配線器具業界の世界市場シェアの分析

配線器具業界の世界市場シェアや市場規模の情報について分析をしています。ハッベル、イートン、シュナイダー、ルグラン、パナソニックやABB等世界大手配線器具メーカーの動向も掲載しています。

【配線器具業界とは】

配線器具業界は、電気を安全に、そして効率的に送るための様々な器具やシステムを製造、販売する業界です。主な製品には、スイッチ、プラグ、ソケット、配線器具、ケーブル、コネクタなどがあります。これらの製品は、電気を必要な場所に適切に配分し、電気機器の安全な運用を支えています。

この業界は、技術革新や環境規制の変化に対応するために、常に進化し続けています。例えば、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーへの対応、スマートホームやIoT(モノのインターネット)の普及に伴う新たなニーズへの対応などが求められています。

また、この業界は、建設業界や製造業、IT業界などと密接に関連しており、これらの業界の動向も大きく影響を受けます。たとえば、新築住宅や商業施設の建設が増えると、配線器具の需要も増える傾向にあります。

【配線器具業界の世界市場シェア】

配線器具業界の2024年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2024年の配線器具業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はイートン、2位はエービービー、3位はルグランとなります。

配線器具業界の市場シェア(2024年) ©2025 Deallab

順位 Company name
(English)
企業名(日本語) 市場シェア
1位 Eaton イートン 30.07%
2位 ABB エービービー 26.27%
3位 Legrand ルグラン 15.59%
4位 Hager ハガー 5.41%
5位 Panasonic パナソニック 5.29%
6位 Hubbell ハッベル 3.45%
7位 Havells ハベールズ 1.63%
配線器具の世界市場シェアと業界ランキング(2024年) ©2025 Deallab

1位は米国に本拠を置くメーカー、イートンです。  2位にスイスに本拠を置く重電・重工業大手エービービーとなっております。 3位はフランスを代表する電機機器メーカー、ルグラン。 4位がドイツに本拠を置く電気設備メーカー、ハガーになります。5位にパナソニックとなっております。

【配線器具業界の世界市場規模】

当データベースでは、2024年の配線器具業界の市場規模を588億ドルとしております。

参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社パーシスタンスマーケットリサーチによると、2024年の同業界の市場規模は588億ドルです。2031年にかけて年平均5.8%で成長し、規模は872億ドルへと拡大することを見込んでいます。

市場規模 年平均成長率
2024 588億ドル
2031 872億ドル 5.8%
配線器具の世界市場シェアと業界ランキング(2024年) ©2025 Deallab

配線器具業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

【M&Aの動向】

2013年 パナソニックがトルコの配線器具メーカーヴィコ社を買収

2025年 イートンはボイド・サーマルの買収契約を締結し、データセンター顧客向けのソリューションに重要な液体冷却技術を含めるよう拡大

2025年 ABB、鉱業、オフハイウェイ、海洋市場における電化拡大のためBrightLoopの買収を完了

2025年 ルグラン、米国におけるアヴトロン・パワー・ソリューションズの買収を発表

【会社の概要】

Legrand(ルグラン)

フランスを代表する電機機器メーカーです。投資ファンドであるKKR/ウェンデル買収後、現在は上場しています。特に低電圧機器に強みを持ちます。フランスに加えイタリアに強みを持ちます。配線機器であるスイッチやソケット以外にも、データセンター向け機器も取り扱っています。

Panasonic Holdings Corporation(パナソニック ホールディングス株式会社)

配線器具は同社の祖業です。アタッチメントプラグから同社の歴史が始まりました。インドのアンカーエレクトロニクス、トルコのヴィコエレクトリックを買収してグローバル展開をしております。

パナソニックについて

パナソニックは、1917年に松下幸之助氏によって設立された日本を代表する電機メーカーです。松下電工や三洋電機と統合し、総合電機メーカーとして世界的なプレゼンスを有します。アプライアンス(家電、空調、AV機器、累計2000億個を売り上げた約90年の歴史を持つ電池等)、オートモーティブ(蓄電池、音響機器等)、インダストリアル(電池やモーター等)、ライフソリューション(照明や水まわり等)、コネクティッドソリューションズ(フライトエンターテイメント、航空機向け電子機器、監視カメラ等)といった事業部制に特徴がありましたが、2022年にパナソニックホールディングスを設立し、事業部はホールディング傘下の独立した子会社となりました。さらに詳しく

Hager Group(ハガー グループ)

1955年に設立されたドイツに本拠を置く電気設備メーカーです。住宅及び商業施設向けの機器を手掛けています。

Hubbell(ハッベル)

1888年に創業された米国を代表する電気配線器具メーカーです。家庭や商業施設向けのコンセントやプラグ等の分野で強みを持ちます。また送電線向けの碍子、ヒューズ等の高圧機器にも強みを持っています。

 Havells India Ltd. (ハベールズ・インディア)

1958年に設立されたインドに本拠を置く配線器具及び家電メーカーです。低電圧向け各種スイッチ、ケーブル、照明器具、家電などを手掛けています。

Marinco Power Products( マリンコ・パワープロダクツ)

アメリカを拠点に置くマリンコが産業用コネクター製品を補完するためにアドバンスト・デバイセズ社を買収し、結合してできた会社です。産業用およびエンターテイメント用電源接続市場ニーズに合った商品を手掛けています。

Eaton Corporation(イートン・コーポレーション)

Eaton(イートン)は、米国に本拠を置く油圧機器、自動車部品、無停電電源、避雷針、エンジン制御機器、火災報知器等を手がけるメーカーです。自動車部品分野ではトランスミッション等を手掛けています。低電圧機器事業にも強みを持ちます。

Schneider Electric SE(シュナイダー エレクトリック)

Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)は、1836年に設立されたフランスのパリに本拠を置く重電大手です。事業構成はエネルギーマネジメント事業と産業用オートメーション事業です。エネルギーマネジメント事業では、低~高電圧までの送配電や発電など電力管理システムを手掛けています。日本でも富士電機や東芝と制御や電圧機器を取り扱う合弁企業を設立した経緯があります。さらに詳しく

ABB(エービービー)

ABB(エービービー)は、スイスに本拠を置く重電・重工業大手です。ABBはAsea Brown Boveri(アセア・ブラウン・ボベリ)の略です。1988年にスウェーデンのアセアとスイスのブラウン・ボベリが経営統合して誕生しました。アセアとブラウン・ボベリは1890年代に創業された両国を代表する老舗重電メーカーです。発電・送変電機器と自動化機器やソフトウェア事業に強みを持ちます。原子力発電と火力発電における発電機器事業は、それぞれWestinghouse(ウェスティングハウス)とAlstom(アルストム)に売却し撤退しました。2018年にGEよりエレクトリフィケーション事業を行うGEインダストリアルソリューションを買収しました。2020年には電力システムやパワーグリッド事業を日立に売却し、事業ポートフォリオの入れ替えを行っています。

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