クレジットカードや電子決済の加盟店向けに決済ソリューションや決済代行サービスを提供する会社の市場シェアと市場規模について分析しています。Fiserv(ファイサーブ)、FIS、ワールドライン、グローバルペイメンツといった決済処理大手の概要や動向も掲載しています。
市場シェア
決済代行・決済ソリューション各社の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年の決済代行・決済ソリューション業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はファイサーブ、2位はグローバルペイメンツ、3位はFISとなります。
決済代行・決済ソリューション会社の世界市場シェアと業界ランキング(2021年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | ファイサーブ | 7.19% |
2位 | グローバルペイメンツ | 6.26% |
3位 | ブロック | 5.97% |
4位 | FIS | 4.98% |
5位 | ワールドライン | 3.00% |
6位 | エラボン | 1.77% |
7位 | アディエン | 1.25% |
参考 | GMOペイメントゲートウェイ | 0.30% |
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1位のファイサーブは米国の銀行口座の決済処理という強い顧客基盤をベースに成長を続けています。
2位の米国のグローバルペイメンツは決済プロセッシングに強いTSYSを買収しています。
3位はタブレットPOSでの決済ソリューションに強みを持つブロック(旧スクエア)です。
4位は同じく米国のFISです。ワールドペイを買収しファイサーブを追い上げます。
5位のワールドラインは、フランス出自で、決済端末会社を買収し、欧州で1位となっています。
スタートアップではEC決済に強みを持つストライプも決済ソリューションに力を入れています。
市場規模
当サイトでは、2020年の決済代行・決済ソリューション業界の市場規模を904億ドルとしております。参考にした統計データ等は次の通りです。
調査会社のプレサイエント・ストラテジック・インテリジェンスによると、2021年の同業界の市場規模は904億ドルです。2030年にかけて年平均22.7%で成長し、同年には5692億ドルへと規模が拡大することが見込まれます。
調査会社のベリファイドマーケットリサーチによると、2020年の同業界の市場規模は407億ドルです。2028年にかけて年平均約9.1%で成長すると見込まれています。
調査会社のグランビーリサーチによれば、2019年の同市場規模は334.5億ドルです。2020年から2027年までに年平均14.5%の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 推定市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2021年 | 904億ドル | 22.7% |
2020年 | 407億ドル | 9.1%~14.5% |
2019年 | 334.5億ドル | n/a |
決済代行・決済ソリューションとは?
クレジットカードなどでの決済をしたい販売業社(EC、店舗、タクシー会社など)とクレジットカード会社の間に入り、さまざまな決済手段を提供する会社です。ストライプ、Aden (アディエン)、スクエア、ペイパル、Fiserv(ファイサーブ)、FIS(フィデリティナショナルサービス)、Globalpayments(グローバルペイメンツ)、Worldline (ワールドライン)が大手です。日本だとGMOペイメントゲートウェイ、SBペイメントサービスなどが挙げられます。VISA、Master Card JCB、スイカ、ペイペイ、アップルペイやグーグルペイについては「決済手段」提供会社です。決済代行・決済ソリューション会社は、こうした決済手段を提供する会社を束ねる存在と言えます。金融機関系、ITベンダー系、プラットフォーマー系そしてユニコーンと役者が勢ぞろいしています。
決済まわりの役割分担
クレジットカード決済、電子マネー決済やQRコード決済は、イシュア―とよばれるカード発行会社や電子マネーやQRコード会社、マーチャント・決済ソリューション、国際ブランド、POS・決済端末会社、決済ネットワーク事業者、銀行などが複雑に繋がり合いサービスを提供しています。各社の役割をまとめると以下のようになります。

決済プロセッシング会社の業務範囲
決済インフラ入門【2025年版】―スマホ決済、デジタル通貨から銀行の新リテール戦略、次なる改革まで
カード決済業務のすべて―ペイメントサービスの仕組みとルール
デビットカード・クレジットカード業界の世界市場シェアの分析
世界の主要な決済プロセッシング会社
Fiserv(ファイサーブ)
米国に本拠を加盟店契約・決済代行大手です。銀行口座のバックエンドのプロセッシング処理で高いシェアを維持しています。イーコマースやP2P決済等の分野にも参入しています。2019年に同業のFirst Dataと経営統合をしました。
FIS(フィデリティナショナルサービス)
米国に本社をおく1968年に設立された金融機関の預金や貸付口座の取引管理や資産運用会社の売買管理といったオペレーションのバックエンドソフトウェアを提供する会社です。2019年に加盟店契や決済代行大手であるワールドペイ(Worldpay)を買収し、多様な決済手段を一元管理できるようにする決済処理ソリューションの分野を強化しております。
Globalpayments(グローバルペイメンツ)
米国に本社をおく決済プロセッシング大手です。2019年に同業のTSYS(ティーシス)と経営統合を果たしました。カードの発行、決済端末、決済処理管理等のサービスをオンライン・オフライン問わず提供しています。
Worldline (ワールドライン)
フランス本社をおく決済プロセッシング大手です。クレディアグリゴールの決済部門に源流があり、現在はスイス証券取引所の運営会社であるSIXグループやBpifranceが大株主となっています。2018年にクライアントのカード発行をサポートするSix Paymentを、2020年2月に決済端末大手であるインジェニコを買収しました。
Elavon(エラボン)
エラボンは米国の大手商業銀行である U.S.バンコープのアクワイアリング子会社です。
Square(スクエア)
スクエアは米国に本拠を置く決済ソリューションの提供会社です。スマホやタブレットをPOSや決済端末にするサービスを展開しています。
Cielo(シエロ)
ブラジルに本社をおくクレジットカードやデビッドカードの決済プロセッシング大手です。南米では最大です。大株主はバンコブラデスコやブラジル銀行となっています。
Adyen(アディエン)
アディエンは2006年に設立されたオランダに本拠を置く決済代行・決済ソリューション提供会社です。海外展開に積極的で、進出した情報独自の決済手段との接続をすることで、現地仕様の決済ソリューションを提供しています。
Stripe(ストライプ)
Stripe(ストライプ)は2009年に設立されたオンライン決済の提供会社です。同社の決済機能はECなどに簡単に組み込むことができ利用者が増えています。投資ラウンドを順調に重ね、2021年3月には企業価値が950億ドルに到達しました。さらに詳しく
GMOペイメントゲートウエイ
GMOインターネットグループの関連会社です。クレジットカードのゲートウェイ事業から現在は各種決済手段を導入する際のソリューションを店舗やECに提供をしています。
参照したデータの詳細情報について
参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。
決済ソリューション会社の売上高ランキング
参照した市場規模の情報