パン・ベーカリー業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。グルポ・ビンボ、山崎製パン、アリスタ、フラワー・フーズ、バリラ、敷島、フジパンといった主要な製パンメーカーの概要や動向も掲載しています。
市場シェア
製パン・ベーカリー各社の2020年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2020年のパン業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はグルポ・ビンボ、2位は山崎製パン、3位はフラワー・フーズとなります。
パン・ベーカリー会社の世界シェアと業界ランキング(2020年)
- 1位 グルポ・ビンボ 3.6%
- 2位 山崎製パン 2.0%
- 3位 フラワー・フーズ 1.0%
- 4位 アリスタ 0.8%
- 5位 フジパン 0.6%
- 6位 バリラ 0.5%
- 7位 ホステス・ブランズ 0.2%

世界1位は、メキシコのグルポビンボ社です。アメリカやスペインでは圧倒的な強さを発揮します。世界2位は、日本の山崎製パンです。品質の高さでは定評があります。今後の海外展開に期待がかかります。世界3位は、フラワーズフーズです。アメリカのパン会社で、ワンダーブレッドというブランドが有名です。売上高の世界4位は、スイスのパンメーカーのアリスタです。2007年にスイスのヒーシュタントと、アイルランドのIAWSが合併して誕生しました。冷凍パンに強みを持ちます。近時アクティビストからのアプローチをうけており、今後の業界再編の目となる可能性があります。世界5位は、日本のフジパン、世界6位はパスタでも強いイタリアのバリラです。
市場規模
当メディアでは、2020年のパン業界の市場規模は4490億ドルとしております。参照した各種統計データは次の通りです。グルポ・ビンボによると、2020年と2019年の同業界の市場規模は4490億ドルと4810億ドルです。調査会社のエキスパートマーケットリサーチによると、2020年の同市場規模は5074億ドルです。2021年~2026年で年平均2.5%の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2020年 | 4490~5074億ドル | 2.5% |
2019年 | 4810億ドル | n/a |
©ディールラボ
世界の主要なパンメーカーの一覧
Grupo Bimbo(グルポ・ビンボ)
メキシコに本拠を置く世界的なパンメーカーです。メキシコに加え米国やスペイン等で強固な事業基盤を有しています。食パン、ロールパン、ベーグル、マフィン、クッキー、パストリー等小麦粉ベースの商品をBimbo、Oroweat、THOMAS’, BARCEL等のブランドで総合的に展開しています。

出所:同社AR
山崎製パン
山崎製パンは、1948年に飯島藤十郎氏によって設立された日本を代表する製パンメーカーです。ヤマザキパンや山パンの略称で親しまれています。食パン・菓子パンや和菓子類等の分野で事業を展開しています。デイリーヤマザキでコンビニ事業も行っています。子会社の不二家は洋菓子に注力しています。飯島家が大株主となっています。さらに詳しく
Aryzta(アリスタ)
スイスの本拠を置く大手製パンメーカーです。2007年にHiestand(ヒーシュタント)社とIAWSグループが経営統合をして誕生しました。ヨーロッパ、北南米やアジア等で事業を展開し、特にB2B向けの冷凍パンに強みを持ちます。2020年にはコロナ禍により業績が低迷し、アクティビストファンドであるVeraison やCobasが経営陣への提案を行っています。
Flower Foods(フラワー・フーズ)
米国に本拠を置く大手ベーカリーメーカーです。NATURE’S OWNやWonder Bread等の有力ブランドで事業を展開しています。近年はオーガニックブレッドにも注力しています。
Barilla Group(バリラ)
1877年に創業されたイタリアの本拠を置く大手食品メーカーです。製パンとパスタ関連分野が事業の二本柱です。製パン事業はイタリアを中心に展開しています。
Hostess Brands(ホステス・ブランズ)
1919年に創業された米国に本拠をおく菓子パンメーカーです。Ding Dongsや Twinkies、 CupCakes等のブランドで展開しています。
Agrofert (アグロフェルト)
チェコ共和国に本拠を置くAndrej Babiš(バビシュ)氏率いるチェコ最大手の食品グループ。非公開会社。バビシュ氏はメディア大手企業も保有し国会議員も務める等、同国における影響力は大きい。
日本の有力製パンメーカー
敷島製パン(敷島製パン)、フジパングループ本社(フジパングループ本社)等があります。
参照したデータの詳細情報について