エレクトロラックスの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

Electrolux(エレクトロラックス)は、1919年に設立されたスウェーデンを代表する家電メーカーです。祖業の掃除機に加え、調理家電、食洗機、洗濯機や冷蔵庫の分野で強みを持ちます。エレクトロラックスブランドに加えAEG、Zanussi(ザヌシー)、Frigidaire(フリジデア)といったブランドでも展開をしています。

業績推移(年次)


2019年度
売上高は118,981百万スウェーデンクローナで、前年度比3%増となりました。営業利益は3,189百万スウェーデンクローナになりました。営業利益率は3%になりました。為替変動の影響を取り除くと、売上高成長率はマイナス1%でした。米国では、中核的な家電製品の市場需要が減少しました。

2020年度
売上高は115,960百万スウェーデンクローナで、前年度比3%減となりました。営業利益は5,778百万スウェーデンクローナになりました。営業利益率は5%になりました。為替変動の影響を取り除くと、売上高成長率は3%でした。ヨーロッパ市場は引き続き好調を維持し、人々の在宅時間が増えたことによる支出カテゴリーの変化の結果大幅な成長を遂げました。

2021年度
売上高は125,631百万スウェーデンクローナで、前年度比8%増となりました。営業利益は6,801百万スウェーデンクローナになりました。営業利益率は5%になりました。為替変動の影響を取り除くと、売上高成長率は14%でした。米国では、住宅改修に対する消費者の支出は継続して好調で、主要家電に対する市場の需要は好調であった昨年の第四半期と一致しました。

2022年度
売上高は134,880百万スウェーデンクローナで、前年度比7%増となりました。営業利益は215百万スウェーデンクローナの赤字になりました。為替変動の影響を取り除くと、市場需要の減少と、上半期の制約されたサプライチェーンに関連する製品の入手制限により販売量が減少し、売上高は減少しました。営業利益には、1,046百万スウェーデンクローナの非経常損失が含まれています。

2023年度
売上高は134,451百万スウェーデンクローナで、前年度とほぼ同額となりました。営業利益は2,988百万スウェーデンクローナの赤字になりました。為替変動の影響を取り除くと、市場需要の低迷に伴う販売量の大幅な減少により、高インフレ国で実施された値上げがあったものの売上高は減少しました。営業利益には、3,401百万スウェーデンクローナの非経常損失が含まれています。営業利益は、市場需要の低迷に伴う販売量の減少、北米での価格圧力の激化、為替の逆風、人件費やエネルギーコストのインフレの影響を受けました。

エレクトロラックスの業績推移

エレクトロラックスの業績推移

業績推移(四半期)

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は32,734百万スウェーデンクローナになりました。営業利益は256百万スウェーデンクローナの赤字になりました。平均価格を上昇させたため、売上高は前年同期額を上回りました。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は32,653百万スウェーデンクローナになりました。営業利益は124百万スウェーデンクローナの赤字になりました。消費者の購買力低下による市場環境の低迷が続き、グループ全体の販売量が大幅に減少した結果、売上高は前年同期額を下回りました。

2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は33,427百万スウェーデンクローナになりました。営業利益は608百万スウェーデンクローナ、営業利益率は2%になりました。消費者の購買力低下による市場環境の低迷が続き、グループ全体の販売量が大幅に減少した結果、売上高は前年同期額を下回りました。

2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は35,636百万スウェーデンクローナになりました。営業利益は3,215百万スウェーデンクローナの赤字になりました。北米での価格競争の激化により平均価格を大きく下げたため、既存事業売上高は前年同期額を下回りました。営業利益は非経常項目に関連した2,491百万スウェーデンクローナの損失を受け、営業赤字となりました。

2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は31,077百万スウェーデンクローナになりました。営業利益は720百万スウェーデンクローナの赤字になりました。継続的な価格に対する圧力と需要の低迷により、売上は前年同期額を下回りました。北米事業で1,204百万スウェーデンクローナの非経常項目の損失を受け、営業赤字となりました。

エレクトロラックスの四半期業績推移

エレクトロラックスの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移


希薄化後EPSは前年度比504%減の-19.17スウェーデンクローナになりました。1株当たりの配当は前年度と同額の0スウェーデンクローナになりました。配当性向は0%になりました。

エレクトロラックスのEPS・配当額・配当性向の推移

エレクトロラックスのEPS・配当額・配当性向の推移

売上構成

セグメントは、テイスト事業、ケア事業、ウェルビーイング事業に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

エレクトロラックスの売上構成(2023年度)

エレクトロラックスの売上構成(2023年度)

テイスト事業
調理器、コンロ、オーブン、フード、電子レンジ、冷蔵庫、冷凍庫といったキッチン家電の製造販売を行っています。

ケア事業
洗濯機、食器洗い乾燥機といった製品の製造販売を行っています。

ウェルビーイング事業
掃除機、空調機器、給湯器、ヒートポンプ、家庭用小型電気といった製品の製造販売を行っています。

M&A情報

ブランドポートフォリオの拡充や地域補完を目指したM&Aを積極的に行っています。

2015年 GEの家電事業の買収を発表(その後断念)
2016年 ワイン保管ソリューションに焦点を当てているVintecの買収へ向け合意
2017年 飲料ディスペンサー機器製造のグラインドマスター・セシルウェアを買収
2017年 米国の調理家電メーカーであるAnova Applied Electronicsを買収
2019年 業務用エスプレッソマシンメーカーの仏UNICを買収
2020年 業務用家電事業をElectrolux Professionalとして分社化
2021年 家電修理会社の仏La Compagnie du SAVの買収へ合意
2021年 食品サービス機器のメーカーUnified Brandsを買収
2024年 業務用クリーニング機器や真空包装機の製造・販売などを手がけるToseiを買収
2024年 IH調理器の設計と製造を行っており、業務用厨房向けにソリューションを提供することに重点を置いているAdventysを買収

株主構成

スウェーデンを代表するウォーレンバーグ家(ヴァレンベリ、Wallenberg)率いるファミリーオフィースであるインベストールABが大株主です。

エレクトロラックスの株主構成(直前決算期末時点)

エレクトロラックスの株主構成(直前決算期末時点) 出所:マーケットスクリーナー

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