亜鉛業界の世界市場シェアや市場規模について分析をしております。グレンコア、ヒンズスタン亜鉛、ニルスター、ヴォトランチン、テック等主要な亜鉛生産会社の動向も掲載しております。
亜鉛生産会社の世界市場シェア(2019年)
「最新業界別売上高世界ランキング第8巻」に記載の亜鉛生産各社の生産量を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は高麗亜鉛、2位はグレンコア、3位はニルスターとなります。
1位 高麗亜鉛 8.2%
2位 グレンコア 8.0%
3位 ニルスター 7.9%
4位 ヒンズスタン亜鉛 5.4%
5位 ネクサリソーシーズ 4.3%
6位 ボリデン 3.6%
市場規模
当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、亜鉛業界の2019年の世界市場規模を13.4百万トンとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。
調査会社のルシンテルによると、2025年の同業界の市場規模は2025年までに173億ドルになると見込まれます。調査会社のグローバルデータによると、2018年の亜鉛の世界の生産量は13.4百万トンです。2022年にかけて年平均3.8%での成長を見込みます。
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世界の主要な亜鉛生産会社の一覧
Teck Resources(テック・リソーシズ)
カナダに本拠を置く非鉄大手です。亜鉛、銅、原料炭等の分野に強みを持ちます。
MMG
豪州に本拠を置く亜鉛大手です。中国の国有鉱山会社のChina Minmetals Corporation(中国五鉱集団公司)傘下にあります。
Korea Zinc(高麗亜鉛)
1974年に設立された韓国に本拠を置く資源大手です。亜鉛に加えて、鉛、金、銀、銅等の鉱物を生産します。上場企業です。
Nyrstar(ニルスター)
スイスに本拠を置く世界的亜鉛生産会社です。豪州のZinifex (現OZ Minerals)とベルギーの化学大手Umicore(ユミコア)の亜鉛事業を統合して誕生しました。ベルギー、オランダ、オーストラリアに精錬所を所有します。
Vedanta Resources(ベダンタ・リソーシズ)
Agarwal氏率いるイギリスに本拠を置く資源開発大手です。1966年に創業されたインドの亜鉛・鉛・銀生産大手であるHindustan Zinc(ヒンズスタン亜鉛)を傘下に所有します。資源大手アングロアメリカンの大株主でもあります。
Glencore(グレンコア)
グレンコア(Glencore)はスイスに本拠を置く資源商社です。1974年にスイスのトレーダーであるマーク・リッチによって設立されました。2012年にカナダの穀物流通大手バイテラを、2013年には資源メジャーであるエクストラータを買収しています。亜鉛、原料炭、一般炭、銅、コバルト、ニッケル等マイニングや、エネルギー及び穀物トレーディングが事業の柱となっています。トレーディング機能と上流権益の開発機能をあわせもつ資源メジャーとも言えます。コバルト事業では、コンゴ民主共和国の世界最大のコバルト鉱山であるMutanda(ムタンダ)を所有しています。2018年に、中国の格林美(GEM)と3年間5万トンのオフテイク契約を締結しました。なお、GEMは、中国のEVバッテリー大手である寧徳時代新能源(CALT)のサプライヤーです。
ムタンダ鉱山

ムタンダ鉱山
出所:Bing
穀物トレーディング事業では、麦やとうもろこし等の商品を取り扱います。2017年1月に穀物部門を分社化し、グレンコア・アグリカルチャーを設立しました。カナダの穀物商社であるバイテラを所有しています。
Votorantim(ヴォトランチン)
ブラジルに本拠を置くブラジルの大手財閥・複合企業グループです。非公開会社です。資源以外にも電力・鉄鋼・セメント等の事業を展開しています。亜鉛開発・生産はNexa Resources(ネクサ・リソーシーズ)社が行っています。
Boliden(ボリデン)
1931年に設立されたスウェーデンに本拠を置く資源大手です。亜鉛、銅、鉛、金、銀等の資源を生産しています。フィンランドのコッコラ(Kokkola)で精錬を行っています。
Youser Shaanxi Non-ferrous Metals (陕西有色金属)
中国に本拠を置く国有資源会社です。
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