車いす業界の世界市場シェアや市場規模について分析をしています。インバケア、サンライズ、ペルモビール、オットーボックといった世界大手車いすメーカーの概要や動向も掲載しています。
市場シェア
車いすメーカー各社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2020年の車いす業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はオット―ボックとなります。
車いすメーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2020年)
順位 | 車いすメーカー | 2020年市場シェア |
---|---|---|
1位 | オット―ボック | 42.9% |
2位 | サンライズメディカル | 19.3% |
3位 | ペルモビール | 16.7% |
4位 | インバケア | 11.4% |
参考 | 日進医療器 | 1.8% |
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地域では、北米と欧州が福祉機器の市場では大きいため、北米のインバケア、欧州オット―ボック、サンライズメディカル、ペルモービルが世界でも上位に位置します。日本は非公開の車いすメーカーが多数ある分散的な市場となっていますが、今後の人口構成を考えると再編の動きがあるかもしれません。
市場規模
当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、車いす業界の2020年の世界市場規模を27億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。
調査会社のグランドビューリサーチによると、2019年と2020年の同業界の市場規模は25億ドルと27億ドルです。2028年にかけて年平均8%での成長を見込みます。調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると、2018年の同市場規模は47.3億ドルです。2026年にかけて年平均7%での成長を見込みます。WHOによれば、世界の人口の約15%程度が移動補助を必要としています。北米が最大の市場で、近年電動車椅子の割合が高まってきています。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 車いすの推定市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2020年 | 27億ドル | 8% |
2019年 | 25億ドル | n/a |
車いすの種類
車いすは大きく5つに分類されます。手動で車輪を動かす自操式車椅子、補助者に押してもらう手押し型車椅子、背もたれの確度が変更できるリクライニング車いす、競技用の車いす、自動で走行する電動車いすです。
世界の主要な車いすメーカーの一覧
Invacare(インバケア)
1885年に設立された北米に本拠を置く伝統ある福祉機器メーカーです。主要な製品は介護用ベッド、患者用リフト、歩行器や手動・電動車いすとなっています。
Sunrise Medical(サンライズメディカル)
Sunrise Medical(サンライズメディカル)は、ドイツに本拠を置く車いす製造の世界大手です。ドイツや北米を中心に世界展開しています。手動車いすに強みを持ちます。ノルディックキャピタルが買収しました。
Permobil(ペルモビール)
1963年に設立されたスウェーデンに本拠を置く車いす大手です。電動車いすの分野では世界最大級です。スウェーデン有数の富裕ファミリーであるWallenberg家のファンドのInvestor ABの傘下にあります。2018年に電動車いすの状況(充電や移動距離、場所)が管理できるMyPermobilを開始し、車いすのコネクテッドサービスを開始しました。2019年に手動イスへのパワーアシスト機能を加えたSmartDrive PushTrackerE2を発売しました。
Ottobock(オット―ボック)
1919年に設立されたドイツに本拠を置く福祉機器メーカーです。義肢、車いす、座位保持装置、歩行器等を取り扱っています。
Drive Medical(ドライブ・メディカル)
米国に本社を置く医療ケア用器具メーカーです。車いすにも強みがあります。
Pride Mobility(プライド・モビリティ)
米国に本社を置く車いす大手です。電動車いすに強みを持ちます。
日進医療器
日本の車いす最大手メーカーです。競技用車いすなど、オーダーメイド型の車いすに強みも持ちます。
日本の車いすメーカー大手
松永製作所、日進医療器、カワムラサイクル、ミキ、ニック、WHILL (ウィル)といった、日本の車いすメーカーも手動及び電動車いすメーカーも機能性・デザイン性に優れた車いすを開発しています。
参照したデータの詳細情報について