ソーダ灰(炭酸ナトリウム)業界の世界市場シェアの分析
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ソーダ灰(炭酸ナトリウム)業界の世界市場シェアの分析

ソーダ灰(炭酸ナトリウム)メーカーの世界市場シェアと市場規模について分析を行っています。ソーダ灰メーカー大手であるジェネシスエナジー、ソルベイ、GHCL、タタ・ケミカルズ、シセジャム、チェハ、サイナーリソーシーズ、山東海化といった会社の概要や動向も掲載しています。

【市場シェア】

ソーダ灰(炭酸ナトリウム)メーカーの2020年度の売上高を分子に、後述する市場規模を分母にして、2020年のソーダ灰(炭酸ナトリウム)業界の世界市場シェアを簡易に計算すると、1位はソルベイ、2位はジェネシスエナジー、3位はシセジャムとなります。

ソーダ灰(炭酸ナトリウム)の世界シェアと業界ランキング(2020年)

  • 1位 ソルベイ 9.78%
  • 2位 ジェネシスエナジー 4.49%
  • 3位 シセジャム 3.57%
  • 4位 山東海化 3.12%
  • 5位 チェハ 2.92%
  • 6位 サイナーリソーシーズ 2.25%
  • 7位 GHCL 1.31%
  • 8位 タタ・ケミカルズ 1.05%
ソーダ灰(炭酸ナトリウム)の世界市場シェア(2020年)
ソーダ灰(炭酸ナトリウム)の世界市場シェア(2020年)

1位のソルベイはベルギーの化学メーカーです。1861年に同社創業者でもあるベルギー人のソルベー氏が、画期的なソーダ灰製造方法であるアンモニアソーダ法を生み出しました。2位のジェネシスエナジーは、米国の化学メーカーFMCのソーダ灰事業を源流としています。3位のシセジャムはトルコのガラスメーカー大手です。ガラス原料であるソーダ灰の製造も行っています。

【市場規模】

当データベースでは、2020年のソーダ灰(炭酸ナトリウム)の市場規模を178億ドルとしています。参照にした統計データは次の通りです。調査会社のアイマークグループによると2020年の同業界の市場規模は178億ドルです。2026年にかけて年平均4%での成長を見込みます。ソーダ灰大手のシセジャムによると2019年の同市場規模(生産キャパシティベース)は62百万トンです。⇒参照したデータの詳細情報

ソーダ灰の作り方

ソーダ灰は、塩を化学反応させることで生まれる化学製品で、炭酸ナトリウムまたは炭酸ソーダともいわれます。アルカリ性の物質です。ケイ砂、石灰石とともにガラスの主原料となります。ソーダ灰は無機薬品や石鹸などの原料にもなっています。

工業塩とソーダ業界
工業塩とソーダ業界
©ディールラボ

アンモニアソーダ法では、塩、アンモニア、二酸化炭素、水を化学反応させ、重曹と塩化アンモニウムを取り出します。その後重曹を加熱し、ソーダ灰を取り出します。

NaCl+NH3+CO2+H2O →NaHCO3(炭酸水素ナトリウム、重曹)+NH4Cl(塩化アンモニウム)
2NaHCO3→Na2CO3(ソーダ灰、炭酸ナトリウム)+H2O

【M&Aの動向】

2015年 TronoxがFMCのソーダ灰事業を買収
2015年 OCIがOCIリソーシーズをCiner Enterprisesに売却
2017年 Tronoxがソーダ灰事業をGenesis Energyに売却

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍

ガラスの科学
はじめてガラスを作る人のために

【会社の概要】

Solvay(ソルベイ)

Solvay(ソルベイ)は、1863年にエルネスト・ソルベイ氏によって設立されたベルギーに本拠を置く化学メーカーです。ソルベイ法を用いた炭酸ナトリウムやソーダ灰の製造で有名です。2011年にフランスの特殊化学メーカーであるローディアを買収し事業領域を拡大、現在は特殊ポリマー、炭素繊維、過酸化物、シリカ、特殊化学、アロマパフォーマンスといった分野を手掛けています。さらに詳しく

Genesis Energy(ジェネシスエナジー)

米国に本拠を置くマスター・リミテッド・パートナーシップです。主に石油や天然ガスの海底パイプライン輸送、ソーダ灰などのナトリウム鉱物の採掘及び加工、石油やガスの陸上輸送、海上輸送を手掛けています。ソーダ灰事業はTronoxから2017年に買収しました。

GHCL(インド)

GHCLは1983年に設立されたインドに本拠を化学メーカーです。化学製品、繊維製品、消費財の分野で事業を展開しています。化学製品の中でもソーダ灰の生産ではインド大手です。

Ciech Chemical(チェハケミカル)

チェアケミカルは、ポーランドに本拠を置く化学メーカーです。炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリウレタンフォームなどの製造販売を行っています。

Ciner Resources(サイナーリソーシーズ)

Ciner Resources(サイナーリソーシーズ)は、ワイオミング州のグリーンリバー・ベイスンにある天然ソーダ灰の生産運営会社です。1978年に設立され、鉱業、海運、メディアなどを営むトルコのコングロマリットであるCiner(サイナー)グループの傘下です。

Shandong Haihua(山東海化)

中国に本拠を置く無機化学メーカーです。純ソーダ灰、ポリ塩化ビニル(PVC)、苛性ソーダ、硝酸ナトリウムなどに強みを持ちます。

トクヤマ

日本を代表する無機化学・セメントメーカーです。ソーダ灰は創業事業として1918年より製造を行っています。

タタ

タタは、1868年にペルシャ系ゾロアスター(拝火、インドではパルシーとも言われる)教徒であるジャムシェトジー・タタ氏がムンバイで設立した木綿貿易会社が発祥です。インド西部のムンバイに本拠を置きます。インド三大財閥の一角です。規模ではインド最大級で、塩からソフトまでと言われ、鉄鋼、自動車、ホテル、紅茶、ITサービス、時計、宝飾品、電力、通信、化学、食品、小売などに至る多岐分野で事業を展開する財閥です。海外100ヶ国で事業を展開し、約70万人の従業員と1000億ドル超の売上を計上しています。日本に企業では、三菱商事、新日鐵住金、日立製作所、スズキ、NTTグループ等と提携をしています。リライアンス、アーディティヤ・ビルラー・グループを擁するビルラグループを含めインド3大財閥と評されます。初代ジャムセトジー・タタ、二代目ドラブジ・タタ、三代目ノウロジ・サクラトヴァラ、四代目JRD・タタに続き、現在は五代目となるラタン・タタ氏がグループの総帥です。さらに詳しく

Şişecam(シセジャム)

Sisecam Group (シセジャムグループ、Şişecam)は、トルコに本拠を置くガラス製造会社です。板ガラス、ガラス食器、ガラス容器等を製造しています。同社は1934年の創業。従業員数は約 2 万 1000 人以上。150カ国でガラス製品の販売を行っています。同社ホームページによれば板ガラス生産は世界 5 位です。グループ会社のSoda Sanayiiがソーダ灰の生産を手掛けています。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した市場規模の情報

Soda Sanayii
IMARC

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