ソーダ灰(炭酸ナトリウム)メーカーの世界市場シェアと市場規模について分析を行っています。ソーダ灰メーカー大手であるジェネシスエナジー、ソルベイ、タタ・ケミカルズ、シセジャム、山東海化といった会社の概要や動向も掲載しています。
【ソーダ灰(炭酸ナトリウム)業界の世界市場シェア+ランキング】
ソーダ灰(炭酸ナトリウム)メーカーの2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のソーダ灰(炭酸ナトリウム)業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はソルベイ、2位はGHCL、3位はジェネシスエナジーとなります。
順位 | Company name(English) | 企業名(日本語) | 市場シェア |
1 | Solvay | ソルベイ | 11.20% |
2 | GHCL Limited | GHCL | 1.71% |
3 | Genesis Energy | ジェネシスエナジー | 1.42% |
4 | Tata Chemicals | タタ・ケミカルズ | 1.01% |
1位はソルベイです。約11%のシェアを占めています。ヨーロッパ(特にトルコやブルガリア)、北米(アメリカ)、アジア(中国)などに生産拠点を持ち、天然トロナ鉱石の採掘やソルベイ法による合成ソーダ灰の製造を行っています。
3位はジェネシスエナジーです。アメリカ内でのソーダ灰の主要な生産者の一つで、特に西部アメリカの製造施設からソーダ灰を供給しています。アメリカ国内でソーダ灰の製造施設を所有しており、国内市場での需要に応え、エネルギー産業との統合によって生産効率を向上させています。
3位はシセジャムで、ヨーロッパや中東、アフリカ市場において重要なソーダ灰の供給者です。ソーダ灰の製造においては高い品質基準を維持しており、最新の技術を利用した効率的な製造プロセスを採用しています。また、持続可能な製造方法にも取り組んでおり、環境への配慮を行っています。
4位は山東海化です。中国国内のソーダ灰市場で重要な地位を占めており、国際市場でも競争力を持つ企業です。中国の塩湖資源を利用して大規模な生産を行っており、国内市場でのシェアは相当な規模に達しています。
【ソーダ灰(炭酸ナトリウム)業界の世界市場規模】
当データベースでは、調査会社IMARCの公表データを参考にし、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)の2023年の世界市場規模を198億ドルとして市場シェアを計算しております。
調査会社IMARCによると、2023年の同業界の市場規模は198億ドルです。2032年にかけて年平均4.6%で成長し、同年には301億ドルへと規模が拡大すると予測しています。⇒参照したデータの詳細情報
年 | 市場規模(億ドル) | 成長率 |
2023年 | 198 | – |
2032年 | 301 | 4.6%/年 |
ソーダ灰(炭酸ナトリウム)業界の市場規模の予想成長推移 ©2024 Deallab
ソーダ灰の作り方
ソーダ灰は、塩を化学反応させることで生まれる化学製品で、炭酸ナトリウムまたは炭酸ソーダともいわれます。アルカリ性の物質です。ケイ砂、石灰石とともにガラスの主原料となります。ソーダ灰は無機薬品や石鹸などの原料にもなっています。
アンモニアソーダ法では、塩、アンモニア、二酸化炭素、水を化学反応させ、重曹と塩化アンモニウムを取り出します。その後重曹を加熱し、ソーダ灰を取り出します。
NaCl+NH3+CO2+H2O →NaHCO3(炭酸水素ナトリウム、重曹)+NH4Cl(塩化アンモニウム)
2NaHCO3→Na2CO3(ソーダ灰、炭酸ナトリウム)+H2O
【M&Aの動向】
2017年 ジェネシスエナジーがトロノックスからアルカリ事業を買収
2021年 シセジャムとカムエリャフサナイが合併
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【会社の概要】
Solvay(ソルベイ)
ソルベイは、ベルギーに本社を置く化学企業です。1863年にアーネスト・ソルベイによって設立され、彼が発明したアンモニアソーダ法(ソルベイ法)を利用して、ソーダ灰を大量生産する技術が開発されました。ソルベイ社は、化学製品、特殊ポリマー、複合材料など、幅広い分野で事業を展開しています。環境への配慮や持続可能な開発にも注力しており、再生可能エネルギーやバイオベースの製品開発にも取り組んでいます。さらに詳しく
Genesis Energy(ジェネシスエナジー)
ジェネシスエナジーは、アメリカに本社を置く、上場マスターリミテッドパートナーシップ企業です。アルカリビジネス部門では、アメリカ国内外の市場に向けて天然ソーダ灰を供給しています。特に工業用ガラス製造において重要な役割を果たしており、トロナ鉱石の採掘から最終製品であるソーダ灰の加工までを担っています。エネルギーの輸送インフラに強みを持ち、ソーダ灰事業を含む広範なエネルギー関連サービスを提供しています。
GHCL
GHCLは1983年に設立されたインドに本拠を化学メーカーです。化学製品、繊維製品、消費財の分野で事業を展開しています。化学製品の中でもソーダ灰の生産ではインド大手です。
Şişecam(シセジャム)
トルコを拠点とするガラスおよび化学製品の製造企業で、世界的に知名度があります。1935年にトルコ政府の主導で設立され、現在ではトルコ最大級の企業グループの一つです。ソーダ灰の製造においても世界的に重要なプレーヤーであり、ガラスの製造プロセスに不可欠な原材料としてソーダ灰を提供しています。シセジャムのソーダ灰生産能力は非常に高く、特にトルコ国内および周辺地域におけるガラス製造産業にとって不可欠な供給源となっています。
Shandong Haihua(山東海化)
中国山東省に本社を置く大手化学企業です。主に化学品の製造、特にソーダ灰(炭酸ソーダ)や塩化カルシウム、ブロム、マグネシウム製品など、様々な化学製品の生産に特化しています。世界でも有数のソーダ灰の生産企業で、山東海化のソーダ灰は、中国国内市場のみならず、国際市場にも供給されています。
Tata Chemicals(タタ・ケミカルズ)
インドを代表する多国籍化学企業で、タタ・グループの一員です。1939年に設立され、本社はインドのムンバイにあります。Tata Saltはタタ・ケミカルズの最も有名な製品の一つであり、インド国内で広く消費されている食塩ブランドです。品質の高さと健康的な成分が評価されており、市場シェアも大きいです。ソーダ灰においては、インド、イギリス、ケニア、アメリカなどに製造拠点を持ち、グローバルな供給ネットワークを構築しています。さらに詳しく
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