鉛蓄電池業界の世界市場シェアの分析

蓄電池業界の世界市場シェアと市場規模について分析しています。クラリオス、エキサイド、GSユアサ、エネシス、イーストペン、ティエンノン・パワー、チャオウェイ・パワーといった鉛畜電池メーカーの一覧も掲載しています。

【鉛蓄電池業界とは】

鉛蓄電池業界は、主に自動車や産業用途、非常用電源などに使用される鉛蓄電池の製造と販売を行っています。鉛蓄電池は、その高い信頼性とコストパフォーマンスから幅広い分野で利用されており、その市場は非常に大きいです。

鉛蓄電池業界の世界市場シェアは成長しており、自動車産業やUPSなどの需要増加が主な要因となっています。一方で、リチウムイオン電池の価格低下と採用の増加が市場の成長に一定の制約を与えています。

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【鉛蓄電池業界の市場シェア】

鉛蓄電池業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年の鉛蓄電池業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はクラリオス、2位はティエンノン・パワー、3位はチャオウェイ・パワーとなります。

鉛蓄電池メーカーの市場シェアと業界ランキング(2023年)

順位 Company name
(English)
会社名 市場シェア
1位 Clarios クラリオス 24.91%
2位 Tianneng Power ティエンノン・パワティエンノン・パワー 15.30%
3位 Chaowei Power イーチャオウェイ・パワー 13.03%
4位 GS Yuasa チャオウェイ・パワGSユアサ 10.62%
5位 East Penn イーストペン 8.71%
6位 EnerSys エナーシス 4.32%
7位 Amara Raja Batteries Ltd アマララジャバッテリー 2.80%
8位 C&D Technologies Inc. C&Dテクノロジーズ 1.54%
9位 Energywith エナジーウィズ 1.05%
10位 Exide Technologies エキサイドテクノロジーズ 0.51%
鉛蓄電池の世界市場シェアと業界ランキング(2023年) ©2025 Deallab

耐久性や費用対効果といった鉛蓄電池の利点にもかかわらず、業界は大きな課題に直面しています。成長を制限する主な要因には、鉛電池が環境に及ぼす悪影響や、コスト低下と技術進歩によるリチウムイオン電池の採用増加などがあります。

鉛蓄電池市場は非常にダイナミックで競争が激しく、クラリオス、ティエンノン・パワー、

GS Yuasa、EnerSys、Exide Industries Ltd.、East Penn Manufacturing、などの主要企業が市場シェアを争っています。

【市場規模】

当データベースでは、2023年の鉛蓄電池業界の市場規模を403億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社グランドビューリサーチによると、2023年の同業界の市場規模は403億ドルです。2030年にかけて年平均4.6%で成長し、規模は552億ドルへと拡大することを見込んでいます。

市場規模 年平均成長率
2023 403億ドル
2032 552億ドル 4.6%

鉛蓄電池業界の市場規模の成長予想 ©2025 Deallab

【M&Aの動向】

2023年 クラリオス、パラゴンのバッテリー部門を買収

2024年 エナーシス、ブレントロニクスの買収を完了し、重要な防衛アプリケーションでのプレゼンスを拡大

2024年 Exide Technologies が BE-Power GmbH を買収し、リチウムイオン技術とエネルギー貯蔵ソリューションの革新をさらに推進

【会社の概要】

Clarios(クラオリス)

米国に本社を置く自動車部品、ビル管理や電力システム関連企業であるJohnson Controls(ジョンソン・コントロールズ)から、2018年に自動車の鉛バッテリー事業を含むパワーソリューション事業を約1兆5000億円でブルックフィールド・ビジネスパートナーズおよびケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)が買収しClariosが誕生しました。世界に流通する鉛バッテリーの約3割は同社製と言われています。

ジョンソンコントロールズについて

Johnson Controls(ジョンソンコントロールズ)は、1885年に設立された米国に本社を置く業務用空調制御システム、セキュリティシステム、火災検知システム、ビル管理サービスを提供する会社です。電気式サーモスタットを発明した歴史を持ちます。2016年に火災警報分野に強いTyco(タイコ・インターナショナル)と経営統合をしました。世界150ヵ国で展開し、エネルギー効率ソリューションや各種オートメーション事業を展開しています。自動車用のバッテリー等の分野に強みがありましたが2018年に売却しました。さらに詳しく

天能動力(Tianneng Power、ティエンノン・パワー)

1986年に設立された中国に本拠をおく蓄電池メーカーです。リニューアブルや、電動バイク、電気自動車向けの鉛蓄電池の製造販売を行っています。

GSユアサ

日本を代表する蓄電池メーカーです。2004年に京都の名門島津グループの日本電池(GS)と関西のバッテリーの名門ユアサが合併し誕生しました。車載向けは三菱商事との合弁であるリチウムエナジージャパン、ホンダとの合弁会社であるブルーエナジーを通じて供給を行っています。2020年はブルーエナジーのバッテリーがトヨタ自動車に採用されたことが話題になりました。GSユアサ以外の日本勢では旧日立化成(2016年にイタリアの自動車部品会社フィアム社から自動車・産業用の鉛蓄電池買収を発表)、古河電池が大手です。

East Penn(イースト・ペン)

1946年創業の米国に本拠を置く大手鉛電池メーカーです。

Edison Group(エディソングループ)

米国に本拠を置く鉛蓄電池メーカーです。自動車用はEXIDE Technologies(エキサイドテクノロジーズ)、産業用はGNB Industrial Power(ジーエヌビーインダストリアルパワー)にて事業を展開していました。2020年5月にチャプター11を申請しました。その後、再生ファンドであるアトラスホールディングス傘下に入り、Stryten社と名称を変えEdison Group(エディソングループ)を形成しています。欧州とアジア事業はExide Technologiesとして独立をしました。

フランスに本拠をおく鉛蓄電池メーカーです。2020年に旧エキサイドから分社化独立しました。自動車、オフロード、マテリアルハンドリング、ステーション、鉄道、防衛向けの鉛蓄電池を開発製造しています。

エナジーウィズ

旧日立化成の鉛蓄電池事業です。日立化成が昭和電工に買収された後、昭和電工マテリアルズとなりました。同社の鉛蓄電池事業は、2021年にアドバンテッジパートナーズへ売却され、エナジーウィズが誕生しました。

EnerSys(エナーシス)

1999年に設立された米国に本拠を置く産業用鉛蓄電池大手です。フォークリフト、無停電電源、アンテナ向けの蓄電池にも強みを持ちます。買収を通じて成長し、2002年に英Hawker社、英Invensysのパワーストレージ事業、2011年にニッケルバッテリー大手のErgon Batteries、2013年にブロードバンドや通信向けのバッテリーキャビネットを手掛けるパーセルシステムを買収しています。

超威動力(Chaowei Power、チャオウェイ・パワー)

中国に本拠をおく鉛蓄電池メーカーです。2020年は電動バイク向けの売上が約7割占めています。中国に8箇所の工場を有しています。

Banner Batteries(バナーバッテリーズ)

1937年に設立されたオーストリアに本拠をおく蓄電池メーカーです。

参照したデータの詳細情報について


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