位は米国のキューリグドクターペッパーとなります。

チボーやルイージ・ラバッツァなど欧州企業が上位に挙がっているのが特徴です。また、JMスマッカーやクラフトハインツなど米国の食料品大手もランクインしており、多角的にブランドを展開する中でコーヒー事業も手がけていることが見てとれます。

【コーヒー業界の世界市場規模】

当サイトでは、2022年のコーヒー業界の市場規模4612.5億ドルとして市場シェアを計算しております。

調査会社のグランドビューリサーチとリサーチアンドマーケッツによれば、2022年のコーヒー業界の市場規模は4612.5億ドルです。2023年から2030年にかけて年平均5.2%で成長し、同年には6901億ドルに達すると予測しています。

調査会社のステラマーケットリサーチによれば、2023年のコーヒー業界の市場規模は4648億ドルです。2024年から2030年にかけて年平均4.28%で成長し、同年には6233億ドルに達すると予測しています。⇒参照したデータの詳細情報

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト

利他に生きる―コーヒー業界の風雲児 大武浩幸のコーヒー業半世紀
ドル箱 コーヒー市場争奪戦
コーヒーメーカーの世界市場シェアの分析
飲料・ミネラルウォーター業界の世界市場シェア分析

【M&Aの動向】

近年コーヒー市場のM&Aが激化している理由の1つに、コーヒーの需要が順調に伸びていることが挙げられます。経済発展とともに食生活が欧米化し、コーヒーを嗜好品として楽しむ人が世界中で増加しており、各社ともシェアを拡大するために積極的にM&Aをおこなっています。

また、コカ・コーラなどの飲料大手がM&Aによりコーヒー企業を買収しているのも特徴の1つです。健康志向の高まりで炭酸飲料やソフトドリンクなどの消費量が減少するのと反比例してコーヒーの需要は伸びているため、商機ととらえた飲料大手がコーヒー業界に参入しています。

2024年 JDEピーツがブラジルのコーヒー大手JAVグループを買収

2023年 ラヴァッツァがフランスコーヒーメーカーのMaxiCoffeを買収

2022年 ネスレがスターバックスからSeattle’s Best Coffeeを買収

2022年 チボーがイタリアのロースター大手Caffè Molinariを買収

2019年 コカ・コーラがコーヒー大手のCostaを買収

2018年 クラフトハインツがカナダのコーヒー豆メーカーEthical Bean Coffeeを買収

2017年 JDEピーツがマレーシアのコーヒー大手Old Town Coffeeを買収

2017年 クラフトハインツがサントリー子会社のシンガポールCerebos Pacificの食品・コーヒー事業を買収

2017年 ネスレが米スペシャルティコーヒー大手のBlue Bottle Coffeの株式の過半数を買

2016年 チボーが英ロースターのMatthew Algieを買収

さらに、ブルーボトルなどのスペシャルティコーヒー市場が活況となり、競争が激化していることもM&A増加の理由の1つです。スペシャルティコーヒーは小規模のビジネスが多く、業界で生き残るためには大手企業の傘下となり需要を伸ばす戦略をとる企業も多いようです。

【会社の概要】

Nestle(ネスレ)

ネスレは、1866年に薬剤師のアンリ・ネスレ氏によって設立されたスイスに本拠を置く世界最大級の総合食品・飲料メーカーです。食品ではパスタのブイトーニやコンソメのマギー等、飲料ではネスカフェやミロ、乳製品、菓子類ではKitKatやCrunch等のチョコレートのブランドにて世界展開しています。2018年以降、アクティビストファンドであるサードポイントからの要請で、事業ポートフォリオの再構築を急いでいます。2019年には、投資ファンドのEQTパートナーズ、アブダビ投資庁およびPSPインベストメントに、同社のスキンヘルスケア事業を売却しました。スキンヘルスケア事業は、Proactive(プロアクティブ)やCetaphil(セタフィル)などのにきび防止用の洗顔料、保湿剤などのスキンケア用品を中心に展開しています。2021年にはKKRから栄養補助食品大手ザ・バウンティフル・カンパニーの主要ブランドであるネイチャーズバウンティ、ソルガー、オステオバイフレックスを買収しました。さらに詳しく

JDE Peet’s(JDEピーツ)

ヤコブ・ダウ・エグバーツで有名なD.E Master Blenders、Keurig Green Mountain(キューリグ・グリーンマウンテン)、Mondelez Internationalのコーヒー事業が統合して誕生したコーヒー会社です。JABホールディングス傘下から2020年に上場を果たしました。2017年にマレーシアのコーヒー大手オールドタウンも買収しています。キューリグ、スタンプタウン、ピーツ等のブランドで展開しています。

Peet'sコーヒー
海外ではよく見かけるPeet’sコーヒー

JABホールディングス

ドイツに本拠を置く投資ファンドです。投資ファンドはドイツ消費財メーカーのBenckiser創業一族が運営しています。

Keurig Dr Pepper(キューリグドクターペッパー)

ドクター・ペッパー・スナップルグループ(Dr Pepper Snapple Group)から2018年に名称変更した米国に本拠を置く炭酸飲料大手です。キャドバリー・シュウェップスに買収されたのち、ドクター・ペッパー・スナップルグループとして独立・上場しました。炭酸飲料のセブンアップ、カナダドライ、サンキスト、ドクターペッパー等の数多くの商品ラインナップを有しています。2018年にJABホールディングス傘下のカプセルコーヒー大手であるキューリグ・グリーン・マウンテンと経営統合を発表し、キューリグ・ドクター・ペッパーが誕生しました。コーヒー分野ではネスレなどと競合しています。さらに詳しく

Tchibo(チボー)

ドイツに本拠を置くコーヒー会社です。Herz一族による同族会社です。チボーブランドでコーヒーを展開しています。

Luigi Lavazza(ルイージ・ラバッツァ)

イタリアに本拠を置くコーヒー会社です。Lavazza一族による運営です。

J.M.Smucker Company(JMスマッカー)

J. M. Smucker Company(JMスマッカー)は、1897年に設立された米国に本拠を置く食品メーカーです。コーヒー、ペットフード、ジャム、アイスクリーム、マーガリン、ジュース、ピーナツバターを製造しています。Smucker’s のジャム、フォルジャーズ (Folgers)のコーヒー、Milk-BoneやRachael Ray Nutrishのドッグフードが有名です。2018年にペットフードのAinsworth Pet Nutritionを買収する一方で、ベーキング事業をBrynwood Partnersへ売却しています。さらに詳しく

STRAUSS GROUP LTD(ストラウス・グループ)

イスラエルに本拠を置くコーヒー会社です。コーヒー以外にも食品事業を手掛けています。中東欧では圧倒的な存在感があります。

Kraft Heinz(クラフトハインツ)

Kraft Heinz(クラフトハインツ)は、旧クラフトフーズの北米事業を引き継いだ会社です。北米に特化しています。クラフトチーズ、冷凍食品や飲料等を展開しています。2015年にバフェット氏率いるパークシャー・ハサウェイや投資ファンド傘下のトマトケチャップ等で有名な食品メーカーHeinz(ハインツ)と経営統合しクラフトハインツが誕生しました。パスタソースはClassicoを軸に展開しています。事業構成としては、調味料・ソース事業、チーズ・乳製品事業、常温保存食事業、肉・魚食品、冷蔵・冷凍食品に分かれます。2021年にナッツ事業をHormel Foodsへ売却しました。さらに詳しく

ハインツのトマトケチャップ(2022年7月撮影 by ディールラボ)

ハインツのトマトケチャップ(2022年7月撮影 by ディールラボ)

UCC上島珈琲

コーヒー・紅茶・ココアの輸入から販売までを手がけています。また、BLACK無糖などの缶コーヒーも製造・販売しています。

味の素AGF

味の素の子会社で、ブレンディやマキシムなどのインスタントコーヒーを製造・販売しています。もとは味の素ゼネラルフーヅでしたが、2017年に社名を変更しました。

参照したデータの詳細情報について

参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した売上高ランキング

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