車いす業界の世界市場シェアや市場規模について分析をしています。インバケア、サンライズ、ペルモビール、オットーボックといった世界大手車いすメーカーの概要や動向も掲載しています。
【車いすとは】
車いすは福祉用具に分類される製品の一つで、電動のものと手動のものが存在します。近年、世界的な高齢者人口の急増に伴い、日本や世界における市場規模は成長を続けており、自動運転技術の発展やICT技術の拡張に伴って、車いすの高機能化が進展していくと見込まれます。車いす市場をより細かく見ると、製品の種類に応じて、センターホイールドライブ、前輪ドライブ、後輪ドライブ、スタンディング電動車椅子などに細分化されます。また、製品の機能に応じた車いすの分類も存在します。手動で車輪を動かす自操式車椅子、補助者に押してもらう手押し型車椅子、背もたれの確度が変更できるリクライニング車いす、競技用の車いす、自動で走行する電動車いすです。
【車いす業界の世界市場シェア】
車いすメーカー各社の2022年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)
を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2022年の車いす業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はオット―ボック、2位はサンライズメディカルとなります。
車いすメーカーの世界市場シェア(2022年)
順位 | 車いすメーカー | 2022年市場シェア |
---|---|---|
1位 | Ottobock(オットーボック) | 28.71% |
2位 | Sunrise Medical(サンライズメディカル) | 10.93% |
3位 | Permobil(ペルモビール) | 10.57% |
4位 | Invacare(インバケア) | 7.03% |
参考 | Nissin Medical Industries Co., Ltd.(日進医療器株式会社) | 0.95% |
北米と欧州が車いすを含めた福祉機器の市場では大きいため、北米のインバケア、欧州オット―ボック、サンライズメディカル、ペルモービルが世界でも上位に位置します。日本は非公開の車いすメーカーが多数ある分散的な市場となっていますが、今後の人口構成を考えると再編の動きがあるかもしれません。
【車いす業界の世界市場規模】
当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、車いす業界の2022年の世界市場規模を48億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。
調査会社のリポーツアンドデータによると、2022年の同業界の市場規模は48億ドルです。2025年にかけて年平均7%での成長を見込みます。2032年には車いすの市場規模は80億円程度になるとの試算です。調査会社のグランドビューリサーチによると、2022年の同市場規模は48億ドルです。WHOによれば、世界の人口の約15%程度が移動補助を必要としています。北米が最大の市場で、近年電動車椅子の割合が高まってきています。
年 | 車いすの推定市場規模 | 成長率見込み |
---|---|---|
2032年 | 88億ドル | 7% |
2022年 | 48億ドル | 7% |
車いすの種類
車いすは大きく5つに分類されます。手動で車輪を動かす自操式車椅子、補助者に押してもらう手押し型車椅子、背もたれの確度が変更できるリクライニング車いす、競技用の車いす、自動で走行する電動車いすです。
さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト
【M&Aの動向】
2023年 ottobockが、イギリスでリハビリテーションサービスを提供するPace Rehabilitationを買収
2022年 Sunrise Medicalが、イギリスに本社を置く Helping Hand Company(ヘルピング ハンド カンパニー)と ハンガリーに本社を置く Now Tech(ナウ テック)を買収
【会社の概要】
Invacare(インバケア)
1885年に設立された北米に本拠を置く伝統ある福祉機器メーカーです。主要な製品は介護用ベッド、患者用リフト、歩行器や手動・電動車いすとなっています。「AVIVA-RX」、「TDX-SP2」、「BRIDGE」、「BRIDGE MD」などのラインナップが存在し、ユーザーのニーズに応える幅広い製品を提供しています。
Sunrise Medical(サンライズメディカル)
Sunrise Medical(サンライズメディカル)は、ドイツに本拠を置く車いす製造の世界大手です。ドイツや北米を中心に世界展開しています。手動車いすに強みを持ちます。ノルディックキャピタルが買収しました。
Permobil(ペルモビール)
1963年に設立されたスウェーデンに本拠を置く車いす大手です。電動車いすの分野では世界最大級です。スウェーデン有数の富裕ファミリーであるWallenberg家のファンドのInvestor ABの傘下にあります。2018年に電動車いすの状況(充電や移動距離、場所)が管理できるMyPermobilを開始し、車いすのコネクテッドサービスを開始しました。2019年に手動イスへのパワーアシスト機能を加えたSmartDrive PushTrackerE2を発売しました。
Ottobock(オットーボック)
1919年に設立されたドイツに本拠を置く福祉機器メーカーです。義肢、車いす、座位保持装置、歩行器等を取り扱っています。
NISSIN MEDICAL INDUSTRIES CO., LTD.(日進医療器株式会社)
日本の車いす最大手メーカーです。競技用車いすなど、オーダーメイド型の車いすに強みも持ちます。
日本の車いすメーカー大手
松永製作所、カワムラサイクル、ミキ、ニック、WHILL (ウィル)といった、日本の車いすメーカーも手動及び電動車いすメーカーも機能性・デザイン性に優れた車いすを開発しています。
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