ステンレス業界の世界市場シェアの分析

ステンレス業界の世界市場シェアや市場シェアの動向について分析をしています。青山控股集団、太原鋼鉄、ポスコ、アセリノックス、オウトクンプ、アペラム等のステンレス大手企業の動向も掲載しています。

ステンレス業界の世界市場シェア(2019年)

オウトクンプ社の2019年度決算資料(⇒参照したデータの詳細情報)に記載のステンレス鋼各社の生産量を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年のステンレス業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は青山控股集団、2位は太原鋼鉄、3位はポスコとなります。

1位 青山控股集団 18.8%
2位 太原鋼鉄 8.6%
3位 ポスコ 6.3%

4位 アセリノックス 6.3%
5位 オウトクンプ 6.1%
6位 アペラム 5.7%
7位 誠徳集団 5.7%
8位 YUSCO 5.4%
9位 ジンダルスチール 5.0%
(参考) 日本冶金工業株式会社 0.6%

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、ステンレス業界の2019年の世界市場規模をステンレス鋼生産量ベースで52.2百万トンとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。業界団体であるインターナショナルステンレススチールフォーラムによると、2019年の同生産量は52.2百万トンです。1950年から2019年の年平均成長率は5.8%です。2019年は中国が生産量の56.3%を占め世界最大の生産国となっています。⇒参照したデータの詳細情報

ステンレスとは?

耐食性の強い鉄鋼製品を指す総称です。正式にはステンレス鋼(stainless steel)です。錆びにくい性質を活かして、通常の鉄ではカバーできない製品等に使われています。ダム、トンネル、水門、洗濯機ドラム、炊飯器、食洗器、冷蔵庫、キッチンのシンク、プラント、貯蔵タンクといった幅広い用途で使われています。鉄にクロムを加えることで錆びにくくし、ニッケル、モリブデン、ニオブ等を加えることで、用途にあわせた特性をもったステンレスができます。

業界大手の動向

Tsingshan Holding Group(青山控股集団)

2003年に設立された中国のステンレス鋼大手メーカーです。前身は1998年設立の浙江青山特殊鋼です。インドネシアでニッケル採掘からステンレス鋼製造までの一貫製鋼所を保有しています。

Taiyuan Iron and Steel(太原鋼鉄)

1934年に前身の会社が設立された中国の大手ステンレス鋼メーカーです。ニオブやニッケル等の上流権益にも投資を行っています。

ポスコ

POSCO(ポスコ)は、韓国の大手高炉メーカーです。日本製鉄の前身の製鉄会社より技術供与を受けるなど結びつきが強いです。グローバルでも粗鋼生産量は上位に位置しています。ステンレス鋼では中国の江蘇沙鋼と提携し中国内での生産を強化しています。方向性電磁鋼板に関する日本製鉄との訴訟ではポスコ側が賠償金を支払うことで2015年に和解しています。

Acerinox(アセリノックス)

1970年に設立されたスペインに本拠をおくステンレス鋼メーカーです。スラブ、ビレット、ブラックコイル、鋼板等の製品を手掛けています。日新製鋼が資本参加していましたが、2018年に解消しています。

Outokumpu(オウトクンプ)

フィンランドに本拠をおくステンレス鋼メーカーです。クロム鉱石の採掘も行っております。ニッケル系、フェライト系薄板、厚板、二相ステンレス、チタン・ニッケル合金等に強みを持ちます。2013年にティッセンクルップのステンレス部門であるイノクサムを買収しています。

Aperam(アペラム)

ルクセンブルクに本拠をおくステンレス鋼メーカーです。アルセロールミタルとの関係が深く、現在もミタル家が株式の40%を保有しています。

その他の大手ステンレス鋼メーカーとしては、中国のGuangxi Chengde Group(誠徳集団)、台湾のYUSCO(燁聯鋼鐵、Yieh United Steel Corp)、インドのJindal Steel(ジンダルスチール)が挙げられます。

日本冶金工業株式会社

日本を代表するステンレス鋼メーカーです。1925年に消火器メーカーとして設立され、戦前は森コンツェルンの中核企業でした。戦時中は火薬品を手掛け、ドイツのクルップ社と比較され、東洋のクルップ社とも言われたといいます。戦後は、ステンレス鋼メーカーとして、特にニッケル超合金等の高機能材の開発に強みがあります。