ポンプ業界の世界市場シェアの分析

ポンプ業界の世界シェア、市場規模について分析をしています。グルンドフォス、ITT 、フローサーブ、ウィロ、KSB、スズラー、荏原製作所等世界的ポンプメーカーの概略も掲載しています。

世界市場シェア

「ポンプメーカーの世界売上高ランキング(2020年版)」のポンプ会社各社の売上高の情報を分子に、同業界の市場規模を分母にして、簡易にポンプ業界の2019年の世界市場シェアを計算すると、1位はデンマークのグランドフォスの6.6%、2位は米国のフローサーブの4.3%、3位はドイツのKSBの2.8%となります。

2019年ポンプ業界の市場シェア

  • 1位 グルンドフォス 6.6%
  • 2位 フローサーブ 4.3%
  • 3位 KSB 2.8%
  • 4位 ウィロ 2.6%
  • 5位 荏原製作所 2.6%
  • 6位 スルザー 2.5%
  • 7位 ガードナー・デンバー 1.9%
  • 8位 ITT 1.4%
  • 9位 ウィアー・グループ 1.2%
  • 10位 ローパーテクノロジーズ 1.1%
  • 11位  ゴーマンラップ 0.6%
  • 12位 上海凱泉泵業 0.7%
  • 13位 上海东方泵业 0.5%

1位はデンマークのグランドフォス社となりました。2000年代からポンプ周辺の買収を行い業界首位となりました。2位には北米のフローサーブ社となっています。流体コントロールの視点からポンプ事業を拡大しています。3位と4位はドイツのKSB社とウィロ社、5位は日本の荏原製作所となっています。6位にはロシアの投資会社であるRenova Groupが大株主のスイスの老舗ポンプメーカーであるスルザーが入っています。中国系のポンプメーカーは上海凱泉泵業(Shanghai Kaiquan Pump)、上海东方泵业 (Shanghai East Pump Group)がトップ10入りをうかがっています。

市場規模

調査会社のグランビューリサーチによれば2019年の産業用ポンプ業界の世界の市場規模は約626億ドルです。2024年にかけて年平均5.9%での成長を見込みます。当サイトでは、市場シェアの計算にあたり、市場規模として626億ドルを採用しております。

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世界の主要なポンプ会社

ITT

米国に本拠を置くポンプメーカー最大手です。鉄製のポンプを1800年代に販売しています。NY証券取引所に上場しています。

Flowserve(フローサーブ)

米国のテキサスに本拠を置く大手流体制御機器メーカーです。同社は1997年に有力な流体機器メーカーであったBW/IP社と Durco International社が合併し設立されました。2000年にポンプ大手のIDP、2014年にイタリアの真空・流体ポンプに強いSIHI Groupを買収し同事業を強化しています。

2019年度の売上構成は以下の通り。製品別の売上構成は流体制御機器が約3割、ポンプ部門が約7割となっています。地域別では北米、欧州、アジアとバランスよく展開しています。エンドマーケットでは石油・ガス、化学、重工業向けの比率が高いことが特徴です。

出所:同社アニュアルレポート

KSB

1871年に創業のドイツに本拠を置く老舗総合ポンプメーカーです。同族会社のため株式は公開されておりません。

Sulzer(スルザー)

1834年創業のスイスの老舗機械メーカーです。スルザーポンプ (Sulzer Pumps)がポンプ事業を展開しています。ロシアの投資会社であるRenovaグループが筆頭株主です。

Grundfos(グルンドフォス)

デンマークに本拠を置く大手産業用ポンプメーカーです。水処理向けのポンプに強みを持ちます。暖房、空調、給水、産業用、薬注、減菌、雑排といった用途のうず巻ポンプ、片吸込みポンプ、クーラントポンプ、水中ポンプ、定量ポンプ、循環ポンプを提供しています。2000年フィンランドの産業用ポンプメーカーのSarlin Pumps社、2004年にドイツのポンプメーカーHilge GmbH社、2005年にスイスのAlldos International AG社、イタリアのTesla, Srl社、2006年にスルザー社から北米のHVAC向けポンプメーカーのPACO Pumps社、2007年に北米のSterling Fluid Systems社、2012年に北米のEnaqua社を買収する一方で、2015年に飲料食品向けポンプのHilge GmbH社を独GEA社に売却しました。

Gardner Denver(ガードナー・デンバー)/インガソールランド

Ingersoll-Rand(インガソール・ランド)は、1871年に創業された米国に本拠を置く産業機器メーカーです。2020年に真空ポンプ、コンプレッサー等の産業機械メーカーであるGardner Denver(ガードナーデンバー)と経営統合を行いました。統合に先立ち、空調事業はトレーン・テクノロジーズとして分社化しています。インガソール・ランドからは、過去、鍵のアレジオン、冷凍ショーケースのハスマン(2015年にパナソニックへ売却)等各分野でトップクラスの企業が巣立っております。コンプレッサー・エアツールや輸送用冷凍装置の分野でも強いです。ゴルフカートでは、クラブカーブランドを展開し、世界最大級の規模です。

インガソール・ランドの事業は、Industrial Technologies(インダストリー・テクノロジーズ)Precision and Science Technologies(プレシジョン&サイエンス・テクノロジーズ)Specialty Vehicle Technologies(スペシャリティビークルテクノロジーズ)、High Pressure Solution(ハイプレッシャーソリューション)の4事業に分かれます。
インダストリー・テクノロジーズでは、主にコンプレッサーと真空ポンプを取り扱っています。空調機、冷凍機向けのコンプレッサーでは世界大手です。取り扱っているコンプレッサーブランドとして、CompAir、NASH、Garo、Emco Wheaton、Eimo Rietschleなどがあります。プレシジョン&サイエンス・テクノロジーズでは、定量ポンプ(metering pump)、膜ポンプ(diaphragm pump)、ピストンポンプ、薬投与ポンプ(dosing pump)、シリンジポンプ(輸液ポンプ、Syringe Pump)、Peristaltic Pump(投薬ポンプ)などのポンプを手がけています。スペシャリティビークルでは、クラブカーブランドのゴルフカートやその他カートなどの製品を手がけています。同分野ではTextron(テキストロン)やヤマハと並ぶ大手です。ハイプレッシャーソリューションは、エネルギーの上流権益開発のためのドリルポンプや粉砕ポンプを製造しています。

錠前や鍵の事業も手掛けていましたが、Allegion(アレジオン)として分社化独立しています。

2015年 商業用冷凍庫メーカーのハスマンの株式持分を売却
2014年 輸送用冷凍装置を手掛けるドイツのFRIGOBLOCKを買収
2014年 ポンプ向けコンプレッサー等を手掛ける事業をCameron International より買収
2012年 錠前や鍵事業をAllegion(アレジオン)を分社化上場
2007年 空調機大手のTrane(トレイン)を買収
2007年 建機向けパーツメーカーのBobcatを韓国の斗山インフラコアへ売却
2007年 ボルボによる道路工事機器事業の買収
2004年 鍵やセキュリティを手掛けるイタリアのCISAを買収
2004年 投資ファンドによるDresser-Randの買収
2002年 ティムケンによるベアリング事業の買収
2000年 超硬工具業界大手のIngersoll Cutting Toolsの売却
2015年 冷凍・冷蔵ショーケースのHussmann(ハスマン)をパナソニックに売却
2019年 トレイン・テクノロジーズの分社化上場
2020年 ガードナーデンバーとの経営統合

Roper Technologies(ローパーテクノロジーズ)

米国の制御機器メーカーです。ヤフーファイナンスによれば、主に医療・科学用画像装置、エネルギーシステム・制御機器、流量管理、ラジオ周波数製品の製造、販売を行います。主要製品として高性能デジタル画像製品、携帯・車載業務用コンピューターやソフトウエア、コントロールシステム、ポンプ、産業用バルブ、検査・測定機器、無線ICタグなどを提供しています。

Gorman-Rupp(ゴーマンラップ)

北米に本拠を置くポンプメーカーです。ブルームバーグによれば、ポンプおよび関連流体制御機器の設計、製造、販売に従事しています。主な製品用途は、建設、工業、石油、上下水道、OEM、農業、消防、軍事などです。

Ebara(荏原製作所)

日本を代表する総合ポンプメーカーです。日本の蛇口をひねると3個に1個は同社のポンプが使われていると言われているほど、国内における地位は盤石です。2020年に欧州・中東・アフリカ地域への事業拡大を目指し、トルコの深井戸モータポンプ大手であるバンサン(Vansan)社を買収しました。

Weir(ウィアー)

1871年に創業をした英国スコットランドに本拠を置く大手老舗ポンプメーカーです。ロンドン証券取引所に上場しています。

Baker Hughes(ベーカー・ヒューズ)

米国に本拠を置く資源開発大手です。子会社のBJ Services Companyにて圧力ポンプを手掛けています。2014年に米同業のHalliburton(ハリバートン)が買収を発表するものの断念しました。

Schlumberger(シュルンベルジェ)

米仏に本拠を置く資源開発大手です。横軸ポンプに強みを持ちます。2016年に掘削器具大手のキャメロン・インターナショナル・コーポレーションと経営統合しました。

SPX

Clyde Union(クライドユニオン)ブランドで事業を展開しています。

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