デビットカード・クレジットカード業界の世界市場シェアの分析

デビットカード・クレジットカード会社の世界シェアや市場規模について分析をしています。特に国際ブランドカードと言われるビザ、マスターカード、JCB、ユニオンペイ、アメックス、ダイナースの概要や動向も掲載しています。またデジタル決済分野で力を伸ばしているペイパルも国際的な決済手段を提供している会社としてカバーしています。

世界市場シェア

クレジットカード各社の2021年度の取扱高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2021年のクレジットカード・デビット業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はユニオンペイ、2位はビザ、3位はマスターカードとなります。

クレジットカード会社の市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位ユニオンペイ48.9%
2位ビザ16.8%
3位マスターカード12.4%
4位アメックス2.1%
5位ペイパル2.0%
6位ダイナース(ディスカバー)0.8%
7位JCB0.5%
クレジットカード会社の市場シェアと業界ランキング(2021年)©ディールラボ
ユニオンペインは2019年度の取扱高

クレジットカードの世界市場シェア(2021年)
クレジットカードの世界市場シェア(2021年)

取扱高の世界1位は中国のユニオンペイでした。日本国内でも銀聯(Union Pay)マークがついた加盟店をよく見かけるようになりました。ユニオンペイはクレジットカードよりもデビットカードに近いカードとなります。

2位はビザ、3位はマスターカードです。取扱高では上位3社のポジションは不動です。

5位にペイパルが入っていますが、ペイパル決済のクレジットカードに紐づいております。国際的に使える電子財布(デジタルワレット、銀行口座ではないが、決済用の資金の移動ができる口座)大手という位置づけです。

市場規模

当サイトでは、クレジットカードとデビットカードの2020年の市場規模を、民間最終消費支出額である62兆ドルとしております。民間最終消費支出額は世界銀行の数値を参照しております。⇒参照したデータの詳細情報

中国、英国、フランス、ドイツはデビットカードの比率が高く、日本や韓国ではクレジットカードの比率が高いことが特徴です。

現金や銀行間決済によりもより効率的な決済を実現できることでクレジットカードやデビットカードの業界は成長を続けてきました。一方で、クレジットカードの決済や与信システムを介さずに決済を行える暗号資産(ブロックチェーン)、P2Pアプリ間送金、BNPLといった分野も急速に伸びており、今後のクレジットカード会社各社の戦略に注目が集まります。

デビットカード・クレジットカード業界の仕組み

クレジットカード会社の業務内容には大きく分けて3つあります。カードをカード会員に発行するイシュアーという業務、カード決済の導入をしているお店(加盟店)を増やすアクワイアラーという業務、各カードのブランドである決済ブランド(ビザ、マスター等)のライセンスを付与する業務です。日本の場合は、ほぼイシュアーとアクワイアラーが同一のカード会社が行いますが、米国では加盟店開拓の専門業者もいます。

カード決済の仕組み
カード決済の仕組み
出所:ディールラボ

VISA,マスターカード、JCBなど決済ブランドを持つクレジットカード会社はライセンスフィーを決済の度に得られます。他のカード会社(銀行系の○○カード等)にとっては、加盟店からの決済金額に応じた決済手数料と利息収入(キャッシング、リボルビング)が収益源となっています。

米国のカード決済業界
米国のカード決済業界
出所:アメックス

国際ブランドカードとその他決済手段の違い

クレジットカードとは、カードの保有者が商品を購入する際に後払いを可能にする(信用を供与する)カードのことです。日本ではDCカード、UCカード、VIEWカードといった様々なクレジットカードがありますが、ビザやマスターカードとの違いは、世界で使えるかどうかです。JCBも国内のカードブランドですが、世界中に加盟店を持つため、国際ブランドのクレジットカードと言えます。デビットカードは、後払いでなく、その場で銀行口座より決済代金の支払いが行われるカードです。

QRコード決済のPayPayやアリペイ、ICカードのスイカやペイパル(PayPal)も決済手段と言えます。特徴としては、あらかじめチャージされている金額の範囲で決済であったり、クレジットカードと連携に基づく信用供与での決済であったりするので、通常はデジタルウォレット(デジタル財布)やデジタルペイメント(デジタル決済)という形で、クレジットカードやデビットカードとは区別されています。

クレジットカード、デビットカードとその他デジタル決済(QRコード、ペイパル、ICカードなど)の特徴

特徴クレジットカードデビットカードデジタル決済
後払い機能ありなしクレジットカード紐付き
即時決済なし銀行口座の預金内前払い金額の範囲内
決済場所国際ブランドは世界中同左ローカル(例外ペイパル)
決済手段の特徴

デビットカードとクレジットカードの違い

クレジットカードとは、商品代金等を後払いする際に使用する決済用のカードの総称です。デビットカードとは預金と紐づいた即時決済用のカードの総称です。この他に、前払い方式のプリペイドカードもあります。

デビットカード・クレジットカード世界大手の動向

VISA(ビザ)

Visa(ビザ)は1958年に設立された米国に本拠を置く世界最大級のクレジットカード会社です。発祥母体はバンクオブアメリカのクレジットカード部門です。自らは、イシュアーやアクワイアラーにならず、VISAブランドライセンスを各国のカード会社に付与し、VisaNetを通じた決済手数料を収益基盤としています。2008年にニューヨーク証券取引所に上場しました。さらに詳しく

MasterCard(マスターカード)

米国に本拠を置く世界最大級のクレジットカード会社です。VISAと双璧です。米銀のチェースマンハッタン銀行(現JPモルガンチェース)等の所属するカード会社を母体として発展しました。現在はビザと同様にニューヨーク証券取引所に上場しています。自らは、イシュアーやアクワイアラーにならず、MASTERブランドライセンスを各国のカード会社に付与しています。近年は、オープンバンキング、ブロックチェーン、サイバーセキュリティ、EC向け決裁システムなどの分野を強化するために、米国フィニティ、サイファートレース(Cipher Trace)、エカタ(Ekata)、Arcus Financial Intelligenceなどの買収を行っています。さらに詳しく

UnionPay(ユニオンペイ、中国銀聯)

2002年に中国人民銀行が中心となって設立した中国に本拠を置くクレジットカードの決済組織です。デビットカード及びクレジットカードの機能を持つユニオンペイ(銀聯)カードを発行しています。デビットカードでの利用が多いことが特徴です。発行枚数は64億枚超と世界1位です。

AMEX(アメリカン・エクスプレス、アメックス)

米国を代表するカード会社です。高級ブランドのカードとして一般的に位置づけられています。イシュアー、アクワイアラー、ブランド付与を全て自社で行っています。クレジットカード以外にも旅行代理店等の事業も行っています。ニューヨーク証券取引所に上場しています。

Diners(ダイナース)

米国のクレジットカード会社です。アメックスと並ぶ富裕層向けのカード会社と一般的に位置づけられています。現在は米国のディスカバー・フィナンシャル社の傘下にあります。

JCB

日本を代表するクレジットカード会社です。日系企業の海外進出や邦人旅行客の海外旅行の増加に伴いグローバルに展開しました。JCBはJapan Credit Bureauの略です。旧三和銀行系の旧東洋信託銀行や旧日本信販(ニコス)によって1961年に設立されました。約9000万枚程度のカード発行枚数を誇るものの、アジアで唯一の国際ブランドの地位はユニオンペイの躍進に伴い薄れつつあります。

PayPal(ペイパル)

米国に本拠を置く電子財布提供会社です。ECと親和性が高くペイパル決済で国際展開を果たしています。

参照したデータの詳細情報について


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