ベアリング業界

世界の主要なベアリングメーカーの一覧、各社の世界市場シェアや市場規模について分析をしています。ベアリング業界は「機械の米」と言われるほど各種機械に必要な部品です。日米欧のメーカーによる寡占的な構造となっていましたが、近年は中国系のメーカーによる追い上げも盛んです。

市場シェア

「ベアリングメーカーの世界売上高ランキングの分析(2020年版)」に記載されている各社の売上高を分子に、市場規模を分母にして、2019年のベアリング業界の世界市場シェアを簡易に算出すると、1位はSKF ABの9.7%、2位はSchaeffler(シェフラー)の7.7%、3位は日本精工の6.7%となります。

3位以下のシェアは以下の通りです。

1位 SKF AB 9.7%
2位 Schaeffler(シェフラー) 7.7%
3位 日本精工 6.7%
4位 NTN 4.7%
5位 Timken(ティムケン) 3.8%
6位 C&U(人本集団) 2.9%
7位 ジェイテクト 2.5%
8位 ミネベアミツミ 2.0%
9位 Wafangdian Bearing Group Corporation 0.4%

ベアリングメーカー世界1位はスウェーデンSKFとなっています。同社はほぼベアリング専業となっています。2位はドイツのSchaeffler(シェフラー)社となります。同社は支配株主であるシェフラ―家を通じてタイヤ大手のコンチネンタルをグループに有しています。3位は日本精工が入っております。同社はベアリング以外の電動パワーステアリング等の自動車部品の比率が高いことが特徴です。4位は日本のNTNです。5位は米国のティムケンが入っております。2009年に軸受事業の一部をジェイテクトに売却しています。6位は中国資本であるC&Uが入っています。

市場規模

調査会社のグランドビューリサーチによれば、2018年のベアリング業界の市場規模は1022億ドルです。2019~2025年で年平均9.1%の成長を見込んでおります。
一方で、調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによれば、2018年の規模は395億ドルです。また成長率も2026年にかけて3.9%です。

当サイトでは、二つの調査会社の市場規模の乖離が大きいことから、概ね平均値である700億ドルを2019年のベアリング市場規模として採用しております。

主要な再編

2006年 NTNによるSNR Rolementsのルノーからの買収

2008年 SKFによるPEER Bearingの買収

2009年 JTEKTによる米Timkenのニードル軸受事業の買収

2010年 SKFによるスウェーデンのLiocoln Industrial Corporationの買収

2011年 シェフラーによる独コンチネンタルの買収→→ケーススタディ

2012年 General Bearing Corporationを買収

2012年 日本精工によるGongzhouling Bearingへにの出資

2013年 日本精工による中国摩士集団への出資

2013年 SKFによる米ベアリングのKaydon買収

世界の主要ベアリング会社の動向

SKF AB

1907年に創業されたスウェーデンの誇るベアリング名門。SKFはSvenska Kullagerfabriken(スベンスカ・クラーゲルファブリーケン)の略です。ベアリング領域では世界最大手。商用車・自動車大手のボルボはSKFの経営陣によって設立された経緯もあります。

Schaeffler(シェフラー)

ドイツに本拠を置くベアリング大手です。フランクフルト証券取引所に上場をしていますがシェフラー家が大株主として支配しています。自動車事業と産業機械事業の二つの事業が主軸です。INA(ニードルローラーベアリング)、FAG(精密ベアリング)、Luk(クラッチやトランスミッション)の3つのブランドで世界展開をしています。ロンドンアイにも同社のベアリングが用いられていることは有名です。シェフラー家を通じて、タイヤ大手のContinental(コンチネンタル)の筆頭株主でもあります。

シェフラ―家とシェフラ―/コンチネンタルの関係

シェフラ―グループの組織図

シェフラ―グループの組織図

シェフラ―家によるコンチネンタル買収
  • 2008年に自動車用のベアリング大手の独シェフラー家が独タイヤ・自動車部品大手のコンチネンタルの株式49.9%を非友好的な形で買収を提案。
  • 買収価格は最終的に1株75ユーロ(前日比約2%プレミアム、100%ベースの株式価値で約121億ユーロ)。
  • 買収成功によってシェフラー・コンチネンタルグループは、ボッシュやデンソーに次ぐ規模の総合自動車部品メーカーとなった。シェフラーは軸受け中心の非公開会社。コンチネンタルはシーメンスから自動車電子部品事業のVDOオートモーティブを買収し、タイヤに加え総合自動車部品メーカーを志向。
  • シェフラーの直近の売上は89億ユーロに対しコンチネンタルの売上は264億ユーロと、小が大を飲む買収となった。

Wafangdian Bearing Group Corporation(瓦房店軸承集団有限責任公司)

中国の大連市系の大手ベアリング会社です。日本のTHKやジェイテクトと合弁会社を設立しています。

ジェイテクト

2006年に光洋精工と豊田工機の経営統合により誕生した会社です。自動車向けの産業機器や工作機械大手メーカーです。2009年に当時市場シェアが5位の米Timken(ティムケン)の軸受事業を買収し参入しました。

日本の大手ベアリング会社では日本精工、NTNとミネベアミツミが大手です。日本精工はボールねじ、リニアガイド、電動パワーステアリングでも世界シェアトップクラスです。NTNは自動車用等速ジョイントやアクスルユニットにも強みを持ちます。

Timken(ティムケン)

米国に本拠をおくベアリング大手です。ベアリング以外にはワートランスミッションやチェーン等も手掛けております。

C&U(人本集団)

1991年に設立された中国のベアリングメーカーです。C&U精工として日本でも事業を展開しております。

LYC Bearing(洛阳LYCベアリング)


1954年に設立されたベアリングメーカーです。

ベアリングの種類

ベアリングは、機械部品と機械部品の間に生じる摩擦抵抗を低減させる機能を持ち、消耗品でもある。ほとんど全ての機械類にベアリングが利用されていると言っても過言はなく、自動車、航空機、家電、産業機器等で幅広く利用されています。潤滑剤、耐用性、耐摩耗性といった性能が求められ、欧米日のメーカーが製品品質の観点から競争力を保っています。
軸受には様々な種類があり、用途に応じて玉軸受(新溝、アンギュラ)、ころ軸受(円筒、円すいころ軸受、針状ころ軸受)、針軸受、スラスト玉軸受等があり、自動車のトランスミッション、車輪、工作機器、建設機器、ポンプ、エンジン、鉄道車両、農機等の幅広い分野で使用されています。

ベアリング関連の業界団体


一般社団法人 日本ベアリング工業会、American Bearing Manufacturers、China Bearing Industry Association等があります。

業界関連書籍

図解入門よくわかる最新ベアリングの基本と仕組み (How‐nual Visual Guide Book) [単行本]
ベアリングのおはなし (おはなし科学・技術シリーズ) [単行本]
トコトンやさしい軸受の本 (今日からモノ知りシリーズ) [単行本]

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