段ボール業界の世界市場シェアの分析

段ボール業界の世界シェア、業界ランキングと市場規模について分析をしています。インターナショナルペーパー、玖龍紙業、レンゴー、ウェストロック、スマーフィットカッパ、DSスミスといった世界大手の段ボール会社の概要や動向も掲載しています。

市場シェア

段ボールメーカー各社の2021年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2021年のダンボール業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はインターナショナルペーパー、2位はウェストロック、3位はスマーフィットカッパとなります。

2021年段ボール会社の市場シェアと業界ランキング

順位会社名市場シェア
1位インターナショナルペーパー5.9%
2位ウェストロック4.4%
3位スマーフィットカッパ4.1%
4位玖龍紙業3.8%
5位DSスミス2.9%
6位PCA2.5%
7位レンゴー2.1%
8位理文造紙1.3%
9位モンディグループ1.0%
10位グライフ0.8%
11位王子ホールディングス0.6%
12位カスケーズ0.6%
13位日本製紙0.5%
14位トーモク0.3%
2021年段ボール会社の市場シェアと業界ランキング

ダンボール業界の世界市場シェア(2021年)
ダンボール業界の世界市場シェア(2021年)

市場規模

当データベースでは、2021年の段ボール包装業界の市場規模を2765億ドルとしています。参照した公表統計データは次の通りです。

調査会社のプレセデンスリサーチによると、2021年の段ボール包装業界の市場規模は、2765億ドルです。2030年にかけて年平均3.6%で成長し、同年には3808億ドルへと拡大することが見込まれます。

調査会社のリポートリンカーによれば、2019年の同業界の世界市場規模は2626億ドルです。2020年から2025年に年平均4.4%で成長すると見込まれます。

調査会社のベリファイドマーケットリサーチによると、2018年の同市場規模は2504億ドルです。2019年から2026年にかけて年平均成長率5.62%で成長し、2026年には3861億ドルに達すると予測されています。

調査会社のグランドビューリサーチによると、2020年のダンボール原紙業界の市場規模は908億ドルです。2021年から2028年にかけて年平均成長率6.5%で成長することが予想されています。⇒参照したデータの詳細情報

業界のM&A(合併買収)

段ボール事業は、設備投資型であるために、事業のバリューチェーン拡充や地域的な規模拡大に向けた同業間での経営統合や買収が盛んに行われています。

2005年 アイルランドのジェファーソンスマーフィットと蘭カッパパッケージングが経営統合をしてスマーフィットカッパ設立
2011年 ロックテンによるスマーフィット・ストーン・コンテナーズの買収
2011年 インターナショナルペーパーによるテンプル・アイランドの買収
2011年 レンゴーによるベトナムのアルカマックス・パッケージングの買収
2012年 スマーフィットカッパによるオレンジ・カントリー・コンテナー・グループの買収
2012年 ドイツのDSスミスがスウェーデンのスヴェンスカ・セルローサの段ボール事業を買収
2013年 PCAによるボイジー(Boise)の買収
2015年 ロックテンとメッドウェスタヴェコが経営統合しウェストロック設立
2015年 DSスミスがオーストリアのDuropack Groupを買収
2015年 レンゴーがタイのTCフレキシブル・パッケージングを買収
2015年 レンゴーがベトナムのティン・タイン・パッキングを買収
2016年 レンゴーがトライウォールホールディングスを買収
2017年 レンゴーが段ボールメーカーのTPMSポーランドを買収
2017年 レンゴーが段ボールメーカーのウェルシュ・ボクシーズ・アンド・エンジニアリングを買収
2017年 レンゴーがタルタニパックを買収
2017年 DSスミスが米国のInterstate Resourcesを買収
2017年 モンディがフィンランドの段ボール原紙メーカーであるPowerfluteを買収
2018年 スマーフィットカッパが東欧の段ボールメーカーであるAvala Ada、フランスのPapcartおよびEuropacCartonnerie de Rouenを買収
2018年 ウェストロックが米国の同業であるKapStone Paper and Packaging Corpを買収
2018年 玖龍紙業がCatalyst Paper Corporationの製紙工場を買収
2018年 スマーフィットカッパがオランダのReparencoを買収
2018年 DSスミスがスペインのパッケージング大手であるEuropacを買収
2019年 インターナショナルペーパーがスペインのRossmann、DSスミスのフランスとポルトガル事業を買収
2019年 レンゴーがドイツのトライコーパッケージング&ロジスティクスを買収
2022年 レンゴーがイギリスのコルゲーティッド・ケース・ホールディングスを買収

段ボール業界のM&Aマルチプル(企業価値売上高倍率)を算出すると以下の表のようになります。概ね売上高倍率が1~2倍のレンジでM&Aが行われています。

段ボール業界のM&Aマルチプル分析
段ボール業界のM&Aマルチプル分析

段ボールの作り方

段ボールには大きく、(1)段ボール原紙の製造(製紙)、(2)段ボール原紙を貼り合わせる貼合工程、(3)貼合工程で生まれた段ボールシートを加工する製箱工程に分かれます。

段ボール原紙の製造
段ボールを製造するためには、段ボール原紙の原料となる古紙パルプ(古紙のこと)と木材パルプが必要となります。古紙はパルパーという水槽の中で繊維状にされ、乾燥・引き延し&巻き取られ、段ボール原紙となります。

貼合工程
3枚の段ボール原紙を貼り合わせる工程です。中芯(ギザギザの紙)とライナーを貼りあわせるためにはコルゲータと呼ばれる設備が必要です。コルゲータへの大きな投資が必要となる段ボールシートの製造工程は、中国系の段ボール大手の玖龍紙業や理文造紙は行っておりません。

【コルゲータを使った貼合工程】

段ボールが出来るまで(原紙の貼合工程)
段ボールが出来るまで(原紙の貼合工程)

製箱工程
最終工程の段ボールの加工については、大きな投資が必要ないこともあり、段ボール加工作業の専業が多く参入しています。

段ボール業界の世界大手企業の動向

インターナショナルペーパー(International Paper)

1898年に設立された米国テネシー州に本拠を置く世界最大級のパルプ製紙会社です。インダストリアルパッケージング、パルプ、印刷紙が大きな事業の柱となっています。2000年に北米同業のチャンピオンインターナショナル、2011年にはインドの大手製紙会社APPM(Andhra Pradesh Paper Mills Rajahmundry、アンドラプラデッシュ・ペーパー・ミルズ)の過半数を取得する等、買収により規模を拡大しています。インダストリアルパッケージング事業で、段ボールを製造販売しています。段ボールの原紙製造に加え、段ボールの貼合加工も行っています。また、2011年に段ボール大手の米Temple-Inland(テンプルインランド)買収しました。さらに詳しく

玖龍紙業(Nine Dragons Paper)

中国に本拠を置く大手段ボールメーカー紙です。パルプからライナーボード(linerboard、段ボールシートの表面の厚紙)や中しん原紙であるコルゲータミディアム(Corrugating medium)、すき合わせ板紙(coated duplex board)などの製造をしています。香港証券取引所に上場しています。

ウェストロック(WestRock)

Westrock(ウェストロック)は、2015年にパルプ製紙大手のRock-Tenn(ロックテン)と包装材大手のMeadWestvaco(メッドウエストヴェイコ)が経営統合をして誕生しました。主力事業は、段ボール紙と商品用包装用紙の製造・加工です。飲料・食品・日用品パッケージなど消費財向け梱包材を得意とします。
なおロックテンは、2011年に段ボール大手のSmurfit-Stone Container(スマーフィット・ストーン・コンテナー)社を買収しました。直近では、SP Fiber、Cenveo Packaging、Star Pizza、MPS、U.S. Corrugated、Island Container、Hannapak、Plymouth Packaging、Schlüter Print Pharma、KapStone、Linkx、UBSを買収し、M&Aによる成長戦略を強化しています。さらに詳しく

スマーフィットカッパ(Smurfit Kappa)

アイルランドに本拠を置く大手段ボールメーカーです。2005年のジェファーソンスマーフィット(Jefferson Smurfit)社とカッパパッケージング(Kappa Packaging)社の経営統合によって誕生しました。

DSスミス(DS Smith)

イギリスに本拠をおく包装・段ボールメーカーです。段ボール紙から包装用段ボールへの加工などを行っています。

理文造紙(Lee&Man Paper)

中国の段ボールメーカー大手です。板紙、パルプ、ティッシュが事業の3分柱です。日本製紙と資本提携を結んでいましたが、2015年に提携を解消しました。

レンゴー

レンゴーは1920年に設立された聯合紙器を源流とする日本を代表する段ボール紙メーカーです。製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、包装機器などを手掛けます。東南アジアは、タイのサイアムセメントグループ傘下のSCGパッケージングとダンボール分野で合弁会社(タイ・コンテナーズ・グループ、レンゴーの持分は30%)を設立しております。2013年に段ボール機械メーカーの石川製作所に出資、2015年にポリオレフィンフィルムに強いサン・トックスに出資、2018年に凸版印刷の子会社であるトッパンコンテナーを買収、2019年に産業用重量物包装メーカーであるトライコー(ドイツ)を買収、2020年にタイ・コンテナーズ・グループを通じてベトナムのビエンホア・パッケージングを買収しするなど、国内、欧州や東南アジアでの積極的に事業を拡大しています。さらに詳しく

王子ホールディングス

日本を代表する製紙メーカーです。板紙、段ボール、おむつ、感熱紙、パルプ、新聞、印刷情報用紙で事業を展開しています。

Mondi(モンディ)

1967年に資源大手アングロアメリカンによって設立された製紙・段ボール会社です。段ボール、フレキシブルパッケージ、不織布、印刷情報用紙などを手掛けています。2007年に分社化され、ロンドン証券取引所に上場しました。

ジョージアパシフィック(Georgia Pacific)

米国に本拠を置く建材・包装材大手メーカーです。段ボール以外にも、ウッドパネル、不織布、トイレットペーパー等を製造しています。親会社はKoch Industries(コークインダストリーズ)です。

Packaging Corporation of America(パッケージングコーポレーションオブアメリカ、PCA)

Packaging Corporation of America(パッケージングコーポレーションオブアメリカ)は、米国の大手段ボール製品メーカーです。非塗工フリーシート(UFS)紙にも強みを持ちます。

Cascades(カスケーズ)

1957年に設立されたカナダに本拠を置く製紙・包装会社です。カナダと北米を中心に展開する段ボール、パッケージング、ティッシュペーパーの製造販売に強みを持ちます。

Greif(グライフ)

1877年に設立されたパッケージングメーカーです。源流は樽製造です。段ボールなどの工業用包装と容器の製造に強みを持っています。

段ボール業界の用語集

  • 木材パルプ:パルプとは、紙を作るための原料のことで、通常は木材チップを溶かしたものから繊維を取り出すことで製造します。
  • 段ボール原紙(Containerboard):リサイクルされた段ボールやパルプを用いて作られ、つくる中芯やライナーの元となります。
  • 中芯(fluted inner sheet、corrugating medium):段ボールの上下の紙(ライナー)に挟まれた波をうった形に加工された紙の部分のこと。
  • ライナー(linerboard):段ボールの上下の紙のこと。
  • コルゲータ(Corrugator):中芯とライナーを貼りあわせる機械のこと。

参照したデータの詳細情報について


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