コンデンサ・キャパシタ業界の世界市場シェアの分析
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コンデンサ・キャパシタ業界の世界市場シェアの分析

コンデンサ・キャパシタ業界の世界市場シェアや市場規模について分析をしています。村田製作所、サムスン、ヤゲオといったコンデンサ・キャパシタメーカー大手の概要も掲載しています。

【コンデンサ・キャパシタとは】

コンデンサと抵抗やコイルは電子回路の3大受動部品と呼ばれています。コンデンサの役割は大きく3つあり、(1)電荷や電気を蓄え、必要に応じて放出する、(2)電圧を安定させる、(3)交流成分のノイズを除去することにあります。

コンデンサの特徴と種類
コンデンサと抵抗やコイルは電子回路の3大受動部品と呼ばれています。コンデンサの役割は大きく3つあり、(1)電荷や電気を蓄える、蓄えた電荷を放出する、(2)電圧を一定に保つ、(3)交流電気のノイズを取り除くことにあります。

コンデンサの種類は、材料や用途によって分かれています。材料となるセラミックやアルミ箔等の加工に技術が求められるため参入障壁が大きく、現状日本、韓国、台湾のメーカーが強い分野となっています。コンデンサの種類は、村田製作所が強いセラミックコンデンサ、パナソニックが強いフィルムコンデンサ、ヤゲオが強いタンタルコンデンサ、大容量に対応できるアルミ電解コンデンサ、雲母(マイカ)を使ったマイカコンデンサなどがあります。

コンデンサのイメージ

さらに業界について詳しく知るためのお薦め書籍

セラミックコンデンサの基礎と応用
積層セラミックコンデンサ(MLCC)の材料・製造・実装技術と最新動向

【市場シェア】

コンデンサ・キャパシタ業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のコンデンサ・キャパシタ業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は村田製作所、2位はサムスン電機、3位は京セラとなります。

コンデンサ・キャパシタ業界の世界市場シェアと業界ランキング(2023年)

順位 Company name
(English)
会社名 市場シェア
1位 Murata Manufacturing Co., Ltd. 村田製作所 5.51%
2位 Samsung Electro-Mechanics サムスン電機 2.95%
3位 KYOCERA 京セラ 2.58%
4位 TDK TDK 1.79%
5位 TAIYO YUDEN CO.,LTD. 太陽誘電 1.51%
6位 YAGEO ヤゲオ 1.26%
コンデンサ・キャパシタの世界市場シェアと業界ランキング(2023年) ©2024 Deallab

コンデンサ・キャパシタ業界の市場シェア(2023年) ©2024 Deallab

上位6社すべてがアジア系企業、うち4社が日系企業となっています。日系企業が上位を占めている理由として、もとからの技術力および品質の高さに加えて、自動車メーカーやエレクトロニクス企業が多く需要が高いことがあります。

1位は不動の村田製作所です。MLCC(積層セラミックコンデンサ)では世界シェア40%を誇っています。2位のサムスン電機は近年シェアを急拡大しています。3位の京セラは村田製作所と同様、セラミックコンデンサに強みを持ちます。

【市場規模】

当データベースでは、2023年のコンデンサ・キャパシタ業界の市場規模を1039.2億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社グローバル・インフォメーションによると、2023年の同業界の市場規模は1039.2億ドルです。
2024年から2030年にかけて年平均6.53%の成長が予測され、市場規模は1618.7億ドルに達する見込みです。
参照したデータの詳細情報

市場規模 年平均成長率
2023 1039.2億ドル
2024 1102.8億ドル 1.06%
2030 1618.7億ドル 6.53%

コンデンサ・キャパシタ業界の市場規模の成長予想 ©2024 Deallab

【M&Aの動向】

各社とも市場の変化に適応するための事業再編、技術強化、シェア拡大を目的として、M&Aを行っています。

2009年 村田製作所がパナソニックのコンデンサ事業を買収
2012年 京セラがニチコンからタンタル固体電解コンデンサ事業を買収
2016年 村田製作所がフランスの3DシリコンキャパシタのIPDiAを買収
2022年 京セラがRohmのタンタルコンデンサ製造ラインを買収
2024年 太陽誘電がコンデンサ製造のエルナーを子会社化

【会社の概要】

村田製作所

村田製作所は、1944年に創業した京都に本社を置く電子部品の世界的なメーカーです。チップ積層セラミックコンデンサ、EMI除去フィルタ、表面波フィルタ、酸化銀電池、セラミック発振子、ショックセンサや高周波関連備品といった分野に強みを持ちます。2016年にリチウムイオン電池事業をソニーから買収し、ノートPC・スマートフォン向けのラミネート型リチウム電池事業を強化しています。さらに詳しく

サムスン電機(SAMSUNG ELECTRO-MECHANICS、サムスン・エレクトロ・メカニクス)

韓国に本拠を置くサムソングループの電子部品会社です。コンデンサ、インダクタ、チップ型抵抗(chip register)といった各種電子部品を製造しています。さらに詳しく

サムスングループについて

Samsung(サムスン電子)は、韓国を代表する総合電機メーカーです。スマホ、半導体、テレビ、白物家電など、最終商品まで手掛けていることが強みです。垂直統合型の半導体チップメーカーとして、DRAM、NAND型フラッシュメモリ、SSDの自社製造を手掛けています。また半導体受託生産も行っております。最終製品のスマホやテレビにも強みを持ちます。OLEDや液晶パネルの製造はサムスンディスプレイ、リチウムイオン電池はサムスンSDI、電子部品はサムスン電気、造船はサムスン重工、バイオ製薬の製造はサムスンバイオロジックスで手掛けています。2016年には車載音響機器大手のハーマンを買収しました。さらに詳しく

京セラ

京セラは、稲盛和夫氏によって1959年に設立された日本を代表するセラミックメーカーです。セラミックにおける焼結技術を活用するべく、工具の分野では、2011年にデンマークの超硬工具メーカーのユニメルコ、2016年に米超硬工具メーカーのSGSツールカンパニーを買収しています。電動工具でも2017年に住宅向けくぎ打ち機大手の米SENCOホールディングスを買収して事業を拡大しています。複写機分野も手がけ三田工業を買収しドキュメントソリューションを強化しています。太陽光のモジュールも展開しています。さらに詳しく

TDK

TDKは、1935年にソフトフェライトの工業化を目的に設立された東京電気化学工業を前身とする電子デバイス製造会社です。コンデンサなどの受動部品、磁気ヘッド、リチウムイオン電池といったエネルギー関連製品の開発や製造に強みがあります。さらに詳しく

太陽誘電

1950年に設立された独立系のコンデンサメーカーです。チタン酸バリウム磁器コンデンサが祖業です。受動部品に強く、インダクタ、無線モジュール、エルナー製品などを手掛けています。さらに詳しく

ヤゲオ(YAGEO)

1977年にPierre Chen氏によって創業された台湾に本拠を置く電子部品会社です。台湾証券取引所に上場しています。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


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