配線器具業界の世界市場シェアの分析

配線器具業界の世界市場シェアや市場規模の情報について分析をしています。ハッベル、イートン、シュナイダー、ルグラン、パナソニックやABB等世界大手配線器具メーカーの動向も掲載しています。

【配線器具業界とは】

配線器具業界は、電気を安全に、そして効率的に送るための様々な器具やシステムを製造、販売する業界です。主な製品には、スイッチ、プラグ、ソケット、配線器具、ケーブル、コネクタなどがあります。これらの製品は、電気を必要な場所に適切に配分し、電気機器の安全な運用を支えています。

この業界は、技術革新や環境規制の変化に対応するために、常に進化し続けています。例えば、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーへの対応、スマートホームやIoT(モノのインターネット)の普及に伴う新たなニーズへの対応などが求められています。

また、この業界は、建設業界や製造業、IT業界などと密接に関連しており、これらの業界の動向も大きく影響を受けます。たとえば、新築住宅や商業施設の建設が増えると、配線器具の需要も増える傾向にあります。

【配線器具業界の世界市場シェア】

配線器具メーカー各社の2022年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2022年の配線器具業界の世界シェアを簡易に試算しますと、2021年と同様、世界1位はフランスのルグラン、2位と3位は逆転する形となり2位は日本のパナソニック、3位はドイツのハガーとなりました。

配線器具業界の世界市場シェア(2022年)

順位会社名市場シェア
1位Legrand(ルグラン)16.61%
2位Panasonic Holdings Corporation(パナソニック ホールディングス株式会社)5.27%
3位Hager Group(ハガー グループ)5.18%
4位Hubbell(ハッベル)3.90%
5位Havells India Ltd.(ハッベル)1.44%
6位Marinco Power Products( マリンコ・パワープロダクツ)0.03%

配線器具業界の世界市場シェア(2022年)©2024 Deallab

配線器具業界の世界市場シェア(2022年)©2024 Deallab

上位5位の企業は昨年と変わりなく、6位にマリンコ・パワープロダクツがランクインしています。

他に、イートン、ABB、シュナイダー、シーメンスなどが産業向けの高電圧配線器具を手掛けており大手メーカーです。

【配線器具業界の世界市場規模】

配線器具は電化製品や低圧コンセントの接続に使用される電気機器のことです。配線器具には、非通電器具と通電器具があります。また、低電圧雷制御システム、スイッチ、電気システムの接続にも使用されます。

当データベースでは、2022年の配線器具の市場規模を532.3億ドルとしています。参照した公表データは次の通りです。

調査会社のパーシステンスリサーチによると、2022年の同業界の市場規模は532.3億ドルです。2033年にかけて年平均6.1%で成長し、同年には1008億ドルへと拡大することを見込んでいます。

配線器具業界の世界市場規模の予想成長率 ©2024 Deallab

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト

【M&Aの動向】

2013年 パナソニックがトルコの配線器具メーカーヴィコ社を買収

【会社の概要】

Legrand(ルグラン)

フランスを代表する電機機器メーカーです。投資ファンドであるKKR/ウェンデル買収後、現在は上場しています。特に低電圧機器に強みを持ちます。フランスに加えイタリアに強みを持ちます。配線機器であるスイッチやソケット以外にも、データセンター向け機器も取り扱っています。

Panasonic Holdings Corporation(パナソニック ホールディングス株式会社)

配線器具は同社の祖業です。アタッチメントプラグから同社の歴史が始まりました。インドのアンカーエレクトロニクス、トルコのヴィコエレクトリックを買収してグローバル展開をしております。

パナソニックについて

パナソニックは、1917年に松下幸之助氏によって設立された日本を代表する電機メーカーです。松下電工や三洋電機と統合し、総合電機メーカーとして世界的なプレゼンスを有します。アプライアンス(家電、空調、AV機器、累計2000億個を売り上げた約90年の歴史を持つ電池等)、オートモーティブ(蓄電池、音響機器等)、インダストリアル(電池やモーター等)、ライフソリューション(照明や水まわり等)、コネクティッドソリューションズ(フライトエンターテイメント、航空機向け電子機器、監視カメラ等)といった事業部制に特徴がありましたが、2022年にパナソニックホールディングスを設立し、事業部はホールディング傘下の独立した子会社となりました。さらに詳しく

Hager Group(ハガー グループ)

1955年に設立されたドイツに本拠を置く電気設備メーカーです。住宅及び商業施設向けの機器を手掛けています。

Hubbell(ハッベル)

1888年に創業された米国を代表する電気配線器具メーカーです。家庭や商業施設向けのコンセントやプラグ等の分野で強みを持ちます。また送電線向けの碍子、ヒューズ等の高圧機器にも強みを持っています。

 Havells India Ltd. (ハベールズ・インディア)

1958年に設立されたインドに本拠を置く配線器具及び家電メーカーです。低電圧向け各種スイッチ、ケーブル、照明器具、家電などを手掛けています。

Marinco Power Products( マリンコ・パワープロダクツ)

アメリカを拠点に置くマリンコが産業用コネクター製品を補完するためにアドバンスト・デバイセズ社を買収し、結合してできた会社です。産業用およびエンターテイメント用電源接続市場ニーズに合った商品を手掛けています。

Eaton Corporation(イートン・コーポレーション)

Eaton(イートン)は、米国に本拠を置く油圧機器、自動車部品、無停電電源、避雷針、エンジン制御機器、火災報知器等を手がけるメーカーです。自動車部品分野ではトランスミッション等を手掛けています。低電圧機器事業にも強みを持ちます。

Schneider Electric SE(シュナイダー エレクトリック)

Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は、1836年に設立されたフランスのパリに本拠を置く重電大手です。事業構成はエネルギーマネジメント事業と産業用オートメーション事業です。エネルギーマネジメント事業では、低~高電圧までの送配電や発電など電力管理システムを手掛けています。日本でも富士電機や東芝と制御や電圧機器を取り扱う合弁企業を設立した経緯があります。さらに詳しく

ABB(エービービー)

ABB(エービービー)は、スイスに本拠を置く重電・重工業大手です。ABBはAsea Brown Boveri(アセア・ブラウン・ボベリ)の略です。1988年にスウェーデンのアセアとスイスのブラウン・ボベリが経営統合して誕生しました。アセアとブラウン・ボベリは1890年代に創業された両国を代表する老舗重電メーカーです。発電・送変電機器と自動化機器やソフトウェア事業に強みを持ちます。原子力発電と火力発電における発電機器事業は、それぞれWestinghouse(ウェスティングハウス)とAlstom(アルストム)に売却し撤退しました。2018年にGEよりエレクトリフィケーション事業を行うGEインダストリアルソリューションを買収しました。2020年には電力システムやパワーグリッド事業を日立に売却し、事業ポートフォリオの入れ替えを行っています。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した売上高ランキングの情報

配線器具メーカーの売上高ランキング(2022年版)

参照した市場規模の情報 ※以下のsourceは御覧いただきますタイミングにより上記市場規模と数値が異なる場合がございます。

persistencemarketresearch

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