山崎製パンの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

山崎製パンは、1948年に飯島藤十郎氏によって設立された日本を代表する製パンメーカーです。ヤマザキパンや山パンの略称で親しまれています。食パン・菓子パンや和菓子類等の分野で事業を展開しています。デイリーヤマザキでコンビニ事業も行っています。子会社の不二家は洋菓子に注力しています。飯島家が大株主となっています。
原材料とエネルギー価格の上昇や節約志向が強まり、厳しい環境が予想されますが、ヤマザキグループは感染防止に努め、技術活用で品質向上・新製品開発を進めています。特に小売事業では、日次・週次管理強化や戦略商品開発を行い、食品事業では各部門で新製品の開発や取扱い拡大を推進しています。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は前年度比0.60%増 の1,059,442百万円になりました。営業利益は19.09%減の24,343百万円になりました。営業利益率は2.30%になりました。パン・菓子業界やコンビニ業界も節約志向やコストの上昇による厳しい経営環境が続きました。当社グループは、創業70周年を迎え、原点に立ち返り、品質と新製品開発に注力しました。

2019年度
売上高は前年度比0.16%増 の1,061,152百万円になりました。営業利益は1.98%増の24,824百万円になりました。営業利益率は2.34%になりました。当期のわが国の経済は内需が底堅い一方、海外経済の影響で景気が停滞しました。消費税率引上げ後の軽減税率導入や緊急食糧供給要請により、売上の影響は短期に収束しました。

2020年度
売上高は前年度比4.37%減 の1,014,741百万円になりました。営業利益は29.75%減の17,438百万円になりました。営業利益率は1.72%になりました。新型コロナウイルスの大流行により、日本の経済は急速に悪化しました。食品業界では、量販店やドラッグストアの食品需要が増え、安定供給が求められました。

2021年度
売上高は前年度比3.77%増 の1,052,972百万円になりました。営業利益は5.28%増の18,359百万円になりました。営業利益率は1.74%になりました。業界は巣ごもり需要と原材料価格の高騰による厳しい環境が続きました。当社グループは感染拡大防止策を強化し、製品供給体制を維持しました。業績向上策や新製品開発、小売事業の業績改善に努めました。

2022年度
売上高は前年度比2.28%増 の1,077,009百万円になりました。営業利益は20.01%増の22,032百万円になりました。営業利益率は2.05%になりました。円安や国際情勢の影響で原材料やエネルギーの価格が上昇し、消費の伸び悩みとコスト増で業界は厳しい状況になりました。㈱神戸屋からの事業譲受による新会社の設立や公正取引委員会の承認を得るなどして、業績は増収増益となりました。

山崎製パンの業績推移
山崎製パンの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第2四半期(4-6月)
売上高は前年同期比3.51%増の268,525百万円になりました。営業利益は17.14%増の7,436百万円になりました。営業利益率は2.77%になりました。

2022年第3四半期(7-9月)
売上高は前年同期比5.62%増の263,876百万円になりました。営業利益は11.53%増の1,644百万円になりました。営業利益率は0.62%になりました。

2022年第4四半期(10-12月)
売上高は前年同期比2.07%減の284,881百万円になりました。営業利益は28.85%減の6,007百万円になりました。営業利益率は2.11%になりました。

2023年第1四半期(1-3月)
売上高は前年同期比6.59%増の276,839百万円になりました。営業利益は34.41%増の9,335百万円になりました。営業利益率は3.37%になりました。

2023年第2四半期(4-6月)
売上高は前年同期比3.93%増の287,105百万円になりました。営業利益は51.63%増の11,275百万円になりました。営業利益率は3.93%になりました。

山崎製パンの四半期業績推移

山崎製パンの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移


希薄化後EPSは前年度比21.60%増の59.10円になりました。1株当たりの配当は前年度比同額の22円になりました。配当性向は37.23%になりました。

山崎製パンの希薄化後EPSの推移

山崎製パンのEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想


2023年8月
通期の業績を上方修正しました。今期の売上高は1,133,000百万円、営業利益は34,000百万円、営業利益率は3.65%、1株配当は25円を見込みます。

売上構成

セグメントは、食品事業(93.1%)、流通事業(5.7%)、その他事業(1.2%)に分類されます。9割以上を占める食品事業の部門別を含むセグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

山崎製パンの売上構成(セグメント別)
山崎製パンの売上構成

食パン事業
主力「ロイヤルブレッド」が更に売上を伸ばす。また節約志向が進む中、「スイートブレッド」や「モーニングスター」を中心とした「低価格帯食パン」の売上が伸長したことに加え、人流回復に伴い「サンドイッチ用食パン」の売上も回復傾向となる。

菓子パン事業
食品事業の1つに分類されるセグメントで、「まるごとソーセージ」など、主力品が売上伸ばす。また、「ヤマザキ菓子パン」シリーズなど、節約志向に合致した製品群も順調に推移し、菓子パン全体の売上拡大。人流回復でコンビニエンスストアなどの小売事業の売上も順調。

和菓子事業
食品事業の1つに分類されるセグメントで、3月に一部和菓子製品の価格改定を実施。主力の団子、大福類の売上伸長に加え、値頃感ある複数個入り製品を投入するなど、2極化・3極化
戦略を徹底し売上順調。更に女性製品開発担当者の取り組みを強化しており、新製品の「やわらか生大福」など、和洋折衷スイーツも寄与。

洋菓子事業
食品事業の1つに分類されるセグメントで、ヤマザキパン単体の洋菓子部門の売上が回復。卵の価格高騰、供給不足が影響するも,配合の見直しを図るなど、安定出荷に努めたことや、値頃感のある製品開発に注力するなど、2極化、3極化戦略を徹底し、主力の「2個入り生ケーキ」や「大きなツインシュー」を中心に売上伸長。

M&A情報


2001年 ヴィ・ド・フランスを買収
2006年 東ハトを買収
2008年 不二家の連結子会社化
2016年 モンデリーズと業務提携を解消
2022年 ㈱神戸屋から包装パンの製造販売および同子会社の営むデリカ食品の製造販売事業を譲り受けることを決議

株主構成

飯島家が筆頭株主になっています。

山崎製パンの株主構成(直前期末時点)
山崎製パンの株主構成(直前期末時点) 出所:Market Screener

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